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東京都第1区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京1区から転送)
日本の旗東京都第1区
行政区域 千代田区新宿区
(2024年1月1日現在)
比例区 東京ブロック
設置年 1994年
2017年2022年区割変更)
選出議員 海江田万里
有権者数 331,769人
1.463 倍(一票の格差鳥取1区との比較)
総務省・2023年9月1日)
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東京都第1区(とうきょうとだい1く)は、日本衆議院議員総選挙における選挙区1994年平成6年)の公職選挙法改正で設置。

区域

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現在の区域

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2022年令和4年公職選挙法改正以降の区域は以下のとおりである[1][2]10区との新宿区の分区は解消、港区は7区に移行した。

2017年から2022年までの区域

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2017年平成29年)公職選挙法改正から2022年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[3][4]。2017年の区割り変更により、港区の一部が2区へ、新宿区の一部が10区へ移行した。

2017年以前の区域

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1994年平成6年)公職選挙法改正から2017年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[5]

  • 千代田区
  • 港区
  • 新宿区

歴史

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2011年5月24日、閣僚会議で内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)与謝野馨経済産業大臣海江田万里

小選挙区制が導入された後、2017年の区割り変更までは、中選挙区制下における1964年公職選挙法改正に伴い、旧東京都第1区を分割して設置された同名の選挙区と同一区域であった[注釈 1]。中選挙区時代の定数は分割前が4議席、分割後が3議席である。

1996年以降、2009年までは与謝野馨自由民主党)と海江田万里民主党)が激しい選挙戦を繰り広げてきた。2000年の総選挙では2,633票差、2003年の総選挙では1,437票差とそれぞれ大接戦だった(いずれも海江田が小選挙区当選)。その他、与謝野が郵政解散による追い風を受けて大差で勝利した2005年以外は2万票差以内の大激戦となっていた。与謝野と海江田は本選挙区で5回戦い、戦績は海江田の3勝2敗。1996年には海江田が、2003年と2009年には与謝野がそれぞれ比例復活当選している。2003年から2017年の総選挙まで連続立候補した又吉光雄世界経済共同体党)の選挙公報や選挙ポスターの過激な文面で注目を浴びた。2009年は更に泡沫候補等が乱立し、全選挙区最多の9候補が出馬した。

2011年1月14日に発足した菅直人再改造内閣では、民主党の海江田が経済産業大臣に、自民党からたちあがれ日本を経て前日に同党を離党した与謝野馨が海江田から引き継いで経済財政政策担当大臣に任命され、当選挙区で激突を繰り返してきた2人が同時に入閣することになった。小選挙区比例代表並立制の選挙制度のもとで、同一選挙区の小選挙区当選者と比例復活当選者が同時に入閣するのは初めてである[6]。その海江田は経済産業大臣として福島第一原子力発電所事故対応の陣頭指揮にあたった。

2012年の総選挙を前に与謝野は引退。後継となった自由民主党新人の山田美樹が海江田を1,134票差で破って初当選し、海江田は比例復活で当選となった[7]民主党代表として臨んだ2014年の総選挙においても、海江田は山田に敗れ、さらに前回よりも票差を大きく広げられた海江田は比例復活当選もかなわず議席を失うことになった[注釈 2]野党第一党の党首が議席を失うのは第24回衆議院議員総選挙片山哲日本社会党)以来、65年ぶりであった[8][注釈 3]。政治資金問題で閣僚を辞任した小渕優子松島みどりが選挙区で当選した半面で海江田は自身の安愚楽牧場の和牛商法の問題が直撃したのが落選の遠因になった。

区割り変更後初となる2017年の総選挙では、直前に結成された立憲民主党から出馬した海江田が山田を3,021票差で破り、返り咲きを果たした[9]。山田は比例で復活当選している。2021年の総選挙では、山田が9,090票差で前々回以来の選挙区での勝利を果たす。敗れた海江田と日本維新の会の新人・小野泰輔(元熊本県副知事)はいずれも比例で復活当選している[10]

再度の区割り変更となった2024年の総選挙を前に山田が2018年から2022年の5年間で安倍派から受け取ったキックバックの76万円を政治資金収支報告書に記載していなかったのが判明し[11]、党は山田を比例重複なしの処分にした。本番は9人が立候補するなか、海江田が山田を1939票の僅差で制し、前々回以来の選挙区で勝利を果たした[12]。また、東京都第7区へ移動した小野の後を受けて参議院からの鞍替えで挑戦した維新政調会長の音喜多駿も3万票弱で2人に及ばず、復活当選もできなかった[13]

日本の首都機能(国政の中心部)の大半を選挙区に有するほか、東京都庁も存在するなどまさに日本の政治の中心的選挙区である。それ故か、候補者が多数出馬する傾向がある。

選出議員

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選挙名 当選者 党派
第41回衆議院議員総選挙 1996年 与謝野馨 自由民主党
第42回衆議院議員総選挙 2000年 海江田万里 民主党
第43回衆議院議員総選挙 2003年
第44回衆議院議員総選挙 2005年 与謝野馨 自由民主党
第45回衆議院議員総選挙 2009年 海江田万里 民主党
第46回衆議院議員総選挙 2012年 山田美樹 自由民主党
第47回衆議院議員総選挙 2014年
第48回衆議院議員総選挙 2017年 海江田万里 立憲民主党
第49回衆議院議員総選挙 2021年 山田美樹 自由民主党
第50回衆議院議員総選挙 2024年 海江田万里 立憲民主党

選挙結果

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第50回衆議院議員総選挙2024年(令和6年)10月27日 東京都第1区

時の内閣:第1次石破内閣 解散日:2024年10月9日 公示日:2024年10月15日
当日有権者数:32万9471人 最終投票率:55.60%(前回比:減少0.67%) (全国投票率:53.85%(減少2.08%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
海江田万里75立憲民主党56,979票
32.01%
――
山田美樹50自由民主党55,040票
30.92%
96.60%公明党推薦
音喜多駿41日本維新の会29,002票
16.29%
50.90%
佐藤沙織里35無所属12,255票
6.88%
21.51%×
中野顕60日本共産党11,889票
6.68%
20.87%
桜井祥子40参政党10,636票
5.98%
18.67%
高木寛史40みんなでつくる党951票
0.53%
1.67%
新垣宏80無所属716票
0.40%
1.26%×
新藤伸夫75お金をみんなへ シン独立党530票
0.30%
0.93%
第49回衆議院議員総選挙2021年(令和3年)10月31日 東京都第1区

時の内閣:第1次岸田内閣 解散日:2021年10月14日 公示日:2021年10月19日
当日有権者数:46万2609人 最終投票率:56.27%(前回比:増加2.23%) (全国投票率:55.93%(増加2.25%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
山田美樹47自由民主党99,133票
39.01%
――公明党推薦
比当海江田万里72立憲民主党90,043票
35.43%
90.83%
比当小野泰輔47日本維新の会60,230票
23.70%
60.76%
内藤久遠64無所属4,715票
1.86%
4.76%×
  • 小野は2024年10月執行の総選挙では東京都第7区から立候補するも落選、復活当選も無かった。
第48回衆議院議員総選挙2017年(平成29年)10月22日 東京都第1区

時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:44万8684人 最終投票率:54.04%(前回比:増加1.00%) (全国投票率:53.68%(増加1.02%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
海江田万里68立憲民主党96,255票
40.69%
――
比当山田美樹43自由民主党93,234票
39.41%
96.86%公明党推薦
松沢香39希望の党40,376票
17.07%
41.95%
原口実季28幸福実現党3,806票
1.61%
3.95%
犬丸光加57犬丸勝子と共和党1,570票
0.66%
1.63%
又吉光雄73世界経済共同体党1,307票
0.55%
1.36%
第47回衆議院議員総選挙2014年(平成26年)12月14日 東京都第1区

時の内閣:第2次安倍改造内閣 解散日:2014年11月21日 公示日:2014年12月2日
当日有権者数:49万2025人 最終投票率:53.04%(前回比:減少8.11%) (全国投票率:52.66%(減少6.66%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
山田美樹40自由民主党107,015票
42.66%
――公明党推薦
海江田万里65民主党89,232票
35.57%
83.38%
冨田直樹38日本共産党32,830票
13.09%
30.68%
渡辺徹36次世代の党18,128票
7.23%
16.94%
野崎孝信27無所属2,209票
0.88%
2.06%×
又吉光雄70世界経済共同体党1,416票
0.56%
1.32%

第46回衆議院議員総選挙2012年(平成24年)12月16日 東京都第1区

時の内閣:野田第3次改造内閣 解散日:2012年11月16日 公示日:2012年12月4日
当日有権者数:47万7631人 最終投票率:61.15%(前回比:減少4.43%) (全国投票率:59.32%(減少9.96%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
山田美樹38自由民主党82,013票
29.31%
――公明党推薦
比当海江田万里63民主党80,879票
28.91%
98.62%国民新党推薦
加藤義隆38日本維新の会48,083票
17.19%
58.63%
小斉太郎42みんなの党31,554票
11.28%
38.47%
冨田直樹36日本共産党18,763票
6.71%
22.88%
野沢哲夫46日本未来の党14,875票
5.32%
18.14%
伊藤希望28幸福実現党1,999票
0.71%
2.44%
又吉光雄68世界経済共同体党1,011票
0.36%
1.23%
亀山教明49無所属614票
0.22%
0.75%×

第45回衆議院議員総選挙2009年(平成21年)8月30日 東京都第1区

時の内閣:麻生内閣 解散日:2009年7月21日 公示日:2009年8月18日
当日有権者数:46万2949人 最終投票率:65.58%(前回比:増加0.33%) (全国投票率:69.28%(増加1.77%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
海江田万里60民主党141,742票
47.43%
――
比当与謝野馨71自由民主党130,030票
43.51%
91.74%
冨田直樹33日本共産党19,288票
6.45%
13.61%
田中順子47幸福実現党2,718票
0.91%
1.92%
野沢哲夫43無所属1,418票
0.47%
1.00%×
黒沢武邦39無所属1,300票
0.43%
0.92%×
マック赤坂60日本スマイル党987票
0.33%
0.70%
又吉光雄65世界経済共同体党718票
0.24%
0.51%
前田禎信38無所属652票
0.22%
0.46%×

第44回衆議院議員総選挙2005年(平成17年)9月11日 東京都第1区

時の内閣:第2次小泉改造内閣 解散日:2005年8月8日 公示日:2005年8月30日 最終投票率:65.25% (全国投票率:67.51%(増加7.65%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
与謝野馨67自由民主党149,894票
54.58%
――
海江田万里56民主党101,396票
36.92%
67.65%
堀江泰信51日本共産党21,794票
7.94%
14.54%
又吉光雄61世界経済共同体党1,557票
0.57%
1.04%

第43回衆議院議員総選挙2003年(平成15年)11月9日 東京都第1区

時の内閣:第1次小泉第2次改造内閣 解散日:2003年10月10日 公示日:2003年10月28日 (全国投票率:59.86%(減少2.63%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
海江田万里54民主党105,222票
44.60%
――
比当与謝野馨65自由民主党103,785票
43.99%
98.63%
佐藤文則50日本共産党20,640票
8.75%
19.62%
浜田麻記子61無所属5,572票
2.36%
5.30%×
又吉光雄59世界経済共同体党698票
0.30%
0.66%

第42回衆議院議員総選挙2000年(平成12年)6月25日 東京都第1区

時の内閣:第1次森内閣 解散日:2000年6月2日 公示日:2000年6月13日 (全国投票率:62.49%(増加2.84%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
海江田万里51民主党93,173票
41.25%
――
与謝野馨61自由民主党90,540票
40.09%
97.17%
大塚淳子58日本共産党36,525票
16.17%
39.20%
日野雄策42自由連合3,118票
1.38%
3.35%
丸川仁37無所属2,492票
1.10%
2.67%×

第41回衆議院議員総選挙1996年(平成8年)10月20日 東京都第1区

時の内閣:第1次橋本内閣 解散日:1996年9月27日 公示日:1996年10月8日 (全国投票率:59.65%(減少8.11%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
与謝野馨58自由民主党82,098票
39.19%
――
比当海江田万里47民主党63,661票
30.39%
77.54%
大塚淳子54日本共産党36,308票
17.33%
44.23%
柴野たいぞう45新進党27,424票
13.09%
33.40%

脚注

[編集]
  1. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第210回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第八十九号(令四・一一・二八)”. 衆議院 (2022年11月28日). 2023年2月22日閲覧。住居表示などにより変更する可能性がある。
  2. ^ 東京都”. 総務省. 2023年1月9日閲覧。
  3. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第193回国会 制定法律の一覧 >衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律 法律第五十八号(平二九・六・一六)”. 衆議院 (2017年6月16日). 2021年10月1日閲覧。地名は2017年(平成29年)当時のものである。
  4. ^ 東京都”. 総務省. 2021年10月1日閲覧。
  5. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第131回国会 制定法律の一覧 >法律第百四号(平六・一一・二五)”. 衆議院 (1994年11月25日). 2021年10月1日閲覧。地名は1994年(平成6年)当時のものである。
  6. ^ 朝日新聞 (2011年1月15日). “同じ選挙区、解散なら閣僚対決に? 与謝野氏と海江田氏”. http://www.asahi.com/politics/update/0114/TKY201101140436.html 2011年1月15日閲覧。 
  7. ^ “山田美樹氏、最後に滑り込み 選挙区で海江田氏破る 東京1区”. MSN産経ニュース (産業経済新聞社). (2012年12月17日). http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121217/elc12121703360074-n1.htm 2012年12月17日閲覧。 
  8. ^ 【衆院選】民主・海江田氏落選!野党第1党党首では49年片山元首相以来の屈辱” Archived 2014年12月14日, at Archive.is. スポーツ報知. 2014年12月15日閲覧。
  9. ^ 【衆院選】海江田万里氏が当選確実 東京1区、自民前職を破る,産経新聞,2017年10月23日
  10. ^ 海江田万里氏、東京1区で敗北するも比例で復活当選 元民主党代表 [2021衆院選],朝日新聞デジタル,2021年11月1日
  11. ^ 【衆院選】東京1区で自民・山田美樹氏が落選確実 いわゆる“裏金議員” 比例重複なし,日テレNEWS,2024年10月28日
  12. ^ 衆議院選挙:東京1区で立憲民主党の海江田万里氏が当選,読売新聞,2024年10月28日
  13. ^ 維新政調会長の音喜多駿氏が東京1区で落選 比例でも復活当選せず,朝日新聞デジタル,2024年10月28日

注釈

[編集]
  1. ^ 旧東京都第1区のうち、分割された区域(中央区文京区台東区)は東京都第8区となった。
  2. ^ 比例東京ブロックで民主党は前回(第46回)と同じ3議席獲得に留まり、さらに21区で敗北した長島昭久が比例復活に回ったことで、18区で敗れ比例最下位当選となった元首相の菅直人に惜敗率で1%余り及ばなかった。
  3. ^ 民主党はこの時、東京都内の小選挙区で長妻昭が議席を守った7区での1勝に終わっている。

関連項目

[編集]