利用者:須藤栄太/sandbox

家族ゲーム』(かぞくゲーム)は、本間洋平作の日本小説1981年の第5回すばる文学賞を受賞した。またそれを原作とした映画、およびテレビドラマ

1982年、テレビ朝日で2時間ドラマとしてはじめて映像化された。後に松田優作主演の映画、長渕剛主演の連続テレビドラマで有名になった。2013年には、28年ぶりに櫻井翔主演の連続テレビドラマにて復活した(このドラマの詳細は家族ゲーム (2013年のテレビドラマ)を参照。)[1]

多くの問題を抱えた家族が受験に振り回される様子をシュール・コミカルに描いている。

小説[編集]

あらすじ[編集]

団地に住む四人家族の沼田家。工場を営む父、専業主婦の母、優等生の長男・慎一、そして家族の悩みの種である落ちこぼれの次男・茂之。ある春の日、茂之にとって六人目の家庭教師・吉本がやってくる。無名の大学に七年も在籍しているお世辞にも優秀な人物とは言えない吉本だったが、これまでの家庭教師とは違い鉄拳制裁を加えてでも茂之を逃がさず徹底的にしごき、怯えながらも茂之は言うことを聞くようになり、成績も上昇していく。

一方で、大学を留年しながらも意に介することのない自由人な吉本の存在は、親の期待に応え優等生を演じてきた兄・慎一の心に曇りを生み出す。万引きをしたり、からかってきた昔の同級生を殴ったり、勉強もサボり気味になり生活が沈んでゆく。ついには両親の態度の変化に耐え切れず、「選手交代」と吐き捨てて学校にも行かなくなってしまう。

やがて茂之が志望校を決めなければいけない時期になる。すでに周囲の目が見張るほど成績が伸びており、兄の通うa高は難しいにしても次によいb高を受けてもいいのではと薦められるが、本人はさらに下のc高を主張して曲げない。b高は茂之のいじめっ子も受験するからだ。しかし結局は母の意向に従ってb高に決めてしまい、それを知った吉本は激怒。同時に、一時的な強制で成績は良くなっても、自分のやり方では人間を変えることは出来ないと思い知る。茂之は合格し、両親から感謝される形で吉本は沼田家を去ったが、その口調に以前ほどの迫力が無くなっているのを慎一は見逃さなかった。

再び春がやってきたが、慎一は相変わらず、茂之もやはりいじめっ子に暴行を受けて次第に登校しなくなる。怒鳴り散らす父親に一年浪人してa高に行くと言う茂之だが、慎一は当面の難を逃れるための嘘だと見抜く。しかし父親は納得してしまい、母親は反対するも押し切られ誰も自分の意見を聞いてくれないことに涙を流す。何もかも決めかねている慎一の耳に、母の嗚咽が彼の背中を刺すように押すように聞こえてくる。

刊行情報[編集]

  • 「すばる」(1981年12月号:当選作掲載)
  • 「家族ゲーム」(1982年1月、集英社)
  • 「家族ゲーム」(1984年3月、集英社文庫) → のち2013年に新装版文庫(解説・高橋源一郎

映画[編集]

家族ゲーム
The Family Game
監督 森田芳光
脚本 森田芳光
原作 本間洋平
製作 佐々木志郎
岡田裕
佐々木史朗
出演者 松田優作
撮影 前田米造
編集 川島章正
製作会社 にっかつ撮影所
NCP
ATG
配給 ATG
公開 日本の旗 1983年6月4日
上映時間 106分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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1983年6月4日公開。監督は森田芳光、主演は松田優作キネマ旬報ベスト・テン第57回(1983年)日本映画ベストワンなどを受賞した。

あらすじ(映画)[編集]

中三の沼田茂之の高校受験を控え、父の孝助、母の千賀子、兄の慎一たちまで家中がピリピリ。出来のいい兄と違って、茂之は成績も悪く、何人もの家庭教師がすぐに辞めていた。そこへ、三流大学の七年生という吉本が家庭教師としてくる。孝助は吉本を車の中に連れて行き、「茂之の成績を上げれば特別金を払おう」と約束する。暴力的な吉本は勉強ばかりか、喧嘩の仕方も教え、成績が徐々に上がり始める。茂之は幼馴染みで同級生の土屋にいつもいじめられていたが、殴り方を習っていた甲斐があり、ついにやっつける。茂之の成績はどんどん上がり、兄と同じAクラスの西武高校の合格ラインを超える。ところが、茂之はBクラスの神宮高校を志望校として届け出、両親が怒り、志望校の変更を吉本に依頼する。吉本は学校に駆けつけると、茂之を担任の前に連れて行って強引に変更させる。西武高校に行きたくない理由を慎一に尋ねると、秘密といって茂之が土屋と同じ高校に行きたくないのは小学生の頃、授業中に茂之が大便をもらしてしまったことを土屋が知っているからだという。あまりのバカバカしさに吉本と慎一は大笑い。結局、土屋は私立高校に行くことになり、茂之は西武高校にみごと合格し、吉本の役目は終わり、祝いをすることになった。孝肋は最近ヤル気を失くしている慎一の大学受験のための家庭教師になって欲しいと依頼する。しかし、一流大学の受験生に三流大学の学生が教えられるわけはないと吉本は断わる。バラバラの家族が横に並んだ食事中に吉本が暴れて大混乱を起こす。しかも、茂之が高校に入ってから問題が生じる。家族をよく理解していない母が部屋でまどろんでいると、ヘリコプターの音が聞こえてきた。

キャスト(映画)[編集]

スタッフ(映画)[編集]

作品解説[編集]

冒頭は伊丹十三自身の『女たちよ!』所収のエッセイ「目玉焼きの正しい食べ方」のパロディが描かれる。カウンターのような横長の食卓に家族が一列にならぶ異様な食事シーンは、観る者に強い印象を与えた。まるでレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐 (レオナルド)」のように家族が横に並んだ食事中に吉本が暴れるが、これは家族と食事を考える大きなテーマとなっている[2][3]。また音楽は一切入らず、代わりに食べるときの音など、効果音が強調されている。

映画賞受賞[編集]

関連商品(映画)[編集]

ソフト情報(映画)[編集]

『家族ゲーム』
(106分)(2001年8月24日
パイオニアLDC
ハイビジョン・ニューマスター仕様
映像特典:スタッフ&キャスト紹介

書籍[編集]

  • 森田芳光脚本「シナリオ家族ゲーム」(1984年3月、角川文庫)

2時間ドラマ(テレビ朝日)[編集]

1982年11月8日月曜ワイド劇場』で放送。続編の『家族ゲームII』は1984年3月12日放送。

あらすじ(テレビ朝日)[編集]

キャスト(テレビ朝日)[編集]

スタッフ(テレビ朝日)[編集]

映画版との違い[編集]

  • 沼田家の二人の子が兄弟ではなく姉弟である点。
  • ハナ肇演じる父の口癖が「うまくねえなぁ」。
  • ラストで家庭教師はインドに渡るという設定。

ソフト情報(テレビ朝日)[編集]

連続テレビドラマ(TBS)[編集]

『家族ゲーム』[編集]

1983年8月26日 - 9月30日TBSテレビにて20:00 - 20:54(JST)に放送された。全6回。主演は長渕剛

あらすじ(I)[編集]

キャスト(I)[編集]

スタッフ(I)[編集]

サブタイトル[編集]

各話 サブタイトル 視聴率
1 ボクの家庭教師は暴力先生・なのダ 14.9%
2 ケンカがこわくて勉強ができるか・なのダ 13.9%
3 いびられたたかれ、でもウレシイぼく・なのダ 17.0%
4 秀才アニキの万引き事件・なのダ 15.9%
5 落ちこぼれのチャレンジ宣言・なのダ 17.3%
6 あばよ、ボクの愛した家庭教師・なのダ 20.2%

『家族ゲームII』[編集]

1984年4月20日 - 7月13日(全11回)TBSテレビにて20:00 - 20:54(JST)に放送された。

前作の好評を受け制作された。物語としては前作とは無関係であり、設定を改変し吉本のキャラクターを活かしたスピンオフ作品[4]のTBSオリジナルドラマ。

あらすじ(II)[編集]

キャスト(II)[編集]

吉本 剛 - 長渕剛
鬼教師であるものの、卒業後殿村和人がリンチされているのを目撃し、リンチしていた中学生を殴り和人を助ける。作造の信楽焼オタクが原因で信楽焼恐怖症になる。
殿村 梨絵 - 二谷友里恵
ヤクザの娘との理由で卒業式に出られずにいる。
殿村 和人 - 松田洋治
名門高校に受かるものの、中学卒業後同級生からリンチを受けたのが災いし、高校に行けず不登校になる。通称「カズ」。
殿村 豊 - 三好圭一
高校卒業後、母親である泰子と喧嘩し大学に行かずレストランで住み込みで働く。通称「ユタ」。
和人の担任教師 - 梶三和子
「小雪」のママ - 日向明子
「小雪」の銀ばーさん - 武知杜代子
シゲル - 石倉三郎
マスオ - 西田恭平
純次 - 遠藤憲一
殿村 寅造 - レオナルド熊
殿村興業の社長。
殿村 作造 - 遠藤太津朗
豪農でケチ。信楽焼オタク。
殿村 泰子 - 白川由美

スタッフ(II)[編集]

  • プロデューサー:柳井満
  • 脚本:筒井ともみ
  • 音楽:瀬尾一三
  • 演出:吉田秋生 / 山田護
  • 主題歌:長渕剛「孤独なハート」(作詞:秋元康、作曲:長渕剛、編曲:瀬尾一三)
  • 挿入歌

原作及びパート1との相違点[編集]

  • 吉本剛以外の登場人物がドラマオリジナルになっている。
  • 前作で出演した長渕、松田、三好、白川以外の出演者が大幅に入れ替わっている。
  • 学校も名前が変わっている。

サブタイトル(II)[編集]

各話 サブタイトル
1 ボクに抱きつくヘンな家庭教師・なのダ
2 たんたんタヌキの中間テスト・なのダ
3 レイプされたのはボクの先生・なのダ
4 アニキを悩ますピンクのブツブツ・なのダ
5 落ちこぼれがクセになりそうなボク・なのダ
6 先生とアニキのトルコ行進曲・なのダ
7 思春期にめざめてしまったボク・なのダ
8 ボクのハチャハチャ家庭内暴力・なのダ
9 ボクをまどわす秋祭のユーワク・なのダ
10 内申書グルッと回ってタヌキの目・なのダ
11 愛を責めずにセイ・グッバイだぜ・なのダ

『家族ゲーム スペシャル アニキの家庭教師は花の女子大生・なのダ』[編集]

1985年4月5日、19:20 - 20:51に放送された。

連ドラパート1の、その後を描いている完結編。

あらすじ(スペシャル)[編集]

キャスト(スペシャル)[編集]

  • 吉本 剛 - 長渕剛
  • 中森 陽子 - 高樹沙耶
  • 沼田 茂之 - 松田洋治
  • 沼田 慎一 - 三好圭一
  • タカオ - 西田恭平
  • 大泉 今日子 - 田沢令子
  • 沼田 紀子 - 白川由美
  • 沼田 広造 - 伊東四朗

スタッフ(スペシャル)[編集]

  • プロデューサー:柳井満
  • 脚本:筒井ともみ
  • 音楽:戸塚修
  • 演出:吉田秋生
  • 主題歌:長渕剛「GOOD-BYE 青春」(作詞:秋元康、作曲:長渕剛、編曲:瀬尾一三)

関連商品(TBS)[編集]

連続テレビドラマ(フジテレビ)[編集]

この小説を

脚注[編集]

  1. ^ バラエティの“水10”からドラマの“水10”へ。記念すべき第一弾は嵐の櫻井翔主演の『家族ゲーム』 2013年1月29日閲覧
  2. ^ 例えば見田宗介「現代日本の感覚と思想」講談社学術文庫P27-28。見田は現代家族の虚構性を表すものとしている。
  3. ^ ただし、黒澤明の『赤ひげ』(1965年)に同様の構図の食事シーンがある。
  4. ^ 番組冒頭で原作とは直接関係のないスピンオフ作品であるとの告知テロップが表示された。

外部リンク[編集]

  • 映画
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  • テレビドラマ(フジテレビ)
TBS 金曜8時枠の連続ドラマ
前番組 番組名 次番組
家族ゲーム
家族ゲームII
フジテレビ 水曜10時枠の連続ドラマ
枠設立前につき無し
家族ゲーム
(2013.04.17 - 2013.06.19)
ショムニ2013(第4シリーズ)
(2013.07.10 - 2013.09.18)
フジテレビ系列 水曜22時台
ピカルの定理
(2012.04.11 - 2013.03.20)
【水曜20時台へ移動して継続、ここまでバラエティ枠】
家族ゲーム
(2013.04.17 - 2013.06.19)
【ここから連続ドラマ枠】
ショムニ2013(第4シリーズ)
(2013.07.10 - 2013.09.18)

































分割の手順[編集]

ページ家族ゲームの一部を分離し、新規ページ家族ゲーム (2013年のテレビドラマ)とする場合の手順は、以下の通りです。

  1. 家族ゲームの編集 : 分離すべき部分を除去し、テキストエディタなどに控えておきます。それに代えて家族ゲーム (2013年のテレビドラマ)へのリンクを作る等、修正します。また、分割提案テンプレートを除去します。要約欄には「[[家族ゲーム (2013年のテレビドラマ)]]へ分割」と記述します。
    • 特に家族ゲーム (2013年のテレビドラマ)の内容が家族ゲームの解説の体系性を維持するのに必要であれば、リンクだけでなく、家族ゲーム (2013年のテレビドラマ)の内容を要約した節を家族ゲームに残しておくことが望まれます(Wikipedia:サマリースタイルを参照)。
  2. 家族ゲーム (2013年のテレビドラマ)の新規作成 : 家族ゲームから除去した部分を、そのままペーストしただけのページを作成します。要約欄には「[[家族ゲーム]]から分割」と記述します。
  3. 家族ゲーム (2013年のテレビドラマ)の修正 : Wikipedia:レイアウトの指針などを参考にして冒頭にページ名を太字で書き、読みがなをつけるなど、独立ページとしての形式を整えます。また、家族ゲームとの関係を記述するなどして、家族ゲームへのリンクを設置します。その他、適宜、カテゴリ言語間リンクを追加します。
  4. Wikipedia:分割提案の該当する記載に、分割がなされた旨の結果報告を追記します。
  5. 他のページからのリンクの修正 : 除去した家族ゲームの見出しへのリンクおよびリダイレクトを、insource:"[[家族ゲーム#見出し]]"で検索するなどして見つけて、家族ゲーム (2013年のテレビドラマ)へのリンクおよびリダイレクトに替える等、修正します。もし大量の修正の必要がある場合にはノートページなどで協力を求めてみてください。

2.の要約欄への記述は、Wikipediaのライセンス条件の義務であり、怠るとWikipedia:削除の方針により削除される可能性があります。2.と3.は、転記処理と編集作業を明確に区別するため、義務ではありませんが、2段階に分けて行なうことが推奨されます。

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