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国民体育大会サッカー競技

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この項目では、国民スポーツ大会におけるサッカー競技について記す。2023年度以降、成年男子・成年女子(17歳以上、隔年開催)、少年男子・少年女子(16歳以下、毎年開催)の区分で行われている。

開催前年に国スポサッカー競技のリハーサル大会として同会場で全国社会人サッカー選手権大会が開催されている。

概要

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サッカー競技は1946年の第1回大会から毎回行われている。

成年男子・女子・少年男子の種別に分かれ、地区予選(国体ブロック大会)を勝ち抜いたチームと開催都道府県チームが本大会に出場し、優勝を争う。1970年(第25回大会)以降は各都道府県の代表チームによる対抗戦となっており、チーム編成は「単独チーム」「単独チーム+補強選手」「選抜チーム」等、都道府県毎に独自に編成される。特に少年男子の場合は多くの都道府県で高体連加盟チーム(高校のサッカー部)の選手とクラブユースチームの選手による選抜チームであることが多い[注釈 1]。出場選手は全てアマチュアのみであり、プロ選手は出場できない。

5日間(種別によっては4日間)連続開催を基本とし、試合時間は70分(35分ハーフ)で行われる。必要に応じて延長戦(20分ハーフ)やPK戦を行い、勝敗を決する。なお、2017年(第72回大会)までは決勝戦・3位決定戦においてはPK戦は行わず、延長戦終了時に同点の場合は両者優勝(両者3位)としていた。

国体に向けて強化していたチームが、そのままクラブチーム化することがある。特に1957年(第12回大会)から1979年(第34回大会)までは「教員の部」が存在しており[注釈 2]、全国的に教員を中心としたクラブチームが創設された。例として栃木クラブ神奈川教員クラブさいたまクラブなど挙げられる。また、FC岐阜SECONDなど成年男子部門の強化目的で作られたチームもある。

2006年(第61回)より、成年男子・少年男子の出場区分が「成年男子:17歳以上」「少年男子:16歳以下」に改められた。これは少年男子を従来の18歳以下から16歳以下に対象年齢を引き下げる事で、所属チームでの活動に加えて国体に参加する事で起こっていた高校三年・二年の選手の過密日程を緩和すると共に、日本サッカー界の強化のボトルネックとなっていた「素質は優れていても上級生に阻まれ出場機会を得難い高校一年」や「高校受験でサッカー部を引退する中学三年」という年代に対して試合出場の機会を与える事で日本代表におけるU-17年代の強化に繋げる為である。

2022年(第77回)より、少年女子の部を新設するとともに、成年男子・成年女子については隔年での開催に変更された(ただし2024年以降の国体への影響を考慮し、2022年・2023年はともに成年男子を開催し、そこから成年女子との隔年開催となる)[1]。なお日本サッカー協会は、これに先立つ2016年の理事会で、女子サッカー選手の登録者数が減る年代である中学生年代を強化すべく、日本体育協会(当時)に国体の少年女子の部を新設する要望を行うことを決定していた[2]

地域別出場枠

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2019年(第74回大会)のレギュレーションに基づく[3]。なお、この年は茨城県が開催地のため、茨城県は関東ブロックではなく開催県枠で出場する。

ブロック名 都道府県名 成年男子 女子 少年男子
北海道 北海道 1 1 1
東北 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 1 1 3
関東 栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県 3 3 3
北信越 新潟県、長野県、富山県、石川県、福井県 2 2 2
東海 静岡県、愛知県、三重県、岐阜県 1 1 2
近畿 滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 2 2 3
中国 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 1 1 3
四国 香川県、徳島県、愛媛県、高知県 2 2 2
九州 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 2 2 4
開催県 1 1 1
16 16 24

結果と統計

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※都道府県名のみ表記の場合は基本的に選抜編成チーム(又は詳細不明)

1946年 - 1956年

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年度 一般 高校 開催地
1946[注釈 3] 1 関西学院大学 (兵庫) 湘南中 (神奈川) 兵庫[注釈 4]
1947[注釈 5] 2 早大WMW (東京) - 石川
1948[注釈 6] 3 全関西学院 (兵庫) 広島高師高 福岡
1949 4 全大阪 ? / 大阪クラブ ? 浦和 (埼玉) 東京
1950 5 大阪クラブ ? / 関学クラブ ?[4] 修道 (広島) 愛知
1951 6 全兵庫 浦和 (埼玉) 広島
1952 7 田辺製薬 (大阪) 韮崎 (山梨)
明星 (大阪)
宮城[注釈 7]
年度 教員 高校 開催地
1953 8 東京蹴球団 修道 (広島) 愛媛[注釈 8]
1954 9 京都紫光クラブ 刈谷 (愛知) 北海道
1955 10 東京蹴球団 刈谷 (愛知) 神奈川
1956 11 宮城教員団 修道 (広島) 兵庫

1957年 - 1979年

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1957年より、2部門から3部門の実施に増加となる。

年度 一般 教員 高校 開催地
1957 12 志太クラブ (静岡) 京都紫光クラブ 藤枝東 (静岡) 静岡
1958 13 大阪 京都紫光クラブ 清水東 (静岡) 富山
1959 14 全東京 全埼玉教員クラブ 浦和市立 (埼玉) 東京
1960 15 広島アカシアクラブ 京都紫光クラブ 山城 (京都) 熊本
1961 16 名古屋クラブ (愛知) 静岡教員 修道 (広島) 秋田
1962 17 東洋工業 (広島) 京都紫光クラブ 浦和市立 (埼玉) 岡山
1963 18 浦和クラブ (埼玉) 埼玉教員 浦和市立 (埼玉) 山口
1964 19 浦和クラブ (埼玉) 埼玉教員 明星 (大阪) 新潟
1965 20 全大阪 岐阜教員 浦和西 (埼玉)
仙台育英 (宮城)
岐阜
1966 21 愛知選抜 埼玉教員 藤枝東 (静岡) 大分
1967 22 愛知 埼玉教員 浦和南 (埼玉) 埼玉
1968 23 トヨタ自動車 (愛知) 埼玉教員 韮崎 (山梨) 福井
1969 24 愛知選抜 埼玉教員 浦和南 (埼玉) 長崎
1970 25 愛知 千葉教員 埼玉
静岡
岩手
1971 26 茨城 静岡県教員サッカー団芙蓉クラブ (静岡) 静岡 和歌山
1972 27 愛知 京都 埼玉 鹿児島
1973 [注釈 9] - - 埼玉 沖縄
28 広島 埼玉
山梨
静岡 千葉
1974 29 東京 埼玉
山梨
茨城 茨城
年度 一般 教員 少年 開催地
1975 30 神奈川 京都 静岡 三重
1976 31 静岡 埼玉 静岡 佐賀
1977 32 秋田 宮崎 静岡 青森
1978 33 茨城 山梨 東京 長野
1979 34 栃木 宮崎 東京 宮崎

1980年 - 1987年

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1980年より、3部門から2部門の実施に再度減少となる。

年度 成年 少年 開催地
1980 35 栃木
埼玉
静岡 栃木
1981 36 茨城 長崎 滋賀
1982 37 茨城
埼玉
静岡
兵庫
島根
1983 38 山梨 長崎 群馬
1984 39 山梨
茨城
神奈川 奈良
1985 40 埼玉 静岡 鳥取
1986 41 鳥取 東京 山梨
1987 42 京都
秋田
静岡 沖縄

1988年 - 1996年

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1988年より、2部門から3部門の実施に再度増加となる。

年度 成年1部 成年2部 少年 開催地
1988 43 埼玉 広島 静岡 京都
1989 44 埼玉 徳島 徳島 北海道
1990 45 埼玉 栃木 埼玉
千葉
福岡
1991 46 愛知 石川 静岡 石川
1992 47 埼玉
山梨
山形
東京
静岡 山形
1993 48 宮城
徳島
香川 静岡 香川
1994 49 愛知
京都
京都 静岡 愛知
1995 50 富山
福島
茨城 千葉 福島
1996 51 茨城 広島 静岡 広島

1997年 - 2019年

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1997年より成年女子の部を導入。

年度 成年男子 成年女子 少年男子 開催地
1997 52 東京 大阪 静岡 大阪
1998 53 神奈川
埼玉
宮城 (YKK東北) 千葉 神奈川
1999 54 徳島 兵庫 (TASAKI) 千葉 熊本
2000 55 富山
東京
宮城 (YKK東北) 長崎(国見) 富山
2001 56 静岡 宮城 (YKK東北)
三重 (伊賀FC)
埼玉
静岡
宮城
2002 57 大阪 兵庫 (TASAKI) 千葉 高知
2003 58 栃木 兵庫 (TASAKI) 神奈川 静岡
2004 59 栃木
宮城
埼玉 (浦和) 静岡 埼玉
2005 60 栃木
京都 (佐川印刷)
東京 (日テレ) 千葉 岡山
年度 成年男子 女子 少年男子 開催地
2006 61 富山
京都 (佐川印刷)
三重 (伊賀FC) 千葉
沖縄
兵庫
2007 62 千葉 兵庫 (TASAKI) 東京 秋田
2008 63 京都 (佐川印刷) 埼玉 (浦和) 神奈川 大分
2009 64 新潟 (JSC) 岡山(岡山湯郷) 神奈川 新潟
2010 65 宮城 (ソニー仙台) 千葉(ジェフ千葉) 東京 千葉
2011 66 鹿児島 (鹿屋体大) 大阪 千葉
静岡
山口
2012 67 京都 (佐川印刷) 宮城 (仙台) 兵庫 岐阜
2013 68 岐阜 (岐阜2nd) 宮城 東京 東京
2014 69 宮崎 宮城 神奈川 長崎
2015[5] 70 宮崎 三重 (伊賀FC) 神奈川
福岡
和歌山
2016[6] 71 静岡 (沼津) 愛媛 (愛媛L)
新潟
広島 岩手
2017 72 青森 (R青森) 千葉 神奈川 愛媛
2018 73 福井 (S福井) 三重 (伊賀FC) 埼玉 福井
2019 74 茨城 三重 (伊賀FC) 静岡 茨城

2022年 -

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2022年より少年女子の部を導入するとともに、成年男子・成年女子は隔年開催(ただし2022年・2023年は成年男子を開催)となる。

年度 成年男子 成年女子 少年男子 少年女子 開催地
2022 77 大分 (V大分) 神奈川 東京 栃木
2023 高知(高知U) 茨城 大阪 鹿児島
2024 78 広島 広島 静岡 佐賀

関連項目

[編集]

脚注

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注記

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  1. ^ 2019年(第74回大会)大会に出場した24都道府県代表のうち、単独チームによる編成は青森県(青森山田高校)のみである。
  2. ^ 教員の部廃止後は全国教員サッカー選手権大会に移行した。
  3. ^ この年は一般の部と中学の部(旧学制)。試合は各々1試合のみ(東西対抗)
  4. ^ サッカー競技開催地。大会は近畿地区広域開催
  5. ^ この年は一般の部のみ。都道府県代表8チーム
  6. ^ 地区代表12チーム
  7. ^ サッカー競技開催地。大会は福島・宮城・山形共同開催
  8. ^ サッカー競技開催地。大会は四国4県共同開催
  9. ^ 若夏国体は沖縄の本土復帰を記念したミニ国体であり、少年の部のみ開催。

出典

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  1. ^ 2020年度 第12回理事会を開催”. 日本サッカー協会 (2020年11月20日). 2024年9月17日閲覧。
  2. ^ 2016年度JFA第10回理事会を開催”. 日本サッカー協会 (2016年10月20日). 2024年9月17日閲覧。
  3. ^ 大会要項”. 第74回国民体育大会(サッカー競技)公式サイト. 日本サッカー協会. 2019年10月1日閲覧。
  4. ^ 大阪クラブ(サッカー協会75年史) 関学クラブ(埼玉サッカー75年の歩み)
  5. ^ 競技記録結果”. 2015 紀の国 わかやま国体. 2015年10月1日閲覧。
  6. ^ 競技日程・結果”. 2016 希望郷いわて国体. 2016年10月6日閲覧。

外部リンク

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