ゴンクール賞
ゴンクール賞 Prix Goncourt | |
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ナダールによるエドモン・ド・ゴンクールの肖像写真 | |
受賞対象 | 小説 |
会場 | レストラン「ドルーアン」(パリ2区) |
国 | フランス |
主催 | ゴンクール・アカデミー |
報酬 | 10ユーロ |
初回 | 1903年 |
最新受賞者 | ジャン=ポール・デュボワ、Tous les hommes n'habitent pas le monde de la même façon |
公式サイト | academie-goncourt |
ゴンクール賞(仏: Prix Goncourt)は、フランスで最も権威のある文学賞のひとつ。1902年に設立されたアカデミー・ゴンクールにより、その年最も独創的な散文作品(主に小説)に贈られる。フランスの作家エドモン・ド・ゴンクールが弟のジュール・ド・ゴンクールと共に築いた財産により同賞を設立するよう遺言を残し、遺言執行人アルフォンス・ド・ドーとレオン・エニックがアカデミー・ゴンクールを設立した。1903年以降、毎年11月初旬にアカデミー・ゴンクールの10人の会員によってパリ2区にあるレストラン「ドルーアン」で選考・発表が行われる[1][2]。
原則として受賞は一作家につき一回のみだが、一例だけ例外がある(1956年に受賞したロマン・ガリーが1975年にエミール・アジャールの偽名で発表した小説により再受賞した)。受賞者や作品はフランス国外でも親しまれているものも多い。受賞作品はその年のフランス文学を代表する作品として捉えられ、その著者の地位や作品の売れ行きにも大きく影響する権威ある賞で、趣旨としては若手の新鋭の作家に贈られることになっているが、この限りでないケースも見られる。フランス文学の登龍門的存在として知られる。賞金は10ユーロと少額であるが、これはこの賞の象徴的な重要性を表わすものである[3]。
1988年に高校生のゴンクール賞が新設された。これはゴンクール・アカデミーによるゴンクール賞候補作リストをもとに、フランス全国の約2,000人の高校生が審査・選出し、発表はゴンクール賞発表の約1週間後にレンヌ市庁舎で行われる[4]。
この他、歴史は比較的浅いが、ゴンクール処女小説賞[5]、ゴンクール短編小説賞[6]、ゴンクール詩人賞[7]、ゴンクール伝記賞[8]がある。日本でも2021年から「日本の学生が選ぶゴンクール賞」が創設された。
受賞作家・作品一覧
[編集]年 | 受賞作家 | 受賞作品 | 邦訳(翻訳者、出版社、出版年) |
1903 | ジョン・アントワーヌ・ノー | Force ennemie | |
1904 | レオン・フラピエ | La Maternelle | 『母の手』深尾須磨子訳、平凡社、1934年。 |
1905 | クロード・ファレール | Les Civilisés | |
1906 | タロー兄弟 (ジェローム・タロー、ジャン・タロー) | Dingley, l'illustre écrivain | 『作家の情熱』水野成夫訳 実業之日本社、1940年。 |
1907 | エミール・モゼリ | Terres lorraines et Jean des Brebis ou le Livre de la misère | |
1908 | フランシス・ド・ミオマンドル | Écrit sur de l'eau... | 『水に描く』川口篤訳、実業之日本社、1940年。 |
1909 | マリウス=アリ・ルブロン | En France | |
1910 | ルイ・ペルゴー | De Goupil à Margot | 同短編集所収の「グーピの悲劇」河盛好蔵訳『世界100物語06』(河出書房新社、1997年) 所収。 |
1911 | アルフォンス・ド・シャトーブリアン | Monsieur des Lourdines | |
1912 | アンドレ・サヴィニョン | Filles de la pluie | |
1913 | マルク・エルデール | Le Peuple de la mer | |
1914 | アドリアン・ベルトラン | L'Appel du sol | |
1915 | ルネ・バンジャマン | Gaspard | |
1916 | アンリ・バルビュス | Le Feu | 『砲火』新村猛、後藤達雄訳、ダヴィッド社、1951年。『地獄』秋山晴夫訳、角川書店、1953年、(新版) 1969年。 |
1917 | アンリ・マレルブ | La Flamme au poing | |
1918 | ジョルジュ・デュアメル | Civilisation | 『文明』和田伝訳『新興文学全集 第17巻』(平凡社、1930年) 所収。 |
1919 | マルセル・プルースト | À l'ombre des jeunes filles en fleurs | 「花咲く乙女たちのかげに」井上究一郎訳『失われた時を求めて』(新版) 筑摩書房 (ちくま文庫) 1992年。 |
1920 | エルネスト・ペロション | Nêne | 『眠れる沼』朝倉季雄訳、実業之日本社、1940年。 |
1921 | ルネ・マラン | Batouala | 『バツアラ』高瀬毅訳、改造社、1922年。 |
1922 | アンリ・ベロー | Le Vitriol de Lune
Le Martyre de l'obèse |
後者:「でぶの悩み」村上菊一郎訳『世界大衆小説全集 第一期第八巻』(小山書店、1955 年) 所収。 |
1923 | リュシアン・ファーブル | Rabevel ou le Mal des ardents | |
1924 | ティエリ・サンドル | Le Chèvrefeuille, le Purgatoire, le Chapitre XIII | 最初の作品:(ティエリイ・サンドル著)『すひかづら』高瀬毅訳、青木書店、1940年。 |
1925 | モーリス・ジュヌヴォワ | Raboliot | |
1926 | アンリ・ドベルリ | Le Supplice de Phèdre | |
1927 | モーリス・ブデル | Jérôme 60° latitude nord | 『北緯六十度の恋』今日出海訳、実業之日本社、1940年。『ジェロオム』福永武彦訳、新潮社、1951年。 |
1928 | モーリス・コンスタンタン・ウェイエル | Un homme se penche sur son passé | 『或る行動人の手記 ― 一人の男がわが過去を覗きこむ』芹沢光治良訳、実業之日本社、1940年。 |
1929 | マルセル・アルラン | L'Ordre | 『秩序』佐藤文樹訳、弘文堂書房(世界文庫)1940 - 1942年。『秩序』佐野一男訳、新潮社、1952年。 |
1930 | アンリ・フォコニエ | Malaisie | 『馬来に生きる』佐藤朔訳、実業之日本社、1941年。 |
1931 | ジャン・ファイヤール | Mal d'amour | |
1932 | ギー・マズリーヌ | Les Loups | |
1933 | アンドレ・マルロー | La Condition humaine | 『上海の嵐 ― 人間の条件』小松清、新庄嘉章訳、改造社、1938年。『人間の条件』新潮社(新潮文庫)1978年。 |
1934 | ロジェ・ヴェルセル | Capitaine Conan | |
1935 | ジョゼフ・ペイレ | Sang et Lumières | |
1936 | マクサンス・ヴァン・デル・メルシュ | L'Empreinte du dieu | |
1937 | シャルル・プリニエ | Faux Passeports | 『偽旅券』井上勇訳、板垣書店、1950年。 |
1938 | アンリ・トロワイヤ | L'Araigne | 『蜘蛛』福永武彦訳、新潮文庫、1951年。 |
1939 | フィリップ・エリア | Les Enfants gâtés | 『アニエスの結婚』大島不二訳、今日の問題社、1941年。 |
1940 | フランシス・アンブリエール | Les Grandes Vacances | |
1941 | アンリ・プーラ | Vent de Mars | |
1942 | マルク・ベルナール | Pareils à des enfants | 『追憶のゴルゴタ』秋山澄夫訳、講談社、1975年。 |
1943 | マリウス・グルー | Passage de l'homme | |
1944 | エルザ・トリオレ | Le premier accroc coûte 200 francs | 「最初のほころびは二百フランかかる」広田正敏訳(『世界短編名作選 (フランス編2)』新日本出版社、1978年)所収。 |
1945 | ジャン=ルイ・ボリ | Mon village à l'heure allemande | |
1946 | ジャン=ジャック・ゴーティエ | Histoire d'un fait divers | |
1947 | ジャン=ルイ・キュルティス | Les Forêts de la nuit | |
1948 | モーリス・ドリュオン | Les Grandes Familles | 『大家族』市原豊太、梅原成四訳、創元社、1950年。新潮社(新潮文庫)1953年。 |
1949 | ロベール・メルル | Week-end à Zuydcoote | 『ズイドコートの週末』井上勇訳、新潮社、1951年。 |
1950 | ポール・コラン | Les Jeux sauvages | 『野蛮な遊び』吉田健一訳、筑摩書房、1951年。 |
1951 | ジュリアン・グラック(受賞拒否) | Le Rivage des Syrtes | 『シルトの岸辺』安藤元雄訳、集英社、1974年; ちくま文庫、2003年; 岩波文庫、2014年。 |
1952 | ベアトリクス・ベック | Léon Morin, prêtre | ジャン=ピエール・メルヴィル監督により『モラン神父』として映画化(1961年)。 |
1953 | ピエール・ガスカール | Les Bêtes | 『けものたち・死者の時』渡辺一夫、佐藤朔、二宮敬訳、岩波書店、1955年。岩波文庫、2007年。 |
1954 | シモーヌ・ド・ボーヴォワール | Les Mandarins | 『レ・マンダラン』朝吹三吉訳、新潮社、1966年。人文書院、1967年(『ボーヴォワール著作集』第8巻)。 |
1955 | ロジェ・イコール | Les Eaux mêlées | |
1956 | ロマン・ギャリー | Les Racines du ciel | 『自由の大地 天国の根』岡田真吉、澁澤龍彦訳、人文書院、1959年。 |
1957 | ロジェ・ヴァイヤン | La Loi | (ロジェ・バイヤン著)『掟』きだみのる訳、講談社、1958年。 |
1958 | フランシス・ウォルダー | Saint-Germain ou la Négociation | |
1959 | アンドレ・シュヴァルツ=バルト | Le Dernier des Justes | |
1960 | ヴィンティラ・ホリア | Dieu est né en exil | |
1961 | ジャン・コー | La Pitié de Dieu | 『神のあわれみ』篠沢秀夫訳、白水社、1964年。 |
1962 | アンナ・ラングフュス | Les Bagages de sable | 『砂の荷物』村上光彦訳、晶文社、1974年。 |
1963 | アルマン・ラヌー | Quand la mer se retire | |
1964 | ジョルジュ・コンション | L'État sauvage | |
1965 | ジャック・ボレル | L'Adoration | |
1966 | エドモンド・シャルル=ルー | Oublier Palerme | 『忘却のパレルモ』高橋たか子訳、新潮社、1967年。 |
1967 | アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ | La Marge | 『余白の街』生田耕作訳、河出書房新社、1970年。 |
1968 | ベルナール・クラヴェル | Les Fruits de l'hiver | |
1969 | フェリシアン・マルソー | Creezy | (フェリシャン・マルソー著)『クリージー』榊原晃三訳、新潮社、1970年。 |
1970 | ミシェル・トゥルニエ | Le Roi des aulnes | 『魔王』近田武、植田祐次訳、二見書房、1972年。植田祐次訳、みすず書房、2001年。 |
1971 | ジャック・ローラン | Les Bêtises | |
1972 | ジャン・カリエール | L'Épervier de Maheux | 『森の中のアシガン』山田浩之訳、青山出版社、1996年。 |
1973 | ジャック・シェセックス | L'Ogre | 『鬼』伊東守男訳、早川書房、1977年。 |
1974 | パスカル・レネ | La Dentellière | 『レースを編む女』村上香住子訳、早川書房、1976年。 |
1975 | エミール・アジャール (ロマン・ガリー) | La Vie devant soi | 『これからの一生』荒木亨訳、早川書房、1977年。 |
1976 | パトリック・グランヴィル | Les Flamboyants | 『火炎樹』篠田知和基訳、国書刊行会、1998年。 |
1977 | ディディエ・ドゥコワン | John l'Enfer | 『愛よ、ニューヨークよ』長島良三訳、読売新聞社、1981年。 |
1978 | パトリック・モディアノ | Rue des Boutiques obscures | 『暗いブティック通り』平岡篤頼訳、白水社、1979年。 |
1979 | アントニーヌ・マイエ | Pélagie-la-Charrette | 『荷車のペラジー ― 失われた故郷への旅』大矢タカヤス訳、彩流社、2010年。 |
1980 | イヴ・ナヴァール | Le Jardin d'acclimatation | |
1981 | リュシアン・ボダール | Anne Marie | 『領事殿』杉辺利英訳、早川書房、1983年。 |
1982 | ドミニク・フェルナンデス | Dans la main de l'ange | 『天使の手のなかで』岩崎力訳、早川書房、1985年。 |
1983 | フレデリック・トリスタン | Les Égarés | |
1984 | マルグリット・デュラス | L'Amant | 『愛人(ラマン)』清水徹訳、河出書房新社、1985年。河出文庫、1992年。 |
1985 | ヤン・ケフェレック | Les Noces barbares | |
1986 | ミシェル・オスト | Valet de nuit | |
1987 | タハール・ベン=ジェルーン | La Nuit sacrée | 『聖なる夜』菊地有子訳、紀伊国屋書店、1996年。 |
1988 | エリック・オルセナ | L'Exposition coloniale | |
1989 | ジャン・ヴォートラン | Un grand pas vers le bon Dieu | |
1990 | ジャン・ルオー | Les Champs d'honneur | 『名誉の戦場』北代美和子訳、新潮社、1994年。 |
1991 | ピエール・コンべスコ | Les Filles du Calvaire | |
1992 | パトリック・シャモワゾー | Texaco | 『テキサコ』星埜守之訳、平凡社、1997年。 |
1993 | アミン・マアルーフ | Le Rocher de Tanios | |
1994 | ディディエ・ヴァン・コーヴラール | Un aller simple | 『片道切符』高橋啓訳、早川書房、1995年。 |
1995 | アンドレイ・マキーヌ | Le Testament français | 『フランスの遺言書』星埜守之訳、水声社、2000年。 |
1996 | パスカル・ローズ | Le Chasseur Zéro | 『ゼロ戦 ― 沖縄・パリ・幻の愛』鈴村靖爾訳、集英社、1998年。 |
1997 | パトリック・ランボー | La Bataille | 『ラ・バタイユ』 |
1998 | ポール・コンスタン | Confidence pour confidence | 『うちあけ話』薮崎利美訳、人文書院、2015年。 |
1999 | ジャン・エシュノーズ | Je m'en vais | 『ぼくは行くよ』青木真紀子訳、集英社、2002年。 |
2000 | ジャン=ジャック・シュル | Ingrid Caven | 『黄金の声の少女』横川晶子訳、新潮社、2005年。 |
2001 | ジャン=クリストフ・リュファン | Rouge Brésil | 『ブラジルの赤』野口雄司訳、早川書房、2002年。 |
2002 | パスカル・キニャール | Les Ombres errantes | 『さまよえる影』高橋啓訳、青土社、2003年。 |
2003 | ジャック=ピエール・アメット | La Maîtresse de Brecht | 『ブレヒトの愛人』中原毅志訳、小学館文庫、2004年。 |
2004 | ロラン・ゴーデ | Le Soleil des Scorta | 『スコルタの太陽』新島進訳、河出書房新社、2008年。 |
2005 | フランソワ・ヴェイエルガンス | Trois jours chez ma mère | 『母の家で過ごした三日間』渋谷豊訳、白水社、2008年。 |
2006 | ジョナサン・リテル | Les Bienveillantes | 『慈しみの女神たち』菅野昭正、星埜守之、篠田勝英、有田英也訳、集英社、2011年。 |
2007 | ジル・ルロワ | Alabama Song | 『ゼルダ ― 最後のロマンティシスト』傳田温訳、中央公論新社、2008年。 |
2008 | アティーク・ラヒーミー | Syngué sabour. Pierre de patience | 『悲しみを聴く石』関口涼子訳、白水社、2009年。 |
2009 | マリー・ンディアイ | Trois femmes puissantes | 『三人の逞しい女』小野正嗣訳、早川書房、2012年。 |
2010 | ミシェル・ウエルベック | La Carte et le Territoire | 『地図と領土』野崎歓訳、筑摩書房、2013年。ちくま文庫、2015年。 |
2011 | アレクシス・ジェニ | L'Art français de la guerre | |
2012 | ジェローム・フェラーリ | Le Sermon sur la chute de Rome | |
2013 | ピエール・ルメートル | Au revoir là-haut | 『天国でまた会おう』平岡敦訳 早川書房(早川文庫)2015年。 |
2014 | リディ・サルヴェール | Pas pleurer | |
2015 | マティアス・エナール | Boussole | |
2016 | レイラ・スリマニ | Chanson douce | 『ヌヌ ― 完璧なベビーシッター』松本百合子訳、集英社、2018年。 |
2017 | エリック・ヴュイヤール | L'Ordre du jour | 『その日の予定 - 事実にもとづく物語』塚原史訳、岩波書店、2020年 |
2018 | ニコラ・マチュー | Leurs enfants après eux | |
2019 | ジャン=ポール・デュボワ | Tous les hommes n'habitent pas le monde de la même façon | |
2020 | エルヴェ・ル・テリエ | L’Anomalie | 『異常【アノマリー】』加藤かおり訳、早川書房、2022年 |
2021 | モハメド・ムブガル・サール | La plus secrète mémoire des hommes | 『人類の深奥に秘められた記憶』野崎歓訳、集英社、2023年 |
2022 | ブリジット・ジロー | Vivre Vite | 『生き急ぐ』加藤かおり訳、早川書房、2024年 |
2023 | ネージュ・シノ | Triste tigre |
ゴンクール処女小説賞
[編集]作家の処女作が詩集などの場合でも、最初に発表した長編小説に対して与えられる。
1990 | エレーヌ・ド・モンフェラン | Les Amies d'Héloïse | |
1991 | アルマンド・ゴブリ=ヴァル | Iblis ou la Défroque du serpent | |
1992 | ニタ・ルソー | Les Iris bleus | |
1993 | ベルナール・シャンバ | L'Arbre de vies | |
1994 | ベルナール・ラマルシュ=ヴァデル | Vétérinaires | |
1995 | フロランス・セイヴォス | Les Apparitions | |
1996 | ヤン・モワックス | Jubilations vers le ciel | |
1997 | ジャン=クリストフ・リュファン | L'Abyssin | 『太陽王の使者』野口雄司、吉田春美共訳、早川書房、1999年。 |
1998 | 山颯 | Porte de la paix céleste | 『天安門』大野朗子訳、ポプラ社、2008年。 |
1999 | ニコラ・ミシェル (作家) | Un revenant | |
2000 | バンジャマン・ベルトン | Sauvageons | |
2001 | サリム・バシ | Le Chien d'Ulysse | |
2002 | ソアジグ・アーロン | Le Non de Klara | |
2003 | クレール・ドラノワ | La Guerre, l'Amérique | |
2004 | フランソワーズ・ドルネール | La Fille du rang derrière | |
2005 | アラン・ジョベール | Val Paradis | |
2006 | エディ・カドゥール | Waltenberg | |
2007 | フレデリック・ブラン | Perla | |
2008 | ジャクタ・アリカヴァゾヴィッチ | Corps volatils | |
2009 | ジャン=バティスト・デル・アモ | Une éducation libertine | |
2010 | ローラン・ビネ | HHhH | 『HHhH ― プラハ、1942年』高橋啓訳、東京創元社、2013年。 |
2011 | ミシェル・ロスタン | Le Fils | 『ぼくが逝った日』田久保麻理訳、白水社、2012年。 |
2012 | フランソワ・ガルド | Ce qu'il advint du sauvage blanc | |
2013 | アレクサンドル・ポステル | Un homme effacé | |
2014 | フレデリック・ヴェルジェ | Arden | |
2015 | カメル・ダウド | Meursault, contre-enquête | 『もうひとつの「異邦人」― ムルソー再捜査』鵜戸聡訳、水声社、2019年。 |
2016 | ジョゼフ・アンドラス | De nos frères blessés | |
2017 | マリアム・マジディ | Marx et la Poupée | |
2018 | マイール・ギュヴァン | Grand frère | |
2019 | マリー・ゴーティエ | Court vêtue | |
2020 | マイリス・ベスリー | Le Tiers Temps | 『ベケット氏の最期の時間』堀切克洋訳、早川書房、2021年 |
2021 | Émilienne Malfatto | Que sur toi se lamente le Tigre |
ゴンクール短編小説賞
[編集]短編作品1篇に対して与えられる。
1974 | ダニエル・ブーランジェ | Fouette, cocher ! |
1975 | S・コリーナ・ビル | La Demoiselle sauvage |
1976 | アントワーヌ・ブロンダン | Quat'saisons |
1977 | アンリ・グゴー | Départements et territoires d'outre-mort |
1978 | クリスティアーヌ・バロシュ | Chambres, avec vue sur le passé |
1979 | アンドレ・シェディッド | Le Corps et le Temps |
1980 | ギ・ラゴルス | Les Héroïques |
1981 | アニー・ソーモン | Quelquefois dans les cérémonies |
1982 | ルネ・ドゥペストル | Alléluia pour une femme-jardin 「ハイチ女へのハレルヤ」-『ハイチ女へのハレルヤ』(立花英裕、後藤美和子、中野茂共訳、水声社、2018年) 所収。 |
1983 | レイモン・ジャン | Un fantasme de Bella B. |
1984 | アラン・ジェルベ | Les Jours de vin et de roses |
1985 | ピエレット・フルティオー | Métamorphoses de la reine |
1986 | ジャン・ヴォートラン | Baby-boom |
1987 | ノエル・シャトレ | Histoires de bouches |
1988 | ジャン=ルイ・ユー | Dernières nouvelles du Père Noël |
1989 | ポール・フルネル | Les Athlètes dans leur tête |
1990 | ジャック・バンス | Nouvelles désenchantées |
1991 | ラファエル・ピヴィダル | Le Goût de la catastrophe |
1992 | カトリーヌ・レプロン | Trois gardiennes |
1993 | マリエット・コンドロワイエ | Un après-midi plutôt gai |
1994 | ジャン=クリストフ・デュション=ドリ | Les Lettres du baron |
1995 | シリル・カーエン | Le Frôleur |
1996 | リュドヴィック・ジャンヴィエ | En mémoire du lit |
1997 | フランソワ・シュロー | Le Sphinx de Darwin |
1998 | ベルナール・パンゴー | Tu n'es plus là |
1999 | エルヴィール・ド・ブリサック | Les Anges d'en bas |
2000 | カトリーヌ・ペイザン | Les Désarmés |
2001 | ステファヌ・ドゥニ | Elle a maigri pour le festival |
2002 | セバスチャン・ラパック | Mythologie française |
2003 | フィリップ・クローデル | Les Petites Mécaniques |
2004 | オリヴィエ・アダム | Passer l'hiver |
2005 | ジョルジュ=オリヴィエ・シャトーレノー | Singe savant tabassé par deux clowns |
2006 | フランツ・バルテルト | Le Bar des habitudes |
2007 | ブリジット・ジロー | L'amour est très surestimé |
2008 | ジャン=イヴ・マッソン | Ultimes vérités sur la mort du nageur |
2009 | シルヴァン・テッソン | Une vie à coucher dehors |
2010 | エリック=エマニュエル・シュミット | Concerto à la mémoire d'un ange |
2011 | ベルナール・コマン | Tout passe |
2012 | ディディエ・デナンクス | L'Espoir en contrebande |
2013 | フアド・ラルーイ | L'Étrange Affaire du pantalon de Dassoukine |
2014 | ニコラ・カヴァイエス | Vie de monsieur Leguat |
2015 | パトリス・フランチェスキ | Première personne du singulier |
2016 | マリー=エレーヌ・ラフォン | Histoires |
2017 | ラファエル・アロシュ | Retourner à la mer |
2018 | レジ・ジョフレ | Microfictions 2018 |
2019 | カロリーヌ・ラマルシュ | Nous sommes à la lisière |
2020 | Anne Serre | Au cœur d'un été tout en or |
2021 | Shmuel T. Meyer | Et la guerre est finie... |
ゴンクール詩人賞
[編集]詩人の全作品に対して与えられる。
ゴンクール伝記賞
[編集]伝記・評伝に対して与えられる。
年 | 受賞作家 | 受賞作品 | 対象人物 | 邦訳 |
---|---|---|---|---|
1980 | ジャン・ラクチュール | François Mauriac | フランソワ・モーリアック | |
1981 | ユベール・ジュアン | Victor Hugo | ヴィクトル・ユーゴー | |
1982 | ピエール・シプリオ | Montherlant sans masque | アンリ・ド・モンテルラン | |
1983 | ジスラン・ド・ディースバック | Madame de Staël | スタール夫人 | |
1984 | ジャンヌ・シャンピヨン | Suzanne Valadon | シュザンヌ・ヴァラドン | 『シュザンヌ・ヴァラドン ― その愛と芸術』佐々木涼子、中條屋進訳、西村書店、1998年 |
1985 | ジョルジュ・ポワソン | Laclos ou l'Obstination | ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ | |
1986 | ジャン・カナヴァジオ | Cervantes | セルバンテス | 『セルバンテス』円子千代訳、法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス)2000年 |
1987 | ミシェル・シュリヤ | Georges Bataille | ジョルジュ・バタイユ | 『G・バタイユ伝』(上下2巻)西谷修、川竹英克、中沢信一共訳、河出書房新社、1991年 |
1988 | フレデリック・ヴィトゥー | La Vie de Céline | ルイ=フェルディナン・セリーヌ | 『セリーヌ伝』権寧訳、水声社、1997年 |
1989 | ジョアンナ・リチャードソン | Judith Gautier | ジュディット・ゴーチエ | |
1990 | ピエール・シトロン | Giono | ジャン・ジオノ | |
1991 | オデット・ジョワイユー | Le Troisième œil, la vie de Nicéphore | ニセフォール・ニエプス | 『写真の発明者 ― ニエプスとその時代』持田明子訳、パピルス、1998年 |
1992 | フィリップ・ボーサン | Lully | ジャン=バティスト・リュリ | |
1993 | ジャン・ボトレル | Louise de Vilmorin | ルイーズ・ド・ヴィルモラン | 『ルイーズ ― ルイーズ・ド・ヴィルモランの生涯』北代美和子訳、東京創元社、1997年 |
1994 | デイヴィッド・ベロス | Georges Perec | ジョルジュ・ペレック | 『ジョルジュ・ペレック伝 ― 言葉に明け暮れた生涯』酒詰治男訳、水声社、2014年 |
1995 | アンリ・ジデル (Henry Gidel) | Les Deux Guitry | リュシアン・ギトリ、サシャ・ギトリ | |
1996 | アンカ・ミュルシュタイン | Astolphe de Custine | アストルフ・ド・キュスティーヌ | |
1997 | ジャン=クロード・ラミ | Prévert | ジャック・プレヴェール、ピエール・プレヴェール | |
1998 | クリスチャン・リジェ | Le Roman de Rossel | ルイ・ロセル | |
1999 | クロード・ピショワ | Colette | コレット | |
2000 | ドミニク・ボナ | Berthe Morisot | ベルト・モリゾ | 『黒衣の女ベルト・モリゾ ― 1841-95』持田明子訳、藤原書店、2006年 |
2001 | ロール・ミュラ | La Maison du docteur Blanche | エスプリ・ブランシュ | 『ブランシュ先生の精神病院 ― 埋もれていた19世紀の「狂気」の逸話』吉田春美訳、原書房、2003年 |
2002 | ジャン=ポール・グージョン | Pierre Louÿs : Une vie secrète (1870-1925) | ピエール・ルイス | |
2003 | ピエール・ビヤール | Louis Malle | ルイ・マル | |
2004 | クロード・デュフレーヌ | Appelez-moi George Sand | ジョルジュ・サンド | |
2005 | ティボー・ダントネ | Jean Lorrain | ジャン・ロラン | |
2006 | アンジー・ダヴィッド | Dominique Aury | ドミニク・オーリー | |
2007 | パトリス・ロクマン (Patrice Locmant) | J.-K. Huysmans, le forçat de la vie | ジョリス=カルル・ユイスマンス | |
2008 | ジェニフェール・ルジウール (Jennifer Lesieur) | Jack London | ジャック・ロンドン | |
2009 | ヴィヴィアーヌ・フォレステル | Virginia Woolf | ヴァージニア・ウルフ | |
2010 | ミシェル・ヴィノック | Madame de Staël | スタール夫人 | |
2011 | マウリツィオ・セラ | Malaparte, vies et légendes | クルツィオ・マラパルテ | |
2012 | ダヴィッド・アジオ | Le Roman des Rouart | アンリ・ルアールほかルアール家 | |
2013 | パスカル・メリジョー | Jean Renoir | ジャン・ルノワール | |
2014 | ジャン・ルブラン | Notre Chanel | ココ・シャネル | |
2015 | ジャン=クリストフ・アティアス | Moïse fragile | モーセ | |
2016 | フィリップ・フォレスト | Aragon | ルイ・アラゴン | |
2017 | マリアンヌ・ショップ、クロード・ショップ (Marianne et Claude Schopp) | Dumas fils ou l'Anti-Œdipe | アレクサンドル・デュマ・フィス | |
2018 | ドゥニ・ドゥモンピオン | Salinger intime | J・D・サリンジャー | |
2019 | フレデリック・パジャック | Manifeste incertain (volume 7) | エミリー・ディキンソン、マリーナ・ツヴェターエワ | |
2021 | Pauline Dreyfus | Paul Morand | ポール・モラン |
脚注
[編集]- ^ “Historique | Academie Goncourt” (フランス語). Académie Goncourt. 2019年2月14日閲覧。
- ^ “Prix : Goncourt - Général. Prix littéraires sur Babelio.” (フランス語). www.babelio.com. 2019年2月14日閲覧。
- ^ “Goncourt. Pourquoi le lauréat ne reçoit qu’un chèque de 10 euros ?” (フランス語). ouest-france.fr (2018年11月7日). 2019年2月14日閲覧。
- ^ “Le Prix Goncourt des lycéens” (フランス語). Ministère de l'Éducation nationale et de la Jeunesse. 2019年2月14日閲覧。
- ^ “Goncourt du premier roman | Academie Goncourt” (フランス語). Académie Goncourt. 2019年5月31日閲覧。
- ^ “Goncourt de la Nouvelle | Academie Goncourt” (フランス語). Académie Goncourt. 2019年5月31日閲覧。
- ^ “Goncourt de la poésie Robert Sabatier | Academie Goncourt” (フランス語). Académie Goncourt. 2019年5月31日閲覧。
- ^ “Goncourt de la biographie E.Charles-Roux | Academie Goncourt” (フランス語). Académie Goncourt. 2019年5月31日閲覧。