群像新人文学賞
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群像新人文学賞(ぐんぞうしんじんぶんがくしょう)は、講談社が刊行する文芸誌『群像』が、1958年に創設した純文学の公募新人文学賞。締め切りは10月31日(当日消印有効)。
純文学系の公募している新人賞には他に、文學界新人賞、新潮新人賞、すばる文学賞、文藝賞、太宰治賞などがある。『群像』主催の賞には他に、群像新人長篇小説賞がある。
2014年までは、小説部門と評論部門の2部門に分かれていたが、2015年からは、小説のみが選考対象となり、評論部門は本賞から独立し、群像新人評論賞と名を変えて新たにスタートした[1]。群像新人評論賞についても、本項で記述する。
応募規定
[編集]- 年1回発表。
- 小説部門は400字詰原稿用紙で70枚以上250枚以内。
- 受賞者には正賞として 50 万円(優秀作25万円)が授与され、受賞作は選評と合わせて『群像』6月号に掲載される。
過去の応募規定
[編集]- 枚数
- 第1回から第6回まで、小説部門は400枚詰め原稿用紙に換算して100枚以内、評論は50枚以内。
- 第7回から第10回まで、小説部門は400枚詰め原稿用紙に換算して50枚前後(長くても100枚以内)、評論は100枚以内。
- 第11回から第46回まで、小説部門は400枚詰め原稿用紙に換算して250枚以内、評論は100枚以内。
- 第47回以降は現在と同じ。
- 賞金
- 第1回から第2回まで、小説部門は10万円、評論部門は5万円。
- 第3回から第21回まで、両部門ともに10万円。
- 第22回から第23回まで、両部門ともに15万円。
- 第24回から、両部門共に30万円
- 第35回から、両部門共に50万円
- 第9回は両部門の受賞者に副賞として「エンサイクロペディア・アメリカーナ(1965年版・全30巻)」が授与された。
- 同人雑誌発表作の扱い
- 第1回から第6回まで、応募締め切りの1年以内に同人雑誌に発表された作品も投稿可能だった。
- 第7回以降、同人雑誌発表作は投稿不可能となった。
- 選評の掲載形式
- 第1回から第6回までは選考座談会が掲載された。
- 第7回以降は各選考委員の選評が掲載されている。
- この形式変更は大岡昇平が師匠格の小林秀雄に真似て速記を直す、なんてことに平野謙がクレームつけたため。
受賞作一覧
[編集]小説部門
[編集]第1回から第10回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第1回(1958年度) | 846編 | 当選作なし | ||
第2回(1959年度) | 863編 | 当選作なし | ||
第3回(1960年度) | 875編 | 当選作 | 古賀珠子 | 「魔笛」[注 1] |
第4回(1961年度) | 881編 | 当選作なし | ||
最優秀作 | 上田三四二[注 2] | 「逆縁」 | ||
第5回(1962年度) | 897編 | 当選作 | 西原啓 | 「日蝕」[注 3] |
第6回(1963年度) | 722編 | 当選作 | 文沢隆一 | 「重い車」[注 4] |
第7回(1964年度) | 853編 | 当選作 | 三好三千子 | 「どくだみ」[注 5] |
第8回(1965年度) | 821編 | 当選作 | 黒部亨 | 「砂の関係」 |
第9回(1966年度) | 802編 | 当選作なし | ||
最優秀作 | 畑山博 | 「一坪の大陸」[注 6] | ||
第10回(1967年度) | 725編 | 当選作 | 近藤弘俊 | 「骨」 |
第11回から第20回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第11回(1968年度) | 514編 | 当選作 | 大庭みな子 | 「三匹の蟹」[注 7] | 第59回芥川賞受賞 |
優秀作 | 深井富子 | 「ドン・ペドロ二世ホテル」 | |||
第12回(1969年度) | 596編 | 当選作 | 李恢成 | 「またふたたびの道」[注 8] | |
第13回(1970年度) | 507編 | 当選作 | 勝木康介 | 「出発の周辺」[注 9] | |
第14回(1971年度) | 524編 | 当選作 | 小林美代子 | 「髪の花」[注 10] | |
広川禎孝 | 「チョーク」 | ||||
第15回(1972年度) | 538編 | 当選作なし | |||
第16回(1973年度) | 543編 | 当選作なし | |||
第17回(1974年度) | 523編 | 当選作 | 飯田章 | 「迪子とその夫」[注 11] | |
高橋三千綱 | 「退屈しのぎ」[注 12] | ||||
森本等 | 「或る回復」 [注 13] | ||||
第18回(1975年度) | 591編 | 当選作 | 林京子 | 「祭りの場」[注 14] | 第73回芥川賞受賞 |
優秀作 | 小松紀夫 | 「隠された声」 | |||
第19回(1976年度) | 664編 | 当選作 | 村上龍 | 「限りなく透明に近いブルー」[注 15] | 第75回芥川賞受賞 |
優秀作 | 海野碧[注 16] | 「海の幸」 | |||
第20回(1977年度) | 803編 | 当選作なし | |||
優秀作 | 山川健一 | 「鏡の中のガラスの船」[注 17] | |||
倉内保子 | 「とても自然な、怯え方」 |
第21回から第30回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第21回(1978年度) | 1024編 | 当選作 | 小幡亮介 | 「永遠に一日」 |
中沢けい | 「海を感じる時」[注 18] | |||
第22回(1979年度) | 1148編 | 当選作 | 村上春樹 | 「風の歌を聴け」[注 19] |
第23回(1980年度) | 1288編 | 当選作 | 長谷川卓 | 「昼と夜」 |
第24回(1981年度) | 1278編 | 当選作 | 笙野頼子 | 「極楽」[注 20] |
第25回(1982年度) | 1262編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 池田基津夫 | 「うさぎ」 | ||
第26回(1983年度) | 1248編 | 当選作 | 伊井直行 | 「草のかんむり」[注 21] |
第27回(1984年度) | 1276編 | 当選作 | 華城文子 | 「ダミアンズ、私の獲物」[注 22] |
第28回(1985年度) | 1174編 | 当選作 | 李起昇 | 「ゼロはん」[注 23] |
優秀作 | 吉目木晴彦 | 「ジパング」[注 24] | ||
第29回(1986年度) | 1208編 | 当選作 | 新井千裕 | 「復活祭のためのレクイエム」[注 25] |
第30回(1987年度) | 1286編 | 当選作 | 下井葉子 | 「あなたについて わたしについて」 |
鈴木隆之 | 「ポートレイト・イン・ナンバー」[注 26] |
第31回から第40回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第31回(1988年度) | 1594編 | 当選作 | 石田郁男 | 「アルチュール・エリソンの素描」 |
第32回(1989年度) | 1492編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 上原秀樹 | 「走る男」 | ||
第33回(1990年度) | 1622編 | 当選作 | 高野亘 | 「コンビニエンス ロゴス」[注 27] |
第34回(1991年度) | 1497編 | 当選作 | 多和田葉子 | 「かかとを失くして」[注 28] |
第35回(1992年度) | 1613編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 中野勝 | 「鳩を食う」[注 29] | ||
第36回(1993年度) | 1337編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 足立浩二 | 「暗い森を抜けるための方法」 | ||
木地雅映子 | 「氷の海のガレオン」[注 30] | |||
第37回(1994年度) | 1890編 | 当選作 | 阿部和重 | 「アメリカの夜」[注 31] |
第38回(1995年度) | 2050編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 団野文丈 | 「離人たち」 | ||
萩山綾音 | 「影をめくるとき」 | |||
第39回(1996年度) | 1754編 | 当選作 | 鈴木景子[注 32] | 「やさしい光」 |
優秀作 | 堂垣園江 | 「足下の土」 | ||
第40回(1997年度) | 1383編 | 当選作 | 岡崎祥久 | 「秒速10センチの越冬」[注 33] |
第41回から第50回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第41回(1998年度) | 1762編 | 当選作なし | |||
優秀作 | 長田司[注 34] | 「水のはじまり」 | |||
第42回(1999年度) | 1694編 | 当選作なし | |||
第43回(2000年度) | 1336編 | 当選作 | 横田創 | 「(世界記録)」[注 35] | |
優秀作 | 中井佑治 | 「フリースタイルのいろんな話」 | |||
第44回(2001年度) | 1328編 | 当選作 | 萩原亨 | 「蚤の心臓ファンクラブ」[注 36] | |
優秀作 | 島本理生 | 「シルエット」[注 37] | |||
第45回(2002年度) | 1560編 | 当選作 | 早川大介 | 「ジャイロ!」[注 38] | |
寺村朋輝 | 「死せる魂の幻想」[注 39] | ||||
第46回(2003年度) | 1284編 | 当選作 | 森健 | 「火薬と愛の星」[注 40] | |
優秀作 | 村田沙耶香 | 「授乳」[注 41] | |||
脇坂綾 | 「鼠と肋骨」 | ||||
第47回(2004年度) | 1771編 | 当選作 | 十文字実香 | 「狐寝入夢虜」[注 42] | |
優秀作 | 佐藤憲胤 | 「サージウスの死神」[注 43] | |||
第48回(2005年度) | 1681編 | 当選作 | 樋口直哉 | 「さよなら アメリカ」[注 44] | 第133回芥川賞候補 |
優秀作 | 望月あんね | 「グルメな女と優しい男」[注 45] | |||
第49回(2006年度) | 1823編 | 当選作 | 木下古栗 | 「無限のしもべ」 | |
朝比奈あすか[注 46] | 「憂鬱なハスビーン」[注 47] | ||||
優秀作 | 深津望 | 「煙幕」 | |||
第50回(2007年度) | 1889編 | 当選作 | 諏訪哲史 | 「アサッテの人」[注 48] | 第137回芥川賞受賞 |
優秀作 | 広小路尚祈 | 「だだだな町、ぐぐぐなおれ」 |
第51回から第60回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第51回(2008年度) | 2062編 | 当選作 | 松尾依子 | 「子守唄しか聞こえない」[注 49] | |
第52回(2009年度) | 1994編 | 当選作 | 丸岡大介 | 「カメレオン狂のための戦争学習帳」[注 50] | |
第53回(2010年度) | 1884編 | 当選作 | 淺川継太 | 「朝が止まる」[注 51] | |
野水陽介[注 52] | 「後悔さきにたたず」 | ||||
第54回(2011年度) | 1721編 | 当選作 | 中納直子 | 「美しい私の顔」 | |
第55回(2012年度) | 1618編 | 当選作 | 岡本学 | 「架空列車」[注 53] | |
優秀作 | 片瀬チヲル | 「泡をたたき割る人魚は」[注 54] | |||
藤崎和男 | 「グッバイ、こおろぎ君。」[注 55] | ||||
第56回(2013年度) | 1851編 | 当選作 | 波多野陸[注 56] | 「鶏が鳴く」[注 57] | |
第57回(2014年度) | 1746編 | 当選作 | 横山悠太 | 「吾輩ハ猫ニナル」[注 58] | 第151回芥川賞候補 |
第58回(2015年度) | 1762編 | 当選作 | 乗代雄介 | 「十七八より」[注 59] | |
第59回(2016年度) | 1864編 | 当選作 | 崔実[注 60] | 「ジニのパズル」[注 61][2] | 第155回芥川賞候補 |
第60回(2017年度) | 2016編 | 当選作なし | |||
優秀作 | 上原智美 | 「天袋」[3] | |||
李琴峰 | 「独舞」 |
第61回から第70回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第61回(2018年度) | 2003編 | 当選作 | 北条裕子 | 「美しい顔」 | 第160回芥川賞候補 |
第62回(2019年度) | 2238編 | 当選作 | 石倉真帆 | 「そこどけあほが通るさかい」 | |
第63回(2020年度) | 2287編 | 当選作なし | |||
優秀作 | 湯浅真尋 | 「四月の岸辺」 | |||
第64回(2021年度) | 2291編 | 当選作 | 石沢麻依 | 「貝に続く場所にて」 | 第165回芥川賞受賞 |
島口大樹 | 「鳥がぼくらは祈り、」 | ||||
優秀作 | 松永K三蔵 | 「カメオ」 | |||
第65回(2022年度) | 2072編 | 当選作 | 小砂川チト | 「家庭用安心坑夫」 | 第167回芥川賞候補 |
平沢逸 | 「点滅するものの革命」 | ||||
第66回(2023年度) | 1986編 | 当選作 | 村雲菜月 | 「もぬけの考察」 | |
夢野寧子 | 「ジューンドロップ」 | ||||
第67回(2024年度) | 2030編 | 当選作 | 豊永浩平 | 「月ぬ走いや、馬ぬ走い」 | |
優秀作 | 白鳥一 | 「遠くから来ました」 |
評論部門
[編集]第1回から第10回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第1回(1958年度) | 107編 | 当選作 | 足立康 | 「宝石の文学」 |
第2回(1959年度) | 112編 | 当選作 | 佐野金之助 | 「活力の造型――戦後世代の文学的課題」 |
第3回(1960年度) | 122編 | 当選作 | 秋山駿 | 「小林秀雄」 |
第4回(1961年度) | 121編 | 当選作 | 上田三四二[注 62] | 「齋藤茂吉論」 |
第5回(1962年度) | 125編 | 当選作 | 小笠原克[注 63] | 「私小説論の成立をめぐって」 |
第6回(1963年度) | 98編 | 当選作 | 月村敏行 | 「中野重治論序説――その詩集の意味するもの」 |
第7回(1964年度) | 92編 | 当選作 | 松原新一 | 「亀井勝一郎論」 |
第8回(1965年度) | 83編 | 当選作 | 渡辺広士 | 「三島由紀夫と大江健三郎」 |
第9回(1966年度) | 71編 | 当選作なし | ||
最優秀作 | 曾根博義 | 「『伊藤整の方法』――肉体なき生活の思想」 | ||
近藤功 | 「吉本隆明」 | |||
第10回(1967年度) | 83編 | 当選作 | 宮内豊 | 「大岡昇平論」 |
利沢行夫 | 「自己救済のイメージ――大江健三郎論」 |
第11回から第20回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第11回(1968年度) | 52編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 小松万佐子 | 「『現代の神』を索めて」 | ||
第12回(1969年度) | 53編 | 当選作 | 柄谷行人 | 「〈意識〉と〈自然〉――漱石試論」 |
第13回(1970年度) | 48編 | 当選作なし | ||
第14回(1971年度) | 55編 | 当選作なし | ||
第15回(1972年度) | 51編 | 当選作 | 西村亘 | 「ギリシア人の歎き ――悲劇に於ける宿命と自由との関係の考察」 |
第16回(1973年度) | 62編 | 当選作 | 本村敏雄 | 「傷痕と回帰――「月とかがり火」を中心に」 |
優秀作 | 原口昭夫 | 「大江健三郎論 ――精神の位相というその顔立」 | ||
第17回(1974年度) | 62編 | 当選作 | 勝又浩 | 「我を求めて ――中島敦による私小説論の試み」 |
第18回(1975年度) | 82編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 藤林靖晃 | 「文学に於ける自己と所有」 | ||
第19回(1976年度) | 73編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 羽原譲 | 「蟻地獄の研究――平野謙論」 | ||
第20回(1977年度) | 95編 | 当選作 | 中島梓 | 「文学の輪郭」 |
第21回から第30回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第21回(1978年度) | 108編 | 当選作なし | ||
第22回(1979年度) | 115編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 宇野邦一 | 「文学の終末について」 | ||
富岡幸一郎 | 「意識の暗室――埴谷雄高と三島由紀夫」 | |||
第23回(1980年度) | 94編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 川村湊 | 「異様なるものをめぐって――徒然草論」 | ||
第24回(1981年度) | 93編 | 当選作 | 小林広一 | 「斎藤緑雨論」 |
第25回(1982年度) | 121編 | 当選作 | 加藤弘一 | 「コスモスの知慧」 |
第26回(1983年度) | 81編 | 当選作 | 井口時男 | 「物語の身体――中上健次論」 |
千石英世[注 64] | 「ファルスの複層――小島信夫論」 | |||
第27回(1984年度) | 116編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 松下千里 | 「生成する『非在』――古井由吉をめぐって」 | ||
山内由紀人 | 「生きられた自我――高橋たか子論」 | |||
第28回(1985年度) | 106編 | 当選作なし | ||
第29回(1986年度) | 117編 | 当選作 | 清水良典 | 「記述の国家――谷崎潤一郎原論」 |
優秀作 | 島弘之 | 「小林秀雄への共感的反逆 ――後発者柄谷行人の"場所"」 | ||
第30回(1987年度) | 106編 | 当選作 | 高橋勇夫 | 「帰属と彷徨――芥川龍之介論」 |
第31回から第40回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第31回(1988年度) | 98編 | 当選作 | 室井光広 | 「零の力――J.L.ボルヘスをめぐる断章」 |
優秀作 | 青海健 | 「三島由紀夫とニーチェ ――悲劇的文化とイロニー」 | ||
第32回(1989年度) | 83編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 石川忠司 | 「修行者の言語――中原中也試論」 | ||
第33回(1990年度) | 115編 | 当選作 | 森孝雅 | 「『豊饒の海』あるいは夢の折り返し点」 |
優秀作 | 風丸良彦 | 「カーヴァーが死んだことなんてだあれも知らなかった ――極小主義者たちの午後」 | ||
第34回(1991年度) | 103編 | 当選作 | 渡辺諒 | 「異邦の友への手紙 ――ロラン・バルト『記号の帝国』再考」 |
優秀作 | 佐飛通俊 | 「静かなるシステム」 | ||
第35回(1992年度) | 109編 | 当選作 | 武田信明 | 「二つの「鏡地獄」 ――乱歩と牧野信一における複数の「私」」[注 65] |
山城むつみ | 「小林批評のクリティカル・ポイント」 | |||
第36回(1993年度) | 98編 | 当選作 | 大杉重男 | 「『あらくれ』論」 |
第37回(1994年度) | 88編 | 当選作 | 池田雄一 | 「原形式に抗して」 |
紺野馨 | 「哀しき主――小林秀雄と歴史」 | |||
第38回(1995年度) | 127編 | 当選作なし | ||
第39回(1996年度) | 112編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 川田宇一郎 | 「由美ちゃんとユミヨシさん ――庄司薫と村上春樹の「小さき母」」 | ||
高原英理 | 「語りの事故現場」 | |||
第40回(1997年度) | 93編 | 当選作 | 齋藤礎英 | 「逆説について」 |
優秀作 | 丸川哲史 | 「『細雪』試論」 |
第41回から第50回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第41回(1998年度) | 120編 | 当選作 | 鎌田哲哉 | 「丸山真男論」 |
千葉一幹 | 「文学の位置――森鴎外試論」 | |||
日比勝敏 | 「物語の外部・構造化の軌跡 ――武田泰淳論序説」 | |||
第42回(1999年度) | 116編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 山岡頼弘 | 「中原中也の「履歴」」 | ||
水谷真人 | 「批評と文芸批評と」 | |||
第43回(2000年度) | 91編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 生田武志 | 「つぎ合わせの器は、 ナイフで切られた果物となりえるか?」 | ||
第44回(2001年度) | 93編 | 当選作 | 青木純一 | 「法の執行停止――森鴎外の歴史小説」 |
第45回(2002年度) | 106編 | 当選作 | 伊藤氏貴 | 「他者の在処――芥川の言語論」 |
優秀作 | 安藤礼二 | 「神々の闘争――折口信夫論」 | ||
第46回(2003年度) | 80編 | 当選作 | 佐藤康智 | 「『奇跡』の一角」 |
第47回(2004年度) | 131編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 中井秀明 | 「変な気持」 | ||
和田茂俊 | 「汽車に乗る中野重治」 | |||
第48回(2005年度) | 102編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 水牛健太郎 | 「過去 メタファー 中国 ――ある『アフターダーク』論」 | ||
山田茂 | 「赤坂真理」 | |||
第49回(2006年度) | 103編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 田中弥生 | 「乖離する私――中村文則」 | ||
第50回(2007年度) | 119編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 岩月悟 | 「《無限》の地平の《彼方》へ ~チェーホフのリアリズム」 | ||
橋本勝也 | 「具体的な指触り」 |
第51回から第58回
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第51回(2008年度) | 128編 | 当選作 | 武田将明 | 「囲われない批評――東浩紀と中原昌也」 |
第52回(2009年度) | 142編 | 当選作 | 永岡杜人 | 「言語についての小説――リービ英雄論」 |
優秀作 | 伊東祐吏 | 「批評論事始」 | ||
第53回(2010年度) | 152編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 飯塚数人 | 「福田恆存 VS 武智鉄二 ――西洋か伝統か、それが問題だ!」 | ||
第54回(2011年度) | 129編 | 当選作 | 彌榮浩樹 | 「1%の俳句――一挙性・露呈性・写生」 |
第55回(2012年度) | 116編 | 当選作なし | ||
第56回(2013年度) | 153編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 木村友彦 | 「不可能性としての〈批評〉 ――批評家 中村光夫の位置」 | ||
多羽田敏夫 | 「〈普遍倫理〉を求めて ――吉本隆明「人間の『存在の倫理』」論註」 | |||
第57回(2014年度) | 132編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 坂口周 | 「運動する写生――映画の時代の子規」 | ||
矢野利裕 | 「自分ならざる者を精一杯に生きる――町田康論」 | |||
第58回(2015年度) | ※群像新人評論賞へ移行 |
群像新人評論賞
[編集]第59回から
[編集]回(年) | 応募総数 | 賞 | 受賞者 | 受賞作 |
---|---|---|---|---|
第59回(2016年度) | 214編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 荒木優太 | 「反偶然の共生空間 ――愛と正義のジョン・ロールズ」 | ||
高原到 | 「ケセルの想像力」 | |||
第60回(2017年度) | 179編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 川口好美 | 「不幸と共存――シモーヌ・ヴェイユ試論」 | ||
宮澤隆義 | 「新たな「方法序説」へ――大江健三郎をめぐって」 | |||
第61回(2018年度) | 185編 | 当選作 | 石橋正孝 | 「なぜシャーロック・ホームズは「永遠」なのか──コンテンツツーリズム論序説」 |
第62回(2019年度) | 193編 | 当選作 | 長﨑健吾 | 「故郷と未来」 |
第63回(2020年度) | 201編 | 当選作なし | ||
第64回(2021年度) | 205編 | 当選作なし | ||
優秀作 | 内山葉杜 | 「事後と渦中 : 武田泰淳論」 | ||
第65回(2022年度) | 152編 | 当選作 | 渡辺健一郎 | 「演劇教育の時代」 |
優秀作 | 小峰ひずみ | 「平成転向論 鷲田清一をめぐって」 |
第65回をもって休止となった[4]。
選考委員
[編集]- 第1回から第10回 - 伊藤整(第4回欠席)、大岡昇平、中村光夫、平野謙
- 第11回から第15回 - 江藤淳、大江健三郎、野間宏、安岡章太郎
- 第16回から第20回 - 井上光晴、遠藤周作、小島信夫、埴谷雄高、福永武彦
- 第21回から第23回 - 佐々木基一、佐多稲子、島尾敏雄、丸谷才一、吉行淳之介
- 第24回から第26回 - 川村二郎、木下順二、瀬戸内晴美、田久保英夫、藤枝静男
- 第27回 - 秋山駿、遠藤周作、河野多恵子、日野啓三(欠席)
- 第28回から第29回 - 秋山駿、遠藤周作、河野多恵子、日野啓三、三浦哲郎
- 第30回から第32回 - 青野聰、柄谷行人、黒井千次、津島佑子、富岡多恵子
- 第33回から第34回 - 柄谷行人、田久保英夫、津島佑子、三木卓、李恢成
- 第35回から第37回 - 柄谷行人、後藤明生、田久保英夫、三木卓(第37回欠席)、李恢成
- 第38回から第42回 - 柄谷行人、後藤明生、高橋源一郎、中沢けい、李恢成
- 第43回から第46回 - 加藤典洋、川村湊、笙野頼子、高橋源一郎、藤沢周
- 第47回から第51回 - 加藤典洋、多和田葉子、藤野千夜、堀江敏幸、松浦寿輝
- 第52回から第54回 - 伊藤たかみ、絲山秋子、田中和生、長嶋有、松浦寿輝
- 第55回 - 阿部和重、安藤礼二、絲山秋子、奥泉光、松浦寿輝
- 第56回から第57回 - 青山七恵、阿部和重、安藤礼二、奥泉光、辻原登
- 第58回から第61回 - 青山七恵、高橋源一郎、多和田葉子、辻原登、野崎歓
- 第62回から第63回 - 柴崎友香、高橋源一郎、多和田葉子、野崎歓、松浦理英子
- 第64回から第67回 - 柴崎友香、島田雅彦、古川日出男、町田康、松浦理英子
- 第68回から - 朝吹真理子、島田雅彦、藤野可織、古川日出男、町田康
選考委員(群像新人評論賞)
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 『魔笛』所収
- ^ 応募時の名義は「成相夏男」
- ^ 『日蝕』所収
- ^ 『〈八月六日〉を描く』所収
- ^ 『青桐の家』所収
- ^ 『母を拭く夜』所収
- ^ 『三匹の蟹』所収
- ^ 1969年6月 講談社
- ^ 『出発の周辺』所収
- ^ 『髪の花』所収
- ^ 『迪子とその夫』所収
- ^ 『退屈しのぎ』所収
- ^ 『或る回復』所収
- ^ 『祭りの場』所収
- ^ 1976年7月 講談社
- ^ 受賞時の名義は「来島潤子」
- ^ 『鏡の中のガラスの船』所収
- ^ 最年少受賞。『海を感じる時』所収
- ^ 1979年7月 講談社
- ^ 『極楽 笙野頼子・初期作品集1』所収
- ^ 1983年7月 講談社
- ^ 1984年8月 講談社
- ^ 1985年9月 講談社
- ^ 『ルイジアナ杭打ち』所収
- ^ 1986年8月 講談社
- ^ 『ポートレイト・イン・ナンバー』所収
- ^ 1990年7月 講談社
- ^ 『三人関係』所収
- ^ 「鳩を食べる」を改題
- ^ 『氷の海のガレオン』所収
- ^ 「生ける屍の夜」を改題。1994年7月 講談社
- ^ 応募時の名義は「鈴木けい子」
- ^ 1997年11月 講談社
- ^ 応募時の名義は「長田敦司」
- ^ 2000年8月 講談社
- ^ 2001年8月 講談社
- ^ 『シルエット』所収
- ^ 2002年12月 講談社
- ^ 2002年12月 講談社
- ^ 2003年9月 講談社
- ^ 『授乳』所収
- ^ 『狐寝入夢虜』所収
- ^ 2005年5月 講談社
- ^ 2005年7月 講談社
- ^ 2005年7月 講談社
- ^ 応募時の名義は「久保田凜香」
- ^ 2006年8月 講談社
- ^ 2007年7月 講談社
- ^ 2008年8月 講談社
- ^ 2009年7月 講談社
- ^ 『ある日の結婚』所収
- ^ 応募時の名義は「大海原大地」
- ^ 「失った架空」を改題。2012年7月 講談社
- ^ 2012年7月 講談社
- ^ 2012年7月 講談社
- ^ 応募時の名義は「秦六男」
- ^ 2013年8月 講談社
- ^ 2014年7月 講談社
- ^ 2015年8月 講談社
- ^ 応募時の名義は「チェシル」
- ^ 2016年7月 講談社
- ^ 応募時の名義は「成相夏男」
- ^ 応募時の名義は「大炊絶」
- ^ 応募時の名義は「板倉洋」
- ^ 「乱歩というレンズ――二つの「鏡地獄」」を改題
出典
[編集]- ^ 【手帖】「変わった作品に、自分も驚き」 群像新人文学賞の横山さん - 産経ニュース
- ^ 第59回群像新人文学賞:朝日新聞デジタル
- ^ “講談社、第60回「群像新人文学賞」を決定”. 新文化通信社 (2017年4月20日). 2017年11月11日閲覧。
- ^ “【編集後記】|「群像」2021年7月号|tree”. tree. 2022年1月14日閲覧。