「白山」の版間の差分
m →参考文献: Wikipedia:表記ガイド#具体例による説明「空白には、いわゆる半角の空白「 」を用います。いわゆる全角の空白「 」は使わないでください。」に基づき、全角空白を半角に修正。他。 |
|||
(100人を超える利用者による、間の176版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
{{Otheruses}} |
|||
{{otheruses|白山}} |
|||
{{Infobox 山 |
{{Infobox 山 |
||
|名称=白山 |
|名称 = 白山 |
||
|画像=[[ |
|画像 = [[File:Mount Haku from Onanjimine 2011-07-17.jpg|300px]] |
||
|画像キャプション = |
|画像キャプション = 大汝峰から望む白山(剣ヶ峰と御前峰)と火口湖 |
||
|標高=2,702.<small> |
|標高 = 2,702.<small>14</small><ref name="kijun">{{Cite web|和書|url=https://sokuseikagis1.gsi.go.jp/top.html |title=基準点成果等閲覧サービス |publisher=[[国土地理院]] |accessdate=2014-07-30}}</ref> |
||
|座標={{ウィキ座標2段度分秒|36|09|18|N|136|46|17|E}}<ref>[ |
|座標 = {{ウィキ座標2段度分秒|36|09|18|N|136|46|17|E|type:mountain_region:JP|display=inline,title}}<ref>[https://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa41139.html 日本の主な山岳標高(石川県)] 国土地理院、2010年12月6日閲覧。</ref> |
||
|所在地= |
|所在地 = {{JPN}}<br />[[石川県]][[白山市]]<br />[[岐阜県]][[大野郡]][[白川村]] |
||
|山系=[[両白山地]] |
|山系 = [[両白山地]] |
||
|種類=[[ |
|種類 = [[成層火山]]([[活火山]]ランクC) |
||
|初登頂=717年 (泰澄上人) |
|初登頂 = 717年 (泰澄上人) |
||
|地図={{ |
|地図 = {{Location map|Japan Mapplot|label=白山|mark=RedMountain.svg|marksize=20|coordinates={{Coord|36.164245|136.769008}}|caption=|width=300}}{{Infobox mapframe|zoom=09|marker=mountain|frame-width=300|type=point|coord={{coord|36|09|18|N|136|46|17|E}}}}白山の位置{{日本の位置情報|36|09|18|136|46|17|白山(金沢)|36.164245,136.769008|白山}}}} |
||
'''白山'''(はくさん)は、[[日本]]の[[北陸地方]]、[[白山国立公園]]内<ref group="注" name="kouen">1962年(昭和37年)11月12日に国定公園から国立公園に昇格し、白山国立公園に指定された。山域はその特別保護地区である。[https://www.env.go.jp/park/hakusan/intro/index.html 白山国立公園の概要] [[環境省]]、2011年2月11日閲覧。</ref>の[[石川県]][[白山市]]と[[岐阜県]][[大野郡]][[白川村]]にまたがる[[標高]]2,702[[メートル|m]]の[[活火山]]<ref name="naikakubousai">[https://www.bousai.go.jp/kohou/kouhoubousai/h28/86/volcano.html 日本の火山 vol.41 白山(石川県・岐阜県)] - 内閣府防災情報のページ</ref>。[[両白山地]]の北部に位置する加越山地(加賀山地)の[[最高峰]]である<ref>[https://nlftp.mlit.go.jp/kokjo/tochimizu/F3/data/pdf/2125t.pdf 土地分類基本調査「越前勝山・白山」(p.11-12)] - 2006年、国土交通省</ref>。[[富士山]]、[[立山]]とともに[[日本三霊山]]の一つである<ref group="注">[[日本三大一覧#山岳]]も参照</ref><ref name="naikakubousai" />。[[日本百名山]]<ref>『日本百名山』 [[深田久弥]](著)、[[朝日新聞社]]、1982年7月、ISBN 4-02-260871-4、pp321-324</ref>、[[新日本百名山]]<ref>『新日本百名山登山ガイド〈上〉』 [[岩崎元郎]](著)、[[山と溪谷社]]、2006年4月、ISBN 4-635-53046-9、pp154-157</ref>、[[花の百名山]]<ref>『花の百名山』(愛蔵版) [[田中澄江]](著)、[[文春文庫]]、1997年6月、ISBN 4-16-352790-7、pp209-212</ref>および[[新・花の百名山]]<ref>『新・花の百名山』 田中澄江(著)、文春文庫、1995年6月、ISBN 4-16-731304-9、pp292-295</ref>に選定されている。 |
|||
}} |
|||
'''白山'''(はくさん)は、[[白山国立公園]]内の[[石川県]][[白山市]]と[[岐阜県]][[白川村]]にまたがる、[[標高]]2,702[[メートル|m]]の[[山]]である。[[日本百名山]]<ref>[[深田久弥]]の著書『日本百名山』([[朝日新聞社]]、ISBN 4-02-260871-4)</ref>、[[新日本百名山]]<ref>[[岩崎元郎]]の著書『ぼくの新日本百名山』(朝日新聞社、ISBN 4-02-261526-5)</ref>、[[花の百名山]]<ref>[[田中澄江]]の著書『花の百名山』([[文春文庫]]、ISBN 4-16-352790-7)</ref>及び[[新・花の百名山]]<ref>田中澄江の著書『新・花の百名山』(文春文庫、ISBN 4-16-731304-9)</ref>に選定されている山である。最高点の御前峰(ごぜんがみね)には、[[一等三角点]]がある。 |
|||
[[富士山]]、[[立山]]と共に[[日本三大一覧|日本三名山]]([[日本三霊山]])のひとつである。 |
|||
== 概要 == |
== 概要 == |
||
[[File:Hakusan Volcano Relief Map, SRTM-1.jpg|thumb|白山の地形図]] |
|||
白山は、[[富山県]]、[[石川県]]、[[福井県]]、[[岐阜県]]の4県にまたがる[[両白山地]]の中央に位置し、その[[最高峰]]である。山頂周辺は、[[成層火山]]となっている。30万年から40万年前から[[火山活動]]を始め[[1659年]]([[万治]]2年)の[[噴火]]が最も新しい。最高峰の御前峰([[標高]]2,702m)・剣ヶ峰 (2,677m) ・大汝峰 (2,684m) の「白山三峰」を中心として、周辺の山峰の総称である。そのため厳密には、現在の県境は、石川・福井・岐阜・[[富山県|富山]]に跨る。また、[[別山 (両白山地) |別山]]・三ノ峰を加えて「白山五峰」という。「[[白山連峰]]」と呼ばれることもある。 |
|||
白山は、[[富山県]]、[[石川県]]、[[福井県]]、[[岐阜県]]の4県にまたがる{{sfn|昭文社|2021|p=26}}<ref name="fukui20220701">{{Cite news|url = https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1580378|title = 福井市から1時間半で登山口、2000メートル級の峰々が広がる白山…「いつかは」でなく今夏に登ってほしい【ふくいのそと遊び】|newspaper = 福井新聞ONLINE|archiveurl = https://web.archive.org/web/20220701100250/https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1580378|date = 2022-07-01|archivedate = 2022-07-01|accessdate = 2023-02-17}}</ref>。山頂周辺は、[[成層火山]]となっている{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=118}}。30万年から40万年前から[[火山活動]]を始め[[1659年]]([[万治]]2年)の[[噴火]]が最も新しい<ref name="naikakubousai"/>。白山とは、最高峰の御前峰([[標高]]2,702m)・[[剣ヶ峰]](2,677m)・大汝峰(2,684m)の「白山三峰(白山三山)」を中心とした周辺の山峰の総称である<ref name="naikakubousai"/><ref name="fukui20220701"/>{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=120}}。よって厳密には単独峰ではないため、単に「白山」と称した場合は、その跨ぐ県境は石川・福井・岐阜・富山各県に及ぶ。また、[[別山 (両白山地)|別山]]・[[三ノ峰 (両白山地)|三ノ峰]]を加えて「白山五峰」という。「[[白山連峰]]」と呼ばれることもある。 |
|||
[[北陸地方]]の中では標高の高い山であるため、他の山では残雪が消えた季節でも「白い山」として遠方からでも一目で判明できる山である。また、白くなった白山は北陸に晩秋が訪れた象徴ともなる。 |
|||
=== 三主峰 === |
|||
なお、かつては『越白嶺』と書いて『こしのしらね』と呼ばれ、その名残が現在の白山周辺の地名『白峰』として残っている。その後、『白山』と書いて『しらやま』と読む時期を経て、現在の呼称となっている<ref>[[古事類苑]]に拠る。</ref>。 |
|||
白山の山頂部は先述の御前峰、剣ヶ峰、大汝峰の三つの峰で形成されている<ref name="kazan">[https://www.pref.ishikawa.lg.jp/hakusan/publish/sizen/documents/sizen12.pdf 白山の自然誌12 白山火山] - 2018年3月、石川県白山自然保護センター</ref>。このうち大汝峰は古白山火山の噴出物、御前峰と剣ヶ峰は新白山火山の噴出物からなる<ref name="kazan" />。 |
|||
最高点の御前峰(ごぜんがみね)には、[[一等三角点]]と[[白山比咩神社]]奥宮がある。[[1873年]](明治6年)に白山山頂の社殿を白山比咩神社奥宮とし、[[1951年]](昭和26年)に白山山頂部は白山比咩神社の境内地となった<ref name="sizen" />。 |
|||
白山山頂には[[1937年]](昭和12年)に[[矢作水力]]が奉納した方位盤があったが、2007年(平成19年)に落雷で破損したため工務店の倉庫で保管されていた<ref name="hokkoku20231229">[https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1277282 白山比咩神社、方位盤を山頂から境内移設 雷で破損、歴史や自然物語る] - 2023年12月29日、北國新聞</ref>。この方位盤は2023年(令和5年)12月に[[白山比咩神社]]境内の白山奥宮遥拝所に移設された<ref name="hokkoku20231229" />。 |
|||
=== 山名の由来 === |
|||
「白山」の名は一年の大半を雪に覆われていることに由来するという<ref name="40-4h">[https://www.pref.ishikawa.lg.jp/hakusan/publish/hakusan/documents/40-4h.pdf 東野外志男、日比野剛「白山手取川ジオパーク」] - 石川県白山自然保護センター普及誌「はくさん」第40巻第4号、2013年、石川県白山自然保護センター</ref>。古くは都人から「越のしらね」あるいは「越のしらやま」と称され、『[[古今和歌集]]』の中でも「しらやま」として詠われた([[凡河内躬恒]]「消えはつる 時しなければ 越路なる しら山の名は 雪にぞありける」など)<ref name="40-4h" />。 |
|||
== 歴史 == |
== 歴史 == |
||
[[File:Hakusan Shrine in Murodo 2008-7-1.jpg|thumb|right|240px|室堂から望む白山神社と御前峰]] |
|||
:古くから霊峰として[[白山信仰]]があり、中世には白山修験の[[霊山]]として栄えた。 |
|||
<!-- 出典の提示をお願いします(出典のない記述は削除される場合があります) --> |
|||
*[[706年]]([[慶雲]]3年) - 白山の噴火により[[山火事]]が発生したと記録されている。 |
|||
{{See also|白山信仰}} |
|||
*[[717年]]([[養老]]元年) - [[泰澄]]上人が[[開山]]した。 |
|||
白山を霊峰とする[[白山信仰]]は古くからあり、[[中世]]には白山は白山修験の[[霊山]]として栄え、登山口には修験の[[道場]]がひらかれて白山信仰の全国的広がりのもととなった<ref group="注">平泉(2004)</ref>。日本各地に約2,700社の[[:category:白山神社|白山神社]]があり、[[白山比咩神社]](石川県白山市)がその総本宮となっている{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=118}}{{sfn|昭文社|2021|p=27}}。 |
|||
*[[832年]]([[天長]]9年) - 越前・加賀・美濃の三方から白山への登拝道([[禅定道]])が開かれた。 |
|||
* [[717年]]([[養老]]元年) - [[泰澄]]上人が[[開山 (仏教)|開山]]したと伝わる{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=118}}{{sfn|昭文社|2021|p=27}}<ref>『日本の山1000』 山と渓谷社、1992年10月、ISBN 4-635-09025-6、pp504-505</ref>{{Refnest|group="注"|ここでいう開山は必ずしも山頂に立ったという意味ではなく「[[本地垂迹説]]に基づく白山信仰の体系化」であったとみられている<ref name="sizen" />。一方で泰澄上人伝説をフィクションとする見解もある<ref name="sizen" />。}}。 |
|||
*[[905年]]([[延喜]]5年)から - [[古今集]]の中で「しらやま」として詠われた。<ref>[[紀貫之]]は「思ひやる越のしら山しらねどもひと夜も夢にこえぬ夜ぞなき」と詠んだ。[[大江千古]]は、『君がゆく越のしら山しらねども雪のまにまにあとはたづねむ』と詠んだ。</ref> |
|||
*[[ |
* [[832年]]([[天長]]9年) - 越前・加賀・美濃の三方から白山への登拝道([[禅定道]])が開かれたという<ref name="sizen" />。 |
||
* [[848年]]([[嘉祥]]元年) - 勅により神殿仏閣が造立され、[[鎮護国家]]の道場と定められる(『白山之記』)<ref name="history">[http://www.shirayama.or.jp/hakusan/history.html 白山比咩神社公式ウェブサイト「歴史」]</ref>。 |
|||
*[[1554年]]([[天文 (日本)|天文]]23年) - 翌年に渡って活発な火山活動が続いたとされている。 |
|||
*[[ |
* [[1163年]]([[長寛]]元年) - 白山比咩神社の最古の縁起書『白山記』(『白山之記』)で白山登拝の原型ができたとする<ref name="sizen" />。 |
||
* [[1183年]]([[寿永]]2年) - [[源義仲]]が[[倶利伽羅峠の戦い]]の戦勝により白山比咩神社に神馬を奉納。同年、[[源頼朝]]が神領の[[寄進]]をおこなう(『[[平家物語]]』)<ref name="history"/>。 |
|||
*[[1668年]]([[寛文]]8年) - [[江戸幕府]]が地元の[[藩主]]から白山周辺の土地を取り上げ直轄領とした。 |
|||
* 1480年(文明12年) - 大火により白山比咩神社の40余りの堂塔[[伽藍]]がすべて焼失。末社三宮が鎮座していた現在地へ遷る<ref name="history"/>。 |
|||
*[[1871年]]([[明治]]4年)[[8月29日]] - [[廃藩置県]]が行われ、その翌年に白山周辺の土地は、石川県に属するようになった。 |
|||
* [[1554年]]([[天文 (元号)|天文]]23年)4月1日 - 白山が噴火。以降[[1556年]]([[弘治 (日本)|弘治]]2年)に噴火が止むまで噴火が続く<ref>『ふるさと石川歴史館』(2002年6月10日、北國新聞社発行)527頁。</ref>。 |
|||
*[[1872年]](明治5年) - [[太政官]]通達により神社仏閣地の[[女人禁制]]が解かれ、[[鳥取県]]の女性が白山に初登頂したとされている。 |
|||
* [[1659年]]([[万治]]2年)6月 - 白山が噴火、これが最も新しい噴火である<ref name="naikakubousai"/>{{sfn|昭文社|2021|p=27}}。 |
|||
*[[1874年]](明治7年) - [[ドイツ人]]の[[地質学者]]である[[ヨハネス・ユストゥス・ライン]]が白山に登頂し、採取した[[化石]]を調査した。 |
|||
* [[1668年]]([[寛文]]8年) - [[江戸幕府]]が白山麓18ヶ村を直轄領(天領)とする<ref name="sizen">[https://www.pref.ishikawa.lg.jp/hakusan/publish/sizen/documents/sizen38.pdf 白山の自然誌38 白山登山のうつりかわり] - 2018年3月、石川県白山自然保護センター</ref>。 |
|||
[[ファイル:Hakusan Top 2010-6-11.JPG|thumb|right|240px|白山頂上の[[一等三角点]]]] |
|||
* [[1822年]]([[文政]]5年) - 本草学者の[[畔田伴存]]が登山を行い、『白山草木志』に草本59、苔類7、木本26、虫3、魚1、鳥3、石1、土2、水3種を記載(白山最初の博物誌)<ref name="sizen" />。 |
|||
*[[1893年]](明治26年) - 山頂の三角点が[[一等三角点]](点名は白山)に選定された。 |
|||
* [[1871年]]([[明治]]4年)[[8月23日]] 、 [[8月24日]] - 福井藩のお雇い外国人[[ウィリアム・グリフィス|ウィリアム・エリオット・グリフィス]](アメリカ人)が白山に登り、下山。外国人では初めての白山登山であった<ref>山下英一「グリフィスと白山-日本は海のスイス-」(『若越郷土研究』32の3 福井県郷土誌懇談会刊 1987年 p33-43</ref><ref>『白山登山のうつりかわり』石川県白山自然保護センター刊 2018年 p13</ref>。 |
|||
*[[1918年]]([[大正]]7年) - [[日本百名山]]の[[著者]]である[[深田久弥]]氏が、中学生の時に友人と二人で登頂。 |
|||
* [[1871年]]([[明治]]4年)[[8月29日]] - [[廃藩置県]]。白山を含めた白山麓18ヶ村は当初は福井側とされたが、[[1872年]](明治5年)以降は石川県に帰属することになった<ref name="sizen" />。 |
|||
*[[1921年]](大正10年) - 岩間道の登山道が開設された。 |
|||
* 1872年(明治5年) - [[太政官布告]]により[[女人禁制]]が解かれ、[[鳥取県]]の女性が白山に初登頂したとされる<ref name="sizen" />。 |
|||
*[[1955年]]([[昭和]]30年) - 一帯が白山[[国定公園]]に指定された。 |
|||
*[[ |
* [[1873年]](明治6年) - 白山山頂の社殿を白山比咩神社奥宮とする<ref name="sizen" />。 |
||
* [[1874年]](明治7年) - [[ドイツ人]]の[[地質学者]]である[[ヨハネス・ユストゥス・ライン]]が白山に登頂し地質調査を行う<ref name="sizen" />。 |
|||
*[[1991年]]([[平成]]3年) - [[白山瀬女高原スキー場]]が営業を開始した。 |
|||
[[File:Hakusan Top 2010-6-11.JPG|thumb|right|240px|白山頂上の[[一等三角点]]]] |
|||
*[[1999年]](平成11年) - 白山室堂([[山小屋]])が食事提供を中止し、その年間宿泊者数が1万人台に減少した。 |
|||
* [[1893年]](明治26年) - {{要出典範囲|山頂の三角点が[[一等三角点]](点名は白山)に選定された。|date=2023年12月}} |
|||
*[[2002年]](平成14年)[[8月2日]] - 「白山室堂リニューアルオープン式典」が[[石川県知事]]参加のもと行われ、食事提供が再開されその年間宿泊者数が2万人台に回復した。 |
|||
* [[1925年]](大正14年) - 白山比咩神社所有の白山縁起が国の[[重要文化財]]に指定された{{refnest|group="注"|現行の文化財制度では[[1950年]](昭和25年)[[8月29日]]に重要文化財に指定<ref>{{Cite web|和書|url = https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kyoiku/bunkazai/syoseki/3.html#engi|title = 紙本支那禅刹図式 寺伝五山十刹図・羅漢供養講式稿本断簡 道元筆・紙本墨書 白山縁起|publisher = 石川県教育委員会文化財課|date = 2010-09-14|accessdate = 2023-02-17}}</ref>。}}。 |
|||
*[[2005年]](平成17年)[[2月1日]] - [[松任市]]と[[石川郡 (石川県)|石川郡]][[美川町]]・[[鶴来町]]・[[河内村]]・[[吉野谷村]]・[[鳥越村]]・[[尾口村]]・[[白峰村]]が合併して[[白山市]]となった。 |
|||
* [[1951年]](昭和26年) - 白山山頂部が[[白山比咩神社]]境内地となる<ref name="sizen" />。 |
|||
*[[2009年]](平成21年)[[6月2日]] - 石川県白山自然保護センターが絶滅したとされていた[[ライチョウ]]の雌1羽を確認した。 |
|||
* [[1955年]]([[昭和]]30年)[[7月1日]] - 一帯が白山[[国定公園]]に指定{{sfn|白川村|1998|p=744}}。 |
|||
* [[1962年]](昭和37年)[[11月12日]] - 白山国定公園を[[白山国立公園]]に指定変更{{sfn|白川村|1998|p=747}}<ref>{{Cite web|和書|url = https://www.city.katsuyama.fukui.jp/uploaded/attachment/9185.pdf|title = 広報かつやま 第439号|publisher = 勝山市秘書広報課|date = 1992-06-11|accessdate = 2023-02-17|format = PDF|page = 2}}</ref><ref>{{Cite news|url = https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/809031|title = 白山・立山・富士山、日本三霊山で連携 石川、富山、静岡3県知事が懇談、合意|newspaper = 北國新聞|archiveurl = https://web.archive.org/web/20220728074630/https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/809031|date = 2022-07-28|archivedate = 2022-07-28|accessdate = 2023-02-17}}</ref>。 |
|||
* [[1977年]](昭和52年)[[8月26日]] - [[白山白川郷ホワイトロード|白山スーパー林道]](当時)が開通{{sfn|白川村|1998|p=566}}。 |
|||
* [[1980年]](昭和55年)[[8月22日]] - [[皇太子徳仁親王|浩宮徳仁親王]]が別当出合から砂防新道を利用し登頂し、白山室堂に宿泊した<ref>『歩いてみたい日本の名山』 EDICO(著)、西東社、2004年5月、ISBN 4-791-61227-2、P208</ref>。 |
|||
* 1980年(昭和55年) - 国内で初の[[ユネスコエコパーク]]に登録。 |
|||
* [[2002年]](平成14年) - 白山室堂ビジターセンターリニューアルオープン<ref name="sizen" />。 |
|||
* [[2003年]](平成15年)[[7月1日]] - 石川県出身の深田久弥が生誕100年である白山の山開きの日に、『山を愛した文学者深田久弥 生誕100年(北陸 石川)』の北陸ふるさと[[切手]]が、[[郵便局]]から発売された<ref>[https://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/furusato/2003/0701yama/index.html 平成15年ふるさと切手 「山を愛した文学者(深田久弥生誕100年)」の発行] 日本郵政、2011年2月6日閲覧。</ref>。白山を背景に登山時の人物像が描写されている<ref>『日本百名山と深田久弥』 高辻謙輔(著)、白山書房、2004年11月、ISBN 4-894-75089-9、P190</ref>。 |
|||
* [[2005年]](平成17年)[[2月1日]] - [[松任市]]と[[石川郡 (石川県)|石川郡]][[美川町 (石川県)|美川町]]・[[鶴来町]]・[[河内村 (石川県)|河内村]]・[[吉野谷村]]・[[鳥越村]]・[[尾口村]]・[[白峰村]]が合併して[[白山市]]となった。 |
|||
* [[2009年]](平成21年)[[6月2日]] - 石川県白山自然保護センターが絶滅したとされていた[[ライチョウ]]の雌1羽を確認した。 |
|||
* [[2011年]](平成23年)9月 - [[白山手取川ジオパーク]]が日本[[ジオパーク]]委員会から認定される<ref name="40-4h" /><ref name="sizen" />。 |
|||
* 2023年(令和6年)5月24日‐白山市全域が白山手取川ユネスコ世界ジオパークに認定された。 |
|||
== |
== 地学 == |
||
[[ |
[[File:Old volcano mount Haku 2008-10-02.jpg|thumb|right|220px|大汝峰から望む火の御子峰<br />(古白山火山の浸食跡)]] |
||
[[File:Pond Midorigaike 2008-10-2.jpg|thumb|right|220px|山頂部の[[火口湖]]の翠ヶ池<br />(新火山白山)]] |
|||
白山一帯は国立公園([[白山国立公園]])に指定されている。白山の中腹は急峻なところが多く、道路もほとんど無いため人跡未踏の場所も少なくない。また、国指定白山[[鳥獣保護区]](大規模生息地)に指定されている(面積38,061[[ヘクタール|ha]])。周辺は豪雪地帯で、冬には山全体が真白になる。また山頂部には、カンクラ雪渓、水屋尻雪渓、千蛇ヶ池雪渓、ヒルバオ雪渓などの雪渓があり、夏の終わりまで雪が残っていて、[[万年雪]]となる所もある。室堂の下部付近から上は、[[森林限界]]の[[ハイマツ]]帯となっている。山頂付近には、最大の翠ヶ池(みどりがいけ)、紺屋ヶ池(こんやがいけ)、油ヶ池、血の池、千蛇ヶ池(せんじゃがいけ)、五色池、百姓池の7つの[[火口湖]]がある。最大の池は、大汝峰と剣ヶ峰の間にある翠ヶ池である。<ref>[http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.aspx?b=360938&l=1364611 国土地理院の地形図]</ref> |
|||
=== 活火山 === |
|||
白山はランクCの[[活火山]]である<ref>[https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/313_Hakusan/313_index.html 活火山・白山] 気象庁HP、2011年2月14日閲覧。</ref>。山頂部には、約15個の爆裂火口があり、一部が翠ヶ池などの[[火口湖]]となっている。翠ヶ池の南隣りにある鍛冶屋地獄火口が、最も新しい1659年の噴火で形成されたものと考えられている。 |
|||
* 約40万年前 - 加賀禅定道の加賀室跡に[[成層火山]]の加賀室火山があったと推定されている<ref>[http://www.g-hakusan.gr.jp/story/story.html 白山ものがたり] ぐるっと白山、2011年2月14日閲覧。</ref>。 |
|||
* 約10万年前 - 山頂北側の地獄谷([[手取川]]水系中川の源流部)付近に、'''古白山火山'''が形成された。山体の大部分は浸食で失われ、地獄谷の東側の火の御子峰の荒れた岩肌にその一部を見ることができる。その地獄谷の下流には岩間の噴泉塔群がある。 |
|||
* 約3 - 4万年前 - 現在の山頂部に'''新白山火山'''が形成された{{sfn|昭文社|2021|p=26}}。 |
|||
* 約4,400年前 - 御前峰と剣ヶ峰にあった円錐形の火山は、東側に大崩落して、[[大白川ダム|白水湖]]まで岩屑崩れが発生した。 |
|||
* 約2,000年前 - 剣ヶ峰の[[溶岩ドーム]]が形成された。 |
|||
* [[706年]]([[慶雲]]3年) - 『続日本紀』に越前国での山火事の発生の記事がある(白山の噴火によるものとの見方もある)<ref name="kazan" />。 |
|||
* [[1042年]]([[長久]]3年) - 『白山之記』に加賀室(大汝峰と千蛇ヶ峰の間にあった室堂)に1人僧が残っていたところ、土砂が降ってきて室堂が埋まるのを目撃する記述がある(水蒸気爆発とみられる)<ref name="kazan" />。 |
|||
* [[1547年]]([[天文 (日本)|天文]]16年) - 5月末から頂上で焼出し、火煙や土砂が噴き出した(「猿丸又右ェ門家景由緒書」)<ref name="kazan" />。 |
|||
* [[1554年]](天文23年) - 2年間にわたって活発な火山活動が続いた<ref name="naikakubousai"/>。『白山荘厳講中記録』などに詳しい火山活動の様子が記録されている。 |
|||
* [[1659年]]([[万治]]2年) - 白山が噴火、これが最も新しい噴火である<ref name="naikakubousai"/>。 |
|||
=== 地質 |
=== 地質 === |
||
山域の南東部は[[中生代]][[ジュラ紀]]の手取層群の[[角閃石安山岩]]と[[輝石安山岩]]などからなり<ref name="sanmei">『コンサイス日本山名辞典』 [[三省堂]]、1992年10月、ISBN 4-385-15403-1、P410</ref>、北西部は[[古第三紀]]から[[白亜紀]]後期の新期[[花崗岩]]類と濃飛[[流紋岩]]類などからなり、山頂付近は白山火山噴出物からなる<ref>『北陸地方土木地質図』 1990年{{要ページ番号|date=2023年2月}}</ref>。 |
|||
白山山麓周辺には、日本で数少ない[[中生代]][[ジュラ紀]]の古い地層が分布し、日本を代表する[[恐竜]]の[[化石]]の出土地となっている。なかでも桑島地区には化石でできた[[露頭]]があり、[[手取川流域の珪化木産地|桑島化石壁]]と呼ばれている。 |
|||
=== 化石 === |
|||
[[手取川]]と[[庄川]]の源流の山である。日本ではこれより西には2,000m以上の山がないため、2,000m超級の高山として最西端の山となる。<ref>正確には、日本国内の2,000m以上の山として最西端に位置するのは、白山の加賀禅定道の天池付近にある2,138mの無名峰であり、日本最西端の標高2,000m以上の地点は、この無名峰の西尾根上の北緯36度11分36秒、東経136度43分32秒地点である。名前の付いている2,000m以上の山で最西端に位置するのは、[[白山釈迦岳]] (2,053m) である。</ref> |
|||
白山山麓周辺には、日本で数少ない中生代ジュラ紀の古い地層が分布し、日本を代表する[[恐竜]]の[[化石]]の出土地となっている{{sfn|昭文社|2021|p=26}}。[[1874年]](明治7年)に[[ヨハネス・ユストゥス・ライン]]が、白山周辺で植物化石の採集を行った。桑島地区には化石でできた[[露頭]]があり、[[1957年]](昭和37年)[[7月10日]]に[[手取川流域の珪化木産地|桑島化石壁]]が国の[[天然記念物]]に指定された<ref>{{文化遺産オンライン|138407|手取川流域の珪化木産地}}</ref>。 |
|||
=== 山頂部の池 === |
|||
また、白山周辺には[[温泉]]が多い。山麓には、[[中宮温泉]]、[[白山一里野温泉]]、[[白峰温泉]]、[[岩間温泉 (石川県)|岩間温泉]]、[[新岩間温泉]]、[[白川郷平瀬温泉]]などの温泉がある。尾添にある渓谷には温泉が自噴し、温泉の成分が凝結してできた塊が塔状になって林立している所がある。岩間噴泉塔群と呼ばれ、国の[[白川郷天然記念物]]となっている。 |
|||
{{Commonscat|Pond of Mount Haku|白山の池}} |
|||
周辺の[[加賀温泉郷]]、[[庄川温泉郷]]、[[芦原温泉郷]]などは、白山由来の温泉であると考えられている。 |
|||
白山の山頂部には複数の池があり、周辺を散策する[[登山道]]が山頂のお池めぐりコースとして整備されている<ref name="fukui20220701"/><ref name="山と高原地図">『白山 荒島岳 (山と高原地図 43)』 [[昭文社]]、2010年3月、ISBN 978-4-398-75723-4{{要ページ番号|date=2023年2月}}</ref>。翠ヶ池と紺屋ヶ池は火口湖<ref name="山と高原地図" />。 |
|||
[[ファイル:Flowers in Hakusan2009 6 25etc.jpg|thumb|right|300px|白山の[[高山植物]]]] |
|||
{| class="wikitable" |
|||
!画像 |
|||
!名称 |
|||
!よみ |
|||
!説明 |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Mount Kengamine and Pond Midorigaike.jpg|80px]] |
|||
|'''翠ヶ池'''{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=118}}<ref name="fukui20220701"/> |
|||
|みどりがいけ |
|||
|1042年の噴火で形成された火口湖。<br />岐阜県側にある周辺で最大の池<ref>{{Cite web|和書|url=http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?longitude=136.77038752778&latitude=36.159849833333 |title=地図閲覧サービス「翠ヶ池」 |publisher=国土地理院 |accessdate=2014-02-08}}</ref>。 |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Pond Konyagaike.JPG|80px]] |
|||
|'''紺屋ヶ池''' |
|||
|こんやがいけ |
|||
|剣ヶ峰直下西にある火口湖。 |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Pond Aburagaike.JPG|80px]] |
|||
|'''油ヶ池'''{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=118}} |
|||
|あぶらがいけ |
|||
|御前峰の御宝庫直下北にある。 |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Pond Chinoike.JPG|80px]] |
|||
|'''血ノ池''' |
|||
|ちのいけ |
|||
|御前峰と大汝峰との間にある。 |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Pond Senjagaike.jpg|80px]] |
|||
|'''千蛇ヶ池''' |
|||
|せんじゃがいけ |
|||
|千蛇ヶ池[[雪渓]](多年性雪渓)の雪解け後に現れる池。<br />白山を開山した泰澄の千蛇ヶ池の伝説が伝えられている。 |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Pond Hyakushoike from Mount Gozen.JPG|80px]] |
|||
|'''百姓池''' |
|||
|ひゃくしょういけ |
|||
|池の周辺に高山植物が群生する。 |
|||
|- |
|||
|[[ファイル:Pond Goshikiike 2002-10-05.jpg|80px]] |
|||
|'''五色池''' |
|||
|ごしきいけ |
|||
|百姓池のすぐ北にある。 |
|||
|} |
|||
== 自然 == |
|||
白山一帯は国立公園([[白山国立公園]])に指定されている。白山の中腹は急峻なところが多く、道路もほとんどないため人跡未踏の場所も少なくない。また、国指定白山[[鳥獣保護区]](大規模生息地)に指定されている(面積38,061[[ヘクタール|ha]])。周辺は豪雪地帯で{{sfn|昭文社|2021|p=26}}、冬には山全体が真白になる。 |
|||
山域の白山市と白川村は、「[[豪雪地帯対策特別措置法]]」により、特別豪雪地帯に指定されている。また山頂部には、カンクラ雪渓、水屋尻雪渓、千蛇ヶ池雪渓、ヒルバオ雪渓などの[[雪渓]]があり、夏の終わりまで雪が残っていて、[[万年雪]]となる所もある<ref>{{Cite web|和書 |
|||
|url=http://www.pref.ishikawa.lg.jp.cache.yimg.jp/hakusan/publish/hakusan/documents/34-1h.pdf |format=PDF |title=「はくさん」第34巻 第1号 |publisher=石川県白山自然保護センター |date=2006-06-30 |accessdate=2011-07-22 |page=pp.7-8}}</ref>。室堂の下部付近から上は、[[森林限界]]の[[ハイマツ]]帯となっている。山頂付近には、最大の翠ヶ池(みどりがいけ)、紺屋ヶ池(こんやがいけ)、油ヶ池、血の池、千蛇ヶ池(せんじゃがいけ)、五色池、百姓池の7つの[[火口湖]]がある。 |
|||
=== 植物 === |
=== 植物 === |
||
{{Commonscat|Flora of Mount Haku|白山の植物}} |
|||
白山は[[日本]]有数の花の山としても知られ、砂防新道を登る場合、甚ノ助小屋を越えた辺りから、さまざまな[[高山植物]]の花畑が広がる。中でも[[クロユリ]]は日本一の個体数と言われ、群生するさまはみごとである。クロユリは石川県の[[県花]]にもなっている。 |
|||
[[File:Flowers in Hakusan2009 6 25etc.jpg|thumb|right|300px|白山の[[高山植物]]]] |
|||
白山は[[日本]]有数の花の山としても知られ、砂防新道を登る場合、甚ノ助小屋を越えた辺りから、さまざまな[[高山植物]]の花畑が広がる。中でも[[クロユリ]]は日本一の個体数と言われ、群生するさまはみごとである。クロユリは石川県の[[都道府県のシンボルの一覧#一覧|郷土の花]]にもなっている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.ishikawa.lg.jp/hakusan/publish/sizen/sizen26.html |title=白山のクロユリ |publisher=石川県 |accessdate=2011-07-20}}</ref>。白山の中腹には[[ブナ]]の[[原生林]]が広がり、巨大なブナが林立し、中宮道では幹周5mを越えると言う、日本有数の巨木もある。近年、もともと白山には植生しない[[コマクサ]]が見られるようになり、[[生態系]]を乱す行為として種の持ちこみが懸念されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.env.go.jp/guide/budget/h22/h22-gaiyo/065.pdf |format=PDF |title=国立公園内生物多様性保全対策費 |publisher=環境省 |date=2010 |accessdate=2011-07-22 |page=p.2}}</ref>。 |
|||
===「ハクサン」を冠する和名の植物の種 === |
|||
[[ハクサンコザクラ]]、[[ハクサンフウロ]]、[[ハクサンチドリ]]、[[ハクサンシャクナゲ]]、[[ハクサンイチゲ]]をはじめ「ハクサン」を冠する植物名は多く、[[ゴゼンタチバナ]]も最高峰・御前峰に由来している。白山は日本で高山帯を有する山岳としてはもっとも西に位置している。そのため早くから植物の研究が進み、「ハクサン」の名が付く植物が多い。近年、もともと白山には植生しない[[コマクサ]]が見られるようになり、[[生態系]]を乱す行為として種の持ちこみが懸念されている。 |
|||
[[ハクサンコザクラ]]{{sfn|昭文社|2021|p=26}}、[[ハクサンフウロ]]、[[ハクサンチドリ]]、[[ハクサンシャクナゲ]]、[[ハクサンイチゲ]]{{sfn|昭文社|2021|p=26}}(右画像の上段)をはじめ「ハクサン」を冠する植物名は多く{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=118}}{{sfn|昭文社|2021|p=26}}、[[ゴゼンタチバナ]]も最高峰・御前峰に由来している。白山は日本で高山帯を有する山岳としてはもっとも西に位置している。 |
|||
そのため早くから植物の研究が進み、「ハクサン」の名が付く植物が多い{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=118}}。別名を含め20種以上のハクサンを冠する種が自生している<ref name="kouzan">『日本の高山植物(山渓カラー名鑑)』 山と渓谷社、1988年9月、ISBN 4-635-09019-1、p716</ref>。 |
|||
白山の中腹には[[ブナ]]の[[原生林]]が広がり、巨大なブナが林立し、中宮道では幹周5mを越えると言う、日本有数の巨木も有る。 |
|||
2010年に石川県環境安全部自然保護課は石川県の絶滅危惧種情報として、[[ハクサンイチゲ]]、[[ハクサンオオバコ]]、ハクサンスゲを[[危急種|絶滅危惧II類(Vulnerable, VU)]]に指定し、ハクサンイチゴツナギ、[[ハクサンコザクラ]]、[[ハクサンサイコ]]、[[ハクサンチドリ]]、ハクサンハタザオを準絶滅危惧(Near Threatened, NT)に指定している<ref>[http://www.pref.ishikawa.lg.jp/sizen/reddata/rdb_2010/documents/kakuronn.pdf 絶滅のおそれのある野生植物(石川県・2010年)] 石川県環境安全部自然保護課、2011年2月12日閲覧。</ref>。岐阜県は、ハクサンアザミとハクサンオミナエシを準絶滅危惧に指定している。 |
|||
環境省が[[レッドリスト]]に指定している種はない<ref>[http://jpnrdb.com/search.php?mode=kind&q=06&t=&cd=&subn=%A5%CF%A5%AF%A5%B5%A5%F3&pageID=1 日本のレッドデータ検索システム(ハクサン)] エンビジョン環境保全事務局、2011年2月12日閲覧。</ref>。 |
|||
<div class="NavFrame" style="border: none; text-align: left; font-size: 100%"> |
|||
<div class="NavHead" style="background: transparent; text-align: left; font-weight: normal"> |
|||
※ <small>「ハクサン」を冠する和名の種一覧を表示するには、右の [表示] をクリックしてください</small></div> |
|||
<div class="NavContent"> |
|||
{| class="wikitable" |
|||
!和名 |
|||
!学名 |
|||
!属 |
|||
!科 |
|||
!style="white-space:nowrap"|[[絶滅危惧種|絶滅危惧分類]]<br />備考 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンアザミ]]・白山薊 |
|||
|''Cirsium matsumurae'' |
|||
|[[アザミ属]]・''[[:w:Cirsium|Cirsium]]'' |
|||
|[[キク科]]・[[:w:Asteraceae|Asteraceae]] |
|||
|NT・岐阜 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンイチゲ]]{{sfn|昭文社|2021|p=26}}・白山一華 |
|||
|''Anemone narcissiflora'' |
|||
|[[イチリンソウ属]]・''[[:w:Anemone|Anemone]]'' |
|||
|[[キンポウゲ科]]・[[:w:Ranunculaceae|Ranunculaceae]] |
|||
|VU・石川 |
|||
|- |
|||
|ハクサン[[イチゴツナギ]]・白山苺繋 |
|||
|''Poa hakusanensis'' |
|||
|[[ナガハグサ属]]・''[[:w:Poa|Poa]]'' |
|||
|[[イネ科]]・[[:w:Poaceae|Poaceae]] |
|||
|NT・石川 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンオオバコ]]・白山大葉子 |
|||
|''Plantago hakusanensis'' |
|||
|[[オオバコ属]]・''[[:w:Plantago|Plantago]]'' |
|||
|[[オオバコ科]]・[[:w:Plantaginaceae|Plantaginaceae]] |
|||
|VU・石川 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンオミナエシ]]・白山女郎花 |
|||
|''Patrinia triloba'' var. ''triloba'' |
|||
|[[オミナエシ属]]・''[[:w:Patrinia|Patrinia]]'' |
|||
|[[オミナエシ科]]・[[:w:Valerianaceae|Valerianaceae]] |
|||
|別名コキンレイカ、NT・岐阜 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンカニコウモリ]]・白山蝙蝠草 |
|||
|''Parasenecio × cuneatus'' |
|||
|[[コウモリソウ属]]・''[[:w:Parasenecio|Parasenecio]]'' |
|||
|キク科・Asteraceae |
|||
| |
|||
|-! style="white-space:nowrap" |
|||
|[[ハクサンカメバヒキオコシ]]・白山亀葉引起 |
|||
|''Isodon umbrosus'' var. ''hakusanensis'' |
|||
|[[ヤマハッカ属]]・''Monarda'' |
|||
|[[シソ科]]・[[:w:Lamiaceae|Lamiaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンコザクラ]]{{sfn|昭文社|2021|p=26}}・白山小桜 |
|||
|''Primula cuneifolia'' var. ''hakusanensis'' |
|||
|[[サクラソウ属]]・''[[:w:Primula|Primula]]'' |
|||
|[[サクラソウ科]]・[[:w:Primulaceae|Primulaceae]] |
|||
|NT・石川 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンサイコ]]・白山柴胡 |
|||
|''Bupleurum nipponicum'' |
|||
|[[ミシマサイコ属]]・''[[:w:Bupleurum|Bupleurum]]'' |
|||
|[[セリ科]]・[[:w:Apiaceae|Apiaceae]] |
|||
|NT・石川 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンシャジン]]・白山沙蔘 |
|||
|''Adenophora triphylla'' var. ''hakusanensis'' |
|||
|[[ツリガネニンジン属]]・''[[:w:Adenophora|Adenophora]]'' |
|||
|[[キキョウ科]]・[[:w:Campanulaceae|Campanulaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンスゲ]]・白山菅 |
|||
|''Carex curta'' |
|||
|[[スゲ属]]・''[[:w:Carex|Carex]]'' |
|||
|[[カヤツリグサ科]]・[[:w:Cyperaceae|Cyperaceae]] |
|||
|VU・石川 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンシャクナゲ]]・白山石楠花 |
|||
|''Rhododendron brachycarpum'' |
|||
|[[ツツジ属]]・''[[:w:Rhododendron|Rhododendron]]'' |
|||
|[[ツツジ科]]・[[:w:Ericaceae|Ericaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンタイゲキ]]・白山大戟 |
|||
|''Euphorbia togakusensis'' |
|||
|[[トウダイグサ属]]・''[[:w:Euphorbia|Euphorbia]]'' |
|||
|[[トウダイグサ科]]・[[:w:Euphorbiaceae|Euphorbiaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンチドリ]]・白山千鳥 |
|||
|''Dactylorhiza aristata'' |
|||
|[[ハクサンチドリ属]]・''[[:w:Dactylorhiza|Dactylorhiza]]'' |
|||
|[[ラン科]]・[[:w:Orchidaceae|Orchidaceae]] |
|||
|NT・石川 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサントリカブト]]・白山鳥兜 |
|||
|''Aconitum hakusanense'' |
|||
|[[トリカブト属]]・''[[:w:Aconitum|Aconitum]]'' |
|||
|[[キンポウゲ科]]・[[:w:Ranunculaceae|Ranunculaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンハタザオ]]・白山旗竿 |
|||
|''Arabidopsis halleri'' subsp. ''gemmifera'' |
|||
|[[シロイヌナズナ属]]・''[[:w:Arabidopsis|Arabidopsis]]'' |
|||
|[[アブラナ科]]・[[:w:Brassicaceae|Brassicaceae]] |
|||
|NT・石川 |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンフウロ]]・白山風露 |
|||
|''Geranium yesoemse'' var. ''nipponicum'' |
|||
|[[フウロソウ属]]・''[[:w:Geranium|Geranium]]'' |
|||
|[[フウロソウ科]]・[[:w:Geraniaceae|Geraniaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンボウフウ]]・白山防風 |
|||
|''Peucedanum multivittatum'' |
|||
|[[カワラボウフウ属]]・''[[:w:Peucedanum|Peucedanum]]'' |
|||
|[[セリ科|セリ科・Apiaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンボク]]・白山木 |
|||
|''Viburnum japonicum'' |
|||
|[[ガマズミ属]]・''[[:w:Viburnum|Viburnum]]'' |
|||
|[[スイカズラ科]]・[[:w:Caprifoliaceae|Caprifoliaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンヨモギ]]・白山蓬 |
|||
|''Artemisia schmidtiana'' |
|||
|[[ヨモギ属]]・''[[:w:Artemisia|Artemisia]]'' |
|||
|[[キク科|キク科・Asteraceae]] |
|||
|別名アサギリソウ |
|||
|- |
|||
|[[ハクサンモチ]]・白山椎黐 |
|||
|''Ilex buergeri'' |
|||
|[[モチノキ属]]・''[[:w:Ilex|Ilex]]'' |
|||
|[[モチノキ科]]・[[:w:Aquifoliaceae|Aquifoliaceae]] |
|||
|別名シイモチ |
|||
|- |
|||
|[[ウズラバハクサンチドリ]]・鶉葉白山千鳥 |
|||
|''Dactylorhiza aristata'' |
|||
|[[ハクサンチドリ属|ハクサンチドリ属・''Dactylorhiza'']] |
|||
|ラン科・Orchidaceae| |
|||
| |
|||
|-! style="white-space:nowrap" |
|||
|[[キレハノハクサンボウフウ]]・切葉の白山防風 |
|||
|''Peucedanum multivittatum'' f. ''dissectum'' |
|||
|[[カワラボウフウ属|カワラボウフウ属・''Peucedanum'']] |
|||
|[[セリ科|セリ科・Apiaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ケハクサンアザミ]]・毛白山薊 |
|||
|''Cirsium matsumurae'' var. ''pubescens'' |
|||
|[[アザミ属]]・''[[:w:Cirsium|Cirsium]]'' |
|||
|[[キク科]]・[[:w:Asteraceae|Asteraceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[ケハクサンオオバコ]]・毛白山大葉子 |
|||
|''Plantago hakusanensis'' f. ''glabra'' |
|||
|[[オオバコ属|オオバコ属・''Plantago'']] |
|||
|[[オオバコ科|オオバコ科・Plantaginaceae]] |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[コハクサンボク]]・小白山木 |
|||
|''Viburnum japonicum'' var. ''boninsimense'' |
|||
|[[ガマズミ属|ガマズミ属・Viburnum]]'' |
|||
|[[スイカズラ科|スイカズラ科・Caprifoliaceae]] |
|||
| |
|||
|} |
|||
</div> |
|||
=== 動物 === |
=== 動物 === |
||
{{Commonscat|Animals of Mount Haku|白山の動物}} |
|||
白山には、石川県の県鳥である[[イヌワシ]]が生息している。また、かつて白山にも[[ライチョウ]]が生息していたが、明治の頃に白山のライチョウ[[個体群]]は絶滅した。[[2009年]]6月2日に石川県白山自然保護センターが雌1羽を確認した。 |
|||
[[File:Capricornis crispus in Mount Sanpoiwa 2011-05-02.jpg|thumb|right|200px|山腹に生息する[[ニホンカモシカ]]]] |
|||
白山には、石川県の県鳥である[[イヌワシ]]のほかに[[クマタカ]]が生息している<ref>{{Cite journal|title=クマタカとイヌワシ|author=石川県白山保護センター|year=1993|url=https://www.pref.ishikawa.lg.jp/hakusan/publish/sizen/documents/sizen13.pdf|journal=白山の自然誌|volume=13|pages=1-21}}</ref>。また、かつて白山にも[[ライチョウ]]が生息していたが、明治の頃に白山のライチョウ[[個体群]]は絶滅した。 |
|||
その後、[[2009年]](平成21年)[[6月2日]]に石川県白山自然保護センターが雌1羽を確認し、この個体は、調査により北アルプス方面から飛来したものであると推定された。[[2011年]](平成23年)[[6月1日]]にも再び同一のライチョウが確認された<ref>{{Cite web|和書|url=http://chubu.env.go.jp/pre_2011/0615a.html |title=白山国立公園でのライチョウの再確認について |publisher=中部地方環境事務所 |date=2011-06-15 |accessdate=2011-07-22 |page=p.8}}</ref>。 |
|||
山腹には、[[ツキノワグマ]]{{sfn|昭文社|2021|p=26}}、[[ニホンカモシカ]]{{sfn|昭文社|2021|p=26}}などが生息している。 |
|||
白山周辺には約2,000種の[[昆虫]]が生息し、「ハクサン」を冠する種としては、ハクサンシリアゲ([[シリアゲムシ目]][[シリアゲムシ科]]、''Panorpa hakusanensis'')、ハクサンハバチ([[ハチ目]][[ハバチ科]]、''Neocolochelyna hakusana'')、ハクサンゴマフアブ([[ハエ目]][[アブ科]]、''Haematopota hakusanensis'')などがある<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.ishikawa.lg.jp.cache.yimg.jp/hakusan/publish/hakusan/documents/31-2.pdf |format=PDF |title=「はくさん」第31巻 第2号 |publisher=石川県白山自然保護センター |date=2003-11-20 |accessdate=2011-07-22 |page=p.8}}</ref>。ケブカクロバエ(ハチ目[[クロバエ科]]、''Aldrichina grahami'')は、クロユリの[[受粉]]を行っている。 |
|||
2008年、白峰上流の[[手取川]]で巨大な[[獣脚類]]の牙化石が見つかっている。得られた化石の長径は8.2センチメートルの歯冠〜歯根で、完全な[[獣脚類]]の歯としては国内最大。生息時代は[[前期白亜紀|白亜紀前期]][[バレミアン期]]、体長8.5メートル、肉食<ref>宇都宮聡、川崎悟司著『日本の恐竜図鑑 -じつは恐竜王国日本列島-』築地書館 2012年 23ページ</ref>。 |
|||
== 登山 == |
== 登山 == |
||
=== 禅定道 === |
=== 禅定道 === |
||
[[ファイル:Zenjodo of Hakusan.svg|サムネイル|白山禅定道]] |
|||
832年(天長9年)に、越前・加賀・美濃の三方から白山への登拝道([[禅定道]])が開かれた。現在も大部分が白山への[[登山道]]として利用されている。 |
832年(天長9年)に、越前・加賀・美濃の三方から白山への登拝道([[禅定道]])が開かれた。現在も大部分が白山への[[登山道]]として利用されている。 |
||
* |
* '''越前禅定道'''{{sfn|昭文社|2021|p=27}}{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}} - 越前馬場である[[福井県]][[勝山市]]の[[平泉寺白山神社]]から<ref name="chuplus20220727">{{Cite web|和書|url = https://plus.chunichi.co.jp/blog/hayashi/article/300/10730/|title = 加賀・飛騨・越前にまたがる白山①|website = 中日新聞Web|archiveurl = |date = 2022-07-27|archivedate = |accessdate = 2023-02-17}}</ref>、法恩寺山、市ノ瀬、指尾山、室堂を経て、御前峰(白山頂上)へ通じる道である。 |
||
* |
* '''加賀禅定道'''{{sfn|昭文社|2021|p=27}}{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}} - 加賀馬場である[[石川県]][[白山市]]の[[白山比咩神社]]から<ref name="chuplus20220727"/>桧新宮、長倉山、天池室跡、四塚山、大汝峰を経て、頂上へ通じる道である。 |
||
* |
* '''美濃禅定道'''{{sfn|昭文社|2021|p=27}}{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}} - 美濃馬場である[[岐阜県]][[郡上市]]の白山長滝神社から<ref name="chuplus20220727"/>、[[白山中居神社]]、[[石徹白の大杉]]、神鳩社跡、水呑権現社跡、[[三ノ峰 (両白山地)|三ノ峰]]、御手洗池・別山室跡、南竜ヶ馬場、室堂を経て頂上へ通じる道である。 |
||
山頂付近には[[加賀国]]の[[一宮]]である[[白山比咩神社]]の奥宮がある。 |
|||
=== 登山道 === |
=== 登山道 === |
||
三つのコースが、よく利用される登山道で、いずれでも多くの[[高山植物]]が見られる。 |
三つのコースが、よく利用される登山道で、いずれでも多くの[[高山植物]]が見られる<ref name="山と高原地図" /><ref>『白山に登ろう』 北國新聞社、2010年7月、ISBN 978-4-8330-1756-5{{要ページ番号|date=2023年2月}}</ref><ref>『ヤマケイアルペンガイド21白山と北陸の山』 山と渓谷社、2000年8月、ISBN 4-635-01321-9{{要ページ番号|date=2023年2月}}</ref>。 |
||
* 砂防新道 - 石川県 |
* '''砂防新道'''<ref name="fukui20220701"/> - 石川県白山市の別当出合が起点<ref name="fukui20220701"/>、眺望に乏しいものの所要時間が短く{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}}、上りや日帰り登山に利用されることが多い。[[砂防]]工事用の通路を大正時代の末期から昭和時代の初期にかけて登山者に開放した登山道とされている<ref name="chuplus20220727"/>。 |
||
* 観光新道 - 石川県白山市の別当出合が起点、展望が良く、下りに利用されることが多い。 |
* '''観光新道'''<ref name="chuplus20220727"/> - 石川県白山市の別当出合が起点、展望が良く、下りに利用されることが多い。砂防新道よりも急坂となるため健脚者向けのコースとなる{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}}。[[第二次世界大戦]]後の[[1949年]](昭和24年)に白山観光協会が開拓した登山道で、一部は越前禅定道とルートが重なっている<ref name="chuplus20220727"/>。 |
||
{{Main|石川県道120号白山別当出合線}} |
|||
* 平瀬道 - 平瀬道は岐阜県[[白川村]]の大白川ダムが起点、下部は[[ブナ林]]、[[北アルプス]]の展望があり、日帰り登山に利用されることもある。 |
|||
* '''平瀬道'''<ref name="chuplus20220727"/> - 平瀬道は岐阜県大野郡白川村の[[大白川ダム]]が起点、下部は[[ブナ林]]、[[北アルプス]]の展望があり、日帰り登山に利用されることもある。[[東海地方]]の登山者が多く利用するルートである<ref name="chuplus20220727"/>。 |
|||
白山は国立公園の指定が古く、新たな開発がほとんど行われていない。人の手の入っていない地域が広いため、上記の3つの登山道以外はアプローチが長くなり、登山口から山頂まで2~3日の行程が必要な場合もある。 |
|||
白山は国立公園の指定が古く、新たな開発がほとんど行われていない。人の手の入っていない地域が広いため、上記の3つの登山道以外は上級者向けでアプローチが長くなる<ref name="chuplus20220727"/>。 |
|||
* その他のコース |
|||
* '''その他のコース'''[[File:Mount Onanji 2008-10-02.jpg|thumb|right|240px|大汝峰と白山登山道の標識]] |
|||
石徹白道(美濃[[禅定道]]・南縦走路)、白山(旧越前)禅定道、釈迦新道、加賀新道、加賀禅定道(檜新宮参道)、楽々新道、岩間道、中宮道、北縦走路、鶴平新道 |
|||
** '''石徹白道(美濃禅定道・南縦走路)'''<ref name="chuplus20220727"/>:[[白山中居神社]] - [[石徹白の大杉]] - 神鳩ノ宮避難小屋 - 銚子ヶ峰 - 一ノ峰 - ニノ峰 - 三ノ峰避難小屋 - 三ノ峰 - 別山平 - [[別山 (両白山地)|別山]] - 油坂の頭 - 南竜山荘 - 室堂 - 白山 |
|||
* 室堂周辺のサブコース |
|||
** '''白山(旧越前)禅定道''':市ノ瀬 - 六万山 - 指尾山 - 観光新道分岐 - 観光新道(仙人窟 - 殿ヶ池避難小屋 - 蛇塚 - 黒ボコ岩 - 弥陀ヶ原 - 室堂 - 白山) |
|||
展望歩道、エコーライン、お池巡りコース、お花畑コース、トンビ岩コースは南縦走路 |
|||
** '''釈迦新道道''':[[市ノ瀬]] - 湯谷林道 - 白山釈迦岳 - ミズバショウ群生地 - 七倉ノ辻 - 御手水鉢 - 大汝峰 - お池巡り - 白山 |
|||
** '''加賀新道''':白山一里野温泉スキー場 - ゴンドラ頂上駅 - 檜倉 - しかり場 - 口長倉山 - 奥長倉山避難小屋 - 奥長倉山 - 美女坂の頭 - [[百四丈滝]]展望地- 天池室跡 - 油池 - 四塚山 - 七倉ノ辻 - 御手水鉢 - 大汝峰 - お池巡り - 白山 |
|||
** '''加賀禅定道(檜新宮参道)'''<ref name="chuplus20220727"/>:白山一里野温泉 - 檜新宮 - しかり場(加賀新道合流点) - (加賀新道) - 白山 |
|||
** '''楽々新道''':[[新岩間温泉]] - 小桜平避難小屋 - 樅ヶ丘 - 清浄ヶ原 - 七倉山 - 七倉ノ辻 - 御手水鉢 - 大汝峰 - お池巡り - 白山 |
|||
** '''岩間道''':新岩間温泉 - [[岩間温泉 (石川県)|岩間温泉]]休憩舎([[露天風呂]]) - コエド - [[薬師山]] - 樅ヶ丘(楽々新道合流点) - (楽々新道) - 白山 |
|||
** '''中宮道'''<ref name="chuplus20220727"/>:[[中宮温泉]] - 温泉山 - しなのき平避難小屋 - ゴマ平避難小屋 - ゴマ峠 - ゴマの頭 - 三俣峠 - 地獄覗き - 北弥陀ヶ原 - お花松原 - お池巡り - 白山 |
|||
** '''北縦走路''':[[白川郷]] - 馬狩 - [[白山白川郷ホワイトロード]] - [[三方岩岳]] - 馬狩荘司山 - 野谷荘司山 - もうせん平 - [[妙法山 (両白山地)|妙法山]] - シンノ谷 - ゴマ平避難小屋(中宮道合流点) - (中宮道) - 白山 |
|||
** '''鶴平新道''':白川郷 - 馬狩 - 大窪 - 赤頭山 - 北縦走路合流点 - (北縦走路) - 白山 |
|||
* '''室堂周辺のサブコース''' |
|||
:展望歩道、エコーライン<ref name="chuplus20220727"/>、お池巡りコース、お花畑コース、トンビ岩コースは南縦走路 |
|||
[[File:Murodo visitor center in Mount Haku 2010-7-18.JPG|thumb|right|200px|登山者で賑わう白山室堂]] |
|||
[[File:Nanryu hut in Mount Haku 2010-07-18.jpg|thumb|right|200px|南竜山荘とキャンプ指定地]] |
|||
=== 有人の山小屋 === |
=== 有人の山小屋 === |
||
白山には |
白山には有人の[[山小屋]]が2か所設置されている。完全予約制を採っており<ref name="chuplus20220727"/>、入山者の総量制限を行い自然環境に配慮している。 |
||
* '''白山室堂(白山室堂ビジターセンター、御前荘・こざくら荘・くろゆり荘・白山荘)'''{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}} - [[一般財団法人]]白山観光協会の運営 |
|||
* [http://www.kagahakusan.jp/file/murodou/muro_sisetu.html 白山室堂] |
|||
** 収容750人([[白馬岳]]の[[白馬山荘]]と[[白馬岳頂上宿舎]]に次ぐ日本で3番目の規模)、[[キャンプ]]指定地なし。 |
|||
** 開設期間は、[[5月]] - [[10月]]。[[天気|天候]]([[積雪]]など)、[[暦]]の関係、利用状況等により変動する。5月・[[6月]]は[[自炊]]のみ、[[6月30日]][[夕食]]分からは食事提供あり。期間外は、一部が冬期[[避難小屋]]として解放。 |
|||
** 主な施設は、給水施設、[[便所]]、[[売店]](受付){{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}}、[[食堂]]、[[宿泊施設]](オール相部屋形式)、白山山頂郵便局(夏期限定で開設される[[簡易郵便局]])、[[金沢大学]]白山室堂[[夏山診療所]]、衣類乾燥室。 |
|||
** [[公衆電話]]、公衆充電器の設備あり。 |
|||
* [http://www.city-hakusan.com/stay/nanryu.html 南竜山荘] |
|||
* '''白山雷鳥荘''' - 一般財団法人白山観光協会の運営 |
|||
: 収容150人、キャンプ指定地(白山の登山道上の唯一の場所)[[テント]]100張り。 |
|||
** 収容21人、自炊不可。完全個室タイプのみの宿泊施設。 |
|||
: 開設期間は、7/1~9/30。 |
|||
** 開設期間は、[[7月]] - 10月。天候(積雪など)、暦の関係、利用状況などにより変動する。 |
|||
: 主な施設は、給水施設、[[トイレ]]、[[売店]](受付)、[[食堂]]、宿泊棟、ケビン(貸小屋)、貸テント、貸毛布、自炊用ガス設備。 |
|||
** 有料[[水洗式便所]]、[[コインシャワー]]、洗面所、休憩室、衣類乾燥室あり。 |
|||
** 白山国立公園指定50周年を記念して全面改築された宿泊施設。[[山ガール]]や中高年の要望を取り入れた<ref>[http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20120605105.htm 夏山開き準備着々 白山にヘリで物資] - [[北國新聞]] 2012年6月5日</ref>。 |
|||
* '''南竜山荘''' - 一般財団法人白山市地域振興公社の運営 |
|||
** 収容150人、キャンプ指定地(白山の登山道上の唯一の場所)[[テント]]100張り。 |
|||
** 開設期間は、7月 - 10月。天候(積雪など)、暦の関係、利用状況等により変動する。期間外は、一部が冬期避難小屋として解放。 |
|||
** 主な施設は、給水施設、水洗式便所、売店(受付)、食堂、宿泊施設(オール相部屋形式)、ケビン(完全個室タイプ)、野営場。 |
|||
** 公衆電話、有料自炊用ガスの設備あり。貸テント、貸毛布サービスあり。 |
|||
=== 避難小屋 === |
=== 避難小屋 === |
||
主要登山コースでは釈迦新道以外のコース上に避難小屋が設置されており、緊急時の避難に使用できるほか、水場に近い場合はシュラフ持参の自炊宿泊などに使用できる。また、ほとんどの避難小屋にはトイレが併設されているため、登山コース上の貴重なポイントとなっている。 |
主要登山コースでは釈迦新道以外のコース上に避難小屋が設置されており、緊急時の避難に使用できるほか、水場に近い場合はシュラフ持参の自炊宿泊などに使用できる。また、ほとんどの避難小屋にはトイレが併設されているため、登山コース上の貴重なポイントとなっている。 |
||
[[ |
[[File:Mountain Huts Okurayama 2010-07-18.jpg|thumb|right|220px|白山と大倉山避難小屋]] |
||
{| class="wikitable" |
{| class="wikitable" |
||
|- |
|- |
||
!名称 |
!名称 |
||
!収容<br>人数 |
|||
!所在地 |
!所在地 |
||
![[標高]]<br />([[メートル|m]]) |
|||
!トイレ<br>有無 |
|||
!白山からの<br />方角と[[距離]]([[キロメートル|km]]) |
|||
!収容人数<br />(人) |
|||
!トイレ<br />有無 |
|||
!備考 |
!備考 |
||
|-! style="white-space:nowrap" |
|||
|- |
|||
| |
|シナノキ平避難小屋 |
||
|中宮道下部 |
|||
| 20人 |
|||
|1,470 |
|||
|砂防新道 |
|||
|{{direction|N}}北 8.8 |
|||
| 10 |
|||
| 有 |
| 有 |
||
|季節により水有り |
|||
|- |
|||
|殿ヶ池助避難小屋 |
|||
| 12人 |
|||
|観光新道 |
|||
| 有 |
|||
| |
|||
|- |
|||
|チブリ尾根避難小屋 |
|||
| 20人 |
|||
|別山市ノ瀬道 |
|||
| 有 |
|||
| |
|||
|- |
|||
|大倉山避難小屋 |
|||
| 15人 |
|||
|平瀬道の大倉山の西方 |
|||
| 無 |
|||
| |
| |
||
|- |
|- |
||
|奥長倉避難小屋 |
|奥長倉避難小屋 |
||
|加賀禅定道・奥長倉山直下北 |
|||
| 20人 |
|||
|1,730 |
|||
|加賀禅定道 |
|||
|{{direction|NNW}}北北西 7.3 |
|||
| 20 |
|||
| 有 |
| 有 |
||
| |
| |
||
|- |
|- |
||
|ゴマ平避難小屋 |
|ゴマ平避難小屋 |
||
|中宮道と北ノ俣岳縦走路の分岐 |
|||
| 25人 |
|||
|1,850 |
|||
|中宮道上部 |
|||
|{{direction|NNE}}北北東 6.4 |
|||
| 25 |
|||
| 有 |
| 有 |
||
|水場あり |
|水場あり |
||
|- |
|- |
||
| |
|小桜平避難小屋 |
||
|楽々新道の小桜平 |
|||
| 10人 |
|||
|1,990 |
|||
|中宮道下部 |
|||
|{{direction|NNW}}北北西 5.2 |
|||
| 10 |
|||
| 有 |
| 有 |
||
|高山植物 |
|||
|- |
|||
|大倉山避難小屋 |
|||
|平瀬道・大倉山の西の肩 |
|||
|2,030 |
|||
|{{direction|ESE}}東南東 2.1 |
|||
| 15 |
|||
| 無<ref>[http://shirakawa-go.org/lifeinfo/info/kankou/hakusan/index.html 白川村平瀬道から登る白山登山と花] 白川郷観光情報、2011年2月14日閲覧。</ref> |
|||
| |
| |
||
|- |
|- |
||
|殿ヶ池助避難小屋{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}} |
|||
|小桜平避難小屋 |
|||
|観光新道{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}} |
|||
| 10人 |
|||
|2,020 |
|||
|楽々新道 |
|||
|{{direction|SW}}南西 2.2 |
|||
| 12 |
|||
| 有{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}} |
|||
|殿ヶ池 |
|||
|- |
|||
|甚之助避難小屋<ref name="fukui20220701"/>{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}} |
|||
|砂防新道{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}}・甚之助谷源流 |
|||
|1,970 |
|||
|{{direction|SSW}}南南西 2.3 |
|||
| 15 |
|||
| 有{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=119}} |
|||
|季節により水有り |
|||
|- |
|||
|チブリ尾根避難小屋 |
|||
|別山市ノ瀬道・チブリ尾根 |
|||
|1,900 |
|||
|{{direction|SSW}}南南西 5.2 |
|||
| 15 |
|||
| 有 |
| 有 |
||
| |
| |
||
|- |
|- |
||
|三ノ峰避難小屋 |
|三ノ峰避難小屋 |
||
|[[石徹白村|石徹白]]道の[[三ノ峰 (両白山地)|三ノ峰]]の直下南 |
|||
| 20人 |
|||
|2,080 |
|||
|石徹白道の[[三ノ峰 (両白山地)|三ノ峰]]の南方 |
|||
|{{direction|S}}南 7.7 |
|||
| 20 |
|||
| 有 |
| 有 |
||
| |
| |
||
|- |
|- |
||
|神鳩ノ宮避難小屋 |
|神鳩ノ宮避難小屋 |
||
|[[石徹白村|石徹白]]道の銚子ヶ峰の南東 |
|||
| 15人 |
|||
|1,560 |
|||
|石徹白道の銚子ヶ峰の南東 |
|||
|{{direction|S}}南 11.4 |
|||
| 15 |
|||
| 有 |
| 有 |
||
|東側下部に流水 |
|||
|水場あり |
|||
|- |
|- |
||
|赤兎避難小屋 |
|赤兎避難小屋 |
||
| 15人 |
|||
|[[赤兎山]]の東方 |
|[[赤兎山]]の東方 |
||
|1,570 |
|||
|{{direction|SW}}南西 13.3 |
|||
| 15 |
|||
| 有 |
| 有 |
||
| |
| |
||
|} |
|} |
||
== |
=== 登山者数の推移 === |
||
昭和40年代始めの登山者数は、年間15,000人程だった。1967年(昭和42年)の室堂ビジターセンター改築後に、年間2万人を越える多くの登山者が訪れるようになった。1983年(昭和58年)から室堂ビジターセンターが再リニューアル工事に入る前の年の1998年(平成10年)までは、年間30,000人程だった<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.ishikawa.lg.jp/hakusan/publish/hakusan/documents/26-4.pdf |format=PDF |title=「はくさん」第26巻 第4号 |publisher=石川県白山自然保護センター |date=1999-03-26 |accessdate=2011-07-22 |page=p.8}}</ref>。1999年(平成11年)からの工事中の期間は食事提供が休止されたため1万人台程に減少。2002年(平成14年)には、37,000人程に増加した<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.city.hakusan.lg.jp/mpsdata/web/3591/0331.pdf |format=PDF |title=白山まるごと観光交流プラン |publisher=白山市 |date=2007-03 |accessdate=2011-07-22 |page=p.15}}</ref>。登山者が増えるにつれて、その踏み跡により高山植物の群生地が荒廃した。 |
|||
[[ファイル:Hakusan_panorama_2009_4_7etc.jpg|thumb|right|300px|周辺から望む白山<br><small>[[位山]]から望む<br>日照岳から望む<br>[[野伏ヶ岳]]から望む<br>[[経ヶ岳 (福井県)|経ヶ岳]]から望む</small>]] |
|||
[[両白山地]]及び[[各都道府県の最高峰|石川県の最高峰]]である。 |
|||
弥陀ヶ原などでは[[ボードウォーク|木道]]が整備され、高山植物の復元作業なども行われた。室堂から御前峰への登山道や室堂周辺の荒廃した登山道では、岩を平に敷き詰めることにより修復されている。また登山者が増えるにつれて、白山の高山帯や亜高山帯で従来生息しない外来種の[[オオバコ]]、[[セイヨウタンポポ]]、[[シロツメクサ]]などの[[外来種]]が増え始めている。これらの外来種の調査や除去作業などの活動が行われている<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.pref.ishikawa.lg.jp.cache.yimg.jp/hakusan/publish/hakusan/documents/34-3l.pdf |format=PDF |title=「はくさん」第34巻 第3号 |publisher=石川県白山自然保護センター |date=1999-03-26 |accessdate=2011-07-22 |page=pp.7-12}}</ref>。 |
|||
== 地理 == |
|||
=== 周辺の主な山 === |
|||
[[両白山地]]および[[各都道府県の最高峰|石川県の最高峰]]である。日本ではこれより西には2,000m以上の山がないため、2,000m超級の高山として最西端の山となる<ref group="注">正確には、日本国内の2,000m以上の山として最西端に位置するのは、白山の加賀禅定道の天池付近にある2,138mの無名峰であり、日本最西端の標高2,000m以上の地点は、この無名峰の西尾根上の北緯36度11分36秒、東経136度43分32秒地点である{{要出典|date=2015年4月|title=基準点成果等閲覧サービスの地図では2,138mのやや南西(北緯36度10分52秒、東経136度43分42秒付近)に2,013mの地点があるため、詳細な資料がほしい。}}。名前の付いている2,000m以上の山で最西端に位置するのは、[[釈迦岳|白山釈迦岳]] (2,053m) である。</ref>。 |
|||
{| class="wikitable" |
{| class="wikitable" |
||
!名称 |
!名称 |
||
![[標高]]<br>([[メートル|m]]) |
![[標高]]<br />([[メートル|m]]) |
||
![[三角点]]<br>等級 |
![[三角点]]<br />等級と点名<ref name="kijun" /> |
||
!白山 |
!白山からの<br />方角と[[距離]]([[キロメートル|km]]) |
||
!備考 |
!備考 |
||
|- |
|||
|[[猿ヶ馬場山]] |
|||
|1,875 |
|||
| |
|||
| 17.3 |
|||
|<small>[[日本三百名山]]</small> |
|||
|- |
|||
|[[大笠山]] |
|||
|1,821.<small>84</small> |
|||
| 一等 |
|||
| 18.4 |
|||
|<small>日本三百名山</small> |
|||
|- |
|||
|[[笈ヶ岳]] |
|||
|1,841.<small>35</small> |
|||
| 三等 |
|||
| 16 |
|||
|<small>[[日本二百名山]]</small> |
|||
|- |
|||
|[[三方岩岳]] |
|||
|1,736 |
|||
| |
|||
| 13.2 |
|||
|<small>日本三百名山</small> |
|||
|- |
|- |
||
|[[奥長倉山]] |
|[[奥長倉山]] |
||
|1,711 |
|1,711 |
||
| |
| |
||
| 7.1 |
|{{direction|NNW}}北北西 7.1 |
||
| |
| |
||
|- |
|- |
||
220行目: | 509行目: | ||
|2,557 |
|2,557 |
||
| |
| |
||
| 2.1 |
|{{direction|NNW}}北北西 2.1 |
||
| |
| |
||
|- style="background-color:#ccc" |
|- style="background-color:#ccc" |
||
226行目: | 515行目: | ||
|2,684 |
|2,684 |
||
| |
| |
||
| 0.9 |
|{{direction|NNW}}北北西 0.9 |
||
|山頂に大汝神社 |
|||
| |
|||
|- style="background-color:#ccc" |
|- style="background-color:#ccc" |
||
|'''[[剣ヶ峰]]''' |
|'''[[剣ヶ峰]]''' |
||
|2,677 |
|2,677 |
||
| |
| |
||
| 0.3 |
|{{direction|NNE}}北北東 0.3 |
||
|[[登山道]]なし |
|[[登山道]]なし |
||
|- style="background-color:#ccc" |
|- style="background-color:#ccc" |
||
| |
|白山<br />(御前峰) |
||
|2,702.<small> |
|2,702.<small>14</small> |
||
| |
|一等「白山」 |
||
| 0 |
|{{direction|O}} 0 |
||
|<small>[[日本百名山]]</small> |
|[[各都道府県の最高峰|石川県の最高峰]]<br />[[両白山地]]の[[最高峰]]<br /><small>[[日本百名山]]</small> |
||
|- |
|- |
||
|[[釈迦岳|白山釈迦 |
|[[釈迦岳|白山釈迦岳]]{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=120}} |
||
|2,053.<small> |
|2,053.<small>14</small> |
||
| |
|三等「釈伽岳」 |
||
| 3.2 |
|{{direction|W}}西 3.2 |
||
| |
| |
||
|- |
|- |
||
|[[別山 (両白山地)|別山]] |
|[[別山 (両白山地)|別山]]{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=120}} |
||
|2,399.<small> |
|2,399.<small>31</small> |
||
| |
|二等「別山」 |
||
| 5.6 |
|{{direction|S}}南 5.6 |
||
| |
| |
||
|- |
|- |
||
|[[三ノ峰 (両白山地)|三ノ峰]] |
|[[三ノ峰 (両白山地)|三ノ峰]] |
||
|2,128 |
|2,128 |
||
| |
| |
||
| 7.5 |
|{{direction|S}}南 7.5 |
||
| |
| |
||
|- |
|||
|[[赤兎山]] |
|||
|1,628.<small>66</small> |
|||
| 三等 |
|||
| 13.8 |
|||
| |
|||
|- |
|||
|[[野伏ヶ岳]] |
|||
|1,674.<small>28</small> |
|||
| 三等 |
|||
| 16.2 |
|||
|<small>日本三百名山</small> |
|||
|- |
|||
|[[経ヶ岳 (福井県)|経ヶ岳]] |
|||
|1,625.<small>20</small> |
|||
| 二等 |
|||
| 18.1 |
|||
|<small>日本三百名山</small> |
|||
|- |
|||
|[[大日ヶ岳]] |
|||
|1,708.<small>87</small> |
|||
| 一等 |
|||
| 18.1 |
|||
|<small>日本二百名山</small> |
|||
|- |
|||
|[[荒島岳]] |
|||
|1,523.<small>49</small> |
|||
| 一等 |
|||
| 28.9 |
|||
|<small>日本百名山</small> |
|||
|} |
|} |
||
[[File:百四丈滝.jpg|thumb|right|200px|[[手取川]]水系の[[尾添川]]上流部の[[百四丈滝]]]] |
|||
== 源流の河川 == |
|||
*大白川([[庄川]]の[[支流]]) |
|||
=== 源流の河川 === |
|||
*中川、丸石谷、日附谷([[尾添川]]の支流) |
|||
以下の源となる[[河川]]は、[[日本海]]へ流れる。 |
|||
*柳谷([[手取川|牛首川]]の支流) |
|||
* 大白川 ([[庄川]]の[[支流]]) |
|||
* 中川、丸石谷(-[[百四丈滝]])、日附谷 ([[尾添川]]の支流) |
|||
* 柳谷 ([[手取川|牛首川]]の支流) |
|||
=== 周辺の温泉 === |
|||
白山周辺には[[温泉]]が多い。山麓には、[[中宮温泉]]、[[白山一里野温泉]]、[[白峰温泉]]、[[岩間温泉 (石川県)|岩間温泉]]、[[新岩間温泉]]、[[白川郷平瀬温泉]]、鳩ヶ湯温泉などの温泉がある。尾添にある渓谷には温泉が自噴し、温泉の成分が凝結してできた塊が塔状になって林立しているところがある。岩間の[[噴泉塔]]群<ref>{{Cite web|和書|title=岩間の噴泉塔群|【公式】白山市観光・旅行情報サイト|うらら白山人 |url=https://www.urara-hakusanbito.com/spot/detail_1146.html |website=うらら白山人 白山市観光公式サイト |access-date=2023-08-08 |language=ja |last=白山市観光連盟}}</ref>と呼ばれ、[[1954年]](昭和29年)[[12月25日]]に国の[[天然記念物]]に指定された<ref>{{文化遺産オンライン|201546|岩間の噴泉塔群}}</ref>。白水湖の西側の地獄谷には[[噴気孔 (地質学)|噴気孔]]があり、その周辺の[[温泉]]を利用して白水湖畔ロッジの大白川[[露天風呂]]に利用されている<ref>[http://shirakawa-go.org/lifeinfo/info/kankou/main.htm 白川郷観光情報] 白川村、2011年2月14日閲覧。</ref>。 |
|||
周辺の[[加賀温泉郷]]{{sfn|昭文社|2021|p=72}}、[[庄川温泉郷]]、[[芦原温泉|芦原温泉郷]]などは、白山由来の温泉であると考えられている。 |
|||
=== 周辺のスキー場 === |
|||
周辺は[[豪雪地帯]]で、山麓と山腹には以下の白山を冠する[[スキー場]]がある。 |
|||
; 現存 |
|||
* [[白山一里野温泉スキー場]] |
|||
* [[白山セイモアスキー場|白山千丈温泉セイモアスキー場]]<!-- 白山市の条例で定める正式名称で記載しています --> |
|||
; 休止または廃止 |
|||
* [[白山中宮温泉スキー場]] |
|||
* [[白山瀬女高原スキー場]] |
|||
* [[白山白峰温泉スキー場]](競技用スキー場「白峰スキー競技場」として現存) |
|||
== |
=== アクセス === |
||
[[File:Mt.Haku in summer.JPG|thumb|right|200px|[[白山白川郷ホワイトロード]]から望む白山]] |
|||
*[[白山中宮温泉スキー場]] |
|||
石川県側の市ノ瀬 - 別当出合間は、[[7月]]から[[10月]]までの[[土曜日]]・[[休日]]([[日曜日]]・[[国民の祝日|祝日]]・[[お盆]]も含む)に[[マイカー規制]]が実施される<ref name="chuplus20220727"/>。そのため、当該区間は有料の[[シャトルバス]]での移動となる<ref name="chuplus20220727"/>。 |
|||
*[[白山瀬女高原スキー場]] |
|||
* [[白山白川郷ホワイトロード]] - 白山の北の[[三方岩岳]]のすぐ北側を東西に通る{{sfn|信濃毎日新聞社|2015|p=117}}。 |
|||
*[[白山一里野温泉スキー場]] |
|||
* [[県道]] |
|||
*[[白山白峰温泉スキー場]] |
|||
** [[石川県道33号白山公園線]] |
|||
** [[石川県道120号白山別当出合線]] |
|||
** [[岐阜県道451号白山公園線]] |
|||
* [[白山長滝駅]] - [[長良川鉄道越美南線]] |
|||
* [[道の駅飛騨白山]] - [[国道156号]] |
|||
== |
== 白山の風景 == |
||
<gallery mode="packed" heights="100px" style="text-align:left"> |
|||
{{commonscat|Mount Haku}} |
|||
File:Hakusan09.JPG|[[室堂]]から望む白山(御前峰) |
|||
<gallery> |
|||
File:Mount Bessan from Mount Haku 2011-07-17.jpg|室堂と[[別山 (両白山地)|別山]] |
|||
画像:HakuSan.jpg|<small>[[両白山地]]<br>(上空より)</small> |
|||
File:御前峰から望む大汝峰と剣ヶ峰 2024.jpg|御前峰から望む大汝峰と剣ヶ峰 |
|||
File:Hakusan pics 2008 7 1etc.jpg|四季の風景 |
|||
<!-- 画像:Hakusan08.JPG|<small>剣ヶ峰<br>(御前峰より)</small> --> |
|||
File:Hakusan pics 2009 6 25etc.jpg|周辺からの風景 |
|||
<!-- 画像:Hakusan07.JPG|<small>別山<br>(砂防新道より)</small> --> |
|||
File:HakuSan.jpg|上空から望む[[両白山地]] |
|||
画像:Hakusan pics 2008 7 1etc.jpg|<small>四季の風景</small> |
|||
File:Hakusan_panorama_2009_4_7etc.jpg|周辺から望む白山<br><small>上から、[[位山]]から、[[日照岳]]から、[[野伏ヶ岳]]から、[[経ヶ岳 (福井県)|経ヶ岳]]から望む</small> |
|||
画像:Hakusan pics 2009 6 25etc.jpg|<small>周辺からの風景</small> |
|||
File:Hakusan aeonmallnagakute.jpg|[[愛知県]][[長久手市]]の[[イオンモール長久手]]から見た白山 |
|||
</gallery> |
</gallery> |
||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
||
{{脚注ヘルプ}} |
{{脚注ヘルプ}} |
||
=== 注釈 === |
|||
{{reflist}} |
|||
{{Reflist|group="注"}} |
|||
=== 出典 === |
|||
{{Reflist|2}} |
|||
== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
||
<!-- 実際に編集に使われた文献なのか単に参考になる文献として挙げているのか不明確 --> |
|||
*『コンサイス日本山名辞典』[[三省堂]]、ISBN 4-385-15403-1、P410 |
|||
<!-- 脚注引用していない文献は脚注使用など改善していただきますようご協力ください(改善できない場合は文献の記述が削除される場合があります) --> |
|||
*『霊峰白山』[[北國新聞社]]、ISBN 4-8330-1376-2 |
|||
*『 |
* 『コンサイス日本山名辞典』 [[三省堂]]、1992年10月、ISBN 4-385-15403-1、p.410 |
||
*『 |
* 『白山-自然と文化-』 [[北國新聞|北國新聞社]]、1992年11月、ISBN 4-8330-0786-X |
||
*『白山 |
* 『霊峰白山』 北國新聞社、2004年9月、ISBN 4-8330-1376-2 |
||
* [[平泉隆房]]「白山信仰」[[小学館]]編『日本大百科全書』(スーパーニッポニカProfessional Win版)小学館、2004年2月。ISBN 4099067459 |
|||
* {{Cite book|和書|title = 新編 白川村史 中巻|publisher = 白川村|date = 1998-03-31|ref = {{sfnref|白川村|1998}} }} |
|||
* {{Cite book|和書|title = 北陸新幹線沿線百名山|publisher = [[信濃毎日新聞|信濃毎日新聞社]]|date = 2015-03-14|isbn = 978-4-7840-7261-3|ref = {{sfnref|信濃毎日新聞社|2015}} }} |
|||
* {{Cite book|和書|title = 石川のトリセツ|publisher = [[昭文社]]|date = 2021-02-01|isbn = 978-4-398-14816-2|ref = {{sfnref|昭文社|2021}} }} |
|||
== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
||
{{Commonscat|Mount Haku}} |
|||
{{Commonscat|Ryohaku Mountains|両白山地}} |
|||
<!-- 関連項目の記載は必要最小限に願います --> |
|||
* {{prefixindex}} |
|||
* [[白山国立公園]]、[[白山連峰]]、[[両白山地]]、[[能郷白山]] |
* [[白山国立公園]]、[[白山連峰]]、[[両白山地]]、[[能郷白山]] |
||
* [[各都道府県の最高峰]]( |
* [[各都道府県の最高峰]](石川県)、[[日本の山一覧 (高さ順)]]・第90位 |
||
* [[日本三大一覧|日本三名山]]、[[日本百名山]]、[[新日本百名山]]、[[花の百名山]]、[[新・花の百名山]] |
* [[日本三大一覧|日本三名山]]、[[日本百名山]]、[[新日本百名山]]、[[花の百名山]]、[[新・花の百名山]]、[[一等三角点百名山]] |
||
* [[日本三霊山]]、[[白山信仰]]、[[泰澄]]、[[禅定道]]、[[室堂]]、[[弥陀ヶ原]] |
* [[日本三霊山]]、[[白山信仰]]、[[泰澄]]、[[禅定道]]、[[室堂]]、[[弥陀ヶ原]] |
||
* [[白山 |
* [[白山手取川ジオパーク]] |
||
* [[白山白川郷ホワイトロード]] |
|||
* [[白山スーパー林道]]、[[白山インターチェンジ]]、[[石川県道33号白山公園線]]、[[石川県道120号白山別当出合線]]、[[岐阜県道451号白山公園線]]、[[加賀白山バス]]、[[白山長滝駅]] |
|||
* [[白山神社]]、[[白山七社]]、[[白山比め神社|白山比咩神社]]、[[白山権現]]、[[長滝白山神社]]、[[平泉寺白山神社]]、[[白山中居神社]] |
|||
* [[白山まつり]]、[[白山菊酒]] |
|||
* [[白山一里野温泉スキー場]]、[[白山瀬女高原スキー場]]、[[白山白峰温泉スキー場]]、[[白山中宮温泉スキー場 ]] |
|||
* [[白山一里野温泉]]、[[中宮温泉]]、[[白峰温泉]]、[[岩間温泉]]、[[新岩間温泉]]、[[白山杉の子温泉]] |
|||
* [[日本の秘境100選]]、[[阿弥陀ケ滝|阿弥陀ヶ滝]]、[[白水滝]] |
|||
* [[ハクサンイチゲ]]、[[ハクサンオミナエシ]]、[[ハクサンコザクラ]]、[[ハクサンシャクナゲ]]、[[ハクサンチドリ]]、[[ハクサンフウロ]] |
* [[ハクサンイチゲ]]、[[ハクサンオミナエシ]]、[[ハクサンコザクラ]]、[[ハクサンシャクナゲ]]、[[ハクサンチドリ]]、[[ハクサンフウロ]] |
||
* [[白山大賞典]] |
|||
* [[道の駅飛騨白山]]、[[道の駅瀬女]]、[[道の駅白鳥]]、[[道の駅しらやまさん]] |
|||
* この山の名を冠した[[列車]]として、[[1997年]]9月まで[[上野駅]]~[[金沢駅]]間を運行する[[エル特急]]「[[はくたか (列車)|白山]]」があった。 |
|||
== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
||
* [https://www.hot-ishikawa.jp/spot/6223 ほっと石川旅ねっと 白山] - 石川県観光連盟 |
|||
* [http://www.shirayama.or.jp/ 白山さん(白山比咩神社)] |
|||
* [ |
* [https://hakusan-guide.or.jp/ 白山ベストガイド] - 一般財団法人白山観光協会 |
||
* [https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/313_Hakusan/313_index.html 白山] - 気象庁 |
|||
* [http://www.shiramine.gr.jp/ ちょこっとござれ白峰スタイル(白峰観光協会)] |
|||
*[https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/open-data/open-data.php?id=313 白山の火山観測データ] 気象庁 |
|||
* [http://hakusan-no-megumi.jp/ 白山の恵み(霊峰 白山の自然の恵みを紹介 白山商工会)] |
|||
* |
**[https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/monthly_vact_vol.php?id=313 白山の臨時及び過去の詳細月別火山概況・火山活動解説資料] 気象庁 |
||
**[https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/open-data/data/eq_num_313.html 白山の最近(2ヶ月間)の日別地震回数表] 気象庁 |
|||
* [http://shofu.pref.ishikawa.jp/shofu/shirayama/ 白山之記] - 石川新情報書府 |
|||
* {{PDF|[https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/souran/main/54_Hakusan.pdf 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版 白山]}} - 気象庁 |
|||
* [http://shofu.pref.ishikawa.jp/shofu/tedori/ 手取水系~白山の水が紡ぐ絆~] - 石川新情報書府 |
|||
* [https://gbank.gsj.jp/volcano/Quat_Vol/volcano_data/E75.html 日本の火山 白山] - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター |
|||
* {{Cite journal|和書|author=山下英一 |date=1987-05 |url=https://doi.org/10.24484/sitereports.121445-61408 |title=グリフィスと白山 日本は海のスイス |journal=若越郷土研究 |ISSN=2185-453X |publisher=福井県郷土誌懇談会 |volume=32-3(184) |pages=33-43 |doi=10.24484/sitereports.121445-61408 |hdl=10461/19637 |CRID=1390291932620335872 |ref=harv}} |
|||
{{日本百名山}} |
{{日本百名山}} |
||
{{一等三角点百名山}} |
|||
{{ぎふ百山}} |
|||
{{日本の活火山}} |
|||
{{Normdaten}} |
|||
{{DEFAULTSORT:はくさん}} |
{{DEFAULTSORT:はくさん}} |
||
[[Category:山岳名目録]] |
|||
{{mountain-stub|pref=石川県|pref2=福井県|pref3=岐阜県}} |
|||
[[Category:両白山地の山]] |
|||
[[Category:日本百名山]] |
[[Category:日本百名山]] |
||
[[Category:日本の火山]] |
|||
[[Category:石川県の山]] |
|||
[[Category:福井県の山]] |
|||
[[Category:岐阜県の山]] |
|||
[[Category:修験道]] |
|||
[[Category:霊峰]] |
|||
[[Category:石川県の自然景勝地]] |
|||
[[Category:福井県の自然景勝地]] |
|||
[[Category:白山市]] |
|||
[[Category:国指定鳥獣保護区]] |
|||
[[Category:生物圏保護区]] |
|||
[[en:Mount Haku]] |
|||
[[zh:白山 (日本)]] |
2024年10月12日 (土) 23:55時点における最新版
白山 | |
---|---|
大汝峰から望む白山(剣ヶ峰と御前峰)と火口湖 | |
標高 | 2,702.14[1] m |
所在地 |
日本 石川県白山市 岐阜県大野郡白川村 |
位置 | 北緯36度09分18秒 東経136度46分17秒 / 北緯36.15500度 東経136.77139度座標: 北緯36度09分18秒 東経136度46分17秒 / 北緯36.15500度 東経136.77139度[2] |
山系 | 両白山地 |
種類 | 成層火山(活火山ランクC) |
初登頂 | 717年 (泰澄上人) |
白山の位置 | |
プロジェクト 山 |
白山(はくさん)は、日本の北陸地方、白山国立公園内[注 1]の石川県白山市と岐阜県大野郡白川村にまたがる標高2,702mの活火山[3]。両白山地の北部に位置する加越山地(加賀山地)の最高峰である[4]。富士山、立山とともに日本三霊山の一つである[注 2][3]。日本百名山[5]、新日本百名山[6]、花の百名山[7]および新・花の百名山[8]に選定されている。
概要
[編集]白山は、富山県、石川県、福井県、岐阜県の4県にまたがる[9][10]。山頂周辺は、成層火山となっている[11]。30万年から40万年前から火山活動を始め1659年(万治2年)の噴火が最も新しい[3]。白山とは、最高峰の御前峰(標高2,702m)・剣ヶ峰(2,677m)・大汝峰(2,684m)の「白山三峰(白山三山)」を中心とした周辺の山峰の総称である[3][10][12]。よって厳密には単独峰ではないため、単に「白山」と称した場合は、その跨ぐ県境は石川・福井・岐阜・富山各県に及ぶ。また、別山・三ノ峰を加えて「白山五峰」という。「白山連峰」と呼ばれることもある。
三主峰
[編集]白山の山頂部は先述の御前峰、剣ヶ峰、大汝峰の三つの峰で形成されている[13]。このうち大汝峰は古白山火山の噴出物、御前峰と剣ヶ峰は新白山火山の噴出物からなる[13]。
最高点の御前峰(ごぜんがみね)には、一等三角点と白山比咩神社奥宮がある。1873年(明治6年)に白山山頂の社殿を白山比咩神社奥宮とし、1951年(昭和26年)に白山山頂部は白山比咩神社の境内地となった[14]。
白山山頂には1937年(昭和12年)に矢作水力が奉納した方位盤があったが、2007年(平成19年)に落雷で破損したため工務店の倉庫で保管されていた[15]。この方位盤は2023年(令和5年)12月に白山比咩神社境内の白山奥宮遥拝所に移設された[15]。
山名の由来
[編集]「白山」の名は一年の大半を雪に覆われていることに由来するという[16]。古くは都人から「越のしらね」あるいは「越のしらやま」と称され、『古今和歌集』の中でも「しらやま」として詠われた(凡河内躬恒「消えはつる 時しなければ 越路なる しら山の名は 雪にぞありける」など)[16]。
歴史
[編集]白山を霊峰とする白山信仰は古くからあり、中世には白山は白山修験の霊山として栄え、登山口には修験の道場がひらかれて白山信仰の全国的広がりのもととなった[注 3]。日本各地に約2,700社の白山神社があり、白山比咩神社(石川県白山市)がその総本宮となっている[11][17]。
- 717年(養老元年) - 泰澄上人が開山したと伝わる[11][17][18][注 4]。
- 832年(天長9年) - 越前・加賀・美濃の三方から白山への登拝道(禅定道)が開かれたという[14]。
- 848年(嘉祥元年) - 勅により神殿仏閣が造立され、鎮護国家の道場と定められる(『白山之記』)[19]。
- 1163年(長寛元年) - 白山比咩神社の最古の縁起書『白山記』(『白山之記』)で白山登拝の原型ができたとする[14]。
- 1183年(寿永2年) - 源義仲が倶利伽羅峠の戦いの戦勝により白山比咩神社に神馬を奉納。同年、源頼朝が神領の寄進をおこなう(『平家物語』)[19]。
- 1480年(文明12年) - 大火により白山比咩神社の40余りの堂塔伽藍がすべて焼失。末社三宮が鎮座していた現在地へ遷る[19]。
- 1554年(天文23年)4月1日 - 白山が噴火。以降1556年(弘治2年)に噴火が止むまで噴火が続く[20]。
- 1659年(万治2年)6月 - 白山が噴火、これが最も新しい噴火である[3][17]。
- 1668年(寛文8年) - 江戸幕府が白山麓18ヶ村を直轄領(天領)とする[14]。
- 1822年(文政5年) - 本草学者の畔田伴存が登山を行い、『白山草木志』に草本59、苔類7、木本26、虫3、魚1、鳥3、石1、土2、水3種を記載(白山最初の博物誌)[14]。
- 1871年(明治4年)8月23日 、 8月24日 - 福井藩のお雇い外国人ウィリアム・エリオット・グリフィス(アメリカ人)が白山に登り、下山。外国人では初めての白山登山であった[21][22]。
- 1871年(明治4年)8月29日 - 廃藩置県。白山を含めた白山麓18ヶ村は当初は福井側とされたが、1872年(明治5年)以降は石川県に帰属することになった[14]。
- 1872年(明治5年) - 太政官布告により女人禁制が解かれ、鳥取県の女性が白山に初登頂したとされる[14]。
- 1873年(明治6年) - 白山山頂の社殿を白山比咩神社奥宮とする[14]。
- 1874年(明治7年) - ドイツ人の地質学者であるヨハネス・ユストゥス・ラインが白山に登頂し地質調査を行う[14]。
- 1893年(明治26年) - 山頂の三角点が一等三角点(点名は白山)に選定された。[要出典]
- 1925年(大正14年) - 白山比咩神社所有の白山縁起が国の重要文化財に指定された[注 5]。
- 1951年(昭和26年) - 白山山頂部が白山比咩神社境内地となる[14]。
- 1955年(昭和30年)7月1日 - 一帯が白山国定公園に指定[24]。
- 1962年(昭和37年)11月12日 - 白山国定公園を白山国立公園に指定変更[25][26][27]。
- 1977年(昭和52年)8月26日 - 白山スーパー林道(当時)が開通[28]。
- 1980年(昭和55年)8月22日 - 浩宮徳仁親王が別当出合から砂防新道を利用し登頂し、白山室堂に宿泊した[29]。
- 1980年(昭和55年) - 国内で初のユネスコエコパークに登録。
- 2002年(平成14年) - 白山室堂ビジターセンターリニューアルオープン[14]。
- 2003年(平成15年)7月1日 - 石川県出身の深田久弥が生誕100年である白山の山開きの日に、『山を愛した文学者深田久弥 生誕100年(北陸 石川)』の北陸ふるさと切手が、郵便局から発売された[30]。白山を背景に登山時の人物像が描写されている[31]。
- 2005年(平成17年)2月1日 - 松任市と石川郡美川町・鶴来町・河内村・吉野谷村・鳥越村・尾口村・白峰村が合併して白山市となった。
- 2009年(平成21年)6月2日 - 石川県白山自然保護センターが絶滅したとされていたライチョウの雌1羽を確認した。
- 2011年(平成23年)9月 - 白山手取川ジオパークが日本ジオパーク委員会から認定される[16][14]。
- 2023年(令和6年)5月24日‐白山市全域が白山手取川ユネスコ世界ジオパークに認定された。
地学
[編集]活火山
[編集]白山はランクCの活火山である[32]。山頂部には、約15個の爆裂火口があり、一部が翠ヶ池などの火口湖となっている。翠ヶ池の南隣りにある鍛冶屋地獄火口が、最も新しい1659年の噴火で形成されたものと考えられている。
- 約40万年前 - 加賀禅定道の加賀室跡に成層火山の加賀室火山があったと推定されている[33]。
- 約10万年前 - 山頂北側の地獄谷(手取川水系中川の源流部)付近に、古白山火山が形成された。山体の大部分は浸食で失われ、地獄谷の東側の火の御子峰の荒れた岩肌にその一部を見ることができる。その地獄谷の下流には岩間の噴泉塔群がある。
- 約3 - 4万年前 - 現在の山頂部に新白山火山が形成された[9]。
- 約4,400年前 - 御前峰と剣ヶ峰にあった円錐形の火山は、東側に大崩落して、白水湖まで岩屑崩れが発生した。
- 約2,000年前 - 剣ヶ峰の溶岩ドームが形成された。
- 706年(慶雲3年) - 『続日本紀』に越前国での山火事の発生の記事がある(白山の噴火によるものとの見方もある)[13]。
- 1042年(長久3年) - 『白山之記』に加賀室(大汝峰と千蛇ヶ峰の間にあった室堂)に1人僧が残っていたところ、土砂が降ってきて室堂が埋まるのを目撃する記述がある(水蒸気爆発とみられる)[13]。
- 1547年(天文16年) - 5月末から頂上で焼出し、火煙や土砂が噴き出した(「猿丸又右ェ門家景由緒書」)[13]。
- 1554年(天文23年) - 2年間にわたって活発な火山活動が続いた[3]。『白山荘厳講中記録』などに詳しい火山活動の様子が記録されている。
- 1659年(万治2年) - 白山が噴火、これが最も新しい噴火である[3]。
地質
[編集]山域の南東部は中生代ジュラ紀の手取層群の角閃石安山岩と輝石安山岩などからなり[34]、北西部は古第三紀から白亜紀後期の新期花崗岩類と濃飛流紋岩類などからなり、山頂付近は白山火山噴出物からなる[35]。
化石
[編集]白山山麓周辺には、日本で数少ない中生代ジュラ紀の古い地層が分布し、日本を代表する恐竜の化石の出土地となっている[9]。1874年(明治7年)にヨハネス・ユストゥス・ラインが、白山周辺で植物化石の採集を行った。桑島地区には化石でできた露頭があり、1957年(昭和37年)7月10日に桑島化石壁が国の天然記念物に指定された[36]。
山頂部の池
[編集]白山の山頂部には複数の池があり、周辺を散策する登山道が山頂のお池めぐりコースとして整備されている[10][37]。翠ヶ池と紺屋ヶ池は火口湖[37]。
画像 | 名称 | よみ | 説明 |
---|---|---|---|
翠ヶ池[11][10] | みどりがいけ | 1042年の噴火で形成された火口湖。 岐阜県側にある周辺で最大の池[38]。 | |
紺屋ヶ池 | こんやがいけ | 剣ヶ峰直下西にある火口湖。 | |
油ヶ池[11] | あぶらがいけ | 御前峰の御宝庫直下北にある。 | |
血ノ池 | ちのいけ | 御前峰と大汝峰との間にある。 | |
千蛇ヶ池 | せんじゃがいけ | 千蛇ヶ池雪渓(多年性雪渓)の雪解け後に現れる池。 白山を開山した泰澄の千蛇ヶ池の伝説が伝えられている。 | |
百姓池 | ひゃくしょういけ | 池の周辺に高山植物が群生する。 | |
五色池 | ごしきいけ | 百姓池のすぐ北にある。 |
自然
[編集]白山一帯は国立公園(白山国立公園)に指定されている。白山の中腹は急峻なところが多く、道路もほとんどないため人跡未踏の場所も少なくない。また、国指定白山鳥獣保護区(大規模生息地)に指定されている(面積38,061ha)。周辺は豪雪地帯で[9]、冬には山全体が真白になる。
山域の白山市と白川村は、「豪雪地帯対策特別措置法」により、特別豪雪地帯に指定されている。また山頂部には、カンクラ雪渓、水屋尻雪渓、千蛇ヶ池雪渓、ヒルバオ雪渓などの雪渓があり、夏の終わりまで雪が残っていて、万年雪となる所もある[39]。室堂の下部付近から上は、森林限界のハイマツ帯となっている。山頂付近には、最大の翠ヶ池(みどりがいけ)、紺屋ヶ池(こんやがいけ)、油ヶ池、血の池、千蛇ヶ池(せんじゃがいけ)、五色池、百姓池の7つの火口湖がある。
植物
[編集]白山は日本有数の花の山としても知られ、砂防新道を登る場合、甚ノ助小屋を越えた辺りから、さまざまな高山植物の花畑が広がる。中でもクロユリは日本一の個体数と言われ、群生するさまはみごとである。クロユリは石川県の郷土の花にもなっている[40]。白山の中腹にはブナの原生林が広がり、巨大なブナが林立し、中宮道では幹周5mを越えると言う、日本有数の巨木もある。近年、もともと白山には植生しないコマクサが見られるようになり、生態系を乱す行為として種の持ちこみが懸念されている[41]。
「ハクサン」を冠する和名の植物の種
[編集]ハクサンコザクラ[9]、ハクサンフウロ、ハクサンチドリ、ハクサンシャクナゲ、ハクサンイチゲ[9](右画像の上段)をはじめ「ハクサン」を冠する植物名は多く[11][9]、ゴゼンタチバナも最高峰・御前峰に由来している。白山は日本で高山帯を有する山岳としてはもっとも西に位置している。
そのため早くから植物の研究が進み、「ハクサン」の名が付く植物が多い[11]。別名を含め20種以上のハクサンを冠する種が自生している[42]。
2010年に石川県環境安全部自然保護課は石川県の絶滅危惧種情報として、ハクサンイチゲ、ハクサンオオバコ、ハクサンスゲを絶滅危惧II類(Vulnerable, VU)に指定し、ハクサンイチゴツナギ、ハクサンコザクラ、ハクサンサイコ、ハクサンチドリ、ハクサンハタザオを準絶滅危惧(Near Threatened, NT)に指定している[43]。岐阜県は、ハクサンアザミとハクサンオミナエシを準絶滅危惧に指定している。
和名 | 学名 | 属 | 科 | 絶滅危惧分類 備考 |
---|---|---|---|---|
ハクサンアザミ・白山薊 | Cirsium matsumurae | アザミ属・Cirsium | キク科・Asteraceae | NT・岐阜 |
ハクサンイチゲ[9]・白山一華 | Anemone narcissiflora | イチリンソウ属・Anemone | キンポウゲ科・Ranunculaceae | VU・石川 |
ハクサンイチゴツナギ・白山苺繋 | Poa hakusanensis | ナガハグサ属・Poa | イネ科・Poaceae | NT・石川 |
ハクサンオオバコ・白山大葉子 | Plantago hakusanensis | オオバコ属・Plantago | オオバコ科・Plantaginaceae | VU・石川 |
ハクサンオミナエシ・白山女郎花 | Patrinia triloba var. triloba | オミナエシ属・Patrinia | オミナエシ科・Valerianaceae | 別名コキンレイカ、NT・岐阜 |
ハクサンカニコウモリ・白山蝙蝠草 | Parasenecio × cuneatus | コウモリソウ属・Parasenecio | キク科・Asteraceae | |
ハクサンカメバヒキオコシ・白山亀葉引起 | Isodon umbrosus var. hakusanensis | ヤマハッカ属・Monarda | シソ科・Lamiaceae | |
ハクサンコザクラ[9]・白山小桜 | Primula cuneifolia var. hakusanensis | サクラソウ属・Primula | サクラソウ科・Primulaceae | NT・石川 |
ハクサンサイコ・白山柴胡 | Bupleurum nipponicum | ミシマサイコ属・Bupleurum | セリ科・Apiaceae | NT・石川 |
ハクサンシャジン・白山沙蔘 | Adenophora triphylla var. hakusanensis | ツリガネニンジン属・Adenophora | キキョウ科・Campanulaceae | |
ハクサンスゲ・白山菅 | Carex curta | スゲ属・Carex | カヤツリグサ科・Cyperaceae | VU・石川 |
ハクサンシャクナゲ・白山石楠花 | Rhododendron brachycarpum | ツツジ属・Rhododendron | ツツジ科・Ericaceae | |
ハクサンタイゲキ・白山大戟 | Euphorbia togakusensis | トウダイグサ属・Euphorbia | トウダイグサ科・Euphorbiaceae | |
ハクサンチドリ・白山千鳥 | Dactylorhiza aristata | ハクサンチドリ属・Dactylorhiza | ラン科・Orchidaceae | NT・石川 |
ハクサントリカブト・白山鳥兜 | Aconitum hakusanense | トリカブト属・Aconitum | キンポウゲ科・Ranunculaceae | |
ハクサンハタザオ・白山旗竿 | Arabidopsis halleri subsp. gemmifera | シロイヌナズナ属・Arabidopsis | アブラナ科・Brassicaceae | NT・石川 |
ハクサンフウロ・白山風露 | Geranium yesoemse var. nipponicum | フウロソウ属・Geranium | フウロソウ科・Geraniaceae | |
ハクサンボウフウ・白山防風 | Peucedanum multivittatum | カワラボウフウ属・Peucedanum | セリ科・Apiaceae | |
ハクサンボク・白山木 | Viburnum japonicum | ガマズミ属・Viburnum | スイカズラ科・Caprifoliaceae | |
ハクサンヨモギ・白山蓬 | Artemisia schmidtiana | ヨモギ属・Artemisia | キク科・Asteraceae | 別名アサギリソウ |
ハクサンモチ・白山椎黐 | Ilex buergeri | モチノキ属・Ilex | モチノキ科・Aquifoliaceae | 別名シイモチ |
ウズラバハクサンチドリ・鶉葉白山千鳥 | Dactylorhiza aristata | ハクサンチドリ属・Dactylorhiza | ||
キレハノハクサンボウフウ・切葉の白山防風 | Peucedanum multivittatum f. dissectum | カワラボウフウ属・Peucedanum | セリ科・Apiaceae | |
ケハクサンアザミ・毛白山薊 | Cirsium matsumurae var. pubescens | アザミ属・Cirsium | キク科・Asteraceae | |
ケハクサンオオバコ・毛白山大葉子 | Plantago hakusanensis f. glabra | オオバコ属・Plantago | オオバコ科・Plantaginaceae | |
コハクサンボク・小白山木 | Viburnum japonicum var. boninsimense | ガマズミ属・Viburnum | スイカズラ科・Caprifoliaceae |
動物
[編集]白山には、石川県の県鳥であるイヌワシのほかにクマタカが生息している[45]。また、かつて白山にもライチョウが生息していたが、明治の頃に白山のライチョウ個体群は絶滅した。
その後、2009年(平成21年)6月2日に石川県白山自然保護センターが雌1羽を確認し、この個体は、調査により北アルプス方面から飛来したものであると推定された。2011年(平成23年)6月1日にも再び同一のライチョウが確認された[46]。
山腹には、ツキノワグマ[9]、ニホンカモシカ[9]などが生息している。
白山周辺には約2,000種の昆虫が生息し、「ハクサン」を冠する種としては、ハクサンシリアゲ(シリアゲムシ目シリアゲムシ科、Panorpa hakusanensis)、ハクサンハバチ(ハチ目ハバチ科、Neocolochelyna hakusana)、ハクサンゴマフアブ(ハエ目アブ科、Haematopota hakusanensis)などがある[47]。ケブカクロバエ(ハチ目クロバエ科、Aldrichina grahami)は、クロユリの受粉を行っている。
2008年、白峰上流の手取川で巨大な獣脚類の牙化石が見つかっている。得られた化石の長径は8.2センチメートルの歯冠〜歯根で、完全な獣脚類の歯としては国内最大。生息時代は白亜紀前期バレミアン期、体長8.5メートル、肉食[48]。
登山
[編集]禅定道
[編集]832年(天長9年)に、越前・加賀・美濃の三方から白山への登拝道(禅定道)が開かれた。現在も大部分が白山への登山道として利用されている。
- 越前禅定道[17][49] - 越前馬場である福井県勝山市の平泉寺白山神社から[50]、法恩寺山、市ノ瀬、指尾山、室堂を経て、御前峰(白山頂上)へ通じる道である。
- 加賀禅定道[17][49] - 加賀馬場である石川県白山市の白山比咩神社から[50]桧新宮、長倉山、天池室跡、四塚山、大汝峰を経て、頂上へ通じる道である。
- 美濃禅定道[17][49] - 美濃馬場である岐阜県郡上市の白山長滝神社から[50]、白山中居神社、石徹白の大杉、神鳩社跡、水呑権現社跡、三ノ峰、御手洗池・別山室跡、南竜ヶ馬場、室堂を経て頂上へ通じる道である。
登山道
[編集]三つのコースが、よく利用される登山道で、いずれでも多くの高山植物が見られる[37][51][52]。
- 砂防新道[10] - 石川県白山市の別当出合が起点[10]、眺望に乏しいものの所要時間が短く[49]、上りや日帰り登山に利用されることが多い。砂防工事用の通路を大正時代の末期から昭和時代の初期にかけて登山者に開放した登山道とされている[50]。
- 観光新道[50] - 石川県白山市の別当出合が起点、展望が良く、下りに利用されることが多い。砂防新道よりも急坂となるため健脚者向けのコースとなる[49]。第二次世界大戦後の1949年(昭和24年)に白山観光協会が開拓した登山道で、一部は越前禅定道とルートが重なっている[50]。
白山は国立公園の指定が古く、新たな開発がほとんど行われていない。人の手の入っていない地域が広いため、上記の3つの登山道以外は上級者向けでアプローチが長くなる[50]。
- その他のコース
- 石徹白道(美濃禅定道・南縦走路)[50]:白山中居神社 - 石徹白の大杉 - 神鳩ノ宮避難小屋 - 銚子ヶ峰 - 一ノ峰 - ニノ峰 - 三ノ峰避難小屋 - 三ノ峰 - 別山平 - 別山 - 油坂の頭 - 南竜山荘 - 室堂 - 白山
- 白山(旧越前)禅定道:市ノ瀬 - 六万山 - 指尾山 - 観光新道分岐 - 観光新道(仙人窟 - 殿ヶ池避難小屋 - 蛇塚 - 黒ボコ岩 - 弥陀ヶ原 - 室堂 - 白山)
- 釈迦新道道:市ノ瀬 - 湯谷林道 - 白山釈迦岳 - ミズバショウ群生地 - 七倉ノ辻 - 御手水鉢 - 大汝峰 - お池巡り - 白山
- 加賀新道:白山一里野温泉スキー場 - ゴンドラ頂上駅 - 檜倉 - しかり場 - 口長倉山 - 奥長倉山避難小屋 - 奥長倉山 - 美女坂の頭 - 百四丈滝展望地- 天池室跡 - 油池 - 四塚山 - 七倉ノ辻 - 御手水鉢 - 大汝峰 - お池巡り - 白山
- 加賀禅定道(檜新宮参道)[50]:白山一里野温泉 - 檜新宮 - しかり場(加賀新道合流点) - (加賀新道) - 白山
- 楽々新道:新岩間温泉 - 小桜平避難小屋 - 樅ヶ丘 - 清浄ヶ原 - 七倉山 - 七倉ノ辻 - 御手水鉢 - 大汝峰 - お池巡り - 白山
- 岩間道:新岩間温泉 - 岩間温泉休憩舎(露天風呂) - コエド - 薬師山 - 樅ヶ丘(楽々新道合流点) - (楽々新道) - 白山
- 中宮道[50]:中宮温泉 - 温泉山 - しなのき平避難小屋 - ゴマ平避難小屋 - ゴマ峠 - ゴマの頭 - 三俣峠 - 地獄覗き - 北弥陀ヶ原 - お花松原 - お池巡り - 白山
- 北縦走路:白川郷 - 馬狩 - 白山白川郷ホワイトロード - 三方岩岳 - 馬狩荘司山 - 野谷荘司山 - もうせん平 - 妙法山 - シンノ谷 - ゴマ平避難小屋(中宮道合流点) - (中宮道) - 白山
- 鶴平新道:白川郷 - 馬狩 - 大窪 - 赤頭山 - 北縦走路合流点 - (北縦走路) - 白山
- 室堂周辺のサブコース
- 展望歩道、エコーライン[50]、お池巡りコース、お花畑コース、トンビ岩コースは南縦走路
有人の山小屋
[編集]白山には有人の山小屋が2か所設置されている。完全予約制を採っており[50]、入山者の総量制限を行い自然環境に配慮している。
- 白山室堂(白山室堂ビジターセンター、御前荘・こざくら荘・くろゆり荘・白山荘)[49] - 一般財団法人白山観光協会の運営
- 白山雷鳥荘 - 一般財団法人白山観光協会の運営
- 南竜山荘 - 一般財団法人白山市地域振興公社の運営
- 収容150人、キャンプ指定地(白山の登山道上の唯一の場所)テント100張り。
- 開設期間は、7月 - 10月。天候(積雪など)、暦の関係、利用状況等により変動する。期間外は、一部が冬期避難小屋として解放。
- 主な施設は、給水施設、水洗式便所、売店(受付)、食堂、宿泊施設(オール相部屋形式)、ケビン(完全個室タイプ)、野営場。
- 公衆電話、有料自炊用ガスの設備あり。貸テント、貸毛布サービスあり。
避難小屋
[編集]主要登山コースでは釈迦新道以外のコース上に避難小屋が設置されており、緊急時の避難に使用できるほか、水場に近い場合はシュラフ持参の自炊宿泊などに使用できる。また、ほとんどの避難小屋にはトイレが併設されているため、登山コース上の貴重なポイントとなっている。
名称 | 所在地 | 標高 (m) |
白山からの 方角と距離(km) |
収容人数 (人) |
トイレ 有無 |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
シナノキ平避難小屋 | 中宮道下部 | 1,470 | 北 8.8 | 10 | 有 | |
奥長倉避難小屋 | 加賀禅定道・奥長倉山直下北 | 1,730 | 北北西 7.3 | 20 | 有 | |
ゴマ平避難小屋 | 中宮道と北ノ俣岳縦走路の分岐 | 1,850 | 北北東 6.4 | 25 | 有 | 水場あり |
小桜平避難小屋 | 楽々新道の小桜平 | 1,990 | 北北西 5.2 | 10 | 有 | 高山植物 |
大倉山避難小屋 | 平瀬道・大倉山の西の肩 | 2,030 | 東南東 2.1 | 15 | 無[54] | |
殿ヶ池助避難小屋[49] | 観光新道[49] | 2,020 | 南西 2.2 | 12 | 有[49] | 殿ヶ池 |
甚之助避難小屋[10][49] | 砂防新道[49]・甚之助谷源流 | 1,970 | 南南西 2.3 | 15 | 有[49] | 季節により水有り |
チブリ尾根避難小屋 | 別山市ノ瀬道・チブリ尾根 | 1,900 | 南南西 5.2 | 15 | 有 | |
三ノ峰避難小屋 | 石徹白道の三ノ峰の直下南 | 2,080 | 南 7.7 | 20 | 有 | |
神鳩ノ宮避難小屋 | 石徹白道の銚子ヶ峰の南東 | 1,560 | 南 11.4 | 15 | 有 | 東側下部に流水 |
赤兎避難小屋 | 赤兎山の東方 | 1,570 | 南西 13.3 | 15 | 有 |
登山者数の推移
[編集]昭和40年代始めの登山者数は、年間15,000人程だった。1967年(昭和42年)の室堂ビジターセンター改築後に、年間2万人を越える多くの登山者が訪れるようになった。1983年(昭和58年)から室堂ビジターセンターが再リニューアル工事に入る前の年の1998年(平成10年)までは、年間30,000人程だった[55]。1999年(平成11年)からの工事中の期間は食事提供が休止されたため1万人台程に減少。2002年(平成14年)には、37,000人程に増加した[56]。登山者が増えるにつれて、その踏み跡により高山植物の群生地が荒廃した。
弥陀ヶ原などでは木道が整備され、高山植物の復元作業なども行われた。室堂から御前峰への登山道や室堂周辺の荒廃した登山道では、岩を平に敷き詰めることにより修復されている。また登山者が増えるにつれて、白山の高山帯や亜高山帯で従来生息しない外来種のオオバコ、セイヨウタンポポ、シロツメクサなどの外来種が増え始めている。これらの外来種の調査や除去作業などの活動が行われている[57]。
地理
[編集]周辺の主な山
[編集]両白山地および石川県の最高峰である。日本ではこれより西には2,000m以上の山がないため、2,000m超級の高山として最西端の山となる[注 6]。
名称 | 標高 (m) |
三角点 等級と点名[1] |
白山からの 方角と距離(km) |
備考 |
---|---|---|---|---|
奥長倉山 | 1,711 | 北北西 7.1 | ||
七倉山 | 2,557 | 北北西 2.1 | ||
大汝峰 | 2,684 | 北北西 0.9 | 山頂に大汝神社 | |
剣ヶ峰 | 2,677 | 北北東 0.3 | 登山道なし | |
白山 (御前峰) |
2,702.14 | 一等「白山」 | 0 | 石川県の最高峰 両白山地の最高峰 日本百名山 |
白山釈迦岳[12] | 2,053.14 | 三等「釈伽岳」 | 西 3.2 | |
別山[12] | 2,399.31 | 二等「別山」 | 南 5.6 | |
三ノ峰 | 2,128 | 南 7.5 |
源流の河川
[編集]周辺の温泉
[編集]白山周辺には温泉が多い。山麓には、中宮温泉、白山一里野温泉、白峰温泉、岩間温泉、新岩間温泉、白川郷平瀬温泉、鳩ヶ湯温泉などの温泉がある。尾添にある渓谷には温泉が自噴し、温泉の成分が凝結してできた塊が塔状になって林立しているところがある。岩間の噴泉塔群[58]と呼ばれ、1954年(昭和29年)12月25日に国の天然記念物に指定された[59]。白水湖の西側の地獄谷には噴気孔があり、その周辺の温泉を利用して白水湖畔ロッジの大白川露天風呂に利用されている[60]。
周辺の加賀温泉郷[61]、庄川温泉郷、芦原温泉郷などは、白山由来の温泉であると考えられている。
周辺のスキー場
[編集]周辺は豪雪地帯で、山麓と山腹には以下の白山を冠するスキー場がある。
- 現存
- 休止または廃止
- 白山中宮温泉スキー場
- 白山瀬女高原スキー場
- 白山白峰温泉スキー場(競技用スキー場「白峰スキー競技場」として現存)
アクセス
[編集]石川県側の市ノ瀬 - 別当出合間は、7月から10月までの土曜日・休日(日曜日・祝日・お盆も含む)にマイカー規制が実施される[50]。そのため、当該区間は有料のシャトルバスでの移動となる[50]。
白山の風景
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1962年(昭和37年)11月12日に国定公園から国立公園に昇格し、白山国立公園に指定された。山域はその特別保護地区である。白山国立公園の概要 環境省、2011年2月11日閲覧。
- ^ 日本三大一覧#山岳も参照
- ^ 平泉(2004)
- ^ ここでいう開山は必ずしも山頂に立ったという意味ではなく「本地垂迹説に基づく白山信仰の体系化」であったとみられている[14]。一方で泰澄上人伝説をフィクションとする見解もある[14]。
- ^ 現行の文化財制度では1950年(昭和25年)8月29日に重要文化財に指定[23]。
- ^ 正確には、日本国内の2,000m以上の山として最西端に位置するのは、白山の加賀禅定道の天池付近にある2,138mの無名峰であり、日本最西端の標高2,000m以上の地点は、この無名峰の西尾根上の北緯36度11分36秒、東経136度43分32秒地点である[要出典]。名前の付いている2,000m以上の山で最西端に位置するのは、白山釈迦岳 (2,053m) である。
出典
[編集]- ^ a b “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2014年7月30日閲覧。
- ^ 日本の主な山岳標高(石川県) 国土地理院、2010年12月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g 日本の火山 vol.41 白山(石川県・岐阜県) - 内閣府防災情報のページ
- ^ 土地分類基本調査「越前勝山・白山」(p.11-12) - 2006年、国土交通省
- ^ 『日本百名山』 深田久弥(著)、朝日新聞社、1982年7月、ISBN 4-02-260871-4、pp321-324
- ^ 『新日本百名山登山ガイド〈上〉』 岩崎元郎(著)、山と溪谷社、2006年4月、ISBN 4-635-53046-9、pp154-157
- ^ 『花の百名山』(愛蔵版) 田中澄江(著)、文春文庫、1997年6月、ISBN 4-16-352790-7、pp209-212
- ^ 『新・花の百名山』 田中澄江(著)、文春文庫、1995年6月、ISBN 4-16-731304-9、pp292-295
- ^ a b c d e f g h i j k 昭文社 2021, p. 26.
- ^ a b c d e f g “福井市から1時間半で登山口、2000メートル級の峰々が広がる白山…「いつかは」でなく今夏に登ってほしい【ふくいのそと遊び】”. 福井新聞ONLINE. (2022年7月1日). オリジナルの2022年7月1日時点におけるアーカイブ。 2023年2月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g 信濃毎日新聞社 2015, p. 118.
- ^ a b c 信濃毎日新聞社 2015, p. 120.
- ^ a b c d e 白山の自然誌12 白山火山 - 2018年3月、石川県白山自然保護センター
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 白山の自然誌38 白山登山のうつりかわり - 2018年3月、石川県白山自然保護センター
- ^ a b 白山比咩神社、方位盤を山頂から境内移設 雷で破損、歴史や自然物語る - 2023年12月29日、北國新聞
- ^ a b c 東野外志男、日比野剛「白山手取川ジオパーク」 - 石川県白山自然保護センター普及誌「はくさん」第40巻第4号、2013年、石川県白山自然保護センター
- ^ a b c d e f 昭文社 2021, p. 27.
- ^ 『日本の山1000』 山と渓谷社、1992年10月、ISBN 4-635-09025-6、pp504-505
- ^ a b c 白山比咩神社公式ウェブサイト「歴史」
- ^ 『ふるさと石川歴史館』(2002年6月10日、北國新聞社発行)527頁。
- ^ 山下英一「グリフィスと白山-日本は海のスイス-」(『若越郷土研究』32の3 福井県郷土誌懇談会刊 1987年 p33-43
- ^ 『白山登山のうつりかわり』石川県白山自然保護センター刊 2018年 p13
- ^ “紙本支那禅刹図式 寺伝五山十刹図・羅漢供養講式稿本断簡 道元筆・紙本墨書 白山縁起”. 石川県教育委員会文化財課 (2010年9月14日). 2023年2月17日閲覧。
- ^ 白川村 1998, p. 744.
- ^ 白川村 1998, p. 747.
- ^ “広報かつやま 第439号” (PDF). 勝山市秘書広報課. p. 2 (1992年6月11日). 2023年2月17日閲覧。
- ^ “白山・立山・富士山、日本三霊山で連携 石川、富山、静岡3県知事が懇談、合意”. 北國新聞. (2022年7月28日). オリジナルの2022年7月28日時点におけるアーカイブ。 2023年2月17日閲覧。
- ^ 白川村 1998, p. 566.
- ^ 『歩いてみたい日本の名山』 EDICO(著)、西東社、2004年5月、ISBN 4-791-61227-2、P208
- ^ 平成15年ふるさと切手 「山を愛した文学者(深田久弥生誕100年)」の発行 日本郵政、2011年2月6日閲覧。
- ^ 『日本百名山と深田久弥』 高辻謙輔(著)、白山書房、2004年11月、ISBN 4-894-75089-9、P190
- ^ 活火山・白山 気象庁HP、2011年2月14日閲覧。
- ^ 白山ものがたり ぐるっと白山、2011年2月14日閲覧。
- ^ 『コンサイス日本山名辞典』 三省堂、1992年10月、ISBN 4-385-15403-1、P410
- ^ 『北陸地方土木地質図』 1990年[要ページ番号]
- ^ 手取川流域の珪化木産地 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ a b c 『白山 荒島岳 (山と高原地図 43)』 昭文社、2010年3月、ISBN 978-4-398-75723-4[要ページ番号]
- ^ “地図閲覧サービス「翠ヶ池」”. 国土地理院. 2014年2月8日閲覧。
- ^ “「はくさん」第34巻 第1号” (PDF). 石川県白山自然保護センター. p. pp.7-8 (2006年6月30日). 2011年7月22日閲覧。
- ^ “白山のクロユリ”. 石川県. 2011年7月20日閲覧。
- ^ “国立公園内生物多様性保全対策費” (PDF). 環境省. p. p.2 (2010年). 2011年7月22日閲覧。
- ^ 『日本の高山植物(山渓カラー名鑑)』 山と渓谷社、1988年9月、ISBN 4-635-09019-1、p716
- ^ 絶滅のおそれのある野生植物(石川県・2010年) 石川県環境安全部自然保護課、2011年2月12日閲覧。
- ^ 日本のレッドデータ検索システム(ハクサン) エンビジョン環境保全事務局、2011年2月12日閲覧。
- ^ 石川県白山保護センター (1993). “クマタカとイヌワシ”. 白山の自然誌 13: 1-21 .
- ^ “白山国立公園でのライチョウの再確認について”. 中部地方環境事務所. p. p.8 (2011年6月15日). 2011年7月22日閲覧。
- ^ “「はくさん」第31巻 第2号” (PDF). 石川県白山自然保護センター. p. p.8 (2003年11月20日). 2011年7月22日閲覧。
- ^ 宇都宮聡、川崎悟司著『日本の恐竜図鑑 -じつは恐竜王国日本列島-』築地書館 2012年 23ページ
- ^ a b c d e f g h i j k l m 信濃毎日新聞社 2015, p. 119.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “加賀・飛騨・越前にまたがる白山①”. 中日新聞Web (2022年7月27日). 2023年2月17日閲覧。
- ^ 『白山に登ろう』 北國新聞社、2010年7月、ISBN 978-4-8330-1756-5[要ページ番号]
- ^ 『ヤマケイアルペンガイド21白山と北陸の山』 山と渓谷社、2000年8月、ISBN 4-635-01321-9[要ページ番号]
- ^ 夏山開き準備着々 白山にヘリで物資 - 北國新聞 2012年6月5日
- ^ 白川村平瀬道から登る白山登山と花 白川郷観光情報、2011年2月14日閲覧。
- ^ “「はくさん」第26巻 第4号” (PDF). 石川県白山自然保護センター. p. p.8 (1999年3月26日). 2011年7月22日閲覧。
- ^ “白山まるごと観光交流プラン” (PDF). 白山市. p. p.15 (2007年3月). 2011年7月22日閲覧。
- ^ “「はくさん」第34巻 第3号” (PDF). 石川県白山自然保護センター. p. pp.7-12 (1999年3月26日). 2011年7月22日閲覧。
- ^ 白山市観光連盟. “岩間の噴泉塔群|【公式】白山市観光・旅行情報サイト|うらら白山人”. うらら白山人 白山市観光公式サイト. 2023年8月8日閲覧。
- ^ 岩間の噴泉塔群 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 白川郷観光情報 白川村、2011年2月14日閲覧。
- ^ 昭文社 2021, p. 72.
- ^ 信濃毎日新聞社 2015, p. 117.
参考文献
[編集]- 『コンサイス日本山名辞典』 三省堂、1992年10月、ISBN 4-385-15403-1、p.410
- 『白山-自然と文化-』 北國新聞社、1992年11月、ISBN 4-8330-0786-X
- 『霊峰白山』 北國新聞社、2004年9月、ISBN 4-8330-1376-2
- 平泉隆房「白山信仰」小学館編『日本大百科全書』(スーパーニッポニカProfessional Win版)小学館、2004年2月。ISBN 4099067459
- 『新編 白川村史 中巻』白川村、1998年3月31日。
- 『北陸新幹線沿線百名山』信濃毎日新聞社、2015年3月14日。ISBN 978-4-7840-7261-3。
- 『石川のトリセツ』昭文社、2021年2月1日。ISBN 978-4-398-14816-2。
関連項目
[編集]- 「白山」で始まるページの一覧
- 白山国立公園、白山連峰、両白山地、能郷白山
- 各都道府県の最高峰(石川県)、日本の山一覧 (高さ順)・第90位
- 日本三名山、日本百名山、新日本百名山、花の百名山、新・花の百名山、一等三角点百名山
- 日本三霊山、白山信仰、泰澄、禅定道、室堂、弥陀ヶ原
- 白山手取川ジオパーク
- 白山白川郷ホワイトロード
- ハクサンイチゲ、ハクサンオミナエシ、ハクサンコザクラ、ハクサンシャクナゲ、ハクサンチドリ、ハクサンフウロ
外部リンク
[編集]- ほっと石川旅ねっと 白山 - 石川県観光連盟
- 白山ベストガイド - 一般財団法人白山観光協会
- 白山 - 気象庁
- 白山の火山観測データ 気象庁
- 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版 白山 (PDF) - 気象庁
- 日本の火山 白山 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
- 山下英一「グリフィスと白山 日本は海のスイス」『若越郷土研究』32-3(184)、福井県郷土誌懇談会、1987年5月、33-43頁、CRID 1390291932620335872、doi:10.24484/sitereports.121445-61408、hdl:10461/19637、ISSN 2185-453X。