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2021年8月18日 (水) 00:37時点における版
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1989年の映画(1989ねんのえいが)では、1989年(昭和64年/平成元年)の映画分野の動向についてまとめる。
出来事
世界
- 7月17日 - ディズニーランドのクリッターカントリー内に「南部の唄」をモチーフにしたアトラクション・スプラッシュ・マウンテンがオープン。
- 9月 - コロムビア映画とトライスター ピクチャーズがソニーにより48億ドルで買収される。
日本
- 2月26日 - 渋谷東宝会館が建物の老朽化と渋谷再開発計画の為閉館。
- 3月20日 - 赤坂プリンスホテルで東映配給、スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画・「魔女の宅急便」の製作発表会が開かれ、宮崎駿(プロデューサー、脚本、監督)、角野栄子(童話絵本作家)、徳間康快(徳間書店代表取締役社長)、都築幹彦(ヤマト運輸代表取締役社長)、高木盛久(日本テレビ代表取締役社長)が出席[1]。
- 4月1日 - 消費税導入に伴い、入場税廃止[2]。
- 6月1日 - NHKが衛星第二放送(BS2)24時間放送を開始。
- 9月3日 - Bunkamuraオープン。
日本の映画興行
- 入場料金(大人)
- 1,600円[3][4]
- 映画館・映画別
- 1,500円(松竹、正月映画『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』)[5]
- 1,500円(松竹、8月公開『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』)[6]
- 1,585円(統計局『小売物価統計調査(動向編) 調査結果』[7] 銘柄符号 9341「映画観覧料」)[8]
- 入場者数 1億4357万人[9] - 1987年(昭和62年)の1億4393万人を下回るワースト記録[10]。〔ただし、1991年にはワースト記録を更新する。〕レンタルビデオの影響が大きく、また、前年からの昭和天皇のご闘病での自粛ムード、消費税導入など、映画が一般の話題になる余地がなかった[10]。ただし、入場料金の値上げがあったため興行収入は約3%のアップ[10]。
- 興行収入 1666億8100万円[9]
配給会社 | 配給本数 | 年間配給収入 | 前年対比 | 概要 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
新作 | 再映 | 洋画 | ||||
松竹 | 19 | 64億7658万円 | 168.2% | 正月映画『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』(12.5億円)、第2弾『座頭市』(11億円)とヒットが続き、秋の勝負作『利休』(12.7億円)は作品の高評価も伴うヒット。これらのヒットは若手プロデューサー奥山和由を抜擢した映像渉外室の貢献が大きい。山城新伍監督の『せんせい』、ジェームス三木監督の『善人の条件』(3億円)、和田勉監督の『ハリマオ』の3本は失敗。初の海外ロケをした『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』(8.6億円)は不本意な成績。松竹富士配給の『226』は配収11.5億円。 | ||
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東宝 | 24 | 105億7727万円 | 66.6% | 5年連続の年間配給収入100億円突破。配給収入10億円の大台を突破した作品は『ドラえもん のび太の日本誕生』(20.2億円[11])と『…これから物語 〜少年たちのブルース〜』 / 『ふ・し・ぎ・なBABY』(10億円)の2番組のみという寂しい一年となった。『彼女が水着にきがえたら』(8億円)、『どっちにするの。』(8億円)、『千利休 本覺坊遺文』(7.5億円)、『君は僕をスキになる』(8億円)はクリーンヒット。夏の『ガンヘッド』の失敗が大きかった。 | ||
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東映 | 30 | 99億7941万円 | 109.9% | 洋画部扱いの『魔女の宅急便』(21.5億円)、『オルゴール』(14億円)が高配収番組となった。東映本体の映画は『夏のまんがまつり』(7.2億円)がトップという寂しさ。同じ洋画部扱いでも『悲しい色やねん』、『ガラスの中の少女』は失敗。一時は隆盛したアダルト路線もピークを過ぎた。 | ||
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各国ランキング
日本配給収入ランキング
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 | UIP | 44.0億円 | |
2 | レインマン | UIP | 33.0億円 | |
3 | 魔女の宅急便 | 東映 | 21.5億円 | |
4 | ドラえもん のび太の日本誕生 | 東宝 | 20.2億円 | |
5 | カクテル | ワーナー・ブラザース | 17.0億円 | |
6 | ロジャー・ラビット | ワーナー・ブラザース | 14.4億円 | |
7 | オルゴール | 東映 | 14.0億円 | |
8 | ブラック・レイン | UIP | 13.5億円 | |
9 | 利休 | 松竹 | 12.7億円 | |
10 | 男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日 釣りバカ日誌 |
松竹 | 12.5億円 |
全世界興行収入ランキング
順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 |
---|---|---|---|
1 | インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 | パラマウント映画 | $474,171,806 |
2 | バットマン | ワーナー・ブラザース | $411,348,924 |
3 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 | ユニバーサル・スタジオ | $331,950,002 |
4 | ベイビー・トーク | トライスター ピクチャーズ | $296,999,813 |
5 | いまを生きる | ブエナ・ビスタ | $235,860,116 |
6 | リーサル・ウェポン2/炎の約束 | ワーナー・ブラザース | $227,853,986 |
7 | ミクロキッズ | ブエナ・ビスタ | $222,724,172 |
8 | ゴーストバスターズ2 | コロンビア ピクチャーズ | $215,394,738 |
9 | リトル・マーメイド | ブエナ・ビスタ | $211,343,479 |
10 | 7月4日に生まれて | ユニバーサル・スタジオ | $161,001,698 |
- 出典:“1989 Worldwide Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月12日閲覧。
北米興行収入ランキング
順位 | 題名 | スタジオ | 興行収入 |
---|---|---|---|
1. | バットマン | ワーナー・ブラザース | $251,188,924 |
2. | インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 | パラマウント | $197,171,806 |
3. | リーサル・ウェポン2 | ワーナー・ブラザース | $147,253,986 |
4. | ベイビー・トーク | トライスター | $140,088,813 |
5. | ミクロキッズ | ディズニー | $130,724,172 |
6. | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 | ユニバーサル | $118,450,002 |
7. | リトル・マーメイド | ディズニー | $111,494,738 |
8. | ドライビング Miss デイジー | ワーナー・ブラザース | $106,593,296 |
9. | バックマン家の人々 | ユニバーサル | $100,047,830 |
10. | いまを生きる | タッチストーン | $95,860,116 |
- 出典:“1989 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月13日閲覧。
日本公開映画
1989年の日本公開映画を参照。
受賞
- 第62回アカデミー賞
- 作品賞 - 『ドライビング MISS デイジー』
- 監督賞 - オリバー・ストーン(『7月4日に生まれて』)
- 主演男優賞 - ダニエル・デイ=ルイス(『マイ・レフトフット』)
- 主演女優賞 - ジェシカ・タンディ(『ドライビング Miss デイジー』)
- 第47回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『7月4日に生まれて』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - ミシェル・ファイファー(『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』)
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - トム・クルーズ(『7月4日に生まれて』)
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『ドライビング Miss デイジー』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ジェシカ・タンディ(『ドライビング Miss デイジー』)
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - モーガン・フリーマン(『ドライビング Miss デイジー』)
- 監督賞 - オリヴァー・ストーン(『7月4日に生まれて』)
- 第42回カンヌ国際映画祭
- パルム・ドール - 『セックスと嘘とビデオテープ』(スティーブン・ソダーバーグ)
- 監督賞 - エミール・クストリッツァ(『ジプシーのとき』)
- 男優賞 - ジェームズ・スペイダー(『セックスと嘘とビデオテープ』)
- 女優賞 - メリル・ストリープ(『A Cry In the Dark』)
- 第46回ヴェネツィア国際映画祭
- 第39回ベルリン国際映画祭
- 金熊賞 - 『レインマン』 (バリー・レヴィンソン)
- 第63回キネマ旬報ベスト・テン
- 外国映画第1位 - 『ダイ・ハード』
- 日本映画第1位 - 『黒い雨』
- 第44回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『黒い雨』
誕生
- 1月10日 - 石黒英雄、日本の俳優
- 1月25日 - 多部未華子、日本の女優
- 2月25日 - 花澤香菜、日本の声優
- 3月6日 - 岩田剛典、日本の俳優
- 3月7日 - 永山絢斗、日本の俳優
- 3月9日 - 千葉雄大、日本の俳優
- 3月21日 - 佐藤健、日本の俳優
- 4月1日 - 杉本有美、日本の女優
- 4月26日 - 水崎綾女、日本の女優
- 4月28日 - 佐野和真、日本の俳優
- 5月19日 - 久保ユリカ、日本の声優
- 5月23日 - 夏菜、日本の女優
- 5月30日 - 満島真之介、日本の俳優
- 6月3日 - 潘めぐみ、日本の声優
- 6月5日 - 中島愛、日本の声優
- 6月14日 - 溝端淳平、日本の俳優
- 6月23日 - 竹達彩奈、日本の声優
- 7月3日 - 賀来賢人、日本の俳優
- 7月23日 - ダニエル・ラドクリフ、イギリスの俳優
- 8月1日 - 黒川智花、日本の女優
- 8月15日 - 岡田将生、日本の俳優
- 9月27日 - 大久保瑠美、日本の声優
- 10月16日 - 柄本時生、日本の俳優
- 10月18日 - 仲里依紗、日本の女優
- 11月8日 - 小林涼子、日本の女優
- 12月16日 - 桐谷美玲、日本の女優
- 12月27日 - 内田真礼、日本の声優
死去
日付 | 名前 | 国籍 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 3日 | 才賀明 | 56 | 脚本家 | |
8日 | ケネス・マクミラン | 56 | 俳優 | ||
23日 | 高橋良明 | 16 | 俳優 | ||
31日 | 芥川也寸志 | 63 | 作曲家 | ||
2月 | 3日 | ジョン・カサヴェテス | 60 | 映画監督・俳優 | |
4日 | 岡島艶子 | 80 | 女優 | ||
9日 | 手塚治虫 | 60 | 漫画家 | ||
3月 | 3日 | 大坂志郎 | 69 | 俳優 | |
4日 | 南廣 | 60 | 俳優 | ||
13日 | 嵯峨善兵 | 79 | 俳優 | ||
18日 | 菊島隆三 | 75 | 脚本家 | ||
24日 | 荒木道子 | 72 | 女優 | ||
4月 | 24日 | クライド・ジェロニミ | 87 | 映画監督 | |
26日 | ルシル・ボール | 77 | 女優 | ||
30日 | 殿山泰司 | 73 | 俳優 | ||
セルジオ・レオーネ | 60 | 映画監督 | |||
5月 | 9日 | 吉田義昭 | 57 | 脚本家 | |
19日 | アントン・ディフリング | 70 | 俳優 | ||
21日 | 原泉 | 84 | 女優 | ||
25日 | 増田順司 | 73 | 俳優 | ||
6月 | 2日 | 渡辺岳夫 | 56 | 作曲家 | |
9日 | 大塚国夫 | 55 | 俳優、声優 | ||
24日 | 美空ひばり | 52 | 歌手 | ||
28日 | ヨリス・イヴェンス | 90 | 映画監督 | ||
7月 | 2日 | フランクリン・J・シャフナー | 69 | 映画監督 | |
10日 | メル・ブランク | 81 | 声優 | ||
11日 | ローレンス・オリヴィエ | 82 | 俳優・映画監督 | ||
17日 | 井手雅人 | 69 | 脚本家 | ||
18日 | レベッカ・シェイファー | 21 | 女優 | ||
25日 | 小山いと子 | 88 | 作家 | ||
29日 | 辰巳柳太郎 | 84 | 俳優 | ||
8月 | 1日 | 松井潤子 | 82 | 女優 | |
16日 | アマンダ・ブレイク | 60 | 女優 | ||
18日 | 古関裕而 | 80 | 作曲家 | ||
9月 | 20日 | 大橋史典 | 74 | 俳優、彫刻家 | |
10月 | 4日 | グレアム・チャップマン | 48 | コメディアン・俳優 | |
6日 | ベティ・デイヴィス | 81 | 女優 | ||
16日 | コーネル・ワイルド | 74 | 俳優 | ||
20日 | アンソニー・クエイル | 76 | 俳優 | ||
26日 | 浦辺粂子 | 87 | 女優 | ||
11月 | 4日 | 隆慶一郎 | 66 | 脚本家 | |
6日 | 松田優作 | 40 | 俳優 | ||
22日 | 丸山誠治 | 77 | 映画監督 | ||
12月 | |||||
6日 | 岩間鶴夫 | 76 | 映画監督 | ||
中村是好 | 89 | 俳優 | |||
ジョン・ペイン | 77 | 俳優 | |||
11日 | 森川公也 | 57 | 俳優、声優 | ||
16日 | シルヴァーナ・マンガーノ | 59 | 女優 | ||
リー・ヴァン・クリーフ | 64 | 俳優 | |||
19日 | ジョルジュ・ルーキエ | 80 | 映画監督 |
脚注
出典
- ^ スタジオジブリ作品関連資料集〈3〉 & 1996/10/1, p. 40 - 41.
- ^ 斉藤 2009, p. 56.
- ^ 斉藤 2009, pp. 114–115.
- ^ 週刊朝日 編『戦後値段史年表』朝日新聞出版〈朝日文庫〉、1995年、23頁。ISBN 4-02-261108-1。
- ^ “第40作 男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月29日閲覧。
- ^ “第41作 男はつらいよ 寅次郎心の旅路”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月6日閲覧。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ a b “過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
- ^ a b c 「1989年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報』1990年(平成2年)2月下旬号、キネマ旬報社、1990年、171頁。
- ^ 1989年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
参考文献
- 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8。