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花咲駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
花咲駅
駅舎(2010年8月)
はなさき
Hanasaki
西和田 (4.6 km)
(4.1 km) 東根室
地図
所在地 北海道根室振興局根室市花咲港255番地[1]
北緯43度17分43.33秒 東経145度34分30.04秒 / 北緯43.2953694度 東経145.5750111度 / 43.2953694; 145.5750111座標: 北緯43度17分43.33秒 東経145度34分30.04秒 / 北緯43.2953694度 東経145.5750111度 / 43.2953694; 145.5750111
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 根室本線(花咲線)
キロ程 438.2 km(滝川起点)
電報略号 ハサ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗車人員
-統計年度-
0人/日(降車客含まず)
-2012年-
開業年月日 1921年大正10年)8月5日[1]
廃止年月日 2016年平成28年)3月26日[JR北 1]
備考 無人駅
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花咲駅(はなさきえき)は、かつて北海道根室振興局根室市花咲港[1]に所在した北海道旅客鉄道(JR北海道)根室本線(花咲線)の廃駅)。事務管理コードは▲110453[2]

歴史

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1978年の花咲駅と周囲500m範囲。上が根室方面。石組み土盛の単式ホーム1面1線で、かつては駅裏に貨物用の副本線があったが、貨物取扱廃止に併せて撤去された。このため本線の線形は若干ホーム側へ寄っている。駅裏右下へ向かう細道を1㎞程下ると花咲港に至る。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来

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当駅の所在する地名より。地名は、アイヌ語の「ポロノッ[注釈 2]」(大・岬[注釈 3])を「岬」、つまり「鼻崎」と意訳し、「花咲」の字をあてたものである[1][7]

開設時、鉄道省内には土地を寄付した松浦牧場から「松浦駅」とする案もあったが、当時の牧場主が辞退したとされる[新聞 1]

駅構造

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根室駅管理の無人駅だった。単式ホーム1面1線を持つ棒線駅であった。ホームの長さは約50メートルで、砂利を敷き詰めていた[新聞 3]1955年(昭和30年)頃はそれよりも長く伸びており、長い編成の貨物列車が停車していた。駅の裏手には貨物を取り扱う会社の営業所があった[新聞 3]

駅舎は国鉄貨物列車の車掌車を再利用していた。かつては名産のハナサキガニのイラストが描かれていたが、末期は西和田駅と色違いのシンプルな塗装に塗りかえられていた。

利用状況

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廃止直前の数年間は、利用がほぼ皆無であったが[新聞 3]、かつてはサケ・マスの水揚げ時期である6、7月になると、1日100個近い荷物を発送するなどにぎわいを見せた[新聞 3]

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。

年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均
1954年(昭和29年) 274.2 [新聞 4]
1978年(昭和53年) 21 [8]
1979年(昭和54年) 7,315 (20.0) [9]
1980年(昭和55年) 4,621 (12.7)
1981年(昭和56年) 3,604 (9.9)
1982年(昭和57年) 3,171 (8.7)
1983年(昭和58年) 3,806 (10.4)
1984年(昭和59年) 2,474 (6.8) [10]
1992年(平成04年) (1.0) [11] 1日平均乗降客数2人

駅周辺

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駅南方には、ハナサキガニ水揚げで知られる根室港(花咲港区、通称・花咲港)がある。

廃止後の状況

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廃止後、2016年(平成28年)6月7日から9日にかけて重機でホームが解体された[新聞 3]。以降、解体整備完了後引き続き旧駅前整備が始まり、8月24日には駅舎が松浦牧場に譲渡された[新聞 1]

隣の駅

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北海道旅客鉄道(JR北海道)
根室本線(花咲線)(駅廃止時)
西和田駅 - 花咲駅 - 東根室駅

脚注

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注釈

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  1. ^ 駅舎の取り壊しを条件に公開入札が行われたが、落札者はいなかった。駅舎は同年10月20日までに解体された。
  2. ^ アイヌ語ラテン翻字: poro-not
  3. ^ 本来「ノッ」は顔の顎のことで、転じて「顎のように突き出た岬」を指す言葉でもある。

出典

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  1. ^ a b c d 『JR花咲駅のご紹介』 JR北海道釧路支社
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、234頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ 内閣印刷局, ed (1921-07-28). “鉄道省告示 第95号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (2698). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2954813/4. 
  4. ^ a b c 『鉄道百年の歩み:JR釧路支社』
  5. ^ a b 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』
  6. ^ 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、122頁。ISBN 4-09-395401-1 
  7. ^ アイヌ語地名リスト ノブト~ヒラキ P101-110”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2014年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月20日閲覧。
  8. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、874頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  9. ^ 根室市 (1985-03-20). “第8編 運輸・通信” (pdf). 昭和59年度根室市統計書: 52. オリジナルの2022-09-11時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/Os5EV. 
  10. ^ 根室市 (1990-03-01). “第8編 運輸・通信・港湾” (pdf). 平成元年度根室市統計書: 45. オリジナルの2022-09-11時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/0H4bZ. 
  11. ^ 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、122頁。ISBN 4-09-395401-1 

JR北海道

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  1. ^ a b 平成28年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年12月18日。オリジナルの2015年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20151218154545/http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/151218-3.pdf2015年12月18日閲覧 

新聞記事

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  1. ^ a b c d 犬飼裕一 (2016年8月24日). “旧花咲駅舎、松浦牧場に譲渡 牧場主の祖父が用地寄付し駅開業”. 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(道東) (北海道新聞社). オリジナルの2016年8月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160824081945/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0307936.html 2016年8月24日閲覧。 
  2. ^ “古いといえど駅舎1万円ちょい 釧網本線美留和駅と南弟子屈駅 落札した坪井さん「復元し保存を」”. 北海道新聞. (1986年10月14日) 
  3. ^ a b c d e “「青春のシンボル」消えてしまった…*廃止の花咲駅、ホーム撤去 北海道・根室”. 北海道新聞. Yahoo!ニュース(北海道・東北) (Yahoo! JAPAN). (2016年6月10日). オリジナルの2016年6月11日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/hkGOX 2016年6月11日閲覧。 
  4. ^ 水野薫 (2016年10月19日). “花咲駅の歩み ひと目で 資料館の福田主査 「駅史」を作製”. 北海道新聞. どうしんウェブ/電子版(道東) (北海道新聞社). オリジナルの2016年10月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161019093552/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/doto/1-0328471.html 2016年10月19日閲覧。 

参考文献

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書籍

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雑誌

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関連項目

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外部リンク

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