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「サザエさん」の版間の差分

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* イクラ:[[稲葉友]]<ref>[https://natalie.mu/eiga/news/351877 実写「サザエさん」稲葉友が21歳のイクラちゃん役で出演、学生起業しタラオ焦らす(コメントあり)]、映画ナタリー、2019年10月18日</ref>
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2021年10月15日 (金) 12:03時点における版

サザエさん
ジャンル 家庭漫画
漫画
作者 長谷川町子
出版社 姉妹社朝日新聞社
掲載誌 夕刊フクニチ新夕刊朝日新聞
発表期間 1946年4月22日 - 1974年2月21日
巻数 全68巻
話数 6477話
(単行本未収録含むと[独自研究?]6500話以上[1])
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画
東京都世田谷区桜新町駅前に設置されているサザエさん一家の銅像
(フグ田サザエ・フグ田タラオ)
東京都世田谷区桜新町駅前に設置されているサザエさん一家(フグ田家)の銅像
(フグ田サザエ・フグ田タラオ・フグ田マスオ)

サザエさん』は、長谷川町子による日本漫画[1]。また、その主人公である「フグ田サザエ」の呼び名である。

作品解説

原作漫画は新聞連載の4コマ漫画である(ただし、5ページほどのショートストーリー漫画が雑誌連載されており、「別冊サザエさん」に収録されている)。西日本新聞社から独立したフクニチ新聞社の整理部長牟田口宗一郎が長谷川に福岡地方新聞夕刊フクニチ』誌上での連載を依頼[1]。1946年4月22日から連載を始めた[1]が、長谷川が東京へ引越しするために連載を打ち切った。連載開始当初は、台詞カタカナで書かれていた。漫画の舞台は博多で、サザエは独身だったが、連載を打ち切る時にサザエがマスオと結婚している(福岡時代の最終回とみられる回のオチの部分が、小さいながらも『サザエさんうちあけ話』の作者の回想で描かれている)。長谷川の家族が東京桜新町へ引っ越した後は、『夕刊フクニチ』で連載を再開[1]。舞台も東京へ移り、マスオが磯野家に同居する。

掲載誌は間もなく『新夕刊』(東京スポーツの源流となる夕刊紙)に移り、『夕刊朝日新聞』(『朝日新聞』本紙とは別扱の新興紙)を経て、1951年4月16日からは『朝日新聞』の朝刊に移る[1]。途中、長谷川の病気が理由で同年11月7日から11月14日まで休載し、11月15日に連載を再開。また、1953年1月16日にも健康上の理由から同年3月31日まで休載となり、4月1日に再び連載を再開。その後はほぼ無休で連載が続いたが、1973年になると毎週月曜日の定期休載に加えて短期の休みが多くなり(7月15日から8月9日、9月5日から9月9日など。理由はすべて「作者病気のため」)、1974年2月21日をもって休載に入るが[注 1]、その後は連載が再開されることはなかった[1]。話数は6477話[2]に及んだ(ただし単行本未収録の話もあり、サザエさん公式HPには4コマ漫画の本数は6500回以上[1]と記載されている)[3]

本作はいわゆるストーリー漫画ではなく、一貫した舞台、人物が登場する比較的独立したエピソードからなる。季節が移り変わっても登場人物達は年を取らない形式となっている。しかし、新聞連載の4コマ漫画らしく、時代背景を象徴する内容が多いのが一つの大きな特徴となっており、終戦直後から復興期の時代に描かれた初期から中期と高度経済成長の時代に描かれた後期とでは作風が大きく異なっている。特に、初期から中期にかけてはサザエとその家族および彼らの周辺の人物たちの日常生活が主な題材であったが、後期には主に社会風刺をネタにした作風が目立つようになっている[注 2]。連載は1974年で終了したが、1976年から1978年まで長谷川による『サザエさんえほん』が9冊刊行されている[4]

長谷川の作品の出版は姉妹社が行ってきた[1]が、長谷川の没後の1993年4月に廃業し絶版となり、長谷川町子美術館著作権を継承した。後に朝日新聞社から文庫本(全45巻)と「長谷川町子全集」(全33巻中1〜23巻が本編、他に30巻『別冊サザエさん』と33巻『カラー版 よりぬきサザエさん』)が出版されている。なお、本作の単行本の出版に際しては、初期連載作品で現在とは登場人物の設定が異なる回、やむをえない理由で不適と判断された回などは省かれている場合があり、朝日新聞社版でも姉妹社版から若干の作品が省かれている。清水勲著『サザエさんの正体』(平凡社、1997年)によると、姉妹社版で連載から省かれた作品数は700点余り、朝日新聞社版で姉妹社版から省かれた作品数は15点である。なお姉妹書に『古きよきサザエさんの世界』(いそっぷ社、2002年)がある。姉妹社版には作者が自ら編集し発売した『よりぬきサザエさん』シリーズが存在し、「長谷川町子全集」にはその中から『カラー版よりぬきサザエさん』全1巻が収録されている。2012年12月〜2013年3月には「朝日新聞」に掲載された作者及び『サザエさん』関連の特集記事を特典として収録し復刊したもの(全13巻)が朝日新聞出版から発売された[5]。この復刊版『よりぬきサザエさん』には朝日新聞社版で省かれた作品の一部が収録されているが、姉妹社版『よりぬきサザエさん』と比較すると削除された話も数話存在する。2018年より今まで単行本未掲載だった新聞掲載エピソードを収録した『単行本おたからサザエさん』全6巻が朝日新聞出版より発売された。

漫画本の累計発行部数は8600万部以上(姉妹社版が7000万部以上[6]、朝日新聞社版の文庫本が1600万部以上[7])に達する。日本の新聞連載漫画としては最大のベストセラーである。妹・長谷川洋子による回想記『サザエさんの東京物語』(朝日出版社、2008年)がある。

1997年4月には、講談社インターナショナルから「対訳サザエさん The wonderful world of Sazae-san」が刊行され、アメリカでも、『The wonderful world of Sazae-san』というタイトルで翻訳出版された[8]。その際一部のコマが反転されている[9]

著作権問題

原作者の長谷川が『サザエさんうちあけ話』にて「サザエさんの単行本をコピーした、いわゆる海賊版が国内に出回っていた」と語っており、発行元の姉妹社に損害が起きていた[注 3]

無許可でキャラクター画を使用した「サザエさんバス事件」以後、本作は他の作品以上に版権管理が厳しくなり、版権を管理する長谷川町子美術館に画像使用許可などを申請しても門前払いされていた時期があった。

1970年、奥成達が編集長を務めた雑誌『東京25時』(アグレマン社)9・10月合併号に、テディ片岡(片岡義男)原案・木崎しょう平作画によるパロディ漫画『サザエさま』が掲載されたが、過激な内容と著作権の問題で姉妹社から訴えられ、罰金50万円の支払いと謝罪広告の掲載がなされた[10]

1980年前後にケイブンシャが発行していた「全アニメ大百科」(年度ごとに改訂版あり)では、日本で制作された連続テレビアニメについて草創期から当時の最新作までを網羅しており、各作品ごとに放送期間や声優、ストーリーの概略などをキャラクターの画像と共に紹介していたが、『サザエさん』と『いじわるばあさん(1970年版)』については画像を掲載することができなかった[注 4]

1992年頃に流行となった謎本のひとつ、東京サザエさん学会により『磯野家の謎 サザエさんに隠された69の驚き』(飛鳥新社)が刊行され、続編『磯野家の謎おかわり』とともに大ヒットとなったが、これらは原作やアニメのコマが一切掲載できなかったため、文中で「●巻p.●●」のように出典を示す脚注が付けられたのみであった。原作漫画やアニメのコマが一切掲載されていない理由について、「作者の許諾が得られなかったから(代わりに脚注を付けたので、そちらを参照してほしい)」と記述している。また翌年にはビデオ版も発売されたが、こちらも著作権者の許可を得なかったため長谷川毬子と長谷川町子美術館から訴えられており[11]、絶版となっている。

同じく1992年にシングルCDとして再発されたアニメ主題歌のシングルでも、ジャケットにはキャラクターの画像は一切使用されていない。

現在でもこの厳しい版権管理は続いており、映像化作品(ドラマ、映画全般も含む)のビデオソフト(DVD、BD)化は行われておらず、インターネットでの有料配信やCSなどでの放送といった映像の二次利用自体が行われていなかったが、2016年にサザエさん誕生70周年を迎えたことから、CSの「日本映画専門チャンネル」にて、同年4月から2017年1月にかけて東宝および宝塚映画のシリーズ全10作が順番に毎月1作品ずつ放送されている[注 5]。また、2018年12月26日より、アニメ放送50周年を記念してフジテレビの有料配信サービスFOD及びAmazonプライムにて、放送開始年である1969年から1978年までのエピソードがデジタル化され配信されることが決定した[12]

また、2020年2月まで絶版作品を含む電子書籍化は行われていなかったが、同年に世界規模で感染が拡大している新型コロナウイルスの影響で自宅待機を余儀なくされている人々向けへの支援として、朝日新聞出版が長谷川町子美術館による協力の下、同年3月に期間限定ではあるが電子書籍化と無料公開が行われた[13][14]

また、文藝春秋発行の「文藝春秋デラックス」では「日本の笑い マンガ1000年史」(No.17 昭和50年9月号)に新聞掲載の4コマ作品3本、「アニメーションの本」No.42 昭和52年10月号)には、一家が勢揃いしたアニメのキャラクターの画像が掲載されている。

サザエボン問題

1995年 - 1996年頃、サザエとバカボンのパパを合成した「天才サザエボン」や、波平と鉄腕アトムを合成した「鉄腕波平」、波平と安室奈美恵を合成した「アムロ波平」などといったキャラクターグッズが無許可で制作され、修学旅行生が集まる全国の土産物店に卸して販売したものが有名になった。これに対し1997年夏に長谷川町子美術館や赤塚不二夫手塚プロダクションなど(原告)が著作権著作者人格権などの侵害として、グッズを企画・製造していた福岡県内の会社を相手に訴訟を起こした[15]。これに対し会社側は「大阪固有のギャグ・パロディー文化によってもたらされたもので著作権侵害の意図はない」などと反論した[15]が、1997年8月、裁判所は原告の訴えを認めて会社に販売禁止を命令、グッズは絶版となり、会社は2000年1月27日に破産した。

「サザエボン」などの起源はいくつかの説や経緯がある。1つは、1980年代・後半に販売された「週刊少年ジャンプ」の読者参加型の「ジャンプ放送局」内の「NG大賞」コーナーの投稿作品であり、そこから読者の真似書きによる拡散されたもの。もう1つは阪急電鉄十三駅前西商店街で、「TOY魔人」という露天商である。このTOY魔人は、単独で売っていた「サザエさん」や「バカボンのパパ」のキーホルダーを自作で組み合わせて加工し細々と販売していた。これが関西を始め全国区のテレビ番組で何度も放映された。商店街脇にある路地はこれにちなみ「波平通り」と名づけられた(2015年現在は改称されている)。鉄腕アトムと波平の合成キャラクターである「鉄わん波平」の看板も同商店街に掲げられていた。これについては、当初は赤塚不二夫も、この発想には感心し、TOY魔人に関しては静観する姿勢であった[注 6]。しかし、上記の福岡の会社がTOY魔人の合体製品を真似て、大量に制作販売するようになり、状況が一変した。なおこの問題が大きく報じられた後は、TOY魔人は公に販売することを自粛している。

キャラクター使用

連載初期頃には文明堂森永製菓の広告で起用されており、いくつかの長谷川の手による広告用の原画、贈答用の物や包装紙などが存在する。また、選挙の投票期間告知のポスターでも採用されている。

作者が存命中の頃はテレビアニメの筆頭スポンサーである東芝をはじめ、ハウス食品日本コカ・コーラHi-C)・日本電信電話公社などのCMに起用されていたが、1990年代はほぼ東芝一社のみとなり、1996年以降は同社のテレビCMにも起用されなくなった。

作者の没後8年を経過した2000年頃から、マイライン(→#CM)やJAバンク、日本コカ・コーラ(ミディペットボトル)などのCMで、アニメ版を中心とした本作のキャラクター画を使用されることが多くなってきている。ただし、これらのタイアップは作者の生前に契約が存在した企業がほとんどである。また、後述の理由から東京急行電鉄のイメージキャラクターにも起用されたこともあった。

2008年に江崎グリコのチョコレート製品のテレビCMとして制作された「OTONA GLICO 〜25年後の磯野家〜」は、その独特な世界観から話題を集めた。

JAバンクについては、キャッシュカード一体型のJAカードにアニメ版のサザエさん一家が描かれた「JAカード(サザエさん)」が存在しており、2010年前後になってJAバンクを統括する農林中金側の公式サイト内にあるJAカードのサイトに掲載されるようになっている。

2011年、2013年には防災週間のPRキャラクターに起用された。

2019年11月24日に放送されたアニメ50周年スペシャルでは、当時のスポンサーである9社(『日清食品』、『日産自動車』、『花王』、『宝くじ』、『西松屋』、『味の素』、『大和ハウス』、『Amazon』、『こくみん共済』)とのコラボレーションCMが放送された。

キャラクター商品

本作のアニメが放映開始された当初は、本作の版権元はキャラクター商品の許諾を全くしない方針だった(実際にキャラクター商品化を計画していたバンダイが門前払いになっている)。なぜこのような方針を取ったのかは不明だが、放映当時はマルサン商店今井科学の倒産で玩具業界ではキャラクター商品は敬遠されていた。

サザエさんバス事件の判決が出た1976年にタカラ(現・タカラトミー)が初めて商品化した。タカラは同年の年末商戦における「最大の関心事」と位置づけ、人形から貯金箱まで幅広く商品を展開。しかしあまり売れなかった。業界では「人間キャラは売れない」というジンクスがあり、本作もそれを証明することになった(後にこのジンクスを打ち破るのは『ちびまる子ちゃん』である)。

ハウス食品から1984年に「サザエさんちのふりかけ」「サザエさんちのお茶漬け」が、1985年に「サザエさんちのおにぎり」が発売され、1990年代前半まで発売が続けられた。ただし、パッケージデザインに関しては著作権の関係上、テレビアニメ版のものが採用された。また、明治製菓(現・明治)から1984年にスナック菓子として「かつおくん」と「わかめちゃん」が発売された。

非売品ではあったが、1980年代には、スポンサーである東芝からもグッズが多数出ており、東芝の特約店などで商品を買うと、主にサザエタラちゃんがプリントされた財布などを進呈するというフェアもあった。

また、名古屋に本社を置く長登屋が商品化権を取得しており、全国各地の土産物屋を中心にキャラクターを利用した菓子商品の製造販売を行っている。

2006年7月15日、お台場のフジテレビ本社ビルに、『サザエさん』のキャラクター商品を扱う専門店「サザエさんのお店」が開業した。

サザエさん通り

本作の舞台となった東京都世田谷区桜新町福岡県福岡市早良区に「サザエさん通り」を称する道路がある。

東京都・世田谷区桜新町

サザエさん通りに設置されているサザエさん一家(磯野家)の銅像(磯野波平・磯野カツオ・磯野ワカメ・磯野フネ)

近隣に長谷川が長年居住し本作の舞台となったこと、長谷川町子美術館が1985年に開館したことにちなみ、桜新町商店街振興組合が音頭をとって東急田園都市線桜新町駅前から国道246号へとつながる「中通り」が1987年に「サザエさん通り」と改称された。歩道には『サザエさん』のキャラクターが描かれた看板もある。ほとんどが原作の時の絵になっている。2012年3月25日には、磯野家メンバーの銅像が設置された[16]。この銅像に対し、2013年6月3日付で都税事務所から58万9200円の固定資産税(償却資産)の納税通知書が届き、桜新町商店街振興組合では困惑していたが[17]、10月19日に一転して固定資産税の免除が通知された[18]。同じく長谷川町子原作のいじわるばあさんの看板や銅像もある。

『サザエさん』に登場する「三河屋」は「サザエさん通り」にコンビニエンスストアセブン-イレブン・世田谷サザエさん通り店として実在する。三河屋の屋号は、出入口のセブン-イレブンのロゴの下に「三河屋酒店」と小さく表記されていたが、のちにこの表記は「三河屋」に変更された。

舞台の沿線となる東京急行電鉄の広告キャラクターに採用されたこともある。東急世田谷線では、一時期『サザエさん』のラッピングを施した車両が運行されていたことがある。

福岡県・福岡市早良区

サザエさん発案の地(磯野広場)/福岡県福岡市早良区

福岡市では2007年4月26日、長谷川が住んでいた福岡市早良区百道浜一丁目(住所上は早良区西新六丁目(北緯33度35分16.6秒 東経130度21分20.9秒 / 北緯33.587944度 東経130.355806度 / 33.587944; 130.355806 (磯野広場)))に『磯野広場』ができ、「サザエさん発案の地」の記念碑が建てられた。記念碑には『サザエさんうちあけ話』からの引用が記載されている。

また、福岡タワー北側の博多湾岸から福岡タワー前交差点 - 博物館前交差点 - (よかトピア通り) - 西新通り交差点 - 脇山口交差点間の市道1.6kmには2012年5月27日に「サザエさん通り」の愛称が付けられた[19]。この「サザエさん通り」沿いには上述の「磯野広場」がある。

2013年2月には、サザエさんと福岡市在住の波平の兄・海平の着ぐるみが完成し、地元のイベント等で活用されるようになった[20]

2014年5月20日〜7月13日に福岡市博物館で「長谷川町子と福岡」をテーマにした展覧会「サザエさん展 長谷川町子とその時代」が開催されたり[注 7]、2015年1月30日に、西新駅に第1巻の表紙と第1話をモチーフにした高取焼の陶板が設置される[21]など、「発案の地」としての福岡をアピールしている。

その他

  • 京都大学の日本史の問題に出題された。他にも慶應義塾志木高等学校芝浦工業大学柏中学高等学校(高校)の入試問題にも出題されたことがあり、家庭科をはじめとする教科書でも本作が題材となることが多い。
  • 1998年に発行されたお年玉つき年賀はがきの東京地方版にサザエさんが描かれた。漫画・アニメキャラクターがお年玉つき年賀はがきに描かれるのはこれが最初である。
  • 磯野家は東京都世田谷区桜新町あさひが丘三丁目10番地(架空の住所)に住所が仮定されている[22]
  • 単行本の第1巻はB5判の横綴じだったが、書店の店頭に並べにくいということですべて返品され、姉妹社は日本出版配給(1949年にGHQから解散命令を受け現存しない。日本出版販売トーハンの母体)から出入り禁止を言い渡された。その結果長谷川の自宅は返品された単行本に占拠される事態となった。そこで判型をB6判に変更した第2巻を出したところ読者には好評で問題の第1巻にも注文が入るようになり、この事態は解消された。姉妹社の廃業までこの判型が踏襲され、第1巻も後にB6に変更された。なお、単行本出版にまつわる詳しいエピソードは『サザエさんうちあけ話』で紹介されている。また、このB5判横綴じの第1巻を再現した復刻版が、2013年4月27日より長谷川町子美術館の売店で販売されている。
  • 基本的に現代(連載当時)を舞台にしたサザエさんであるが、長谷川の漫画『新やじきた道中記』には江戸時代設定の磯野家の面々が登場する。設定としては、サザエが結婚する前の頃の一家を江戸時代にアレンジしたものであり、本編における現在の磯野家との関係はないものとみられ、一種のスターシステムといえる。
  • 原作での磯野家の正確な間取りは話によって変わるため決まっていないが、長谷川町子美術館ではアニメ版のものを展示している。
  • また、福岡時代と東京・世田谷では家の造りが異なり福岡時代は日本家屋の豪邸のような造り(二階建てとわかるシーンがある)だが、東京での連載再開時の磯野家は平屋となっている[23]。アニメ版には存在しない洋室も登場している。
  • 舞台が東京になった際、長谷川の隣家の家族構成が同じであり、マスオさん婚や平屋などを参考にしている。
  • その情報源は長谷川町子の姉である長谷川毬子と隣家との世間話から得たものであると隣家に語っている。
  • 電話に関しても、福岡時代には磯野家に電話機(壁掛け式)が登場しているが、舞台が東京になった際は電話線の引き込みが遅れている設定となっている[24]。風呂に関しても同様で、たびたび銭湯が登場している。
  • 上記の電話に関連して、電話番号による問題が起きており、長谷川がある回の中で適当に書いた電話番号が実際に存在していたことが判明し(偶然にも同じ世田谷区の番号だった)、その番号を使用していた人物から、問題の回を見たとみられる者達による朝晩問わずの悪戯電話がひっきりなしに掛かってきた被害(掲載当日だけでも朝から58回、午後は150回の被害)を訴えられる事件が起きた。なお、単行本収録の際に問題箇所は修正されている。
  • 鶴見俊輔は『サザエさん』について「戦前の父権主義核家族化に対するアンチテーゼを描いたものだ」と自著で記している[25]
  • 1954年の文藝春秋により出版されたスピンオフ作品の中で10年後を描いた「サザエさん一家の未来予想図」の中でふぐ田サザエふぐ田マスオのこヒトデちゃんが登場する。漫画ではこの一話にしか登場しておらず、アニメにも登場していないため幻とされている[注 8]

派生作品

かるた

姉妹社から本作を題材にした3組のかるたが発売されていた。このうち『かるたサザエさん』以外の2組は、赤ちゃんとママ社から復刻版が発売されている。

サザエさんかるた
1949年頃発売。1枚目の読み札は「いまないた ワカメが もうおねだり」。2012年に復刻版が発売された[26]
2012年10月25日発売(復刻版)、ISBN 978-4-87014-080-6
サザエさんかるた その弐
製作年代等不明。1枚目の読み札は「いつでも ようきな サザエさん」。長谷川町子美術館にも1組しか現存しておらず、幻のキャラクターグッズとされていたが2013年に復刻版が発売された。
2013年10月24日発売(復刻版)、ISBN 978-4-87014-090-5
かるたサザエさん
前2組よりも後の年代に製造されたとみられる。1枚目の読み札は「いびきに ねごとの おとうさん」。

楽曲

漫画のイメージソングとして制作された楽曲。

サザエさん
1950年発売。作詞:田河水泡、作曲:長谷川堅二、歌:服部富子ビクター[27]
サザエさん音頭
1954年発売。作詞:大下文代、作曲:細川潤一、歌:照菊若原一郎・キング合唱団。キングレコード盤。

連載の履歴

  • 1946年4月22日に『夕刊フクニチ』紙上に連載開始、同年8月22日に連載中断
  • 1947年1月3日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、同年5月8日に連載中断
  • 1947年10月25日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、同年11月5日に連載中断
  • 1948年2月6日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、同年6月21日に連載中断
  • 1948年3月に『漫画少年』誌上に連載開始
  • 1948年11月17日に『夕刊フクニチ』紙上に連載再開、1949年4月4日に連載終了
  • 1948年11月21日に『新夕刊』紙上に連載開始、1949年4月2日に連載終了
  • 1949年12月1日に『夕刊朝日新聞』紙上に連載開始、1950年12月31日に連載終了
  • 1951年4月16日に『朝日新聞』(朝刊)紙上に連載開始、1960年4月に連載中断
  • 1955年1月に『少女クラブ』誌上にて連載開始、同年12月に連載終了(1953年にも同誌に読みきりを掲載している)
  • 1957年1月に『若い女性』誌上にて連載開始、1959年1月に連載終了
  • 1961年10月15日に『朝日新聞』(朝刊)紙上に連載再開、1974年2月21日に連載中断、事実上連載終了(以降掲載されず)

主な登場人物・ペット

なお、出典は基本的に現行の朝日新聞社版を参考にする。

フグ田 サザエ
本作の主人公福岡県生まれの磯野家の長女で23歳(アニメでは24歳)。特徴的な髪型は当時の流行にあわせている。
単行本1巻で東京に引っ越し、単行本2巻でフグ田マスオと結婚しタラオをもうける。
性格は快活でそそっかしく乱暴、親切で勇ましい反面、それが裏目に出ることもしばしば。よくカツオと取っ組み合いの喧嘩をしている[28]
磯野 カツオ
磯野家の長男で小学生[28]。サザエと一回り年の差がある弟。
アニメ版では一貫してかもめ第三小学校5年3組となっている[28]
髪型は基本的に丸刈り。
連載開始当初は、ワカメの面倒をよく見ているちょっと抜けているお兄さん、といった雰囲気を持っていた。連載後半になるにつれ、現在のアニメ版のようなズル賢く機転の利く腕白坊主となり、口も達者となり登場回数も格段に多くなる。漫画界における「世渡り上手」の代表的キャラクター。
なお原作においては、学校での生活や友達関係が描かれることは少ない。
磯野 ワカメ
磯野家の次女。原作漫画では最終的に小学1年生で7歳の設定だが、アニメではかもめ第三小学校の3年生[28]
原作とアニメ版において最も性格が異なる。性格は天真爛漫で、非常に活溌である。アニメ版では「優等生」になっており[28]、カツオと比べ存在感も薄いが、原作では立場が逆であった。
連載中盤まででは、サザエに次いで登場回数の最も多いキャラクターであり、話の「オチ」を担うこともかなり多い。
磯野 波平
磯野家の大黒柱で、3姉弟(サザエ、カツオ、ワカメ)の父[28]。年齢は54歳[28][29]
職業はサラリーマン(東証一部上場の総合商社・山川商事株式会社の事務職[30])で、会社は銀座晴海通り沿いにある。
初期の役職は「局長」であったがいつの間にか降格しており、後期には平社員となっていた。
アニメでは磯野家の“家長”として威厳があるが、原作においては威厳がなく、家族を叱るシーンもあまり多くなく、登場回数も必ずしも多くない。しかし登場した時は、話の「オチ」を担当している。
性格はかなり抜けており、お茶目なところがある。そのため、子供に威厳を示そうとするも、その情けないキャラクターゆえにカツオに逆に手玉にとられることも多い。それ以外に『都下禿頭会(とか・とくとうかい)』の理事をしていると話している。
実は、初期には名前は設定されておらず、東宝および宝塚映画のシリーズでも「波平」として出てくるのは最終作『福の神 サザエさん一家』のみで、当初の役名は「サザエの父親」とされていた(ただし、家の表札には五作目まで「磯野松太郎」と掲げられている。また、同シリーズでは「波夫」といった名前も出てくる)。
磯野 フネ
波平の。旧姓は石田。原作では48歳(公式ではない)でアニメでは50歳。
アニメではほとんど怒らないが、原作では性格は厳しく、激しい気性の持ち主である。家族を叱る回数も波平より多い。
波平の陰口を言ったり、喧嘩中は波平にちょっとした嫌がらせをするなど、アニメではあまり見られない陰湿な一面もある。東宝および宝塚映画のシリーズでは原作寄りの厳しい気性で描かれる。
初期には波平同様に名前が設定されていなかったため、東宝および宝塚映画のシリーズでは初期の役名は「サザエの母親」とされたが、三作目においてフネの名前が明かされ、中盤以降の役名は「フネ」、「舟子」といった名前も出てきた。
フグ田マスオ
日刊フクニチ連載当時の最終回で初登場し、2巻でサザエと結婚したサラリーマン。結婚当初はサザエとタラオとのフグ田家3人で磯野家の近所にある借家に住んでいたこともあり、2巻において大家と喧嘩し追い出されたため磯野家と同居。現在に至る。
アニメではかなり気の弱い夫となっている[28]が、原作では磯野家に対して主張する時もある。
基本的にはいい兄貴分であるので義弟カツオと義妹ワカメに慕われている。
勤めている会社(東証一部上場の総合商社の海山商事株式会社・営業課)は当初は郊外だったが、後に有楽町に移る。当初は平社員だったが、後に係長に昇進。その時の年齢は32歳(アニメでは28歳)。
実家は大阪で、時々出てくる母親は大阪弁を話す。
実は長谷川は東京で連載再開するまで彼の顔を忘れていたというエピソードがある。
フグ田 タラオ
サザエとマスオの長男でアニメでは3歳。2巻から登場。赤ん坊コンクールで2等賞をもらったことがある[31]
アニメでは大人しく物分りの良い「いい子」だが、原作では若干乱暴者である。サザエに背負われるなどして登場回数こそ少なくないが、セリフがほとんど無い。カツオ、ワカメはごく初期[32]において、タラちゃんの前で自分達のことをそれぞれ「おじちゃん」「おばちゃん」と称していた。当初、タラちゃんの登場を予告する文面では「女の子」設定だった。
タマ
磯野・フグ田家で飼われている白色のオス猫。首輪の大きな鈴がトレードマーク。
波野 ノリスケ
波平の妹の三男(波平の甥、サザエ・カツオ・ワカメの従兄弟[33])。体型はやや太り気味。新聞記者。8巻から12巻の間、押しかけ同然に磯野家に居候する。
波平や新入社員に借金を頼み込んだこともあるなど図々しい性格でちゃっかり屋であるが、その人柄の良さからか、磯野家の面々からは嫌われてはいないようである。
12巻で入江(旧姓)タイ子とお見合い結婚。結婚後は「東アパート」という所に住む。恐妻家である。14巻で子供をもうける。この子はアニメではイクラとなっているが、原作においては劇中で名前は出てこない。アニメでは磯野家の隣人で作家・伊佐坂難物の担当でもある[33]ため、平日の昼間でもよく隣の磯野家に現れる。カツオ・ワカメとは従兄弟ではあるものの、歳が離れているせいか「ノリスケおじさん」と呼ばれる。
波野 タイ子
ノリスケの妻[33]。旧姓は入江。
結婚当初は身のこなしが上品であった。しかし登場回数が少ないからか、結婚後は時に太っていたりと、容姿に変遷が見られる。アニメ版のような家族ぐるみの付き合いは描かれていないが、サザエとは初期によく絡んでいた。

連載当時は動物を飼育している家庭も多く、本作にもニワトリヤギなどが多く登場する。特にニワトリは非常に多く登場し、波平が飼っていたニワトリを絞めてご馳走の鳥鍋にするシーンや、イタズラをしたカツオやワカメがお仕置きとしてニワトリ小屋に閉じ込められるシーンもある。、磯野家では比較的頻繁に登場する猫の「ミー公」や犬の「ジョン」を始め、登場回数は少ない(大体一度きり)がアニメ版と同じ「タマ」などのや「エルザ」、「太郎」といったも多く登場する。他には小動物として、カツオがカナリヤ伝書鳩ハムスターを、ワカメが金魚を、サザエが「マイク」というリスを飼っていたこともあった。なお、カツオは飼っているペットを挙げて「扶養家族手当」として小遣い値上げを訴えたことがある[34]

また、長谷川の他作品からは『似たもの一家』の主人公の一家も登場する。伊佐坂家はアニメでは磯野家の隣家だが、原作では10巻にわずかに登場するに過ぎない。本作にはキャラクターとして特定の名前が与えられていないが、非常に多く登場する人々がいる。たとえば相撲が好きだった作者は、相撲をネタにした話をしばしば用いている。

いわゆる浮浪者のように、社会的に恵まれない人や「俺ぁ、刑務所から出てきたばっかりなんだ」という決まり文句で磯野家の門を叩く押し売りや、穴の空いた服に無精髭の泥棒強盗など、どこか憎めない犯罪者も非常に多く登場する。なお、泥棒が多く登場するのは、作者の自宅に何度も泥棒(主に空き巣)が押し入ったためであると言われている。

実在の人物が登場することもしばしばあった。例えば、その当時の総理大臣はほとんど登場している。作者の長谷川自身もたびたび登場している。

また、セリフだけであるが昭和天皇も登場している回もある[35]。あくまで作中での波平の想像における登場であり、姿そのものの登場ではない。後に長谷川は実際に昭和天皇と園遊会で対面している。

執筆時のエピソード

長谷川は、西日本新聞社の絵画部に所属していた。その後1946年、同社から新しく発行された『夕刊フクニチ』で彼女は連載漫画を頼まれた。自宅の近所である百道海岸付近を妹と散歩しているときに、本作の家族構成や名前を思いついた[36]。当初は作者自身は、アルバイトのつもりでやっていた、と語っている。

連載を再開する際、作者本人が、マスオの顔を忘れていて、西日本新聞社東京支局(福岡で連載していた福岡日日新聞は西日本新聞の夕刊)まで行き確認したエピソードがある。

その後、作者の引越しと合わせ磯野家も東京に引越した。1951年に「ブロンディ」の後を承けて朝日新聞の朝刊を飾ることになる。

連載末期には月曜日が休みとなった。

作風とその変化

連載が長くなるにつれ、作者の長谷川自身は1960年代中頃から従来と異なる新しい作風に興味が移っていった。彼女は自伝『サザエさんうちあけ話』の中で「子供にも無害なヒューマニズム(ヒューマニタリズム)には飽きた」[37]「書き手にとっては取材範囲が限られるのが苦しい」[37]などと語っている。このような時期に生まれたのが、後に長谷川の代表作の1つとなった「いじわるばあさん」(1966年〜1971年)である。そして、この頃から、『サザエさん』もそれまでのヒューマニズム色の強い作風から大きく変化し、社会風刺の要素を取り入れたアイロニカルな作風へと移行している。

漫画以外のメディア化

メディア化の概略

  • 1948年9月28日にマキノ映画により映画化。『サザエさん 七転八起の巻』が上映。東屋トン子主演。
  • 1950年に上記の映画の続編『サザエさん のど自慢歌合戦』が上映。東屋トン子主演。
  • 1955年1月4日にニッポン放送によりラジオドラマ化(1965年4月まで)
  • 1955年10月3日にKRテレビ(KRT、現・TBSテレビ)により五分の帯番組(月から土)でテレビドラマ化(1957年9月28日まで)。
  • 1956年12月12日に東宝により映画化。江利チエミ主演、青柳信雄監督。詳細はサザエさん (1956年の映画)を参照(1961年まで、全10作のシリーズ)。
  • 1965年11月19日にTBSにより江利チエミ主演でドラマ化。1967年9月29日まで。
  • 1966年、江利チエミ主演で舞台化(以降1975年、1978年にも上演)。
  • 1969年10月5日にフジテレビによりアニメ化[1]。詳細はサザエさん (テレビアニメ)を参照。
  • 1975年、江利チエミ主演の舞台、「チエミ喜劇「決定版サザエさん」」が上演。
  • 1977年ごろから1988年まで、文化放送マエタケの朝は自由大通り」「お元気ですか高島忠夫です」内にて「連続ラジオまんが おはようサザエさん」が放送されていた。声優はテレビアニメ版と同一で提供も東芝だった。
  • 1978年、江利チエミ主演の舞台、「コマ・ファミリー劇場「夏休みだよ!!サザエさん」」が上演。
  • 1979年、本作が生まれるまでの長谷川一家及び姉妹社の経緯が、NHK総合により連続テレビ小説マー姉ちゃん』としてドラマ化された。
  • 1981年(星野知子主演)にフジテレビでスペシャルドラマとしてドラマ化、1984年には「フジテレビ開局25周年記念 長谷川町子スペシャル サザエさんVS意地悪ばあさんVSいじわる看護婦」が放映された。
  • 1992年3月、NHK衛星第二で特集番組『サザエさん』。出演:西田敏行森口博子 音楽:ミッキー吉野。この番組のためのテーマソングも新たに作曲された。西田・森口の2人で数役をこなしながら声を当てる4コマ漫画の朗読や、マー姉ちゃんなどの映像資料をもとに制作された番組。フジテレビで放送した過去のアニメも一部オープニングとエンディングも含め放送したが、フジテレビの名前や提供クレジットが出る歌の後奏はカットされた。本番組のために長谷川は自画像などのイラストを寄稿したが、これが遺作となった。
  • 1992年〜1996年(浅野温子主演)にフジテレビでスペシャルドラマとして計6作ドラマ化された。
  • 1994年、榊原郁恵主演で舞台化。
  • 1995年、熊谷真実東ちづる主演(ダブルキャスト)で舞台化(1994年版の再演)。
  • その他、1993年11月25日に飛鳥新社から『磯野家の謎』の実写版ビデオが発売された。役者はすべて素人を起用している。ナレーションは大沢悠里、メイクアップはトニー・タナカが担当した。
  • 2008年9月10日より放送の江崎グリコの『アーモンドプレミオ』『バンホーテン ディアカカオ』のCMにおいて、『25年後の磯野家』という設定の実写版CMが制作された。
  • 2009年、フジテレビ開局50周年とテレビアニメ40周年を記念したスペシャルドラマとして観月ありさ主演で再びドラマ化され、11月15日の18:30〜20:54(JST)に放送(テレビ大分は11月21日12:00〜14:25に、テレビ宮崎は12月5日14:00〜16:25に遅れ放送)。カラーテレビの普及とウーマンリブ運動が活発化した昭和40年代を時代背景として描かれた。また、2010年8月8日に第2弾が18:30〜20:54(JST)に、2011年1月2日に第3弾が生誕65周年記念で18:30〜22:00(JST)に放送された。
  • 2013年10月11日にニッポン放送『サザエさんのオールナイトニッポンGOLD』を放送した。パーソナリティは主人公のフグ田サザエ(声・加藤みどり)[38]。また、フジテレビのアニメ担当は『浅倉南のオールナイトニッポン』以来9年ぶり2回目となった。
  • 2015年10月20日、理研ビタミンの「わかめスープ」シリーズのパッケージに磯野ワカメがキャラクターとして採用され、11月2日から12月15日にワカメのデザイン入りマグカップが抽選で当たるキャンペーンを展開。2016年3月に「ふえるわかめちゃん」シリーズや「わかめご飯」シリーズ、「コリコリ茎わかめ」シリーズでも限定でパッケージデザインに採用される予定[39]
  • 2019年、藤原紀香主演で舞台化。アニメ「サザエさん」の50周年イヤーを記念した作品[40][41]

舞台版

江利チエミ主演舞台

江利チエミ特別公演「サザエさん」
チエミ喜劇「決定版サザエさん」
コマ・ファミリー劇場「夏休みだよ!!サザエさん」
  • 脚本:安永貞利
  • 演出:松浦竹夫
  • ショウ場面構成・演出:西山博行
  • 公演期間:1978年8月1日 - 23日
  • 公演会場:新宿コマ劇場
  • 出演
  • 同時上演:「スタージンガーとダンガードA」(原作=松本零士、構成・脚本=三好道明、演出=新美正雄・中込綏彦、出演=ささきいさお・こおろぎ '73・かおりくみこ・堀江美都子・大杉久美子・水木一郎)

三谷幸喜脚本舞台

音楽劇「サザエさん」
音楽劇「サザエさん」(再演)

舞台「サザエさん」

アニメ版の10年後を舞台とした作品

映画

テレビドラマ

高杉妙子版

1955年から1957年にKRT(現・TBS)で放送されたドラマ。KRT初の武田薬品一社提供のドラマであり、『タケダアワー』の前身。放送時間は-18:35 - 18:40→月-土18:30 - 18:35。

一説には「絵に台詞を付けた紙芝居のような番組」と言われているが、演出を行った拵井巍の証言によると、実際は五分帯のコント風ののスタジオドラマであった[42]

KRT タケダアワー
前番組 番組名 次番組
(なし)
サザエさん
(高杉妙子主演ドラマ版)
KRT 月曜 - 土曜 18:35 - 18:40枠
映画枠
サザエさん
(高杉妙子主演ドラマ版)
(1955年10月3日〜1956年4月28日)
-
KRT 月曜 - 土曜 18:30 - 18:35枠
月 - ボクシングゲーム
木-子供会
金・土 - 映画
※ 以上18:00 - 18:35
火 - 憧れのスター
水 - 松田トシ ショー
※ 18:10 - 18:35
サザエさん
(高杉妙子主演ドラマ版)
(1956年4月30日〜1957年9月28日)
月 - こども寄席
火 - 三平ちゃんといっしょ
水 - 赤胴鈴之助(実写版)
木 - ユキ夫の冒険
金 - 口笛横丁
土 - とんちんかん物語
※ 18:15 - 18:45

江利チエミ版

1965年から1967年にTBS系列で放映されたドラマ。1966年1月7日放送で瞬間最高視聴率37.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録。

  • 放映期間:1965年11月9日 - 1967年9月29日
  • 放映曜日・放映時間帯:毎週金曜日21時 - 21時30分
放送局
TBS 金曜21:00 - 21:30枠
前番組 番組名 次番組
サザエさん
(江利チエミ主演ドラマ版)

星野知子版

1981年 - 1985年にフジテレビ系列で放映された単発ドラマ

放送経歴
タイトル 放送日 放送時間(JST 備考
1 サザエさん 1981年4月1日 水曜19:30 - 20:54
2 サザエさん
秋ですネ、サザエさん
1981年9月30日
3 春一番だョ! サザエさん 1982年3月31日
4 秋祭りだよ! サザエさん 1982年9月29日
5 '83出発進行だよ!
サザエさん
1983年1月6日 木曜20:02 - 21:48 木曜ファミリーワイド』で放送
6 サザエさん
恋の季節だよ! サザエさん
1983年4月6日 水曜19:30 - 20:54
7 サザエさんPARTVII 1983年9月28日
8 サザエさん
サザエさん頑張る・主婦たちの戦後史
1985年1月4日 金曜21:02 - 22:52 金曜女のドラマスペシャル』扱いはされず
メイン出演者
パート1(1981年)
パート2(1981年)
パート3(1982年)
パート4(1983年)
パート5(1983年)
パート6(1985年)

浅野温子版

1992年 - 1996年にフジテレビ系列で放映された単発ドラマ(計6作)

放送経歴
タイトル 放送日 放送時間(JST) 備考
1 サザエさん 1992年10月5日 月曜21:00 - 22:24
2 サザエさん2 1993年4月9日 金曜21:02 - 22:52 金曜エンタテイメント』で放送
3 サザエさん3 1993年10月15日
4 サザエさん4 1994年4月7日 木曜21:00 - 22:54
5 サザエさん 1995年1月6日 金曜19:00 - 20:54 3本立てオムニバス作品
6 サザエさん 1996年1月4日 木曜19:00 - 20:54
メイン出演者
パート2(1993年)
パート3(1993年)
パート4(1994年)
パート5(1995年)
パート6(1996年)

観月ありさ版

21世紀初頭より、観月ありさがサザエを演じる単発ドラマが、これまでに4回アニメ同様フジテレビ系列全国ネットで放送されている。いずれもハイビジョン制作

  • パート1: 2009年11月15日にフジテレビ開局50周年記念番組として放映。視聴率は20.9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ。以下同様)
  • パート2: 2010年8月8日(フジテレビの日)に夏休みスペシャルドラマとして放映。視聴率は16.5%[49]
  • パート3: 2011年1月2日に正月特番および「サザエさん生誕65年記念」(原作誕生から65年目)として放映。視聴率は11.0%。
  • パート4: 2013年12月1日にフジテレビ開局55周年記念番組及び「アニメ『サザエさん』放送45周年記念」番組として放映。視聴率は14.4%。

ドラマの放映日は、いずれもアニメ版の定時放送日と重ねており、その日はアニメ版とドラマ版を1枠化したコンプレックス形式が取られる(アニメが第1部、ドラマが第2部)。パート4ではアニメとの更なるシナジー効果を狙い『サザエさん アニメ&ドラマで2時間半SP』と題され、全3話のうち1話「磯野家はチャレンジャー」の前半をアニメで、後半をドラマで制作するという特殊な構成[注 9]に用いられた。

観月版では時代設定1970年代前半であり、ダイヤルチャンネル式のテレビや、伊藤博文千円札岩倉具視五百円札といった紙幣などその当時の物が作品内で登場する[注 10]など、その当時の生活ぶりが垣間見られる。また、BGM、玄関扉や襖の開閉音、タラオの足音、タマの鳴き声などはアニメと同じものが流用されている。

パート1に、サザエ役の声優の加藤みどりと、波平役の声優の永井一郎が顔出しで特別出演し、出演自体は短いがいずれも波平・フネと絡んでいる。加藤はその後もパート2に湯水夫人として、パート3にタバコを買いに来た波平と海平とを続けて見て驚くタバコ屋のおばさん、パート4に足を挫いた老婦人役でゲスト出演を果たした。

その他
アニメ版声優による特別出演
  • 永井一郎
    • 自動車教習所 所長(1)
  • 加藤みどり
    • 波平の勤務先の女性社員(1)[注 11]
    • 湯水夫人(2)
    • タバコ屋のおばさん(3)
    • 足を挫いた老婦人(4)
パート1他
パート2他
パート3他
パート4他

天海祐希版

磯野家の人々〜20年後のサザエさん〜』のタイトルで、フジテレビ開局60周年及びアニメ「サザエさん」放送50周年記念番組として、2019年11月24日の20:00 - 21:54に放送[注 12]。内容は本編の20年後となっており、磯野家には新たに、1954年発行の雑誌『漫画読本』(文藝春秋)創刊号に掲載された一コマ漫画「サザエさん一家の未来予想図」に登場したタラオの妹ヒトデが加わっている[50]。今作では時代設定はより現代に近いものとなっており、劇中にはこれまでの各メディア作品には登場していなかったスマートフォン液晶テレビドローンなどが登場している。

スタッフ

映画及びテレビドラマ版での配役

出演期間 フグ田 サザエ フグ田 マスオ 磯野 カツオ 磯野 ワカメ フグ田 タラオ 磯野 波平 磯野 舟
(映画)1948年 - 1950年 東屋トン子 不在 - - 不在 - -
(TV)1955年 - 1957年 高杉妙子 小野田勇 石井修 猿若久美惠 奥村千秋 昔々亭桃太郎 水の也清美
(映画)1956年 - 1957年 江利チエミ 小泉博 小畑やすし 松島トモ子 不在 藤原釜足 清川虹子
(映画)1957年 - 1958年 白田肇
(映画)1959年 - 1960年 猿若久美恵
(映画)1960年 - 1961年 小串丈夫
(TV)1965年 - 1967年 川崎敬三 吉原誠利 上原ゆかり - 森川信
(TV)1981年 - 1982年 星野知子 小野寺昭 - - - 小林亜星 乙羽信子
(TV)1983年 佐野大輔 網田麻澄 高山幸久
(TV)1984年 斎藤優一
(TV)1985年 大森嘉之
→斎藤優一
(TV)1992年 - 1993年 浅野温子 宅麻伸 上村裕樹 遠山真澄 - いかりや長介 吉行和子
(TV)1994年 小林俊平
(TV)1995年 - 1996年 田宮賢太朗 森安加代子
(TV)2009年 - 2011年 観月ありさ 筒井道隆 荒井健太郎 鍋本凪々美 庄司龍成 片岡鶴太郎 竹下景子
(TV)2013年 清水錬 錦辺莉沙 中野遥斗
(TV)2019年 天海祐希 西島秀俊 濱田岳 松岡茉優 成田凌 伊武雅刀 市毛良枝

ラジオ

ニッポン放送版

  • 1955年から1965年まで、約10年にわたりニッポン放送でラジオドラマが放送された。1963年11月18日からはスポンサーが変わったことを機に、スタッフ、キャストを一新している[注 13]

文化放送版

オールナイトニッポン版

  • 2013年10月11日にはテレビアニメが放送開始45周年を迎えることを機に、ニッポン放送で『サザエさんのオールナイトニッポンGOLD』が放送された[62]。これもパーソナリティーのサザエを始め、キャストはテレビアニメ版と同一である。

CM

OTONA GLICO 〜25年後の磯野家〜

江崎グリコの『オトナグリコ』の一環として2008年から2009年にかけてオンエアされたシリーズ。

磯野家の先祖の法事で親族が集まることから始まるCMオリジナルストーリー。原作ではなくアニメ版の世界をベースとしている。BGMもアニメ版のOP、EDテーマをアレンジしたものが使用されている。

なお、CM中には波平やフネ、サザエ、マスオが一切登場しないが、江崎グリコの広報によると「ご先祖様の法事であり、存命です」と説明している[63]

カツオ:浅野忠信
36歳。ワンパク小僧の容姿は変わらず未だ野球好きで、大学のテスト(地理)では0点を取ったり相変わらず勉学が苦手だったようだが、ワカメに生き方を諭すなど、磯野家の長男としての自覚はあるようである。職業は不明。独身。トライアウトに向けたような運動をしているCMがある。ワカメからは「カツオ兄ちゃん」と呼ばれている。
ワカメ:宮沢りえ
34歳。法事に現れたタラオとイクラを優しく気遣い、カツオとも仲良く接する等、こちらもアニメのワカメのイメージを踏襲しているが容姿端麗に成長している。大手百貨店エレベーターガール。独身。カツオとワカメは25年を経過しても磯野家で一緒に生活している。
タラオ:瑛太(現・永山瑛太
28歳。マイペースに生きている。移動たこ焼き屋を一人で営んでおり、いつかはチェーン展開しようと大志を抱いているが、イクラに業務提携を持ちかけたところ「それは無いな。」と一蹴された。イクラには負けたくないと思っていたらしい。
イクラ:小栗旬
26歳。かつては「ハーイ」・「バブー」・「チャーン」しか喋れなかった彼も立派な青年へと成長し、彼もタラオにライバル意識を持っていた。その努力が結実し、ベンチャー企業「イクラネット(IKURA.net)」のCEOに就任、高級一戸建てや高級外車、ヘリコプターを所有する等、CM中では出世頭となっている。カツオとワカメの呼称も「カツオ兄さん」・「ワカメ姉さん」になった。
タマ(3代目)
再会篇と兄妹の今篇に登場。白猫である。
カツオの友人:中山祐一朗
2009年からのカツオ篇に登場するメガネの男性。花沢不動産勤務。

CM放送開始以降、ラジオ放送版を含む全篇がかつてはオトナグリコサイトで視聴可能だった。ラジオ放送版も基本的にテレビCM版の内容を踏襲しているが、テレビ版と異なるエピソードもある。声の出演は以下の通り。

マイライン

2000年4月から2001年にかけて、マイラインサービスの告知として、パンフレットとテレビCMで原作(漫画)を基にしたキャラクターが使用された[64]。テレビCMはアニメ版の声優を使用しているが、作画はあくまで原作に準じたものとなっている。出稿主であるマイライン事業者協議会は実質上NTT東日本NTT西日本が運営しており、電電公社以来約16年ぶりの起用であった。

カップヌードル

日清食品カップ麺カップヌードル」が2017年に展開している、有名作品の登場人物が現代日本の高校生として青春を謳歌しているという設定のCMシリーズ『HUNGRY DAYS』の第3弾として2017年11月22日より「サザエさん」編が放送されている[65][66]。タイトルは『サザエさんの青春』[注 15]

原作では公開お見合いで出会って結婚したサザエとマスオが、もし2017年の現代で同じ高校に通う高校生として過ごしているとしたら、という設定のパラレルワールドとなっており、高校最後の文化祭でマスオがサザエに公開告白を行うというストーリーとなっている。サザエ役を和久井優、マスオ役を島﨑信長が演じ、磯野家の家族も声は無いものの登場している。他のシリーズCMと同様にキャラクターデザインを窪之内英策、アニメーション制作をタツノコプロが手がけている。

また、CM公式サイトではストーリー紹介と共に、原作でのサザエとマスオのなれそめも紹介されている。

関連書籍

  • 『サザエさんの〈昭和〉』(鶴見俊輔 齋藤愼爾編、柏書房、2006年)
    寺山修司が本作をテキストに1972年に発表した「サザエさんの性生活」などを所収。
  • 1992年に東京サザエさん学会『磯野家の謎 サザエさんに隠された69の驚き』(飛鳥新社、のち集英社文庫やパンドラ新書:日本文芸社で再刊)という本が出され、200万部を超える大ヒット。続編『磯野家の謎おかわり』(集英社文庫で再刊)も出された。本作に新たなスポットを当てて人気復活に大いに貢献し、その後数年続く「謎本ブーム」の火付け役になった。ただ本作と食い違う記述が多々見られ、批判も多かった。翌年にはビデオ版も発売されたが、著作権者の許可を得なかったため訴えられており、絶版にしている。
  • 類似本に『サザエさんの秘密』(世田谷サザエさん研究会、データハウス刊、1993年)があり、数度装丁を変え重版されている。続編として『サザエさんの悲劇』(世田谷サザエさん研究会、データハウス刊、1993年)が刊行されたが、内容に『磯野家の謎』の批判が多く含まれており抗議を受けたためか、装丁を変えた版は出なかった。
  • 新書では2008年に民俗学者鳥越皓之『「サザエさん」的コミュニティの法則』(生活人新書日本放送出版協会)が出されている。
  • 朝日新聞の土曜版「be」で、毎週1本の作品から当時と現代との違いを比較する「サザエさんをさがして」という記事が連載されており、2005年から2010年にかけ朝日新聞出版で5冊出されている。基本的に刊の単行本の収録作をそのまま掲載しているが、夕刊フクニチでの最終回など単行本未収録の回が掲載されたこともある。
  • 『2015年 磯野家の崩壊 ―アベノミクスの先にある「地獄」―』(山田順 徳間書店、2013年)
    『サザエさん』は本人が結婚し子までいるにも拘らず親と同居している三世代家族であるなど、舞台設定が高度経済成長当時から全く変化していない。経済情勢のみを2010年代に移したら磯野家はどうなるかをシミュレートする。

脚注

注釈

  1. ^ 朝日新聞1978年4月10日付23面に『サザエさんうちあけ話』の連載予告の記事が載ったが、この時点で『サザエさん』は休載中と明記されていた。
  2. ^ 具体的には、長谷川の『エプロンおばさん』の連載が終了し、『いじわるばあさん』の連載が開始された1960年代中頃から『サザエさん』の作風も大きく変化している。1965年4月から1991年9月まで朝日新聞に連載されていた『フジ三太郎』(サトウサンペイ作)もサザエさん形式で社会風刺を取り入れた内容になっていた。
  3. ^ 全く逆の話として、「ニセ本が出ている」と長谷川に送られてきた本が、実は絵柄が変化したことに気付かなかった読者の勘違いで本物の初期の単行本だった、という事例もある。
  4. ^ ただし、1978年から1979年にかけて発売された「70年代テレビアニメ全集」(秋元文庫)と、1982年・1983年に発売された「アニメNOW」シリーズ(集英社文庫)には、アニメの一場面が掲載されている(『テレビアニメ全集』には『いじわるばあさん』も)。双方とも著者は杉山卓
  5. ^ 『サザエさん』ではないが、2018年1月に同じ長谷川原作の『新やじきた道中記』の映画化作品『新やじきた道中』が前述の映画を放送した「日本映画専門チャンネル」で1月に、「時代劇専門チャンネル」にて3月に放送されている。
  6. ^ 1997年2月、訴訟の構えを見せ始めた頃の赤塚が、東京スポーツの取材に対して寄せたコメントでは、「オレに被害があるとかじゃなくて、ここで食い止めないと日本の著作権はどうなるの」と、権利を守る重要性を訴える一方で、「でもね〜、オレは本当は悔しいんだ。(「サザエ」と「バカボンのパパ」の)2つを組み合わせるアイデアはすごくおもしろいんだよ。なんでオレが先に思いつかなかったのか残念で。考えてみれば『ウナギイヌ』と同じ発想なんだよね」と、キャラクター「サザエボン」の発想に対しては賛辞を送っていた(以上、2009年8月26日付け東京スポーツより)。上記の赤塚のコメントは発表当時、同紙でも1面トップ扱いで大きく取り上げた。
  7. ^ その展覧会の開催に先立って、「恋するフォーチュンクッキー」(AKB48)の「サザエさんの街でつながろう!」編が、世田谷区・早良区および長谷川町子美術館の協力で制作され公開している。
  8. ^ 2019年にフジテレビ開局60周年特別企画 サザエさん放送50周年を記念してフジテレビで放送されたスペシャルドラマ” 磯野家の人々〜20年後のサザエさん〜」 のみに高校生になった姿でヒトデが登場している
  9. ^ 磯野家がサブロウとともに初めて長縄跳びの練習を行う部分までがアニメパートになっている
  10. ^ 例外として、パート4の「磯野家はチャレンジャー」のドラマパートに登場したラジカセは、1980年代半ば頃のラジカセだった。
  11. ^ 第1弾は放送日が奇しくも加藤の70歳の誕生日だったことから、エンディングのクレジットにバースデーケーキのイラストが描かれた。
  12. ^ テレビ大分は同年12月7日深夜(8日午前)遅れネットで放送。
  13. ^ そのため、一時期は『新・サザエさん』という題で放送。また、これに伴いサザエの結婚まで進行していた話も全て独身時代にリセットされた。
  14. ^ 途中からは「市川寿美礼」名義
  15. ^ 東宝製作の映画シリーズ3作目と同名タイトルである。

出典

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  3. ^ サザエさん 作者が海岸を散歩していたから海産物の名前に”. 2019年1月23日閲覧。
  4. ^ 「芸術新潮 2016年 09 月号」 特集こんなに凄かった! 長谷川町子と「サザエさん」 76頁
  5. ^ https://publications.asahi.com/yorinuki/
  6. ^ 清水勲『図説漫画の歴史』河出書房新社、1999年、111-112頁。ISBN 4-309-72611-9
  7. ^ 天声人語」『朝日新聞』1995年9月20日付朝刊、1頁。
  8. ^ 「対訳サザエさん」の翻訳者のあとがきによると、翻訳版はまず日本で刊行し、続いてアメリカで刊行するスケジュールになっていたとのこと。
  9. ^ これは、翻訳者によると、「台詞の流れを損なわないようにするためにその措置を取った」とのこと(「対訳サザエさん」の翻訳者のあとがきから)。ただし、反転されず存置されたコマもある。
  10. ^ 赤田祐一・ばるぼら『消されたマンガ』(鉄人社、2013年)186-191頁
  11. ^ 「サザエさんの『謎』勝手にビデオ 販売差し止め申請」『朝日新聞』1993年12月13日付東京夕刊、11頁。
  12. ^ サザエさん FOD・Amazon Prime Videoで配信決定! - とれたてフジテレビ
  13. ^ 電子版『サザエさん』無料配信期間が4月末まで延長&本日発売10巻も公開”. CINRA.NET(2020年4月7日作成). 2020年4月8日閲覧。
  14. ^ 4コマ漫画「サザエさん」の無料公開が4月末まで延長! 最新刊10巻も特別公開”. 映画.com(2020年4月8日作成). 2020年4月8日閲覧。
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  21. ^ 西新駅に「サザエさん」の陶板を設置 - 福岡市早良区役所、2015年2月2日
  22. ^ 東京都世田谷区桜新町二丁目25番や、東京都世田谷区新町三丁目51番地または515番地(架空の住所)等の仮定もある。
  23. ^ 朝日文庫版23巻171ページ掲載話、24巻139ページ掲載話
  24. ^ 朝日文庫版34巻138ページ掲載話
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  26. ^ 復刻「サザエさんかるた」All About
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  29. ^ 1965年12月16日掲載話(姉妹社版47巻/朝日新聞社版31巻)
  30. ^ 泊まりで出張するシーンもあるので営業職と考えられる場合もある。
  31. ^ 5巻
  32. ^ 2巻
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  63. ^ 実写版「25年後の磯野家」CM サザエさん役は誰なのかで議論沸騰、J-CASTニュース、2008年9月22日
  64. ^ 「電話会社選択サービス」の円滑な導入に向けて、マイライン事業者協議会、2000年4月17日
  65. ^ 「もし、サザエとマスオが現代の高校生だったら」 カップヌードルの新CM第3段は“マスオの公開告白、ねとらぼ、2017年11月22日
  66. ^ サザエさん | HUNGRYDAYS アオハルかよ。 | 日清カップヌードル|CUPNOODLE

関連項目

外部リンク