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2022年10月6日 (木) 21:50時点における版

洛星中学校・高等学校
地図北緯35度1分44.5秒 東経135度43分43.5秒 / 北緯35.029028度 東経135.728750度 / 35.029028; 135.728750座標: 北緯35度1分44.5秒 東経135度43分43.5秒 / 北緯35.029028度 東経135.728750度 / 35.029028; 135.728750
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人ヴィアトール学園
設立年月日 1952年(中学校)
1955年(高等学校)
ヴィアトール記念日 10月21日
共学・別学 男子校
中高一貫教育 完全一貫制
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 普通科
学期 2学期制
学校コード C126310000015 ウィキデータを編集(中学校)
D126310000013 ウィキデータを編集(高等学校)
高校コード 26509J
所在地 603-8342
京都府京都市北区小松原南町33番地
外部リンク 洛星中学校・高等学校
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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洛星中学校・高等学校(らくせいちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、京都府京都市北区小松原南町に所在し、中高一貫教育を提供する私立男子中学校高等学校

カトリック系ミッションスクール。高等学校では生徒を募集しない完全中高一貫校[1]。1学年は200名程度だが、京都大学通算合格者数において全国の私立高校で1位を誇る[2][3]

概要

カトリック教会の修道会である聖ヴィアトール修道会満州国で経営していた暁東中学校が母体となっている。第二次世界大戦後、激化する国共内戦を避けて京都の本校と台湾・台中市の衛道高級中学に分散移転した。

1952年中学校が、1955年には高等学校が創立。キリスト教精神(カトリック)に基づく「全人教育」を掲げており、神父および修道士が現在も教職員と共に活動している。カトリック系の男子ミッションスクールとしては京都で最も長い歴史を有している。2010年、中高学校法人として初めて、国連グローバル・コンパクトに加盟した。

沿革

(沿革節の主要な出典は公式サイト[4]

母体である聖ヴィアトール修道会は、1831年フランスリヨン市において、ルイ・ケルブ神父がカトリック精神による青少年教育を目的として設立した修道会である。ヴィアトールの名は、4世紀頃にいたとされる教育者聖ヴィアトールを守護者としたことによる。聖ヴィアトール修道会は世界各地でミッションスクール(ヴィアトール学園)を運営しているが、本校は日本で唯一のヴィアトール学園である。

第二次世界大戦前の1930年代、聖ヴィアトール修道会は満洲の四平街(現在の中華人民共和国吉林省四平市)に暁東中学を設立し(当時の満洲国政府からも認可を得た)、アジアにおけるカトリック教育の拠点とした[5]。この学校が本校の前身とされる[6]。しかし第二次世界大戦後、中華人民共和国成立に伴って、中国大陸では宗教教育を行う学校が維持できなくなった。

聖ヴィアトール修道会は1948年に日本での活動を開始するが、中学・高等学校の設立を希望する修道会と、発足から間もなく管内に教育機関を持たなかったカトリック京都司教区(当時は知牧区)との間で希望が一致したことから、修道会は京都に日本本部を置くことになる[7]

1951年に学校法人として認可され[4]1952年中学校が、1955年には高等学校が創立された[4]

校舎の歴史
  • 1962年:第一洛星会館竣工
  • 1966年:ヴィアトール講堂(大講堂)竣工
  • 1993年:中央棟・家庭科棟竣工
  • 2001年:ミレニアム館(室内温水プール・テニスコート・駐輪場)竣工
  • 2002年:本館EASTWING(東棟)竣工
  • 2003年:本館WESTWING(西棟)竣工
  • 2011年:西校地(テニスコート・弓道場・実習農園)竣工

クラス編成は以下のように推移している。

  • - 1960年:中高一貫による3クラス体制
  • 1961年 - 1982年:中高一貫による4クラス体制(欠員補充のため高校入試を実施したこともある)
  • 1983年:高校入試の実施による、中学4クラス、高校5クラス体制(経過措置)
  • 1984年 - 2003年:中学4クラス、高校6クラス体制
  • 2004年 - :中高一貫による5クラス体制(高校入試は欠員補充のみ実施)
  • 2013年 - :高等学校での生徒募集をせず、完全中高一貫校化。

教育課程

心と頭と体を育てる全人教育という目標を掲げ、効果的な学習指導を行う。

大学受験必要科目については、中学履修範囲をハイスピードで終わらせ、中学の段階から高校履修範囲の授業を行う[8]。高2の段階で大学受験に対応できる態勢をとることにより、高い合格実績を生み出す。

中学3年では実用英語技能検定において大学入試レベルに当たる準2級を全員が受験し、大部分の生徒が合格する。このように、中学生の段階で高い英語力を生徒全員に身につけさせる[9]

高校1年では、京大見学ツアーが行われる。洛星OBの京大の教授による講演や、洛星OBの京大生によるキャンパスツアーを行う[8]

高2では、ハーバード大学で行われる「次世代リーダー養成プログラム」に参加することができる。ハーバード大学の教授の講義を聴講し、ハーバード大学の大学生と討論等を行って交流する。

大学進学傾向・合格実績

1学年は200名前後と少ないが、京都大学通算合格者数は全国の私立高校で1位を誇る、西日本屈指の進学校である[10][3]。近年、学生の8割弱は京都大学か医学部医学科を受験しており[11]、約半数は見事合格を果たしている。2016年〜2020年の東大・京大・国公立医学部の合格率(合格者/卒業生)は近畿圏の高校では灘、東大寺、甲陽学院、大阪星光に次ぐ5位、全国では12位の43.1%であった[12]

地元である京都大学や京都府立医科大学への進学希望者が多く[3]、首都圏の最難関大学である東京大学早稲田大学慶應義塾大学を志望する者は少ないが、それぞれ毎年10名以上合格者を輩出する年が多い。また、私立大学への現役合格者は極めて少ない傾向にある[13]。これは、現役時は東京大学京都大学、国公立医学部等の前期日程のみを受験する者が多く、学校内では学力不振とされる者でも大阪大学神戸大学等の前期日程のみを受験する者が多いためである。

浪人時は万が一に備えて私立大学も併願する者が多い傾向にあるが、国公立前期日程で京都大学等に合格を果たせなかった者も中期・後期日程で神戸大学、大阪府立大学北海道大学を中心とした最難関国公立大学に合格したり、私立大学の医学部に進学する者がほとんどである[13]

制服

京都市公立高校は、かつてそのほとんどが制服を定めず、私服で自由な校風が特徴的であったが[14]、洛星中学校・高等学校ではカトリックの教育理念に基づき、創立以来制服が定められ、その着用が厳しく指導された。型は、創立以来基本的には不変で、校章が刻まれた5個の金ボタンで前を留める紺色の詰襟学生服である。ただし標準型とは異なって、上着の襟・打ち合わせ・脇ポケットの蓋などにオールステッチが入り、胸ポケットと袖ボタンが無い。ズボンは上着と共布でツータック、尻ポケットは雨蓋つきとされている。詰襟は、内側にプラスチック製の白いカラー、左襟に校章、右襟に金文字の学年章を装着する(中学が1,2,3、高校はI,II,III)。かつては完全オーダーメイドで、詰襟が標準より若干高く、きつめに仕立てられていて、その襟元を常時留めることが求められた。現在は既製品となり、襟が低くなり首回りも緩くなった他、服装基準が緩和され、セーターベストも定められて、夏服期間の涼しい時に着用可能となった。

5月初旬から11月中旬は夏服期間であり、学校指定の赤みがかったグレーベージュ・両胸に蓋つきポケットのカッターシャツ(長袖と半袖を設定)、冬と同型・同色で生地が薄い夏服用ズボンを着用する。1982年頃まではカッターシャツの胸ポケットの蓋に冬服の襟章を装着したが、現在は校章が刺繍されている。なお、夏期は学年章を装着しない。

紺色の生地に校章を付けた独特の型の制帽もあったが、現在は着用が自由化されている。

部活動

文化系と体育系を合わせ、学校が部活動や同好会での活発な活動を推奨しており、高2までは部活動もしくは同好会への入部が義務付けられている。兼部も部活動・同好会合わせて3つまで認められている。

部活動・同好会は活動内容には大きな違いはないが、部活動は生徒会組織として予算や活動場所の面で優遇される。

同好会は、5人以上の生徒と顧問教師が集まれば生徒部の許可を得て作ることができる。同好会は活動実績と校内規定(生徒会会則)による手続きを経て部活動への昇格が認められる。最近では高校料理同好会が高校料理研究部に昇格した例や中学ロボット研究同好会が昇格した例がある。

文化系

囲碁将棋部は全国高等学校総合文化祭で幾度か準優勝しており、全国的に知名度が高い。また高校ロボット同好会は、2006年ロボカップジュニア世界大会(ドイツ)で準優勝した。

体育系

1978年にバスケットボール部が全国中学校バスケットボール大会にて準優勝した。中学弓道部は武道館で行われる全日本少年少女武道錬成大会と明治神宮で行われる全国中学生弓道大会に毎年必ず出場している。2010年は第7回全国中学生弓道大会において団体全国準優勝の結果を残した。水泳部もほぼ毎年全国大会に出場している。2008年の京都市中学春季総体で陸上部員が100メートル走で優勝し、予選では11秒31の大会新記録を出した。また2011年には中学硬式テニス部が団体で全国大会に出場を果たし、ベスト16という結果を残している[15]。2016年には、高校野球部が文武両道と部員10人での秋季京都府大会ベスト8進出を評価されて、第89回選抜高校野球大会の21世紀枠京都府推薦校に選出された[16]

クリスマス・タブロー

アルファベット表記は Christmas Tableaux。イエス・キリストの誕生を祝う行事であり、タブローは活人画を意味し、12世紀ごろフランスで始まった。

キャストの台詞はなく、聖書朗読により物語が展開される。預言に始まり、受胎告知、天使の羊飼いに対するお告げ、ヘロデ王天使の導き、そして馬小屋での謁見、メシア・救い主の誕生までの8幕、約2時間を、聖歌隊やハンドベル演奏フルートヴァイオリンによる独奏を交ぜながら描く。

1966年に同志社女子中学校・高等学校パジェントを基にして始まり、2015年に第50回目を迎えた。一般にも公開されており、ここ数年は天皇誕生日12月23日(祝)午後4時より行われている。前日のリハーサル(22日午後2時より)も公開される。例年の来場者数はリハーサルと本番併せて約1,800人〜2,000人程度。

中学1年生全員と約300名の中学2年生から高校生の有志の生徒によって実施されている。中学1年生はキャストもしくは聖歌隊として出演する。他の学年はキャストもしくはスタッフとして参加する。スタッフは演出舞台監督、総務などの12のパートに分かれて準備をしている。

2008年には準備からリハーサルまでをまとめた特別番組がKBS京都で本番翌日24日の午後7時より放送された。また、2009年12月24日、2010年12月24日にも同内容・同時間で放送された。

課外活動

これまで、国際物理オリンピック[17]国際地理オリンピック[18]国際数学オリンピック等の国際科学オリンピック日本代表に多くの生徒を派遣し、幾多のメダルを獲得するに至っている。いずれも日本代表は毎年数人程度であり、出場すること自体極めて高い難易度であるが、特に国際数学オリンピックには通算6人のメダル獲得者を排出しており[19]、2014年には在籍生徒が金メダルを獲得した。

国際数学オリンピックメダル獲得歴
国際物理オリンピックメダル獲得歴
国際地理オリンピックメダル獲得歴

入試制度

現在は中学入試のみ実施されており、前期日程と後期日程がある。前期日程・後期日程ともに、4教科型(国語・算数・社会・理科)と3教科型(国語・算数・理科)を選択することができ、出願時に決定しなければならない。過去に実施されていた面接は現在は実施されていない。

歴代校長

  1. フランシス・ホワイト(ヴィアトール会司祭
  2. ヨゼフ・ナドウ(ヴィアトール会司祭)
  3. フランソワ・アラール(ヴィアトール会司祭)
  4. 村田源次(ヴィアトール会司祭)
  5. ゲエタン・ラバディ(ヴィアトール会司祭)
  6. 阿南孝也
  7. 小田恵

著名な出身者

アクセス

脚注

  1. ^ 洛星中学校 | 中学受験の情報サイト「スタディ」 の「洛星中学校」の特徴に「高校入試(募集)」「なし」と記載されている。
  2. ^ 進学校データ図鑑
  3. ^ a b c 京大合格者「3人に1人」の伝統。京都洛星の全人教育
  4. ^ a b c 洛星の概要”. 洛星中学校・高等学校. 2019年6月29日閲覧。
  5. ^ 水岡ゼミ巡検報告 四平/四平街 2009.8.23”. 一橋大学水岡不二雄ゼミ. 2021年8月4日閲覧。
  6. ^ 第二次世界大戦後に台湾台中市に設立されたヴィアトール修道会の学校・衛道高級中学校も、この学校を前身とする学校である。
  7. ^ 教会の歩み”. カトリック聖ヴィアトール北白川教会ホームページ. 2021年8月4日閲覧。
  8. ^ a b 洛星の教育
  9. ^ 未来につながるビジョン」を見せる英語教育…洛星
  10. ^ 京大累計合格者数ランキング【1951年~2019年】 - 進学校データ名鑑
  11. ^ 京大も甲子園も両方狙える 京都の名門校「洛星」を支えるOBの熱き母校愛|NIKKEI STYLE
  12. ^ 東大+京大+国公立大医学部 合格率のトップは灘|NIKKEI STYLE
  13. ^ a b 数字で見る洛星:洛星中学校 洛星高等学校
  14. ^ 2015年現在の京都市に位置する公立高校では、全日制は全校が制服を導入している。
  15. ^ http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008050400126&genre=L1&area=K00 京都新聞 2008年5月4日 洛星・辻が男子100M制す 京都市中学春季総体・陸上(2009年4月閲覧)
  16. ^ 【高校野球】部員たった10人…うち8人が二刀流 「秀才軍団」京都・洛星、来春センバツの21世紀枠選出なるか - 産経ニュース
  17. ^ 国際物理オリンピック日本人がメダル獲得
  18. ^ 地理五輪京都の高3「銅」
  19. ^ 国際数学オリンピックで金メダル(学校)

関連項目

外部リンク