コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

簗和生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
簗 和生
やな かずお
生年月日 (1979-04-22) 1979年4月22日(45歳)
出生地 日本の旗 日本 東京都小金井市
出身校 慶應義塾大学商学部
東京大学大学院経済学研究科
前職 岡部英明衆議院議員秘書
日本経済研究所研究員
所属政党 自由民主党安倍派→無派閥)
公式サイト 衆議院議員 やな和生オフィシャルサイト

選挙区比例北関東ブロック→)
栃木3区
当選回数 5回
在任期間 2012年12月16日 - 現職
テンプレートを表示

簗 和生(やな かずお、1979年4月22日 - )は、日本政治家自由民主党所属の衆議院議員(5期)。

国土交通大臣政務官内閣府大臣政務官文部科学副大臣、衆議院安全保障委員長を歴任。

経歴

[編集]

東京都小金井市生まれ(現住所は栃木県大田原市本町)[1][2]桐朋高等学校卒業[3]2003年(平成15年)、慶應義塾大学商学部を経て、2006年(平成18年)、東京大学大学院経済学研究科修士課程修了[4]。自民党衆議院議員岡部英明秘書、日本経済研究所研究員を務める[3]

2012年(平成24年)の第46回衆議院議員総選挙栃木3区に自民党から出馬。前職でみんなの党代表の渡辺喜美に敗れたが、比例北関東ブロックで復活し初当選。

2014年(平成26年)の第47回衆議院議員総選挙では、前回敗れた渡辺を小選挙区で下し、再選した[5]

2017年(平成29年)8月、第3次安倍第3次改造内閣国土交通大臣政務官内閣府大臣政務官に就任した[6]

同年10月の第48回衆議院議員総選挙では、渡辺の妹で希望の党公認で立候補した公認会計士の渡辺美由紀[7]を大差で破り3選した[8]

2021年10月31日、第49回衆議院議員総選挙で4選。

2022年8月10日に発足した第2次岸田第1次改造内閣において、文部科学副大臣に就任した。

2024年2月13日、自民党は、政治資金パーティー収入の裏金問題をめぐるアンケートの集計結果を公表、簗の5年間の不記載額が計1746万円であることが明らかとなった[9]

同年9月9日、高市早苗自民党総裁選挙の出馬会見を行い、裏金事件をめぐる安倍派議員の処遇について「党の処分を覆すことはない」と明言した[10]。9月12日に総裁選が告示され、9人が立候補した。裏金議員について次期衆院選で「非公認」とする可能性に一時言及した石破茂と高市の決選投票が濃厚になると、旧安倍派は一気に高市に動いた[11][12]。高市は1回目の議員投票で、報道各社の事前調査での30~40票を大きく上回る72票を獲得した[11]。党員数と合わせた得票数は1位だったが、決選投票で石破に敗れた。裏金議員85人(同年2月13日に公表)[9]の一人である簗は1回目の投票では茂木敏充に投じ、決選投票では高市に投じた[13]

2024年10月27日、第50回衆議院議員総選挙では、無所属候補に178票差まで詰め寄られたものの5選[14]

政策・主張

[編集]

憲法問題

[編集]
  • 憲法改正について、2017年の朝日新聞社のアンケートでは「賛成」と回答[15]。2021年の朝日新聞社のアンケートでは回答しなかった[16]。2021年のNHKのアンケートでは「賛成」と回答[17]
  • 集団的自衛権の行使について、2014年の毎日新聞社のアンケートで「賛成」と回答[18]

ジェンダー問題

[編集]
  • 選択的夫婦別姓制度の導入について、2014年、2017年、2021年のアンケートで「反対」と回答[19][15][17]
  • 2021年1月30日、本人を含めた自民党国会議員有志50人が、47都道府県議会議長のうち同党所属の約40人に、選択的夫婦別姓の導入に賛同する意見書を採択しないよう求める文書を郵送した。地方議員や市民団体は、地方議会の独立性を脅かす行為だとして簗らを批判した[20][21][22][23][24]
  • 同性婚を可能とする法改正について、2021年のアンケートで「反対」と回答[17]
  • 2021年5月20日、LGBTに対する理解を増進する法案を議論した自由民主党の会合にて、「生物学的に自然に備わっている『種の保存』に抗ってやっている感じだ」、「こうした主張を口に出来なくなる社会はおかしい」などと、差別的な発言をした[25][26]。発言に関する報道機関の取材に対しては「会議は非公開のため、発言について答えるのは差し控える」と回答した[25][26]
  • クオータ制の導入について、2021年のアンケートで回答しなかった[17]
  • 2021年5月の自民党会合で性的少数者に関し「生物学上、種の保存に背く」との趣旨の発言をしたとされる。科学的根拠のない差別認識だが2022年11月17日参議院法務委員会でも発言は撤回せず。[27]

その他

[編集]
  • 特定秘密保護法は日本に必要だ[18]
  • アベノミクスを評価する[18]
  • 原発は日本に必要だ[18]
  • 村山談話・河野談話を見直すべき[18]
  • ヘイトスピーチを法律で規制することに反対[18]
  • 「消費税の軽減税率を0%として全品目に適用すること」を掲げた『「令和の恐慌」回避のための50兆円規模の補正予算編成に関する提言』に賛同している[28]

不祥事

[編集]

政治資金パーティー収入の裏金問題

[編集]

2024年2月13日、自民党は、政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、党所属のすぺての国会議員らを対象に実施したアンケートの集計結果を公表した。簗の5年間の不記載額は計1746万円であることが明らかとなった[9]

同年5月14日、衆議院政治倫理審査会は、裏金事件に関与しながら同審査会で弁明していない自民党議員44人に出席と説明を求める野党の申立てを全会一致で可決した[29]。同月17日、参議院政治倫理審査会も同様に、弁明していない議員29人に出席と説明を求める申立てを全会一致で可決した[30]。簗を含む関係議員73人は全員出席を拒否し、6月23日に通常国会は閉会した[31]

所属団体・議員連盟

[編集]

選挙歴

[編集]
当落 選挙 執行日 年齢 選挙区 政党 得票数 得票率 定数 得票順位
/候補者数
政党内比例順位
/政党当選者数
比当 第46回衆議院議員総選挙 2012年12月16日 33 栃木県第3区 自由民主党 4万8912票 35.08% 1 2/3 1/6
第47回衆議院議員総選挙 2014年12月14日 35 栃木県第3区 自由民主党 6万2814票 48.74% 1 1/3 /
第48回衆議院議員総選挙 2017年10月22日 38 栃木県第3区 自由民主党 7万4371票 57.77% 1 1/4 /
第49回衆議院議員総選挙 2021年10月31日 42 栃木県第3区 自由民主党 8万2398票 67.42% 1 1/2 /
第50回衆議院議員総選挙 2024年10月27日 45 栃木県第3区 自由民主党 4万5546票 37.39% 1 1/3 /

脚注

[編集]
  1. ^ 選挙:衆院選・栃木3区 自民・簗氏が出馬表明 「TPPは地域社会破壊」 /栃木 - ソーシャルニュース”. archive.md (2013年5月2日). 2024年10月24日閲覧。
  2. ^ 自由民主党栃木県第三選挙区支部 政治資金収支報告書(平成30年分定期公表)” (PDF). 栃木県選挙管理委員会 (2019年11月29日). 2019年11月29日閲覧。
  3. ^ a b c プロフィール”. やな和生オフィシャルサイト . 2020年4月17日閲覧。
  4. ^ とちぎ自民党 議員・支部長紹介”. www.tochigi-jimin.com. 2024年10月24日閲覧。
  5. ^ Company, The Asahi Shimbun. “栃木 - 開票速報 - 2014衆院選:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2024年10月24日閲覧。
  6. ^ 国交省、新たな副大臣と政務官が決定-内閣改造”. トラベルビジョン (2017年8月7日). 2017年8月8日閲覧。
  7. ^ “【衆院選】渡辺喜美参院議員の妹 渡辺美由紀氏「希望の党」で立候補の意向表明 栃木”. 産経新聞. (2017年10月3日). https://web.archive.org/web/20171003065321/http://www.sankei.com/politics/news/171003/plt1710030028-n1.html 2017年11月3日閲覧。 
  8. ^ 栃木-開票速報-2017衆議院選挙(衆院選):朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2024年10月24日閲覧。
  9. ^ a b c 【一覧】自民党「裏金」調査 最多は二階俊博氏 85人が記載漏れ、誤記載を申告、5年で計5.7億円超”. 東京新聞 (2024年2月13日). 2024年10月1日閲覧。
  10. ^ 佐藤裕介 (2024年9月9日). “<詳報>高市早苗氏は出馬会見で何を語った? 改憲、靖国参拝、消費税、選択的夫婦別姓… 自民党総裁選”. 東京新聞. 2024年10月11日閲覧。
  11. ^ a b 遠藤修平、園部仁史、高橋祐貴 (2024年9月27日). “麻生、安倍派は「消極的支持」で広がり欠く 決選投票で敗れた高市氏”. 毎日新聞. 2024年10月1日閲覧。
  12. ^ 今西憲之 (2024年10月3日). “裏金で離党した世耕元参院幹事長が総裁選の裏で暗躍 総選挙も「勝算あり」と二階氏三男と泥沼争いか”. AERA dot.. 2024年10月9日閲覧。
  13. ^ 栃木県選出7議員、3人は投票先を明かさず 自民党総裁選決選投票 石破新総裁に期待の声”. 下野新聞 (2024年9月28日). 2024年10月11日閲覧。
  14. ^ 日本放送協会. “衆議院選挙 栃木3区 簗和生氏(自民・前)当選|NHK 栃木県のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年10月31日閲覧。
  15. ^ a b 簗和生”. 2017衆院選 候補者アンケート(朝日・東大谷口研究室共同調査). 朝日新聞社. 2021年10月22日閲覧。
  16. ^ 簗和生”. 朝日・東大谷口研究室共同調査 - 2021衆議院選挙. 朝日新聞社. 2021年10月22日閲覧。
  17. ^ a b c d 栃木3区”. NHK 衆議院選挙2021 候補者アンケート. 2021年10月21日閲覧。
  18. ^ a b c d e f 2014衆院選 毎日新聞候補者アンケート
  19. ^ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査、2014年。
  20. ^ 【全文】夫婦別姓反対を求める丸川大臣ら自民議員の文書、議員50人の一覧”. 東京新聞 TOKYO Web (2021年2月25日). 2021年2月25日閲覧。
  21. ^ “全国40議長に別姓反対文書 自民・丸川氏、高市氏ら閣僚経験者も連名”. 東京新聞. (2021年2月25日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/88139 2021年3月2日閲覧。 
  22. ^ 飯田樹与 (2021年2月25日). “夫婦別姓反対を求める丸川担当相らの文書 「地方の意思決定を無視、失礼だ」埼玉県議長が不快感”. 東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/88152 2021年3月2日閲覧。 
  23. ^ “丸川大臣「残念すぎる」選択的夫婦別姓、反対議員50人へ質問状 市民団体”. 東京新聞. (2021年2月27日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/88547 2021年3月2日閲覧。 
  24. ^ 奥野斐 (2021年4月1日). “選択的夫婦別姓 自民議員が反対派に思うこと「理解不足と差別思想を感じた」”. 東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/94526 2021年4月7日閲覧。 
  25. ^ a b 「種の保存にあらがう」 自民議員のLGBT差別相次ぐ” (日本語). 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2021年5月21日). 2021年5月21日閲覧。
  26. ^ a b LGBT「種の保存背く」と発言 簗衆院議員が自民会合で” (日本語). 共同通信社 (2021年5月21日). 2021年5月22日閲覧。
  27. ^ <社説>杉田氏らの起用 差別発言は不問なのか:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年11月20日閲覧。
  28. ^ 賛同者一覧 ~「令和の恐慌」回避のための50兆円規模の補正予算編成に関する提言~”. 【議員連盟】日本の未来を考える勉強会. 2020年9月22日閲覧。
  29. ^ 鈴木春香 (2024年5月20日). “衆院政倫審での弁明、裏金議員44人全員が拒否 全会一致の議決でも”. 朝日新聞. 2024年9月30日閲覧。
  30. ^ 参院政倫審 政治資金問題 関係議員29人に出席と説明求める決定”. NHK (2024年5月17日). 2024年9月30日閲覧。
  31. ^ 鈴木春香、小木雄太、森岡航平 (2024年6月24日). “裏金議員73人、政倫審に応ぜず閉会 「レッテル貼られるだけ」”. 朝日新聞. 2024年9月30日閲覧。
  32. ^ a b c 俵義文 『日本会議の全貌』 花伝社、2016年
  33. ^ 「自民勉強会発言――安保国会新たな火種」『毎日新聞』50135号、14新版、毎日新聞東京本社2015年6月27日、3面。
  34. ^ 会員一覧”. 【議員連盟】日本の未来を考える勉強会. 2020年9月22日閲覧。

外部リンク

[編集]
公職
先代
田中英之
池田佳隆
日本の旗 文部科学副大臣
井出庸生と共同

2022年 - 2023年
次代
青山周平
今枝宗一郎
先代
大野泰正
根本幸典
藤井比早之
日本の旗 国土交通大臣政務官
高橋克法
秋本真利と共同

2017年 - 2018年
次代
­ 工藤彰三
田中英之
阿達雅志
先代
武村展英
豊田俊郎
長坂康正
島田三郎
井野俊郎
田野瀬太道
井原巧
根本幸典
井林辰憲
宮澤博行
日本の旗 内閣府大臣政務官
村井英樹
山下雄平
長坂康正
小林史明
山下貴司
新妻秀規
平木大作
武部新
福田達夫と共同

2017年 - 2018年
次代
長尾敬
舞立昇治
安藤裕
古賀友一郎
白須賀貴樹
石川昭政
阿達雅志
菅家一郎
山田宏
議会
先代
鬼木誠
日本の旗 衆議院安全保障委員長
2023年 - 2024年
次代
小泉進次郎