利用者:しゅ森/sandbox2
令和5年台風第13号
[編集]完成版:
台風第13号 (Yun-yeung) | |
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トロピカル・ストーム (SSHWS) | |
衛星画像 (9月6日1時) | |
発生期間 | 2023年9月5日21時 - 2023年9月8日21時 |
寿命 | 3日0時間(72時間)[1] |
最低気圧 | 996hPa |
最大風速 (日気象庁解析) | 23m/s (45kt) |
最大風速 (米海軍解析) | 45kt |
被害総額 | 2400万ドル以上(2023USD) |
平均速度 |
21.3 (km/時) 511 (km/日) |
移動距離 | 1534km |
死傷者数 | 死者3人 |
被害地域 | 日本 |
プロジェクト : 気象と気候/災害 |
令和5年台風第13号(れいわ5ねんたいふうだい13ごう)は、2023年9月5日に沖縄の南の海上で発生し、日本に接近した台風である。 勢力が弱いながらも各地に大雨を降らせ、被害をもたらした。アジア名は「インニョン(Yun-yeung)」[注 1]。
概要
[編集]9月4日に沖縄の南で発生した熱帯低気圧が、「24時間以内に台風に発達する見込み」と気象庁より発表された[2][3]。
5日21時、熱帯低気圧は日本の南(北緯22.1度、東経131.5度)で台風へと発達し、「インニョン(Yun-yeung)」と命名された[4][5]。
台風の北東側には雲が偏っており、その雲が7日頃より日本列島にかかり始め、翌日には線状降水帯が発生し、伊豆諸島北部・千葉県・茨城県・福島県に「顕著な大雨に関する気象情報」が発表され[6][7]、関東地方を中心に道路の冠水が相次いだ[8][9][10][11]。千葉県茂原市では期間降水量405mm[12]のうちの7割に当たる278mmが6時間に集中して降った[13]。
その後台風は東海地方に上陸する予報であったが、東海道沖で速度を落とし、8日21時に日本の南(北緯34.0度、東経138.0度)で熱帯低気圧に降格した[14][15]。
被害
[編集]台風による大雨の影響で千葉県内では外房線・いすみ鉄道線・小湊鉄道線で被害が出て外房線は14日以降の再開を見込んでいる[16]。
また、9月27日には千葉県が被害地域の視察を行い、激甚災害への指定を要請した[17]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ デジタル台風:台風202313号(YUN-YEUNG)- 総合情報(気圧・経路図) - 国立情報学研究所(北本朝展)
- ^ “[https://weathernews.jp/s/topics/202309/040105/ 沖縄の南で新たな台風が発生予想 北上して関東に近づく可能性]”. ウェザーニュース (2023年9月4日). 2023年9月4日閲覧。
- ^ “台風13号発生か 沖縄の南の熱帯低気圧が台風になる予想 関東に接近の恐れも”. tenki.jp. 日本気象協会 (2023年9月4日). 2023年9月4日閲覧。
- ^ “台風13号(インニョン)発生 関東沖を北東進 進路次第で影響も”. ウェザーニュース (2023年9月5日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “台風13号「インニョン」発生 関東に接近の恐れも 動向注意”. tenki.jp. 日本気象協会 (2023年9月5日). 2023年9月6日閲覧。
- ^ “https://www.asahi.com/articles/ASR983JPVR98OXIE005.html”. 朝日新聞 (2023年9月8日). 2023年9月8日閲覧。
- ^ 吉田友海 (2023年9月8日). “「台風13号」8日午後に東日本に上陸へ 伊豆諸島・関東甲信で線状降水帯発生の恐れ”. tenki.jp. 日本気象協会. 2023年9月8日閲覧。
- ^ “【速報】茂原市内で道路冠水 台風13号”. 千葉日報 (2023年9月8日). 2023年9月8日閲覧。
- ^ “台風13号の影響で関東強雨 千葉県では冠水発生 大雨災害に警戒を”. ウェザーニュース (2023年9月8日). 2023年9月8日閲覧。
- ^ “仙台駅“水浸し”…大気不安定で大雨 道路が冠水”. テレ朝news (2023年9月8日). 2023年9月8日閲覧。
- ^ “栃木県内大雨で床下浸水、道路冠水など被害 那須烏山の住宅敷地内に土砂”. 下野新聞「SOON」ニュース. 下野新聞社 (2023年9月8日). 2023年9月8日閲覧。
- ^ “大雨に関する千葉県気象情報 第2号”. 銚子地方気象台 (2023年9月9日). 2023年9月9日閲覧。
- ^ “雨台風13号 6時間雨量150mm以上の地域で浸水被害が多発”. ウェザーニュース (2023年9月9日). 2023年9月9日閲覧。
- ^ “台風13号が勢力を弱め熱帯低気圧に 引き続き東北など強雨に警戒を”. ウェザーニュース (2023年9月8日). 2023年9月9日閲覧。
- ^ “台風13号 熱帯低気圧に変わりました 関東や東北は引き続き土砂災害など厳重警戒”. tenki.jp. 日本気象協会 (2023年9月8日). 2023年9月9日閲覧。
- ^ “大雨 千葉県内 JR外房線など鉄道の影響”. NHK千葉放送局 (2023年9月10日). 2023年9月10日閲覧。
- ^ “台風13号被害を担当相視察 千葉県、「激甚災害」指定要請”. 産経新聞 (2023年9月27日). 2023年10月11日閲覧。
令和5年梅雨前線豪雨
[編集]現在執筆中です。 |
発災日時 |
2023年6月30日 - 7月16日 |
---|---|
被災地域 | 福岡県、大分県、熊本県、中国地方の日本海側、北陸地方、及び東北地方 |
災害の気象要因 | 日本海を東北東に進む温帯低気圧に太平洋上から湿った暖かい空気が流れ込んだことで線状降水帯が発生したため。 |
気象記録 | |
最多雨量 | 福岡県添田町英彦山で423.0[注釈 1] mm |
人的被害 | |
死者 |
13人 |
行方不明者 |
1人 |
建物等被害 | |
全壊 |
16棟 |
半壊 |
49棟 |
床上浸水 |
768棟 |
床下浸水 |
2078棟 |
災害救助法 適用市区町村 |
青森県 出雲市 佐賀県 佐賀市、唐津市、伊万里市 大分県 中津市、日田市 福岡県 久留米市、八女市、筑後市、うきは市、朝倉市、那珂川市、朝倉郡筑前町、朝倉郡東峰村、八女郡広川町、田川郡添田町[1] |
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令和5年梅雨前線豪雨(れいわ5ねんばいうぜんせんごうう)[2]は、2023年(令和5年)6月29日以降、九州北部とその周辺を中心に発生した豪雨災害である。
概要
[編集]6月30日から7月3日の豪雨
[編集]6月28日に中国大陸で発生した前線を伴った低気圧[3]は、東進して29日から30日にかけて日本海をやや発達しながら通過した[4][5]。 低気圧から延びる梅雨前線は7月1日から2日に一時南下したものの、同日夜より徐々に北上していった。 この梅雨前線に向かって、日本の南に張り出した太平洋高気圧から暖かく湿った空気が送り込まれたことによって、九州北部を中心に大雨となった。 山口県では7月1日、熊本県では7月3日に線状降水帯が発生。熊本県内の一部地点では24時間降水量が300ミリを超えた[6]。それに伴い各地で土砂崩れが発生したが、死者は発生しなかった[7][8]。
まず6月29日の深夜から九州北部と山口県を中心に大雨となり、30日0時から7月1日0時までの24時間で熊本県の湯前町湯前横谷で379.5ミリ、大分県由布市湯布院で346.5ミリなど、各所で300ミリ以上を観測した[6][9][10]。 その後一旦雨の程度は小康状態に入ったものの、2日深夜から再び猛烈な雨が降り始めた。気象庁は3日、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が熊本県に発生したとする「顕著な大雨に関する気象情報」を、6時半と13時半に2回発表した[11]。同県山都町と益城町では1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が降り、河川の氾濫や橋の崩落、土砂崩れが相次いだ[12]。
7月7日から7月10日の豪雨
[編集]7月6日の時点で中国大陸に存在していた梅雨前線は東進し、日本列島付近で停滞した[13]。この梅雨前線に向かって、太平洋高気圧から暖かく湿った空気が送り込まれたことによって、九州北部を中心に再び大雨となった。 島根県では7月8日、福岡県、佐賀県、大分県では7月10日に線状降水帯が発生[14]し、各地で土砂崩れや河川の氾濫が発生した。
まず7月7日から8日にかけて、島根県や山口県で大雨となり、8日0時から9日0時までの降水量は、島根県松江市鹿島で211.0ミリを観測。他にも同県出雲市斐川で159.0ミリなど、島根県内では各地で降水量が150ミリを超えた[15]。 雨の範囲は次第に九州北部に移り、10日6時40分には福岡県朝倉市・東峰村に大雨特別警報が発令。その後対象地域は追加され、7時20分には添田町、7時30分に久留米市・うきは市、7時40分に八女市、8時に大分県日田市、9時5分に中津市にそれぞれ発令された[16]。 大雨により、河川の氾濫、土砂崩れなどが相次ぎ、死者も発生した[17]。
7月12日から7月16日の豪雨
[編集]7月7日から10日までの豪雨の原因となった梅雨前線は日本付近に停滞していたが、徐々に北上していった[18]。この梅雨前線に向かって、太平洋高気圧から再び暖かく湿った空気が送り込まれたことによって、東北・北陸地方と、中国地方の日本海側を中心とした広い範囲で大雨となった[19][20]。石川県、富山県では線状降水帯が発生[14]。大雨による土砂崩れによって死者が発生した[21]。
7月11日ごろから中国地方の日本海側では雨が降り続けていた。雨の範囲は徐々に北陸・東北方面に移っていき、12日0時から13日0時までの降水量は、石川県かほく市で206.0ミリを観測[22]。富山県内でも100ミリを超える大雨となった[23]。
秋田県では15日0時から16日0時までの24時間降水量が、秋田市仁別で観測した330.5ミリをはじめ、藤里町で273.0ミリ、男鹿市で238.5ミリなど、各地で250ミリを超える大雨となった[24]。秋田市内では、15日から続いた雨で冠水が多発した。同市中心部を流れる旭川は増水し、歩道が数十メートルにわたり崩落した[25]。
気象状況
[編集]大雨
[編集]6月28日0時から7月16日24時までに観測された総降水量は、大分県日田市椿ヶ鼻で1212.0ミリ、佐賀県鳥栖市鳥栖で1209.0ミリを観測するなど、一部で1000ミリを超え、7月の月降水量平年値の2倍を超える大雨となった[26]。
1時間降水量
[編集]3時間降水量
[編集]6時間降水量
[編集]12時間降水量
[編集]24時間降水量
[編集]被害
[編集]九州
[編集]中国
[編集]北陸
[編集]東北
[編集]
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 7月10日9時50分までの24時間降水量
出典
[編集]- ^ [https://www.bousai.go.jp/pdf/230715_kyuujo2.pdf 令和5年7月7日からの大雨による災害にかかる 災害救助法の適用について【第6報】] 内閣府 2023年7月15日
- ^ “福岡・大分の8市町村に大雨特別警報…1人死亡3人不明、久留米では複数不明の情報”. 読売新聞オンライン (2023年7月10日). 2023年7月10日閲覧。
- ^ “過去の天気図(1日表示)6月28日”. 気象庁. 2023年7月10日閲覧。
- ^ “過去の天気図(1日表示)6月29日”. 気象庁. 2023年7月10日閲覧。
- ^ “過去の天気図(1日表示)6月30日”. 気象庁. 2023年7月10日閲覧。
- ^ a b “熊本県 2023年6月(日ごとの値) 降水量合計(mm)”. 気象庁. 2023年7月10日閲覧。
- ^ “令和5年6月30日からの大雨による被害状況について(最終報)”. 宮崎県情報連絡本部. 2023年7月10日閲覧。
- ^ “令和5年6月30日からの大雨に対する九州地方整備局の対応”. 国土交通省. 2023年7月10日閲覧。
- ^ “2023年7月1日の山口県での大雨”. 国立研究開発法人防災科学技術研究所 水・土砂防災研究部門. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “大分県 2023年6月(日ごとの値) 降水量合計(mm)”. 気象庁. 2023年7月11日閲覧。
- ^ “熊本で再び線状降水帯、非常に激しい雨が降り続く 複数の河川が氾濫”. 朝日新聞デジタル. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “熊本県央で記録的大雨 県内に線状降水帯2回発生 益城町・木山川など氾濫、山都町・金内橋が崩落 ”. 熊本日日新聞. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “過去の天気図(1日表示)7月6日”. 気象庁. 2023年7月12日閲覧。
- ^ a b “過去に発生した線状降水帯”. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “島根県 2023年7月(日ごとの値) 降水量合計(mm)”. 気象庁. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “[https://www.fdma.go.jp/disaster/info/items/20230629oame17.pdf 令和5年6月29日からの大雨等による 被害及び消防機関等の対応状況(第17報)]”. 消防庁災害対策本部. 2023年7月12日閲覧。
- ^ “死者1人 不明4人 九州の大雨で政府が発表”. FNN. 2023年7月13日閲覧。
- ^ “過去の天気図(1日表示)7月12日”. 気象庁. 2023年7月14日閲覧。
- ^ “きょう12日の天気 激しい雨で日本海側は警報級の大雨に 太平洋側も天気急変”. tenki.jp. 2023年7月14日閲覧。
- ^ “【大雨情報】青森・秋田など東北で記録的大雨(2023年7月15日) ”. 熊本日日新聞. 2023年7月19日閲覧。
- ^ “土砂崩れの現場で遺体発見 住民に避難呼びかけていた市議の男性(65)と判明 富山・南砺市”. TBS NEWS DIG (2023年7月13日). 2023年7月13日閲覧。
- ^ “石川県 2023年7月(日ごとの値) 降水量合計(mm)”. 気象庁. 2023年7月15日閲覧。
- ^ “富山県 2023年7月(日ごとの値) 降水量合計(mm)”. 気象庁. 2023年7月15日閲覧。
- ^ “秋田県 2023年7月(日ごとの値) 降水量合計(mm)”. 気象庁. 2023年7月19日閲覧。
- ^ “大雨の秋田市、冠水で動けず車両放置?相次ぐ JR秋田駅周辺も冠水”. 朝日新聞デジタル. 2023年7月19日閲覧。
- ^ “梅雨前線による大雨 令和 5 年(2023 年)6 月 28 日~7 月 16 日”. 気象庁. 2023年8月12日閲覧。
ハリケーン・オーティス
[編集]カテゴリ5メジャー・ハリケーン (SSHWS/NWS) | |
最盛期のハリケーン・オーティス(10月25日撮影) | |
発生 | 2023年10月22日 |
---|---|
消滅 | 2023年10月25日 |
最大風速 | 1分平均: 165 mph (270 km/h) |
最低気圧 | 923 mbar (hPa); 27.26 inHg |
死者 | 48名[注釈 1] |
被害 | ≧ $150億(2023の米ドル) |
被害地域 | メキシコ |
2023年のハリケーン (太平洋) |
ハリケーン・オーティス(Hurricane Otis)は、2023年10月にカテゴリー5のハリケーンとしてメキシコに上陸した、ハリケーンである。オーティスは、観測史上初めてカテゴリー5で上陸したハリケーンであり、2015年にカテゴリー4で同国に上陸したハリケーン・パトリシアの記録を超え、史上最強の上陸ハリケーンとなった[1]。
概要
[編集]国立ハリケーンセンター(NHC)は10月15日、週半ばまでにグアテマラの南に低圧部が発生する見込みと発表[2]。
18日、テワンテペク湾の南で低圧部が発生した[3]。低圧部はその後22日までに熱帯低気圧となり[4]、6時間後にはトロピカル・ストームの勢力に達し、国際名「オーティス(Otis)」と命名された[5]。
発生直後のオーティスは海水温30度前後の海域をゆっくりと北上していたが、鉛直シアーの影響で発達が妨げられた[6]。しかし現地時間24日3時のマイクロ波衛星画像には目のようなものが確認でき、NHCはこれは急発達の前兆であるとした[7]。
24日の朝までに、オーティスはようやくハリケーンらしい渦を巻き始め、鉛直シアーの減少と30度前後の海水温によって急発達した[8]。 その際、オーティスは最大風速85km/h(23m/s)のトロピカル・ストームから、最大風速260km/h(72m/s)のカテゴリー5のハリケーンにまで発達した[9]。
NHCはオーティス上陸の3時間25分前に、オーティス上陸を「悪夢のシナリオ」と表現し、「これは、中核都市であるアカプルコにとって深刻な状況である」と警告した。
オーティスはその後上陸までに若干勢力を強め、25日の6時過ぎにメキシコのゲレロ州アカプルコ付近に中心気圧923mb、最大風速270km/h(75m/s)のカテゴリー5の勢力で上陸した[10]。観測史上初めてカテゴリー5の勢力で上陸した太平洋ハリケーンとなり、上陸時の最大風速270km/hはハリケーン・パトリシアの記録を上回るものであった[11]。
順位 | ハリケーン | 年 | 上陸時の風速 |
---|---|---|---|
1 | オーティス(Otis) | 2023年 | 時速 270 km |
2 | パトリシア(Patricia) | 2015年 | 時速 240 km |
3 | マドリン(Madeline) | 1976年 | 時速 230 km |
イニキ(Iniki) | 1992年 | ||
5 | 無名 | 1957年 | 時速 220 km |
無名("Mexico") | 1959年 | ||
ケナ(Kenna) | 2002年 | ||
リディア(Lidia) | 2023年 | ||
9 | オリビア(Olivia) | 1967年 | 時速 205 km |
ティコ(Tico) | 1983年 | ||
レーン(Lane) | 2006年 | ||
オディール(Odile) | 2014年 |
予報の誤差
[編集]オーティスがとりわけ異様だったのは、その予想が直前になって大きく変わったことである。
24日未明の時点ではオーティスはハリケーンより弱いトロピカル・ストームの勢力で上陸すると予想されていた。ところが同日午後には、メジャーハリケーン[注釈 2]の勢力で上陸するという予想に変わった[1]。
実際には、24日の21時にカテゴリー1のハリケーンに、翌3時にはカテゴリー3のメジャーハリケーンに、9時にはカテゴリー4、上陸直前の15時にはカテゴリー5の勢力にまで発達している[12]。
数値気象予測モデルは、データが不足していることもあり、発生したオーティスの急発達を予測することができなかった[13]。
NHC所長のマイケル・ブレナン氏を含む数人の専門家は、「東太平洋ではハリケーンの強さを評価できる海洋ブイやレーダーなど利用できる機器が非常に少なく、予報担当者が衛星データに依存している」と指摘した[14]。
被害
[編集]アカプルコの全ホテルの約80%が被害を受け[15]、ホテル内の浸水や天井、壁の崩壊も報告されている[16][17][18]。いくつかの建物も強風により倒壊した[19][20]。
18あるラジオ局すべてが被害を受け、市内での通信が遮断された[21]。ショッピングセンターは破壊され[22][23]、市内に通じる高速道路の一部が地滑りのため通行止めとなった。
このハリケーンにより現時点で少なくとも39人が死亡、10人が行方不明となっている。
複数の航空会社がオーティスの影響を受け、欠航となった[24]。また、オーティスの接近に伴いアカプルコ国際空港は閉鎖された。さらに、アカプルコ近郊の空軍基地も被害を受け、ハリケーン通過後の救助活動が困難となった[25]。
ゲレロ州全域と近隣のミチョアカン州とオアハカ州の一部、さらにアカプルコ市とチルパンシンゴ市にある放送塔のセンサーが影響を受け、地震の際に近くの主要都市や遠方の主要都市に通知する機能が停止した[26]。
当局は、オーティスはアカプルコを襲った最悪のハリケーンであり、その影響はハリケーン・ポーリンとハリケーン・マヌエルよりも深刻であるとした[27]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b “メキシコに"想定外"の史上最強ハリケーン・オーティス上陸”. 森さやか. (2023年10月27日) 2023年10月27日閲覧。
- ^ Zelinsky, David. Eastern Pacific Tropical Weather Outlook [500 PM PDT Sat Oct 14 2023] (Report). National Hurricane Center. 2023年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月25日閲覧。
- ^ Berg, Robbie. Eastern Pacific Tropical Weather Outlook [500 AM PDT Wed Oct 18 2023] (Report). National Hurricane Center. 2023年10月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月25日閲覧。
- ^ Cangialosi, John; Bucci, Lisa. Tropical Depression Eighteen-E Discussion Number 1 (Report). National Hurricane Center. 2023年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月25日閲覧。
- ^ Cangialosi, John; Bucci, Lisa. Tropical Storm Otis Discussion Number 2 (Report). National Hurricane Center. 2023年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月25日閲覧。
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関連項目
[編集]- ハリケーン・オーティス (英語版)
- ハリケーン・アンドリュー (英語版) - ほぼ同じ強さでマイアミを襲ったカテゴリー5の大西洋ハリケーン。
- ハリケーン・ポーリン (英語版) - アカプルコに深刻な影響を及ぼし、300 人以上が死亡したカテゴリー4の太平洋ハリケーン。
2023TYP
[編集]2023年に発生した台風の総数は、平年の25.1個を大幅に下回る17個であり、1951年の統計開始以降で2010年、1998年に次いで3番目に少ない記録となった。日本での影響については、接近数は平年の11.7個より少ない9個、上陸数は平年の3.0個より少ない1個であった。
2023年の台風の傾向としては、正のインド洋ダイポールモード現象と同時に、2015年~2016年以来の強度となる顕著なエルニーニョが発生した影響で発生海域が平常時よりも南東にずれ、寿命の長い台風が発生しやすかったこと、台風の発生数が少ないことがあげられる[1]。
台風1号は4月20日に発生[2][3][4][5]。台風に関する統計が開始された1951年以降で平均的な台風1号の発生は3月頃であるため、 比較的遅めの発生となった。
5月20日に発生した台風2号は、5月としては1971年の台風5号以来となる勢力にまで発達した[6][7]。日本接近時の勢力は強いものではなかったが、熱帯由来の湿った空気が当時日本付近に停滞していた梅雨前線を刺激し、各地で線状降水帯が発生した[8][9][10][11]。
その後、7月までは熱帯低気圧の発生が少ない状態が続いていた。しかし人的被害は大きく、元台風5号の熱帯低気圧は華北地域に大雨をもたらし、100人以上が死亡し[12][13][14][15][16]、家屋等の倒壊が相次いだ[17]。
8月は比較的対流活動が活発であり、熱帯低気圧の発生が相次いだ。なお、同月には2018年の台風17号以来となる越境台風も発生した[18][19][20][21]。
9月以降はインド洋からのモンスーンがフィリピン沖にまで到達せず、モンスーントラフが発生しなかったこと、例年よりも太平洋高気圧が強まったこと、フィリピン沖で高気圧が発達してモンスーンが弱まったことに加え、台風が発生しやすい低緯度地方で強い東風が吹き、北西太平洋は台風が発生しづらい状態となっていた[22][23][24]。そのため、極端に熱帯低気圧の発生数が減少し、9月10月はともに台風の発生数が2個であった[24]。9月の発生数としては史上最少タイ、9月10月通算の4個は史上最少の値である[25][26]。
しかしその一方で被害は大きく、台風13号は日本のすぐ南で停滞し、長時間雨を降らせた[27][28][29][30][31][32][33]。また、台風14号は台湾南東部の蘭嶼で観測史上1位となる最大瞬間風速95.2mを記録した[34]。加えて、台風15号は10月の台風としては2018年の台風26号以来となる中心気圧900hPaを記録した[35][36][37]。
これ以外で、日本に影響を及ぼした台風は、沖縄近海で複雑な動きをした台風6号、紀伊半島に上陸し重傷者を出した台風7号などがある。
12月17日に発生した台風17号は台風17号としては1951年の統計開始以降最も遅い日時に発生し、これまでの記録を大幅に更新した[38]。
仮
[編集]震度 | 都道府県 | 観測点名 |
---|---|---|
7 | 石川県 | 志賀町 |
6強 | 石川県 | 七尾市・輪島市・珠洲市・穴水町 |
6弱 | 新潟県 | 長岡市 |
石川県 | 中能登町・能登町 | |
5強 | 新潟県 | 新潟市中央区・南区・西区・西蒲区・三条市・柏崎市・見附市・燕市・糸魚川市・妙高市・上越市・佐渡市・南魚沼市・阿賀町・刈羽村 |
富山県 | 富山市・高岡市・氷見市・小矢部市・南砺市・射水市・舟橋村 | |
石川県 | 金沢市・小松市・加賀市・羽咋市・かほく市・能美市・宝達志水町 | |
福井県 | あわら市 | |
5弱 | 新潟県 | 新潟市北区・東区・江南区・秋葉区・小千谷市・加茂市・十日町市・五泉市・阿賀野市・出雲崎町 |
富山県 | 滑川市・黒部市・砺波市・上市町・立山町・朝日町 | |
石川県 | 白山市・津幡町・内灘町 | |
福井県 | 福井市・坂井市 | |
長野県 | 長野市・信濃町・栄村 | |
岐阜県 | 高山市・飛騨市 |
令和6年台風第号
[編集]台風第号 () | |
---|---|
発生期間 | 2024年月日時 - 2024年月日時 |
寿命 | 日時間(時間)[39] |
最低気圧 | hPa |
最大風速 (日気象庁解析) | m/s (kt) |
最大風速 (米海軍解析) | kt |
平均速度 |
(km/時) (km/日) |
プロジェクト : 気象と気候/災害 |
- ^ “[https://weathernews.jp/s/topics/202306/060085/ 今年の台風発生数は29個前後 強い台風の接近・上陸に注意]”. ウェザーニュース (2023年6月6日). 2023年12月21日閲覧。
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- ^ “[https://weathernews.jp/s/topics/202306/020315/ 台風2号は次第に温帯低気圧に変わる 梅雨前線による大雨は引き続き警戒]”. ウェザーニュース (2023年6月2日). 2023年12月21日閲覧。
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- ^ 白石圭子 (2023年8月14日). “越境台風8号 エルニーニョ現象や大西洋の記録的な海水温でハリケーン平年上回る予想”. tenki.jp. 日本気象協会. 2023年12月21日閲覧。
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- ^ 福富里香 (2023年10月30日). “今年は台風の発生数が少ない 台風の発生数が少ない年の意外な共通点とは?”. tenki.jp. 日本気象協会. 2023年12月21日閲覧。
- ^ a b “9月の台風は2個 統計開始以降最少 気象庁“10月 油断せずに””. NHK (2023年9月30日). 2023年12月21日閲覧。
- ^ 杉江勇次 (2023年11月29日). “この秋に発生した台風は過去最も少ない4個、特に西日本への影響が小さく極端な少雨に”. Yahoo!ニュース. 2023年12月21日閲覧。
- ^ “9月・10月の台風発生数は「4個」で史上最少に”. 日本テレビ (2023年11月9日). 2023年12月21日閲覧。
- ^ “令和5年台風第13号による大雨 令和5年(2023年)9月7日~9月9日 (速報)”. 気象庁. 2023年12月21日閲覧。
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タグです。「:no15
」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ “デジタル台風:台風リスト”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年8月1日閲覧。
- ^ デジタル台風:台風2024xx号- 総合情報(気圧・経路図) - 国立情報学研究所(北本朝展)