アンソニー・ケイ
横浜DeNAベイスターズ #69 | |
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2024年3月9日 横浜スタジアム | |
基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | ニューヨーク州サフォーク郡ストーニーブルック |
生年月日 | 1995年3月21日(29歳) |
身長 体重 |
6' 0" =約182.9 cm 218 lb =約98.9 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2016年 MLBドラフト1巡目追補(全体31位) |
初出場 |
MLB / 2019年9月7日 NPB / 2024年4月6日 |
年俸 | 1億1600万円(2024年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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アンソニー・ベンジャミン・ケイ(Anthony Benjamin Kay、1995年3月21日 - )は、アメリカ合衆国ニューヨーク州サフォーク郡ストーニーブルック出身のプロ野球選手(投手)。左投左打。横浜DeNAベイスターズ所属。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]2013年のMLBドラフト29巡目(全体866位)でニューヨーク・メッツから指名されたが、コネチカット大学へ進学した。
プロ入りとメッツ傘下時代
[編集]2016年のMLBドラフト1巡目追補(全体31位)で再びメッツから指名され、プロ入り。この年は登板が無く、10月にトミー・ジョン手術を受けた[2]。
2017年は前年の手術の影響で全休した。
2018年は傘下のA級コロンビア・ファイヤーフライズでプロデビュー。A+級セントルーシー・メッツでもプレーし、2球団合計で23試合に先発登板して7勝11敗、防御率4.26、123奪三振を記録した。
2019年はAA級ビンガムトン・ランブルポニーズとAAA級シラキュース・メッツでプレーした。また、7月にはオールスター・フューチャーズゲームのナショナルリーグ選抜に選出された[3]。
ブルージェイズ時代
[編集]2019年7月1日にマーカス・ストローマン及び金銭とのトレードで、シメオン・ウッズ・リチャードソンと共にトロント・ブルージェイズへ移籍した[4]。
移籍後は傘下のAA級ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツでプレーし、移籍前を含めたマイナー3球団合計で26試合に先発登板して10勝8敗、防御率2.96、135奪三振を記録した。9月7日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りすると[5]、同日のタンパベイ・レイズ戦にて先発でメジャーデビュー(5.2回を2失点で勝敗付かず)[6]。この年メジャーでは3試合(先発2試合)に登板して1勝0敗、防御率5.79、13奪三振を記録した。2020年は13試合、2021年は11試合に登板したが、2022年は1試合のみの登板に留まった。
2022年12月16日にクリス・バシットの加入に伴い、DFAとなった[7]。
カブス時代
[編集]2022年12月23日にウェイバー公示を経てシカゴ・カブスへ移籍した[8]。
2023年はカブスでは13試合に登板して防御率6.35という成績であった。9月11日にDFAとなった[9]。
メッツ時代
[編集]2023年9月14日にウェイバー公示を経てメッツへ移籍した[10]。メッツでは3試合に登板して防御率5.40という成績であった。10月24日にウェイバー公示を経てオークランド・アスレチックスへ移籍した[11]。その後、11月6日にFAとなった[12]。
DeNA時代
[編集]2024年1月10日、横浜DeNAベイスターズと契約したことが発表された[13]。単年契約で、推定年俸は80万ドル(約1億1600万円)[1]。
同年は4月6日の読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)でNPB初登板・初先発を果たすも、4回5安打3失点で勝敗はつかなかった[14]。4月20日、3度目の先発となった東京ヤクルトスワローズ戦(明治神宮野球場)で5回5安打3失点でNPB初勝利を果たした[15]。5月28日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦(横浜スタジアム)では、雨風の吹き荒れる悪天候の中での登板でありながら、6回までは雨の影響をものともせず1失点の好投を見せた。しかし、7回に制球を乱して二死から2連続四球で満塁にしてしまい、投手交代のために監督がマウンドに向かい出したまさにそのタイミングで、雨の強まりから審判団は試合の一時中断をコールした[16]。そのまま、降雨コールドゲームとなり、6対1でチームが勝利したため、初完投勝利を挙げた[17][18]。シーズン中は味方の拙守[19]や球審の投球判定[20]などに苛立ち、投球を乱すという場面がたびたび見受けられ[21]、マウンド上でFワードを連発したり、降板後にグラブを投げつけたりなどといった態度を見せることもあった[22]。この欠点については投手コーチの大原慎司、小杉陽太とアンガーマネジメントについて何度も話し合いを続け、解決策を模索した[21]。一度も登録抹消されることなくローテーションを守ったが、規定投球回には届かず、6勝9敗、防御率3.42とシーズンでは物足りない成績に終わった[22]。しかし、ポストシーズンでは先発陣のキーマンと化す活躍を見せ[23]、10月16日、巨人と対戦したクライマックスシリーズ・ファイナルステージでは第1戦の先発を務め、6回を1安打無失点に抑える好投でチームを勝利に導き[24]、21日の第6戦では中4日で先発登板し4回途中2失点で降板したもののチームは逆転勝利を収め、日本シリーズ進出に貢献[25]。10月30日、福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズ第4戦の先発を任され、初回から3者連続三振を奪うなど7回7奪三振無失点で強力ソフトバンク打線を寄せつけない投球を見せチームに連勝をもたらした[26]。その後チームは第6戦の勝利で日本一を達成し、第4戦で好投したケイには優秀選手賞が贈られた[27]。
投球スタイル
[編集]最速97.7mph(約157.2km/h)[注 1]の速球に多彩な変化球を操る。東克樹と投球スタイルが似ているとされる[28]。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | TOR | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 63 | 14.0 | 15 | 0 | 5 | 0 | 1 | 13 | 1 | 0 | 9 | 9 | 5.79 | 1.43 |
2020 | 13 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 1.000 | 98 | 21.0 | 22 | 3 | 14 | 1 | 0 | 22 | 0 | 0 | 13 | 12 | 5.14 | 1.71 | |
2021 | 11 | 5 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | .333 | 156 | 33.2 | 38 | 7 | 18 | 0 | 3 | 39 | 2 | 0 | 22 | 21 | 5.61 | 1.66 | |
2022 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 10 | 2.0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 4.50 | 1.50 | |
2023 | CHC | 13 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 54 | 11.1 | 12 | 1 | 8 | 0 | 1 | 8 | 1 | 0 | 8 | 8 | 6.35 | 1.76 |
NYM | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 12 | 3.1 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 2 | 2 | 5.40 | 0.60 | |
'23計 | 16 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 66 | 14.2 | 13 | 2 | 9 | 0 | 2 | 11 | 1 | 0 | 10 | 10 | 6.14 | 1.50 | |
2024 | DeNA | 24 | 24 | 1 | 0 | 0 | 6 | 9 | 0 | 0 | .400 | 590 | 136.2 | 130 | 6 | 53 | 5 | 7 | 119 | 4 | 1 | 61 | 52 | 3.42 | 1.34 |
MLB:5年 | 44 | 7 | 0 | 0 | 0 | 4 | 2 | 0 | 3 | .667 | 393 | 85.1 | 90 | 12 | 47 | 1 | 7 | 88 | 4 | 0 | 55 | 53 | 5.59 | 1.61 | |
NPB:1年 | 24 | 24 | 1 | 0 | 0 | 6 | 9 | 0 | 0 | .400 | 590 | 136.2 | 130 | 6 | 53 | 5 | 7 | 119 | 4 | 1 | 61 | 52 | 3.42 | 1.34 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
[編集]年 度 |
球 団 |
投手(P) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2019 | TOR | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 |
2020 | 13 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
2021 | 11 | 1 | 4 | 0 | 0 | 1.000 | |
2022 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | |
2023 | CHC | 13 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- |
NYM | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | |
'23計 | 16 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | |
2024 | DeNA | 24 | 6 | 26 | 1 | 2 | .970 |
MLB | 44 | 2 | 8 | 0 | 0 | 1.000 | |
NPB | 24 | 6 | 26 | 1 | 2 | .970 |
- 2024年度シーズン終了時
表彰
[編集]記録
[編集]- MiLB
- オールスター・フューチャーズゲーム選出:1回(2019年)
NPB
[編集]- 初記録
- 投手記録
- 初登板・初先発登板:2024年4月6日、対読売ジャイアンツ2回戦(東京ドーム)、4回3失点で勝敗つかず[14]
- 初奪三振:同上、1回裏に長野久義から空振り三振
- 初勝利・初先発勝利:2024年4月20日、対東京ヤクルトスワローズ5回戦(明治神宮野球場)、5回3失点[15]
- 初完投・初完投勝利:2024年5月28日、対東北楽天ゴールデンイーグルス1回戦(横浜スタジアム)、6回2/3を1失点 ※6回2/3降雨コールド[18]
- 打撃記録
- 初打席:2024年4月6日、対読売ジャイアンツ2回戦(東京ドーム)、3回表にフォスター・グリフィンから見逃し三振
- 初打点:2024年4月20日、対東京ヤクルトスワローズ5回戦(明治神宮野球場)、2回表に阪口皓亮から二ゴロの間
背番号
[編集]- 70(2019年)
- 47(2020年 - 2022年)
- 46(2023年 - 同年途中)
- 64(2023年途中 - 同年終了)
- 69(2024年 - )
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2021年のボルチモア・オリオールズ戦で計測。
出典
[編集]- ^ a b 「【DeNA】アンソニー・ケイを獲得 1年契約1億1600万円、平均球速150キロ超の左腕」『日刊スポーツ』2024年1月10日。2024年5月5日閲覧。
- ^ 「Mets' Anthony Kay: Undergoes Tommy John surgery Tuesday」『CBS Sports』(英語)、2016年10月4日。2019年9月12日閲覧。
- ^ 「2019 MLB All-Star Futures Game rosters」『ESPN』(英語)、2019年7月6日。2019年9月12日閲覧。
- ^ Anthony DiComo「Mets land Stroman from Jays for 2 prospects」『MLB.com』(英語)、2019年7月28日。2019年9月12日閲覧。
- ^ Dawn Klemish「No. 4 prospect Kay set for MLB debut vs. Rays」『MLB.com』(英語)、2019年9月7日。2019年9月12日閲覧。
- ^ Dawn Klemish「Kay impresses in debut as Blue Jays fall to Rays」『MLB.com』(英語)、2019年9月7日。2019年9月12日閲覧。
- ^ 「Blue Jays To Sign Chris Bassitt」『MLB Trade Rumors』(英語)、2022年12月16日。2022年12月24日閲覧。
- ^ 「Cubs claim LHP Anthony Kay off waivers from Toronto」『MLB.com』(英語)、2022年12月23日。2022年12月24日閲覧。
- ^ 「Cubs' Anthony Kay: Designated for assignment」『CBS Sports』(英語)、2023年9月11日。2023年11月8日閲覧。
- ^ 「Mets' Anthony Kay: Claimed by Mets」『CBS Sports』(英語)、2023年9月14日。2023年11月8日閲覧。
- ^ 「Athletics' Anthony Kay: Claimed by Oakland」『CBS Sports』(英語)、2023年10月24日。2023年11月8日閲覧。
- ^ MLB公式プロフィール参照。2024年1月21日閲覧。
- ^ 「2024年シーズン 選手契約について」『横浜DeNAベイスターズ』2024年1月10日。2024年1月10日閲覧。
- ^ a b 「DeNAの新助っ人左腕・ケイ 来日初勝利はお預け 4回5安打3失点、最速154キロ」『スポーツニッポン』2024年4月6日。2024年5月5日閲覧。
- ^ a b 「DeNAケイが来日初勝利 「次回も長いイニングを投げられるように」 4月20日・ヤクルト戦」『カナロコ by 神奈川新聞』2024年4月20日。2024年5月5日閲覧。
- ^ 「【DeNA】雨のハマスタ、5点リードの7回2死満塁で一時中断、そのままコールド勝ちに」『日刊スポーツ』2024年5月29日。2024年5月29日閲覧。
- ^ 「DeNA・ケイが雨にも負けず3勝目 レインコートでお立ち台「プラン通りのピッチングができた」」『サンスポ』2024年5月28日。2024年5月29日閲覧。
- ^ a b 秋村誠人「DeNA 交流戦鬼強!連覇へ“8連勝”発進 ケイに強風&雨の恩恵 ゴロ量産で継投いらず」『Sponichi Annex』2024年5月29日。2024年5月29日閲覧。
- ^ 「『ケイ可哀想』2回途中6失点KOで“ブチ切れ降板”のDeNA・ケイに擁護の声「味方がこんな守備じゃキレるのもわかるわ」」『中日スポーツ』2024年9月26日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 「DeNA・三浦監督が非情采配 判定イライラの助っ人は感情爆発 実況「よくない言葉を叫んでいるようにも見えます」」『デイリースポーツ online』2024年8月25日。2024年10月31日閲覧。
- ^ a b 浜浦日向「DeNA、ケイから0封継投 一回からいきなり4連続Kで乗った 三浦監督「最高の投球をしてくれた」」『サンスポ』2024年10月31日。2024年10月31日閲覧。
- ^ a b 赤坂英一「【日本S】DeNA快勝の立役者 ケイがシーズン中に球速大幅アップの「要因」」『東スポWeb』2024年10月31日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 久保賢吾「【DeNA】ケイ衝撃“奪三振ショー”「トバさんのおかげ」パワーピッチングで強力打線制圧」『日刊スポーツ』2024年10月31日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 「DeNA・ケイ“苦手”巨人を6回わずか1安打零封!先制弾の佐野に感謝もニヤリ「実は用を足していて…」」『スポニチアネックス』2024年10月16日。2024年10月31日閲覧。
- ^ 「【DeNA】先発登板したケイが4回途中2失点で降板 粘投も守備のエラー絡み失点 5回には打線奮起で試合を振り出しに戻す」『日テレNEWS』2024年10月16日。2024年11月5日閲覧。
- ^ 「【DeNA】ケイが日本シリーズ初登板で7回7K無失点の快投 最速155キロ計測」『日刊スポーツ』2024年10月30日。2024年11月5日閲覧。
- ^ 「【DeNA】MVPは桑原将志、日本シリーズ新の5試合連続打点「すごく光栄。夢のよう」」『日刊スポーツ』2024年11月3日。2024年11月5日閲覧。
- ^ 「DeNA 5日からの巨人3連戦に新助っ人腕・ケイ先発の可能性浮上」『Sponichi Annex』2024年4月1日。2024年4月5日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Anthony Kay stats MiLB.com
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- Anthony Kay (@TonyBuckets18) - X(旧Twitter)
- Anthony Kay (@tonybuckets23) - Instagram