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怪獣プラネットゴジラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

怪獣プラネットゴジラ』(かいじゅうプラネットゴジラ)は1994年3月18日[1][2][3]〜1998年7月1日[4][注釈 1]サンリオピューロランドのアトラクション「夢のタイムマシン」で上映された3D映画。ハーモニーランドでも上映された[6][7][2]。上映時間6分、プレショー3分30秒[6][2]

概要

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サンリオピューロランドが男子入場者を開拓するために、当時人気を博していたゴジラシリーズを題材として企画した体感型アトラクション[7]。世界初の70mmフィルムにおける立体映像作品であり、ゴジラシリーズ史上初となる立体映像作品でもある[8][9][5]。特撮および本編監督は川北紘一が担当し、音楽は伊福部昭のものを流用するなど、製作には平成ゴジラVSシリーズのスタッフが参加している[7][10]。スポンサーは安田火災海上保険である。

上映時の解説など

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本編の前にゴジラに関する3択クイズ、三枝未希(小高恵美)によるプラネット号と任務についての解説がプレショーとして流れる。

上映時には劇中の状況にあわせた座席の振動や、緑の木の実を散布するシーンでは特殊香料を用いた匂いによる実感を伴う演出が行われた。

撮影

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撮影は1993年12月から1994年1月にかけて東宝第8ステージを中心に行われ、東京駅と銀座周辺のミニチュアが組まれた[7]。特にゴジラによる東京駅の破壊は『シン・ゴジラ』の公開までシリーズ唯一であり[10]銀座和光本店も第1作『ゴジラ』以来に制作された[11]

チーフカメラマンの江口憲一は、3D撮影の計算式はあったがそれでは収まりが良すぎるため、3D演出を強調する部分などはそれを無視してほとんど勘で撮影していたと述べている[12]。フィルムは70ミリを使用していたが、現像所では35ミリでしかラッシュが見られないなどの苦労もあったという[12]

三枝未希役の小高恵美は、ハローキティとの共演に夢中で、楽しかった思い出しかないと語っている[13]

あらすじ

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スペースポイントM-199にある緑の惑星で遭難した惑星探査艇プラネット号を助けるため惑星探査ステーションのスペースポートからアース号が出発した。惑星につくとその星に住んでいたゴジララドン[注釈 2]モスラが襲いかかってきた。なんとか逃げ切りプラネット号と合流したが探査艇に付着していた汚染物質の影響で怪獣たちが凶暴化し東京へワープしてしまった。

登場兵器・メカニック

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架空

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諸元
アース号
全長 88m
全幅 58m
重量 482t
武装 レーザー砲"ショックビーム"[2]
アース号
惑星探査艇[14][6]。パイロットは万能ロボットのドリーモン教授[2]。時空間を瞬時に移動するワープ航法ができる最新ワープエンジンを搭載している[6][2]
プラネット号
惑星探査艇。惑星探査ステーションの探査艇1号機[16]、怪獣プラネットに不時着して、2号機アース号に救われる。
  • デザインはアース号と同一[11]
  • プロップは『ゴジラvsメカゴジラ』に登場したガルーダの小サイズミニチュアの改造[17][11]
92式メーサー戦車
93式自走高射メーサー砲
61式改戦車

実在

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キャスト

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スタッフ

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  • 製作:鈴木清、若林泰雄
  • 脚本:照沼まりえ
  • 音楽:伊福部昭[注釈 4]
  • 撮影:江口憲一
  • 美術:大澤哲三
  • 照明:斉藤薫
  • 録音:宮内一男
  • 操演:鈴木豊
  • 特殊効果:渡辺忠昭久米攻
  • 助監督:鈴木健二
  • 製作担当者:小島太郎
  • 監督助手:近藤孔明、上理人
  • 撮影助手:大川藤雄、松本嘉通、高橋葉弥
  • 美術助手:弦巻圭子、林谷和志、吉村桂、小岩理絵、堀内岳司
  • 照明助手:蝶谷幸士、伊藤保、山本眞生、関野高弘、鹿毛剛、小笠原篤志
  • 照明機材:棚網恒夫
  • 音響効果:佐々木英世
  • 調音:多良政司
  • 操演助手:三橋和夫、三池敏夫、矢島俊之、辻敦
  • 特効助手:岩田安司、中條勝美、鉄谷大地
  • 造型:小林勉、贄田直樹、村上修一
  • 組付:小笠原禎
  • 記録:島貫育子
  • スチール:中尾孝
  • 制作進行:柴田誠
  • オプチカルスーパーバイザー:小川利弘、小野寺浩
  • エフェクトアニメーション:橋本満明
  • オプチカルエフェクト:岸本義幸
  • 美術制作:マーブリングファインアーツ
  • 音響効果制作:東洋音響
  • 特殊視覚効果制作:日本エフェクトセンター、ライトハウス
  • 現像:東京現像所
  • 監督:川北紘一

映像ソフト

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  • DVD-BOX『GODZILLA FINAL BOX』の特典ディスクにて初商品化された[注釈 3]
  • 2015年発売の『GODZILLA ゴジラ完全数量限定生産5枚組 S.H.Monster Arts GODZILLA[2014] Poster Image Ver.同梱』のゴジラ生誕60周年記念特典Blu-rayには本作品の3D版が収録される。
  • 2017年発売の『ゴジラ 全映画DVDコレクターズBOX』のゴジラ(84)の特典映像として本作品の2D版が収録されている。

補足

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脚注

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注釈

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  1. ^ サンリオ公式ホームページの1998年1月29日時点のアーカイブ[5]では1998年1月時点において当該作品が上映されている旨が掲載されている。
  2. ^ 資料によってはファイヤーラドンとして紹介している[7]
  3. ^ a b 権利の関係でDVD-BOXでは、キティの登場シーンはカットされた。
  4. ^ 過去の作品の音楽を流用。

出典

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  1. ^ 『サンリオピューロランドニュース 1994.1-1994.5』2頁。 - サンリオピューロランド公式発行物(A3二つ折りのリーフレット)
  2. ^ a b c d e f 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, p. 91, 「怪獣プラネットゴジラ」
  3. ^ ゴジラ365日 2016, p. 81, 「3月18日」.
  4. ^ 『サンリオピューロランド・ガイドブック '98-'99』32-33頁。
  5. ^ a b 夢のタイムマシン”. サンリオ (1997年). 1998年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月20日閲覧。
  6. ^ a b c d e ゴジラ1954-1999超全集 2000, pp. 174–177, 「怪獣プラネットゴジラ」
  7. ^ a b c d e f g 平成ゴジラパーフェクション 2012, pp. 118–120, 「怪獣プラネットゴジラ」
  8. ^ 『サンリオピューロランドニュース 1994.5-1994.9』1頁。 - サンリオピューロランド公式発行物(A3二つ折りのリーフレット)
  9. ^ “サンリオ社長辻信太郎氏――ゴジラパワーに期待(談話室)”. 日経産業新聞 (日本経済新聞社): p. 22. (1993年12月7日) 
  10. ^ a b ゴジラ検定 2018, p. 99, 「スクリーンから抜け出したゴジラ Part1」
  11. ^ a b c d e f 平成ゴジラパーフェクション 2012, p. 121, 「怪獣プラネットゴジラメイキング」
  12. ^ a b ゴジラ大全集 1994, p. 157, 「INTERVIEW 江口憲一
  13. ^ 平成ゴジラパーフェクション 2012, p. 127, 「三枝未希からの手紙 小高恵美・寄稿」
  14. ^ ゴジラ大全集 1994, p. 192, 「東宝超兵器大辞典 【あ】」
  15. ^ a b 「MONSTER MAKERS 小川正晴(オガワモデリング)」『ゴジラVSスペースゴジラ』東宝 出版・商品事業室〈東宝SF特撮映画シリーズVOL.9〉、1994年12月10日、101頁。ISBN 4-924609-52-8 
  16. ^ ゴジラ大全集 1994, p. 197, 「東宝超兵器大辞典 【は】」
  17. ^ a b 大辞典 2014, p. 236, 「COLUMN15 VSシリーズの番外編」
  18. ^ ゴジラ365日 2016, p. 98, 「4月3日 / 4月4日」.

参考文献

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