ゴーパカ・モッガラーナ経
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『ゴーパカ・モッガラーナ経』[1](ゴーパカモッガラーナきょう、巴: Gopakamoggallāna-sutta, ゴーパカモッガラーナ・スッタ)とは、パーリ仏典経蔵中部に収録されている第108経。『瞿黙目犍連経』(ぐもくもっけんれんきょう)[2]とも。
類似の伝統漢訳経典としては、『中阿含経』(大正蔵26)の第145経「瞿黙目揵連経」がある。
アーナンダが、婆羅門であるラージャガハ(王舎城)城壁工事の監督官モッガラーナ(目犍連)や、マガダ国の大臣ヴァッサカーラに仏法を説く。
構成
[編集]登場人物
[編集]場面設定
[編集]釈迦が入滅(般涅槃)して間も無い頃、アーナンダは、マガダ国ラージャガハ(王舎城)のカランダカニヴァーパ(竹林精舎)に滞在していた。
当時、マガダ国のアジャータサットゥ王は隣国からの侵略に備えてラージャガハ(王舎城)の城壁工事を行っていたが、その監督官だったモッガラーナ(目犍連)は、托鉢に来たアーナンダに対して、釈迦の弟子たちは、釈迦と同等の徳性を具えているのかどうか問う。
アーナンダは、釈迦の徳性の内いくらかを具えている者はいるが、その全てを具えている者はいないと答える。
そこにやって来たマガダ国の大臣ヴァッサカーラは、釈迦の後継者は決まっているのか、また何を拠り所としたらいいのか問う。
アーナンダは、後継者は決まっていないこと、また釈迦は「法に拠る」ことを遺言としたことを告げる。そして、僧伽に属する比丘・比丘尼たちは、布薩の度に戒律を確認し自分達を律していること、彼らの中には尊敬に値する者が少なからずいること、それを証明する十の徳性、更に五蓋、四禅などについて述べる。
ヴァッサカーラは納得して帰る。