中国女 (映画)
中国女 | |
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La Chinoise | |
「プティ・リーヴル・ルージュ」こと『毛沢東語録』 | |
監督 | ジャン=リュック・ゴダール |
脚本 | ジャン=リュック・ゴダール |
製作総指揮 | マグ・ボダール |
出演者 |
アンヌ・ヴィアゼムスキー ジャン=ピエール・レオ ジュリエット・ベルト |
音楽 | クロード・シャンヌ |
撮影 | ラウール・クタール |
編集 | アニエス・ギュモ |
製作会社 |
アヌーシュカ・フィルム ラ・ゲヴィル アトス・フィルム パルク・フィルム シマール・フィルム |
配給 |
アトス・フィルム フィルムアート社 ザジフィルムズ 再映 |
公開 |
1967年8月30日 1969年5月30日 1998年8月 再映 |
上映時間 | 95分 |
製作国 | フランス |
言語 | フランス語 |
『中国女』(ちゅうごくおんな、原題:La Chinoise、「中国女性」の意)は、1967年(昭和42年)製作・公開のジャン=リュック・ゴダール監督によるフランスの長篇劇映画である。
概要
[編集]中華人民共和国が文化大革命のさなか[1]で、その運動が世界の青年層に影響を与えていた1967年初夏のパリを描いた映画である[2]。ロケーション撮影は、パリとパリ郊外オー=ド=セーヌ県ナンテールで行われた。
女子大生ヴェロニク役で主演しているアンヌ・ヴィアゼムスキーは、同年7月21日、ゴダールと結婚している。ゴダールの長篇での前作『彼女について私が知っている二、三の事柄』に引き続きジュリエット・ベルトが出演し、元売春婦イヴォンヌを演じている。さらに前作の『メイド・イン・USA』に出演しているジャン=ピエール・レオが、俳優ギョーム役を演じている。「ジャンソン機関」設立者のパリ大学(ソルボンヌ)哲学科教授、フランシス・ジャンソンが本人として出演している[2]。アンリを演じたミシェル・セメニアコは、のちに写真家となった。
作中に登場する北京放送(現在の中国国際放送)は、当時文化大革命一色の内容をフランス語でも放送していた。『毛沢東語録』がアンディ・ウォーホルのキャンベル缶のように大量に登場するが、フランス語では同書は『プティ・リーヴル・ルージュ』(Petit Livre rouge、「小さな赤い本」の意)と呼ばれている。
挿入歌『マオ・マオ』は、ジャーナリストのジェラール・ゲガンが作詞したもので、クロード・シャンヌが作曲して歌っている[3]。ゲガンの回想によれば、当時本物のマオイストはオマール・ディオプのみであった[3]。
1967年、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞にノミネートされてコンペティション上映され、審査員特別賞を受賞した[2]。
ストーリー
[編集]1967年夏、パリ。ソルボンヌ大学の哲学科の女子大生ヴェロニク(アンヌ・ヴィアゼムスキー)、俳優のギョーム(ジャン=ピエール・レオ)、経済研究所の研究員アンリ(ミシェル・セメニアコ)、画家のキリロフ(レックス・ド・ブリュイン)、農村出身で元売春婦イヴォンヌ(ジュリエット・ベルト)の5人が、合宿を開始した。連日のティーチ・イン、マルクス・レーニン主義の学習をつづけ、北京放送を聴くに従い、メンバーは毛沢東主義者となる。
合宿所での報告会で、ヴェロニクはある文化人の暗殺を提案した。暗殺に反対したアンリは「修正主義者」と批判され、除名された。実行者として自ら立ったキリロフは、神とマルクス主義の間でさいなまれ、自殺した。ヴェロニク、ギョーム、イヴォンヌの3人になっていた。
ヴェロニクは、郊外電車で偶然に出逢った、ソルボンヌ大学の哲学科のフランシス・ジャンソン(本人)と議論を戦わせる。暗殺は実行され、夏のヴァカンスは終わり、集団は解散した。
スタッフ
[編集]- 監督・脚本 : ジャン=リュック・ゴダール
- 撮影監督 : ラウール・クタール
- 録音 : ルネ・ルヴェール
- 編集 : アニエス・ギュモ
- スクリプター : シュザンヌ・シフマン
- 音楽 : クロード・シャンヌ
- 助監督 : シャルル・L・ビッチ、ジャン=クロード・ビエット
- 製作主任 : フィリップ・デュサール、クロード・ミレール
- プロデューサー : マグ・ボダール
- 製作 : アヌーシュカ・フィルム、ラ・ゲヴィル、アトス・フィルム、パルク・フィルム、シマール・フィルム
キャスト
[編集]- アンヌ・ヴィアゼムスキー (ヴェロニク役)
- ジャン=ピエール・レオ (ギョーム役)
- ジュリエット・ベルト (イヴォンヌ役)
- ミシェル・セメニアコ (fr:Michel Séméniako、アンリ役)
- レックス・ド・ブリュイン (キリロフ役)
- オマール・ディオプ (オマール役)
- フランシス・ジャンソン (fr:Francis Jeanson、本人役)
- ブランディーヌ・ジャンソン (ブランディーヌ役)
- エリアーヌ・ジョヴァニョリ (その友人役)
評価
[編集]レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは20件のレビューで支持率は95%、平均点は7.90/10となった[4]。
註
[編集]関連事項
[編集]- ジャン=リュック・ゴダール監督作品一覧
- ジャンソン機関 (en:Jeanson network、fr:Réseau Jeanson)
- ジェラール・ゲガン (fr:Gérard Guégan)
- 中国女 (曲) - 本作が名前の由来。
関連書籍
[編集]- 毛沢東『毛沢東語録』、中嶋嶺雄訳、講談社文庫、1973年 ISBN 4061350226
- 毛沢東『毛沢東語録』、竹内実訳、平凡社ライブラリー、1995年12月 ISBN 4582761275
- ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』上下巻、平井正穂訳、岩波文庫、
- 上巻、1967年1月 ISBN 4003220811、下巻、1971年1月 ISBN 400322082X
- Une année studieuse, Anne Wiazemsky, Edtions Gallimard 2012
外部リンク
[編集]- La Chinoise - ポンピドゥー・センター
- La Chinoise - BiFi
- 中国女 - allcinema
- 中国女 - KINENOTE
- La Chinoise - IMDb