福岡市動植物園
福岡市動植物園 Fukuoka Municipal Zoo and Botanical Garden | |
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施設情報 | |
専門分野 | 総合 |
所有者 | 福岡市 |
管理運営 | 福岡市 |
開園 | 1953年8月22日 |
所在地 |
〒810-0037 福岡県福岡市中央区南公園1番1号 |
位置 |
北緯33度34分20.6秒 東経130度23分26.1秒 / 北緯33.572389度 東経130.390583度座標: 北緯33度34分20.6秒 東経130度23分26.1秒 / 北緯33.572389度 東経130.390583度 |
福岡市動植物園(ふくおかしどうしょくぶつえん)は、福岡県福岡市中央区南公園にある、福岡市営の動物園・植物園。
概要
[編集]福岡市内には、戦前にも御大典紀念福岡市動植物園が現在の福岡市立馬出小学校の場所にあった。ドイツのハーゲンベック動物園を模して1933年(昭和8年)に開園したが、他地域の動物園と同様、戦時中に閉鎖された(正門が同地に残るほか、アシカ池にあった浮見堂が大濠公園に移築されて現存する)。戦後、福岡市中心部から南に位置する南公園に動物園が開園し、現在に至る。かつては福岡市で初の上水設備である平尾浄水場が動物園に隣接していたが廃止され、その跡地を利用して植物園が開園した。
2018年3月現在、動物園が約110種、植物園が約2,600種を有する。大きく分けて高部の植物園と低部の動物園の2ゾーンからなる。
動物園は2023年で開園70周年を迎え、植物園は2020年で開園40周年を迎えた。
施設情報
[編集]動植物園共通
[編集]- 住所
- 動物園:福岡県福岡市中央区南公園1番1号
- 植物園:福岡県福岡市中央区小笹5丁目
- 開園時間
- 9時~17時(入園は16時30分まで)
- 休園日
- 月曜日 (月曜日が祝日の場合翌日) ・年末年始(12/29〜1/1)
- 入場料(2018年4月現在)
大人 高校生 中学生以下 個人 ¥600 ¥300 無料 団体 (30名以上) ¥480 ¥240
- 年間パスポートで入園無料(動物園サポーター・植物園友の会の特典として発行)
- 65歳以上の福岡市および北九州市のシルバー手帳、および障害者手帳を提示すれば入園無料、はやかけんなどの全国の交通系ICカードが使える。
- 駐車料(2018年4月現在)
普通車 ¥500 中型車 ¥1,000 大型車 ¥2,000
動物園情報
[編集]主な展示動物・施設一覧
[編集]- ペンギン舎
- パプアニューギニア館
- レッサーパンダ舎
- 放鳥舎
- ツル舎
- シマウマ・ダチョウ舎
- サイチョウ・オウム舎
- 日本の動物
- キョン舎
- バーバリーシープ舎
- ツシマヤマネコ舎
- ツシマヤマネコ
- 希少種のツシマヤマネコは、繁殖期は一般公開されていない。
- ツシマヤマネコ
- モンキー舎
- サル山
- ヤマアラシ舎
- バク舎
- チンパンジー舎
- キリン舎
- クマ舎
- オリックス舎
- 子ども動物園(ふれあい動物園)
- カバ舎
- カンガルー舎
- 大型猛禽舎
- コウノトリ舎
- シカ舎
- は虫類舎
- ヒイロニシキヘビ、ヒョウモントカゲモドキ等
- 中型猛禽舎
- 猛獣舎
- アジア熱帯の渓谷エリア(平成25年9月完全オープン)
- 動物科学館
- 動物病院 福岡県指定の「傷病野生鳥獣医療所」として野生動物の治療も行う
- 遊戯施設 観覧車はかつて岩田屋旧本館の屋上に設置されていたもの
- 食事・休憩施設
- スロープカー 動物園と植物園の間の坂道の移動施設
主なイベント
[編集]- ZOOスポットガイド(毎週日曜日・祝日)
- 夜の動植物園(8月から9月の2週目までの土曜日)
- 新春福引き大会(1月2日)
- 園内無料開放(5月4日・みどりの日など)
- サポーターズ・デー(春秋)
- 動物画コンクール
- 動物園写真コンテスト
- 動物園サポーター会員制度
- サポーターとして飼料費を支援して飼育動物に親しみを持つことを目的とした制度。個人・法人を問わず寄付金は一口1500円以上。会員には動植物園入園料無料の年間パスポートが付与され、2000円以上の寄付で、バックヤードツアーへの応募資格が得られる。
植物園情報
[編集]- 主な施設
- 主なイベント
- 展示会
- 園芸講座
- 植物観察会
- 植物画コンクール
- 福岡市植物園友の会制度
- 植物園と市民との交流を通して市民参加型の植物園の運営を目指すために設立。花苗寄付金として個人は一口2,000円、企業・団体は一口5,000円から。会員は動植物園の入園が無料となり、他にも特典がある。
歴史
[編集]- 1933年(昭和8年)
- 1944年(昭和19年)
- 5月20日 - 戦局悪化で閉園。6月6日にクマ、ライオン、トラ、カバなどの大型獣が脱走予防のため殺処分され(戦時猛獣処分)、一部は剥製として福岡市立拓殖専門学校の教材となった。
- 1952年(昭和27年)
- 1953年(昭和28年)
- 8月22日 - 福岡市動物園が南公園(旧平尾浄水場跡地)に開園。
- 1955年(昭和30年) 西日本相互銀行(現・西日本シティ銀行)から、広瀬不可止作の雷竜像が寄贈される。
- 1957年(昭和32年) 戦後マサイキリンの国内初の繁殖に成功。
- 1960年(昭和35年) 国内で初めてオシドリの繁殖に成功。
- 1962年(昭和37年) 国内で初めてチンパンジーの繁殖に成功。
- 1969年(昭和44年) 国内で初めてゴールデンライオンタマリンの繁殖に成功。
- 1970年(昭和35年) 国内で初めてジャガーの人工保育に成功。
- 1973年(昭和38年) 国内で初めてニホンアナグマ(人工保育)、サシバの繁殖に成功。
- 1979年(昭和54年)
- 4月 - 植物園設置に伴い、維持管理運営する福岡市動物園協会は福岡市動植物園協会と名前を改める。
- 1980年(昭和55年)
- 6月1日 - 植物園が開園。
- 1980年(昭和55年)
- 1985年(昭和60年)
- 4月 - 動植物園の維持管理運営業務を(財)福岡市緑のまちづくり協会が受託。それをもって、5月、福岡市動植物園協会は解散。
- 1994年(平成6年) 国内で初めてソデグロバトの人工孵化に成功。
- 1995年(平成7年)
- 2月10日 - ツシマヤマネコ舎完成。
- 1995年(平成7年) 国内で初めてアカカザリフウチョウの繁殖に成功。
- 2000年(平成12年)
- 4月18日 - 雌ツシマヤマネコ1頭誕生、国内初。
- 2003年(平成15年) 50周年を迎える。
- 2008年(平成20年)
- 4月 - 動物園と植物園の間の坂道にスロープカーを設置し、運行を開始。
- 2013年(平成25年)
- 9月 - 「アジア熱帯の渓谷エリア」完成。
- 2018年(平成30年) 動植物園の新ロゴマークを制定。
- 10月 - 動物園正門をリニューアルし、旧動植物園の門のレプリカを設置。
福岡市動植物園リニューアル構想
[編集]リニューアル構想は1991年(平成2年)11月に市長諮問機関「福岡市自然動物公園整備構想委員会」が設置されたことに始まる。当初は西区金武地区への移転が答申されるが、そののち福岡市の財政事情が考慮され、2002年(平成14年)8月には移転計画中止および現動植物園の再検討となる。
老朽化が目立つ動物園を中心に20年でリニューアルを進める構想は、旭川市旭山動物園などの行動展示を参考に、動物園と植物園を一体化させて飼育場や展示方法を整備し、生息地別単位に5つの展示エリア(アジア熱帯の渓谷、アフリカの草原、日本の自然、動物行動・環境への適応、バードガーデン)に区分する。個々の動物の飼育空間を広く採るため、飼育種を従来から2割ほど減少させる。飼育動物と来園者にやさしい動植物園へとエリア単位で段階的に更新し、2025年 - 2030年ごろに完了予定。
リニューアル工事は2009年(平成21年)から始まり、「アジア熱帯の渓谷エリア」は2013年(平成25年)9月に完成した。続いて2014年(平成26年)から正門付近のリニューアル工事が始まり、2018年(平成30年)10月に完成した。
交通アクセス
[編集]- 西鉄バス
- 行先番号56・58に乗車、動物園前バス停下車、徒歩すぐ(動物園側)
- 行先番号56・57・58に乗車、小笹団地正門前バス停下車、東へ約300m(植物園側)
- 行先番号9・10・11・15・16・17・19・20・214に乗車、雙葉学園入口バス停から南へ約600m(動物園側)
- 福岡市地下鉄七隈線
- ゴールデンウィーク、「夜の動植物園」開催時は地下鉄駅より無料送迎バスが運行されることがある。
- 自家用車の場合、福岡高速環状線天神北出入口から4.6㎞。ただし土日祝日の混雑が激しいため公共交通機関の利用を推奨している[1]。
近郊施設
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 川口勝彦・首藤卓茂『福岡の戦争遺跡を歩く』 海鳥社 2010年 ISBN 978-4-87415-786-2