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== 概要 == |
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* 参集拠点は、被災都道府県の災害拠点病院<ref name=jscejsp.71.32 />。 |
* 参集拠点は、被災都道府県の[[災害拠点病院]]<ref name=jscejsp.71.32 />。 |
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* 発足の2005年には300人程度だったが、2011年には6000人、2014年には9000人となった。 |
* 発足の2005年には300人程度だったが、2011年には6000人、2014年には9000人となった。 |
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* 災害発生から48時間以内を目安として活動する<ref name=jscejsp.71.32>小谷稔、飯塚敦、河井克之、[https://doi.org/10.2208/jscejsp.71.32 急性期災害医療におけるDMAT配置モデルに関する考察] 土木学会論文集F6(安全問題) 71巻 (2015) 1号 p.32-45, {{doi|10.2208/jscejsp.71.32}}</ref>が、発災から約72時間以上が経過すると急性期の患者数も落ち着き、100時間程度で後方支援基盤が整うことから活動は終結する。しかし災害の種類や規模によっては、被災地の医療体制が回復しない場合もある。このような場合には、[[日本医師会]]が統括する 「[[日本医師会災害医療チーム]] ('''JMAT''')」が、撤退するDMATと交替するようにして被災地に派遣され、地域の医療体制が回復するまでの間、医療支援を続ける。 |
* 災害発生から48時間以内を目安として活動する<ref name=jscejsp.71.32>小谷稔、飯塚敦、河井克之、[https://doi.org/10.2208/jscejsp.71.32 急性期災害医療におけるDMAT配置モデルに関する考察] 土木学会論文集F6(安全問題) 71巻 (2015) 1号 p.32-45, {{doi|10.2208/jscejsp.71.32}}</ref>が、発災から約72時間以上が経過すると急性期の患者数も落ち着き、100時間程度で後方支援基盤が整うことから活動は終結する。しかし災害の種類や規模によっては、被災地の医療体制が回復しない場合もある。このような場合には、[[日本医師会]]が統括する 「[[日本医師会災害医療チーム]] ('''JMAT''')」が、撤退するDMATと交替するようにして被災地に派遣され、地域の医療体制が回復するまでの間、医療支援を続ける。 |
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[[日本の消防|消防]]と連携して活動する。被災地県の要請にもとづき、各都道府県よりDMAT指定医療機関へDMAT出動要請が出され、要請を受けた指定医療機関ではDMATを編成待機させる。消防にDMAT連携隊が組織されている地域で、連携隊を利用して出動する場合、消防は医療機関へ連携隊を派遣し、DMAT隊員は連携隊の専用車両で発災現場か負傷者受け入れの病院に出動する(最近は病院所有のドクターカーやドクターヘリで出動する場合もある)。[[東京DMAT]]の場合は[[東京消防庁]]のDMAT連携隊の車両で出動する事を基本として、場合によっては東京都の配備したDMATカー等で出動している。 |
[[日本の消防|消防]]と連携して活動する。被災地県の要請にもとづき、各都道府県よりDMAT指定医療機関へDMAT出動要請が出され、要請を受けた指定医療機関ではDMATを編成待機させる。消防にDMAT連携隊が組織されている地域で、連携隊を利用して出動する場合、消防は医療機関へ連携隊を派遣し、DMAT隊員は連携隊の専用車両で発災現場か負傷者受け入れの病院に出動する(最近は病院所有のドクターカーやドクターヘリで出動する場合もある)。[[東京DMAT]]の場合は[[東京消防庁]]のDMAT連携隊の車両で出動する事を基本として、場合によっては東京都の配備したDMATカー等で出動している。 |
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一方、DMAT連携隊が組織されていない地域、もしくは連携隊を利用しない場合は各病院の保有する救急車等で発災現場へ出動し、[[災害医療]]を行う。なお、DMATは大規模災害時の対応を目的創設されたものであり、東京DMATや[[ドクターカー]]のように一般の災害にも日常的に出動している地域は少ない。東京都でもドクターカー運用を行っている医療機関では一般の救急事案はドクターカー、大規模災害時は東京DMATとして活動しているケースもある。 |
一方、DMAT連携隊が組織されていない地域、もしくは連携隊を利用しない場合は各病院の保有する[[日本の救急車#医療機関の救急自動車(病院救急車)|救急車]]等で発災現場へ出動し、[[災害医療]]を行う。なお、DMATは大規模災害時の対応を目的に創設されたものであり、東京DMATや[[ドクターカー]]のように一般の災害にも日常的に出動している地域は少ない。東京都でもドクターカー運用を行っている医療機関では一般の救急事案はドクターカー、大規模災害時は東京DMATとして活動しているケースもある。 |
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==大規模災害への対処== |
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2018年10月1日 (月) 07:03時点における版
災害派遣医療チーム(さいがいはけんいりょうチーム)とは、医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や事故などの現場に急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームである[1]。
Disaster Medical Assistance Team の頭字語「DMAT」(ディーマット)と呼ばれる。
概要
- 参集拠点は、被災都道府県の災害拠点病院[2]。
- 発足の2005年には300人程度だったが、2011年には6000人、2014年には9000人となった。
- 災害発生から48時間以内を目安として活動する[2]が、発災から約72時間以上が経過すると急性期の患者数も落ち着き、100時間程度で後方支援基盤が整うことから活動は終結する。しかし災害の種類や規模によっては、被災地の医療体制が回復しない場合もある。このような場合には、日本医師会が統括する 「日本医師会災害医療チーム (JMAT)」が、撤退するDMATと交替するようにして被災地に派遣され、地域の医療体制が回復するまでの間、医療支援を続ける。
- 横浜市では、DMATとは別組織のYMAT(Yokohama Medical Ambulance Team)が平成20年3月28日から市内5病院にて運用されている[3]。
日本DMAT
日本DMATは2005年(平成17年)4月に、厚生労働省によって発足された[注釈 1]。主に大規模災害時に全国から派遣され、広域医療搬送・SCU(臨時医療拠点、Staging Care Unit)・病院支援・域内搬送・現場活動などを行う。
都道府県DMAT
都道府県DMATは2004年(平成16年)に、東京DMATが発足、2006年(平成18年)には大阪DMATが発足し、その他の道府県でも配備が進んでいる。主に域内災害時において現場医療活動を行う。
域内災害への対処
消防と連携して活動する。被災地県の要請にもとづき、各都道府県よりDMAT指定医療機関へDMAT出動要請が出され、要請を受けた指定医療機関ではDMATを編成待機させる。消防にDMAT連携隊が組織されている地域で、連携隊を利用して出動する場合、消防は医療機関へ連携隊を派遣し、DMAT隊員は連携隊の専用車両で発災現場か負傷者受け入れの病院に出動する(最近は病院所有のドクターカーやドクターヘリで出動する場合もある)。東京DMATの場合は東京消防庁のDMAT連携隊の車両で出動する事を基本として、場合によっては東京都の配備したDMATカー等で出動している。
一方、DMAT連携隊が組織されていない地域、もしくは連携隊を利用しない場合は各病院の保有する救急車等で発災現場へ出動し、災害医療を行う。なお、DMATは大規模災害時の対応を目的に創設されたものであり、東京DMATやドクターカーのように一般の災害にも日常的に出動している地域は少ない。東京都でもドクターカー運用を行っている医療機関では一般の救急事案はドクターカー、大規模災害時は東京DMATとして活動しているケースもある。
大規模災害への対処
被災地の都道府県から他の都道府県、厚生労働省、国立病院機構などに出動を要請する。東京DMATの場合は緊急消防援助隊東京都隊が災害現場において人命救助に有効であるとし東京消防庁が必要と判断した場合に、東京都福祉保健局が東京DMATを要請する。活動にあたっては国立病院機構災害医療センター内に置かれる日本DMAT事務局の指導の下、都道府県災害対策本部に置かれる都道府県DMAT調整本部の調整・指示を受け、各派遣先ではDMAT活動拠点本部(被災地の災害拠点病院に設置される)の指示を受ける[4]。
広域医療搬送
東南海・南海地震に際し、平成19年3月に中央防災会議では、「東南海・南海地震応急対策活動要領」に基づき被災各県の広域搬送拠点を定めている[5]。また平成27年3月には、「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」に基づき、南海トラフ巨大地震に対する拠点も定められた[6]。
想定される被災地内のSCU一覧
特記がないものは南海トラフ巨大地震に対する拠点。
- 山梨県
- 長野県
- 岐阜県
- 静岡県
- 愛知県
- 三重県[7] - 東南海・南海地震に対する拠点を兼ねる
- 三重大学
- 管理協力病院 – 三重大学医学部附属病院
- 宮川ラブリバー公園
- 管理協力病院 – 伊勢赤十字病院
- 三重県立看護大学
- 三重県広域防災拠点(伊勢志摩拠点)
- 三重大学
- 滋賀県
- 京都府
- 大阪府
- 関西国際空港
- 八尾空港[8] - 初の常設型SCU
- 管理協力病院 – 大阪府立急性期・総合医療センター
- 大阪府・兵庫県
- 兵庫県
- 奈良県
- 和歌山県 - 東南海・南海地震に対する拠点を兼ねる
- 岡山県
- 広島県
- 山口県
- 徳島県 - 東南海・南海地震に対する拠点を兼ねる
- 香川県
- 愛媛県
- 高知県[9] - 東南海・南海地震に対する拠点を兼ねる
- 高知大学医学部
- 管理協力病院 – 高知大学医学部附属病院
- 宿毛市総合運動場
- 管理協力病院 – 幡多けんみん病院
- 安芸市営球場
- 管理協力病院 – 高知県立あき総合病院
- 高知大学医学部
- 福岡県
- 熊本県
- 熊本空港 – 熊本空港は、事前に広域医療搬送拠点に指定され、地震に対する訓練も行っていたにも関わらず、熊本地震 (2016年) の際には、大きな揺れにより天井や壁の一部、窓ガラスなどが多数破損し、それらが屋内に向かって一気に落下・散乱して危険な状態となったため、あえなく使用不能となった。
- 大分県
- 宮崎県
- 鹿児島県
主な出動実績
- 新潟県中越地震(2004年10月)- DMAT初の出動
- JR福知山線脱線事故(2005年4月) - 事故で初の出動[10][11]
- JR羽越本線脱線事故(2005年12月)
- 北海道佐呂間町竜巻災害(2006年11月)
- エキスポランドジェットコースター脱輪事故(2007年5月)
- 新潟県中越沖地震(2007年7月)
- 秋葉原通り魔事件(2008年6月) - 殺人事件で初の出動
- 岩手・宮城内陸地震(2008年6月)
- 平成21年7月中国・九州北部豪雨に伴う防府市土砂災害 (2009年7月)
- 東北地方太平洋沖地震に伴う東日本大震災(2011年3月)
- 関越自動車道高速バス居眠り運転事故(2012年4月)
- 中央自動車道笹子トンネル内崩落事故(2012年12月)
- 2013年福知山花火大会露店爆発事故(2013年8月) - この事故では現場に出動はせず、搬送先の市立福知山市民病院に出動し、医療救護や転院先の調整を行った。
- 平成25年台風第26号に伴う伊豆大島土砂災害(2013年10月)
- 平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害(2014年8月)
- 御嶽山噴火災害(2014年9月)
- 平成27年台風第18号に伴う平成27年9月関東・東北豪雨災害(2015年9月)
- 平成28年熊本地震(2016年4月)
- 平成30年7月豪雨(2018年7月)
など
東日本大震災での活動
東日本大震災では、花巻空港に「SCU(臨時医療拠点、Staging Care Unit)」を置き、4日間で136人を受け入れ、16人を広域搬送し、120人が地域医療機関に運ばれた。発足当初はトリアージによって選択された重症者だけを受け入れる予定であったが、広く受け入れることで、被災地の医療機関の負担を軽減できたという[12]。DMATは被災地での治療・被災地外への搬送に対応し、その後の避難所の支援のために日本医師会災害医療チーム(JMAT)が創設された。東日本大震災では感染症対策、食習慣指導、在宅患者などに対応し、4ヶ月で6000人が被災地に入った[13]。
問題点
東日本大震災では津波、原発事故、慢性疾患への対応が必要とされるなど想定外の事態もみられており、DMATがさらに幅広い活動ができるよう、国は見直しを始めている[14]。
また、負傷者救出は消防等が行い、負傷者が安全が確保された現場救護所等へ搬送された後の医療活動を受け持つために、DMAT隊員が倒壊する恐れがある建物等の危険な場所に踏込んで救命活動を行うことは基本的にはない(訓練では行っている)。しかし、福知山線脱線事故や東日本大震災に伴う町田市のスロープ崩落事故では安全確保が確認された上で脱線衝突した車内や倒壊したスロープ内に進入して負傷者に接触し輸液や輸血などの処置を行っている。今後はDMAT隊員の安全確保や消防等の救助組織との連携が必要である。
関連項目
- 災害医療
- 東京DMAT(日本初のDMAT)
- 大阪DMAT
- 神奈川DMAT
- 埼玉DMAT
- 災害派遣精神医療チーム(DPAT)
- 日本医師会災害医療チーム(JMAT)
- ドクターヘリ(航空救急)、消防防災ヘリコプター、災害対策用ヘリコプター
- ドクターカー
- 埼玉県特別機動援助隊(埼玉SMART)
- Dr.DMAT〜瓦礫の下のヒポクラテス〜(東京DMATを扱った漫画およびドラマ)
- コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-(医療監修元の要望により大規模災害時に千葉や茨城などのDMATチームが多数演出されている。)
関連書籍
- 稲継裕昭編著 『大規模災害に強い自治体間連携 ― 現場からの報告と提言』 早稲田大学出版部〈早稲田大学ブックレット<「震災後」に考える>〉、2012年。ISBN 9784657123046
脚注
注釈
出典
- ^ 厚生労働省医政局DMAT事務局.“DMATとは?”.2018年10月1日閲覧。
- ^ a b 小谷稔、飯塚敦、河井克之、急性期災害医療におけるDMAT配置モデルに関する考察 土木学会論文集F6(安全問題) 71巻 (2015) 1号 p.32-45, doi:10.2208/jscejsp.71.32
- ^ 横浜救急医療チーム(YMAT)が発足します!!
- ^ 日本DMAT活動要領 平成24年3月30日改正
- ^ 「東南海・南海地震応急対策活動要領」に基づく具体的な活動内容に係る計画 平成19年3月20日 中央防災会議幹事会
- ^ 「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」平成27年3月30日 中央防災会議幹事会
- ^ 三重県災害医療対応マニュアル
- ^ 八尾SCUとは 大阪府急性期・総合医療センター
- ^ 高知県災害時医療救護計画
- ^ 災害時における消防と医療の連携に関する検討会
- ^ 日本集団災害医学会 尼崎 JR 脱線事故特別調査委員会報告書
- ^ 「広域搬送 拠点活用多様に」日本経済新聞2015年8月30日
- ^ 「広域搬送 拠点活用多様に」日本経済新聞2015年8月30日
- ^ 毎日新聞 日刊 2012年2月26日 16.17面
外部リンク
- DMAT事務局(国立病院機構災害医療センター)
- 災害派遣医療チームの設置について - 大阪府サイト