大野泰正
大野 泰正 おおの やすただ | |
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生年月日 | 1959年5月31日(65歳) |
出生地 | 日本 岐阜県山県市 |
出身校 | 慶應義塾大学法学部政治学科 |
前職 |
全日本空輸従業員 参議院議員秘書 |
所属政党 |
(自由民主党(安倍派)→) 無所属 |
親族 |
祖父・大野伴睦 父・大野明 母・大野つや子 |
公式サイト | 参議院議員 大野泰正 |
選挙区 | 岐阜県選挙区 |
当選回数 | 2回 |
在任期間 | 2013年7月29日 - 現職 |
選挙区 | 羽島市選挙区 |
当選回数 | 3回 |
在任期間 | 2003年4月30日 - 2013年 |
大野 泰正(おおの やすただ、1959年(昭和34年)5月31日 - )は、日本の政治家。参議院議員(2期)。
国土交通大臣政務官(第3次安倍第2次改造内閣)、参議院内閣委員長、岐阜県議会議員(3期)を歴任。ゴルフクラブ開発を手がける上総観光開発(東京都中央区銀座)の顧問も務める[1][2]。運輸大臣、労働大臣を務めた大野明の次男[3]。
来歴
[編集]岐阜県山県市生まれ(現住所は羽島市福寿町千代田1丁目[4])[5]。幼稚舎から大学まで一貫して慶應義塾で学ぶ[6]。1982年(昭和57年)、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、全日本空輸に入社。1990年(平成2年)、父が第2次海部内閣で運輸大臣として入閣すると、秘書官に就任。1995年(平成7年)、父が参議院に鞍替えした後は、公設第一秘書を務めた。1996年(平成8年)、父の死去に伴う補欠選挙で母の大野つや子が参議院議員に当選すると、公設第一秘書を務めた[7]。
2003年(平成15年)、岐阜県議会議員選挙羽島市選挙区に立候補し[8]、初当選。 以後3期連続当選[7]。
2013年(平成25年)7月21日の第23回参議院議員通常選挙に岐阜県選挙区(改選数1)から自民党公認で立候補し、初当選。
2016年(平成28年)8月5日、第3次安倍第2次改造内閣で、国土交通大臣政務官に就任[9]。
2019年(令和元年)7月21日の第25回参議院議員通常選挙に岐阜県選挙区から自民党公認で立候補し、2期目の当選。
2023年(令和5年)12月10日、自民党5派閥の政治資金パーティーの裏金問題をめぐり、大野が直近5年間で5000万円超の裏金のキックバックを受けた疑いがあることが明らかとなった[10]。
2024年(令和6年)1月19日、東京地方検察庁特捜部により政治資金規正法違反の容疑で在宅起訴された。この事を受けて、自民党に離党届を提出し、即日受理された[11]。また、同日付で参議院内閣委員長を辞任した[12]。
政策・主張
[編集]憲法
[編集]外交・安全保障
[編集]内政
[編集]部落問題
[編集]- 2016年12月9日、第192回国会で部落差別の解消の推進に関する法律案(衆議院提出)に賛成票を投じた[14]。
その他
[編集]不祥事
[編集]政治資金パーティー収入の裏金問題
[編集]2023年12月1日、朝日新聞が、自民党5派閥が開いた政治資金パーティーをめぐる問題で、安倍派が、所属議員が販売ノルマを超えて集めた分の収入を裏金として議員側にキックバックする運用を組織的に続けてきた疑いがあるとスクープした[15]。安倍派は2018~2022年に毎年1回パーティーを開き、計6億5884万円の収入を政治資金収支報告書に記載している[16]。一方、収入・支出のいずれにも記載していない裏金の総額は直近5年間で1億円を超えるとされ(のちに5億円に修正[17])、共同通信は「実際のパーティー収入は少なくとも8億円前後に膨らむ可能性がある」と報じた[18]。清和政策研究会の政治資金収支報告書の記載内容は下記のとおり[注 1]。
清和政策研究会 年月日 パーティー名 会場 収入 購入者数 出典 2018年5月22日 清和政策研究会との懇親の集い 東京プリンスホテル 2億802万円 7,021人 [24] 2019年5月21日 清和政策研究会との懇親の集い 東京プリンスホテル 1億5338万円 5,177人 [25] 2020年9月28日 清和政策研究会との懇親の集い 東京プリンスホテル 1億262万円 3,464人 [26] 2021年12月6日 清和政策研究会との懇親の集い 東京プリンスホテル 1億2万円 3,376人 [27] 2022年5月17日 清和政策研究会との懇親の集い 東京プリンスホテル 9480万円 3,200人 [19] (合計) 6億5884万円
パーティー券は通常1枚2万円であるため、販売枚数が推計できるが、枚数に対する購入者の比率は2018年から2022年にかけてすべて「0.675」で統一されている。日本大学名誉教授の岩井奉信は「絶対にあり得ない」とし、安倍派は政治資金収支報告書に架空の購入者数を記入したとみられる[28][29]。
同年12月10日、朝日新聞は、大野が直近5年間で5,000万円超、池田佳隆と谷川弥一がそれぞれ4,000万円超の裏金のキックバックを受けた疑いがあると報じた[10]。12月22日、安倍派においては、議員側の「中抜き」を含む3つのパターンで裏金づくりを行っていたことが関係者の証言により明らかとなった[30][注 2]。
同年12月25日、安倍派では少なくとも参議院議員選挙があった2019年と2022年に開いたパーティーについて、改選となる参議院議員に販売ノルマを設けず、集めた収入を全額キックバックしていたことが報道により明らかとなった[33][注 3]。
同年12月28日、東京地検特捜部は、議員会館の事務所や議員宿舎を捜索、29日には、岐阜県羽島市にある地元事務所と自宅を捜索した[35]。大野は姿をくらまし、羽島市の事務所の秘書は報道陣に「連絡がとれない」と説明した[36][37]。
2024年1月19日、政治資金規正法違反の容疑で在宅起訴され、自民党を離党した[11]。また、同日付で参議院内閣委員長を辞任した[12]。
所属団体・議員連盟
[編集]支援団体
[編集]- 全国たばこ販売政治連盟(組織推薦候補者)[38]
- 神道政治連盟[41]
著書
[編集]寄稿
[編集]- 自民党国家戦略本部 編『日本未来図2030』、日経BP社、2014年12月、ISBN 4822225194
家族
[編集]- 大野家
- 祖父・伴睦(1890年 - 1964年、元・衆議院議長、元・自民党副総裁)
- 父・明(1928年 - 1996年、元・衆議院議員、参議院議員、元・運輸大臣、元・労働大臣)
- 母・つや子(1934年 - 2021年、元・自民党参議院議員)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2023年11月24日、総務省は2022年分の政治資金収支報告書を公表。自民党5派閥がそれぞれ同年に開催した政治資金パーティーの収入額もあわせて公表された。金額は清和政策研究会(安倍派)が9480万円、志帥会(二階派)が1億8845万円、平成研究会(茂木派)が1億8142万円、志公会(麻生派)が2億3331万円、宏池政策研究会(岸田派)が1億8328万円。安倍派はパーティ開催時で所属国会議員98人を有する最大派閥であるにもかかわず収入の金額が著しく低いことが明らかとなった[19][20][21][22][23]。
- ^ 安倍派における裏金づくりの3つの手法の詳細は以下のとおり[30][31][32]。
(1)支援者は派閥の口座に直接代金を振り込み、派閥側はノルマ超過分を議員に還流(キックバック)する。
(2)支援者は頼まれた議員の口座に代金を振り込み、議員は振り込まれたパーティー券代のうち、ノルマ分だけを派閥に納めて「中抜き」し、残った分は手元にプールし事実上の還流とする。
(3)支援者は頼まれた議員の口座に代金を振り込み、議員はその全額を派閥に納め、派閥側はノルマ超過分を議員に還流する。 - ^ 2019年改選時の安倍派所属の参議院議員と2022年改選時の同所属の参議院議員のそれぞれの内訳は下記のとおり(当選回数順)。詳細不詳の井上義行についてはその他とした。2020年8月入会の吉川有美(2019年改選)[34]と2023年4月入会の片山さつき(2022年改選)は含めていない。
出典
[編集]- ^ 「知事所得2088万円 県議は平均1643万円 昨年分 /岐阜県」『朝日新聞』2023年7月4日。2023年12月12日閲覧。
- ^ 「知事所得2050万円 県議は平均1533万円 昨年分 /岐阜県」『朝日新聞』2022年7月5日。2023年12月12日閲覧。
- ^ 「泰正がんばれ」「泰ちゃんがんばって」大野 泰正
- ^ “政治資金収支報告書 自由民主党岐阜県支部連合会(令和4年分 定期公表)”. 岐阜県選挙管理委員会 (2023年11月28日). 2023年12月2日閲覧。[リンク切れ]
- ^ トップページ
- ^ Company, The Asahi Shimbun. “自・民分け合い一転、真っ向勝負 1人区になった岐阜”. 朝日新聞デジタル. 2022年5月27日閲覧。
- ^ a b プロフィール
- ^ 岐阜県:大野泰正
- ^ 副大臣.20人交代 閣議決定
- ^ a b 「安倍派3人に5千万円超~4千万円超 最大規模の裏金か パー券収入」『朝日新聞』2023年12月10日。2023年12月10日閲覧。
- ^ a b “自民 大野泰正議員と谷川弥一議員が離党 政治資金問題で”. NHK (2024年1月19日). 2024年1月19日閲覧。
- ^ a b “大野被告、内閣委員長辞任 谷川衆院議員は来週辞職へ”. 東京新聞 (2024年1月19日). 2024年1月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g “2013参院選 選挙区 岐阜 大野泰正”. 毎日jp (毎日新聞社) 2013年4月3日閲覧。
- ^ “本会議投票結果 案件名 日程第4 部落差別の解消の推進に関する法律案(衆議院提出)”. 参議院 (2016年12月9日). 2024年1月1日閲覧。
- ^ “安倍派、1億円超の裏金か パー券ノルマ超えを還流 地検が立件視野”. 朝日新聞 (2023年12月1日). 2023年12月8日閲覧。
- ^ “松野博一官房長官を更迭へ パー券還流、裏金1000万円未記載疑惑”. 毎日新聞 (2023年12月9日). 2023年12月9日閲覧。
- ^ “安倍派の裏金、5億円か 所属議員の大半に還流 派閥側の立件不可避”. 朝日新聞 (2023年12月12日). 2023年12月12日閲覧。
- ^ “安倍派、8億円前後収入か 裏金含め、記載は6億円超”. 共同通信(東京新聞) (2023年12月1日). 2023年12月9日閲覧。
- ^ a b “政治資金収支報告書 清和政策研究会(令和4年分 定期公表)”. 総務省 (2023年11月24日). 2023年11月28日閲覧。
- ^ “政治資金収支報告書 志帥会(令和4年分 定期公表)”. 総務省 (2023年11月24日). 2023年11月28日閲覧。
- ^ “政治資金収支報告書 平成研究会(令和4年分 定期公表)”. 総務省 (2023年11月24日). 2023年11月28日閲覧。
- ^ “政治資金収支報告書 志公会(令和4年分 定期公表)”. 総務省 (2023年11月24日). 2023年11月28日閲覧。
- ^ “政治資金収支報告書 宏池政策研究会(令和4年分 定期公表)”. 総務省 (2023年11月24日). 2023年11月28日閲覧。
- ^ “政治資金収支報告書 清和政策研究会(平成30年分 定期公表)”. 総務省 (2019年11月29日). 2021年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月12日閲覧。
- ^ “政治資金収支報告書 清和政策研究会(令和元年分 定期公表)”. 総務省 (2020年11月27日). 2021年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月28日閲覧。
- ^ “政治資金収支報告書 清和政策研究会(令和2年分 定期公表)”. 総務省 (2021年11月26日). 2023年11月28日閲覧。
- ^ “政治資金収支報告書 清和政策研究会(令和3年分 定期公表)”. 総務省 (2022年11月25日). 2023年11月28日閲覧。
- ^ 浜崎陽介、三輪喜人 (2023年12月31日). “安倍派の「パー券購入者比率」は6年連続「0.675」 架空の数字を記入か 毎年同比率は二階派と2派閥のみ”. 東京新聞. 2024年1月4日閲覧。
- ^ “パー券購入者数 捏造 疑惑の方程式「×0.675」 安倍派資金報告 二階派も 日曜版が特報”. しんぶん赤旗 (2023年12月25日). 2024年1月4日閲覧。
- ^ a b “安倍派、3パターンで裏金化 ノルマ超過分、議員側と調整か”. 共同通信(東京新聞) (2023年12月22日). 2023年12月23日閲覧。
- ^ 「<独自>安倍派複数議員「中抜き」 パーティー収入不記載拡大、10億円超か」『産経ニュース』2023年12月17日。2023年12月17日閲覧。
- ^ “小泉法務大臣の二階派退会は「何の役にも立たない」 元法務大臣が語る検察への「指揮権」とは 安倍派議員10人以上の“中抜き”も判明【news23】”. TBS (2023年12月21日). 2023年12月24日閲覧。
- ^ “安倍派 参院選の年は改選参院議員に全額キックバックか”. NHK (2023年12月25日). 2023年12月25日閲覧。
- ^ “時事通信社 Facebook 2020年8月6日”. 2023年12月28日閲覧。
- ^ “自民 大野泰正参院議員の岐阜の事務所や自宅を捜索 東京地検”. NHK NEWS WEB. NHK. 2023年12月29日閲覧。
- ^ 黒詰拓也、加藤沙波、太田圭介 (2023年12月28日). “家宅捜索受けた安倍派・大野氏 地元「連絡取れず」 憤りも”. 毎日新聞. 2023年12月28日閲覧。
- ^ “大野議員に強制捜査、地元秘書「連絡とれていない」…支援者「伴睦さんの頃からの信頼も失墜」”. 読売新聞オンライン. (2023年12月29日) 2024年1月6日閲覧。
- ^ a b “2019年6月号”. 全国たばこ新聞 (全国たばこ販売協同組合連合会). (2019年5月27日) 2019年6月30日閲覧。
- ^ a b 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
- ^ 最新の護る会|青山繁晴の道すがらエッセイ/On the Road
- ^ “応援しています!”. 神道政治連盟. 2019年7月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- 参議院議員 大野泰正
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