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源氏物語の古注釈書の一覧

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源氏物語 > 源氏物語の古注釈書の一覧

源氏物語の古注釈書の一覧(げんじものがたりのこちゅうしゃくしょのいちらん)では、『源氏物語』の注釈書のうち「古注釈」に分類される江戸時代末期までに成立した書物の一覧を解説する。

一覧

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名称
成立時期
著者
巻冊数
特記事項
げんじしゃく//源氏釈 1200年頃平安時代末期 ふじわらのこれゆき/藤原伊行 01//全1巻 最古の注釈書
おくいり//奥入 1233年頃鎌倉時代初期 ふじわらのさだいえ/藤原定家 01//全1巻
すいげんしょう//水原抄 1250年頃13世紀中頃 みなもとのちかゆき/源親行 54巻 散逸
しめいしょう//紫明抄 1280年頃13世紀後半 そじゃく/素寂 10//全10巻
いほんしめいしょう//異本紫明抄 1260年頃13世紀後半 /(不明) 05//全5巻 別名「光源氏物語抄」
げんちゅうるいりん//幻中類林 1280年頃13世紀後半 /華洛非人桑門了悟[注 1] 07//7巻 光源氏物語本事
こうあんげんじろんぎ//弘安源氏論議 1280年(弘安3年) みなもとのともあき/源具顕 02//全2巻
せつげつしょう//雪月抄 1280年頃鎌倉時代後期 /(不明) /(不明)
げんちゅうさいひしょう//原中最秘抄 1364年 みなもとのちかゆき//源親行 02//2巻1冊 最古の秘伝書形態の注釈書。
かかいしょう//河海抄 1360年代 よつじよしなり//四辻善成 20巻
せんげんしょう//仙源抄 1381年 ちょうけいてんのう//長慶天皇 01//全1巻 最古の辞書形態の注釈書。
さんごひしょう//珊瑚秘抄 1397年 よつじよしなり//四辻善成 01//全1巻 『河海抄』の秘説書
ちどりしょう//千鳥抄 1419年(応永26年)3月 ひらいそうすけ//平井相助
るいじげんごしょう//類字源語抄 1431年(永享3年)12月 もろなりしんのう//師成親王 辞書形態の注釈書
げんじものがたりていよう//源氏物語提要 1432年 いまがわのりまさ//今川範政 06//6巻 梗概書
いってきしゅう//一滴集 1440年(永享12年) せいてつ//正徹 02//2巻2冊
さんちょうこめんしょう//山頂湖面抄 1449年(宝徳元年) ゆうりん//祐倫
げんじわひしょう//源氏和秘抄 1449年(宝徳元年) いちじょうかねよし//一条兼良 01//1巻1冊
げんじものがたりとしだて//源氏物語年立 1453年(享徳2年) いちじょうかねよし//一条兼良 02//2巻
かちょうよじょう//花鳥余情 1472年(文明4年) いちじょうかねよし//一条兼良 30巻
げんじものがたりのうちふしんじょうじょう//源氏物語之内不審条々 1475年(文明7年) いちじょうかねよし//一条兼良
しゅぎょくへんじしょう//種玉編次抄 1475年(文明7年) そうぎ//宗祇 01//1巻1冊
げんごひけつ//源語秘訣 1477年(文明9年) いちじょうかねよし//一条兼良 01//1巻1冊 「花鳥余情」の秘伝書
こうでんしょう//口伝抄 1480年 いちじょうかねよし//一条兼良 01//1巻1冊
あまよだんしょう//雨夜談抄 1485年(文明17年) そうぎ//宗祇 01//1巻 別名「帚木別注」
しじんぐしょう//紫塵愚抄 1485年(文明17年) そうぎ//宗祇 01//1巻
げんじものがたりききがき//源氏物語聞書 1489年(長享3年) しょうはく//肖柏 01//1巻 代表的な源氏物語聞書[注 2]
げんじものがたりあおひょうしかわちほんふんべつじょうじょう//源氏物語青表紙河内本分別條々 1490年(延徳2年) いなわしろ けんさい//猪苗代兼載 1巻1冊
げんごかきんしょう//源語花錦抄 1491年(延徳3年) しょうはく//肖柏 01//1巻
いちようしょう//一葉抄 1494年(明応3年) ふじわらのまさあり//藤原正存 15巻10冊
さんげんいちらん//三源一覧 1496年(明応5年) とみこうじとしみち//富小路俊通 10巻10冊
げんじものがたりふしんしょうしゅつ//源氏物語不審抄出 1496年(明応5年) そうぎ//宗祇 01//1巻
ろうかしょう//弄花抄 1504年 さんじょうにしさねたか//三条西実隆
さいりゅうしょう//細流抄 1510年(永正7年) さんじょうにしさねたか//三条西実隆 20巻
さいようしょう//最要抄 1517年(応永23年) こううん//耕雲 梗概書
げんじだんじょしょうぞくしょう//源氏男女装束抄 1517年(応永23年) そうせき//宗碩 03//3巻1冊
みょうじょうしょう//明星抄 1530年(享禄3年) さんじょうにしさねえだ//三条西実枝 20巻
ばんすいいちろ//万水一露 1545年(天文14年) のとえいかん//能登永閑 28巻
きゅうもんしょう//休聞抄 1550年(天文19年) さとむらしょうきゅう//里村昌休 20//全20巻
ちょうさんききがき//長珊聞書 1554//天文年間(1532年-1554年)から弘治元年(1555年) ちょうさん//長珊 54巻[注 3]
りんいつしょう//林逸抄 1559年(永禄2年) はやしそうじ//林宗二 54冊
うきぎ//浮木 1559年(永禄2年) はしもとこうか//橋本公夏 05//5冊
しょうはしょう//紹巴抄 1565年(永禄8年) さとむらしょうは//里村紹巴 20巻20冊
やましたみず//山下水 1570年 さんじょうにしさねえだ//三条西実枝 24冊のみ残る
かくしょういんしょう//覚勝院抄 1571年(元亀2年) かくしょういん//覚勝院 25巻
もうしんしょう//孟津抄 1575年(天正3年) くじょうたねみち//九条稙通
かおくしょう//花屋抄 1594年(文禄3年) けいふくいんはなやぎょくえい//慶福院花屋玉栄 04//4巻4冊
みんごうにっそ//岷江入楚 1598年(慶長3年) ちゅういんみちかつ//中院通勝 55巻
ぎょくえいしゅう//玉栄集 1602年(慶長7年) けいふくいんはなやぎょくえい//慶福院花屋玉栄 01//1冊
げんじしょう//源氏抄 1614年(慶長18年) /(不明) 02//2巻 前半は系図
後半(1691年(元和10年))は源氏のおこり
げんぎべんいんしょう//源義弁引抄 1650年(慶安3年) いっかどうせつりん//一華堂切臨 20巻
じゅうじょうげんじ//十帖源氏 1654年(承応3年) ののぐちりつほ//野々口立圃 10冊 梗概書
げんじひげかがみ//源氏鬚鏡 1660年(万治3年) こじまそうけん//小島宗賢
鈴村信房
02//2冊 梗概書
おさなげんじ//おさな源氏 1665年(寛文5年) ののぐちりつほ//野々口立圃 05//5冊 梗概書
しゅしょげんじものがたり//首書源氏物語 1673年 いっとうさい//一竿斎 55冊 本文全文を含む
こげつしょう//湖月抄 1673年 きたむらきぎん//北村季吟 60巻60冊 本文全文を含む
げんじがいでん//源氏外伝 1675年(延宝3年)ころ くまざわばんざん//熊沢蕃山
げんじちゅう//源氏註 1677年(延宝5年) ちゅういんみちしげ//中院通茂
きげんしょう//窺源抄 1685年(貞享2年) いしかわじょうけん//石出常軒 62冊 別名「温故知新抄」
げんぐうへん//源偶篇 1685年(貞享2年) けいちゅう//契沖
げんじものがたりしのぶくさ//源氏物語忍草 1688年 きたむらこしゅん//北村湖春
げんちゅうしゅうい//源注拾遺 1698年 けいちゅう//契沖 08//8巻8冊
しかしちろん//紫家七論 1703年 あんどうためあきら//安藤為章
いっきしょう//一簣抄 1716年 このえもとひろ//近衛基熙 73巻74冊
しぶんえんのしょう//紫文蜑之囀 1723年(享保8年) たがはんしち//多賀半七 俗語訳
げんじかんしょくこじつひしょう//源氏官職故実秘抄 1736年 つぼいよしとも//壺井義知
げんじものがたりしんしゃく//源氏物語新釈 1758年 かものまぶち//賀茂真淵 54巻54冊
げんじものがたりねんきこう//源氏物語年紀考 1763年宝暦13年) もとおりのりなが//本居宣長 01//1巻
しぶんようりょう//紫文要領 1763年宝暦13年) もとおりのりなが//本居宣長 02//2巻
ぬばたまのまき//ぬば玉の巻 1779年 うえだあきなり//上田秋成
げんじものがたりひとりごち//源氏物語ひとりごち 1781年 いせさだたけ//伊勢貞丈
げんごてい//源語梯 1785年(天明4年) ごいすみさだ//五井純禎(蘭洲) 03//全3巻 辞書形態の注釈書
しぶんこうひつ//紫文紅筆 1785年(天明4年) たちばなたか//橘たか
げんじものがたりたまのおぐし//源氏物語玉の小櫛 1796年(寛政8年) もとおりのりなが//本居宣長 09//全9巻
うつぼものがたりたまごと//宇津保物語玉琴 1809年 ほそいさだお//細井貞雄
すみれくさ//すみれ草 1812年 きたむらきゅうび//北村久備 03//全3巻 系図2巻と年立1巻からなる。
にほんきおつぼねこう//日本紀御局考 1813年 ふじいたかなお//藤井高尚
げんじものがたりたまのおんすまながれ//源氏物語瓊の御須磨琉 1813年 あらきだもりくに//荒木田守訓
げんじものがたりたまつばき//源氏物語玉椿 1816年 ほそいさだお//細井貞雄
たまのおぐしほつい//玉の小櫛補追 1816年 すずきあきら//鈴木朖
むらさきのゆかり//紫のゆかり 1818年(文化15年)3月 やまおかまつあき//山岡浚明
しょうじょまきしょうちゅう//少女巻抄註 1824年 すずきあきら//鈴木朖
げんちゅうよてき//源註余滴 1830年(天保元年) いしかわがぼう//石川雅望 54巻20冊
げんじものがたりたいい//源氏物語大意 1830年(文政13年) あまのなおかた//天野直方
和田祖能
02//2巻2冊
こげつしょうべっき//湖月抄別記 1834年(天保5年) たちばなもりべ//橘守部
げんじがごかい//源氏雅語解 1834年(天保5年) すがわらたねふみ//菅原種文
あおいのふたば//葵の二葉 1840年 ほりうち//堀内昌郷
げんじるいさんしょう//源氏類纂抄 1848年 まつおかゆきよし//松岡行儀
げんじるいご//源氏類語 1861年文久元年) あじろひろくに//足代弘訓
げんじものがたりひょうしゃく//源氏物語評釈 1854年嘉永7年)から1861年文久元年) おぎわらひろみち//萩原広道 14巻 最後の「古注釈」

参考文献

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各注釈書の解題
  • 大津有一「注釈書解題」『合本 源氏物語事典 下巻』東京堂出版、1960年(昭和35年))(合本は1987年(昭和62年)3月15日)、pp. 35-127。 ISBN 4-4901-0223-2
  • 続群書類従完成会編『群書解題 第12 装束部・物語部』続群書類従完成会、1961年(昭和36年)2月。
  • 「注釈書・研究書解題」三谷栄一編『源氏物語事典』有精堂、1973年(昭和48年)7月、pp. 509-552。 ISBN 4-640-30259-2
  • 伊井春樹「源氏物語古注釈書事典」秋山虔編『源氏物語事典』学燈社〈別冊国文学〉No.36、1989年(平成元年)5月10日、pp. 309-322。
  • 井爪康之「研究の手引き 源氏物語古註釈書目録」『国文学 解釈と鑑賞』第65巻第12号通号第835号 (特集 源氏物語の世界と美) 、至文堂、2000年(平成12年)12月、pp, 145-157。
  • 伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日。 ISBN 4-490-10591-6
源氏物語注釈史全般
  • 野村八良『国文学研究史』原広書店、1926年(大正15年)11月
  • 重松信弘『新攷源氏物語研究史』風間書房、1961年(昭和36年)3月。
  • 伊井春樹『源氏物語注釈史の研究 室町前期』桜楓社、1980年(昭和55年)11月
各注釈書の影印・翻刻資料
  • 塙保己一編纂太田藤四郎補訂正3版『続群書類従 第18輯 下 物語部・日記部・紀行部』続群書類従完成会、1976年(昭和51年)
  • 『源氏物語大成 巻7 研究資料篇』中央公論社、1956年(昭和31年)11月。 ISBN 4-12400-447-8
  • 『源氏物語大成 第十三冊 資料篇』中央公論社、1985年(昭和60年)10月。 ISBN 4-1240-2483-5
  • 『源氏物語古註釈叢刊』武蔵野書院、1978年(昭和53年)12月 - 2010年(平成22年)5月。
  • 『源氏物語享受資料影印叢書』勉誠出版、2008年(平成20年)7月 - 2009年(平成21年)6月。
  • 『源氏物語古注集成』桜楓社、1978年 - 2000年(平成12年)10月。

脚注

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注釈

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  1. ^ 読み不明
  2. ^ 同名の注釈書がいくつかある。
  3. ^ 現存する唯一の伝本(陽明文庫本)は夕霧1帖を欠く53冊

出典

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