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1983年の映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1983年の映画(1983ねんのえいが)では、1983年昭和58年)の映画分野の動向についてまとめる。

1982年の映画 - 1983年の映画 - 1984年の映画

出来事

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世界

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日本

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周年

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日本の映画興行

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配給会社別年間配給収入
配給会社 配給本数 年間配給収入 概要
新作 再映 洋画 前年対比
松竹 19 62億0613万円 正月の『男はつらいよ 花も嵐も寅次郎』(15.5億円[35][注 7])はシリーズ最高〔の配給収入〕だったが、夏の『男はつらいよ 旅と女と寅次郎』(10.2億円)は伸び悩み。アンコール上映の角川映画蒲田行進曲』は、松竹製作の『時代屋の女房』との2本立てで配給収入9億円を稼いだ。『この子を残して』(4.3億円)や『迷走地図』(4.8億円)は伸びず、『きつね』や『海嶺』は極端な不振。
15 4 0 88.0%
東宝 29 83億4119万円 4年連続年間配給収入100億円突破は成らなかった。『影武者』の持つ日本映画配収記録(27億円)を大幅に更新した『南極物語』(59億円[35][注 8])は、共同配給の日本ヘラルド映画に計上されている。近藤真彦の『嵐を呼ぶ男』(8.5億円)が大きく期待を裏切ったのに対し、『プルメリアの伝説 天国のキッス』/『刑事物語2 りんごの詩』(12億円)は好稼動。『ウィーン物語 ジェミニ・YとS』など(11億円)と『ドラえもん のび太の海底鬼岩城』など(10億円)の2番組も配給収入10億円の大台を突破した。『細雪』(9.5億円)は健闘、『居酒屋兆治』は安定した成績。
東宝東和配給の『プロ野球を10倍楽しく見る方法』(10.8億円)、角川映画『幻魔大戦』(10.6億円)も大台を突破した。
23 1 5 83.1%
東映 29 127億1428万円 2年連続で年間配給収入100億円を突破した。角川映画『探偵物語』/『時をかける少女』(28億円)も『影武者』の持つ日本映画配収記録(27億円)を更新している。角川映画『汚れた英雄』/『伊賀忍法帖』(16億円)、カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した『楢山節考』(10.5億円)、『伊賀野カバ丸』/『カンニング・モンキー 天中拳』(10.4億円)、『宇宙戦艦ヤマト 完結編』(10.1億円)の4番組も配給収入10億円の大台をクリアした。『陽暉楼』(8.5億円)は、同じ宮尾登美子原作の『鬼龍院花子の生涯』(11億円[38])には及ばないものの堅実な稼動。ヌードの話題先行の『白蛇抄』は成果を挙げず、『日本海大海戦 海ゆかば』は期待を裏切る結果に終わった。
23 1 5 115.5%
にっかつ 55 33億8008万円 アダルトビデオソフトの隆盛を前に12年目の日活ロマンポルノは苦戦。美保純のような人気女優が現れなかったのも一因。文芸ポルノ『ダブルベッド』、演歌ポルノ『ブルーレイン大阪』・『3年目の浮気』などの新しい試みは不発。従来、3本立てのうち1本は他社製作映画を利用していたが、3本全てを自社製作映画に変更。
55 0 0 86.5%
出典:「1983年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1984年昭和59年)2月下旬号、キネマ旬報社、1984年、110 - 116頁。 

各国ランキング

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日本配給収入ランキング

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1983年日本配給収入トップ10
順位 題名 製作国 配給 配給収入
1 E.T. アメリカ合衆国の旗 ユニバーサル映画/CIC 96.2億円
2 南極物語 日本の旗 日本ヘラルド映画=東宝 59.0億円
3 スター・ウォーズ ジェダイの復讐 アメリカ合衆国の旗 20世紀FOX 37.2億円
4 フラッシュダンス アメリカ合衆国の旗 パラマウント映画/CIC 34.0億円
5 探偵物語
時をかける少女
日本の旗 東映 28.0億円
6 007/オクトパシー イギリスの旗アメリカ合衆国の旗 MGM=UA=CIC 19.2億円
7 汚れた英雄
伊賀忍法帖
日本の旗 東映 16.0億円
8 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎
次郎長青春篇 つっぱり清水港
日本の旗 松竹 15.5億円
9 プルメリアの伝説 天国のキッス
刑事物語2 りんごの詩
日本の旗 東宝 12.0億円
9 ランボー アメリカ合衆国の旗 東宝東和 12.0億円
出典:1983年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟

北米興行収入ランキング

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1983年北米興行収入トップ10
順位 題名 スタジオ 興行収入
1. スター・ウォーズ ジェダイの復讐 20世紀FOX $252,583,617
2. 愛と追憶の日々 パラマウント $108,423,489
3. フラッシュダンス パラマウント $92,921,203
4. 大逆転 パラマウント $90,404,800
5. ウォー・ゲーム MGM $79,567,667
6. 007/オクトパシー MGM $67,893,619
7. ダーティハリー4 ワーナー・ブラザース $67,642,693
8. ステイン・アライブ パラマウント $64,892,670
9. ミスター・マム 20世紀FOX $64,783,827
10. 卒業白書 ワーナー・ブラザース $63,541,777
出典: 1983 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月23日閲覧。

日本公開映画

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1983年の日本公開映画を参照。

受賞

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誕生

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死去

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日付 名前 国籍 年齢 職業
1月 24日 ジョージ・キューカー アメリカ合衆国の旗 83 映画監督[39]
27日 ルイ・ド・フュネス フランスの旗 68 コメディアン[39]
2月 18日 和田夏十 日本の旗 62 脚本家[39]
19日 森園忠 日本の旗 61 映画監督
20日 河津清三郎 日本の旗 74 俳優[39]
25日 テネシー・ウィリアムズ アメリカ合衆国の旗 71 劇作家[39]
3月 14日 モーリス・ロネ フランスの旗 55 俳優[39]
18日 渋谷天外 日本の旗 76 俳優・劇作家・演出家[39]
31日 片岡千恵蔵 日本の旗 80 俳優[39]
4月 4日 グロリア・スワンソン アメリカ合衆国の旗 84 女優[39]
13日 中村鴈治郎 日本の旗 81 俳優[39]
22日 ランベルト・マジョラーニ イタリアの旗 73 自転車泥棒』主演[39]
23日 バスター・クラブ英語版 アメリカ合衆国の旗 75 俳優[39]
5月 4日 寺山修司 日本の旗 47 作家・映画監督[39]
6月 12日 ノーマ・シアラー カナダの旗アメリカ合衆国の旗 80 女優[39]
28日 沖雅也 日本の旗 31 俳優[39]
7月 29日 デヴィッド・ニーヴン イギリスの旗 73 俳優[40]
レイモンド・マッセイ カナダの旗 86 俳優[40]
ルイス・ブニュエル スペインの旗 83 映画監督[40]
8月 3日 キャロリン・ジョーンズ アメリカ合衆国の旗 53 女優[40]
9日 市村俊幸 日本の旗 62 俳優[40]
11日 山本薩夫 日本の旗 73 映画監督[40]
10月 3日 花登筺 日本の旗 55 作家・脚本家[40]
10日 ラルフ・リチャードソン イギリスの旗 80 俳優[40]
15日 パット・オブライエン アメリカ合衆国の旗 83 俳優[40]
24日 かとう哲也 日本の旗 42 俳優・ひばりプロ社長[40]
11月 6日 金子正次 日本の旗 33 俳優[40]
28日 クリストファー・ジョージ アメリカ合衆国の旗 52 俳優[40]
12月 5日 ロバート・アルドリッチ アメリカ合衆国の旗 65 映画監督[40]
8日 スリム・ピケンズ アメリカ合衆国の旗 64 俳優[40]
28日 ウィリアム・デマレスト アメリカ合衆国の旗 91 俳優[40]
主な出典:「1983年 映画物故人リスト」『キネマ旬報1984年昭和59年)2月下旬号、キネマ旬報社、1984年、210 - 211頁。 

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 『The Hollywood Story』では、168.0 $MILLIONS となっている[1](p360)
  2. ^ 『The Hollywood Story』では、94.9 $MILLIONS となっている[1](p360)
  3. ^ 『The Hollywood Story』では、37.2 $MILLIONS となっている[1](p361)
  4. ^ 〔引用者註〕『クロニクル東映-II 1947-1991』では、「1982年4月25日…(賞の部門名の記載無)受賞」となっているが、『第10回サターン賞』は「1983年」であることを考慮すると、『クロニクル東映』の記述ミスと判断した。併せて、「受賞」を「ノミネート」に修正した。
  5. ^ 〔引用者註〕東宝の資料では5月19日となっているが、おそらく19日は日本時間。現地時間は18日だと思われるので修正した。また、東宝の資料ではパルム・ドールではなく、グランプリになっている。
  6. ^ 〔引用者註〕『クロニクル東映-II 1947-1991』には「11月5日」となっているが、明らかな誤植だと思われる。
  7. ^ キネマ旬報では15.4億円となっている[36]
  8. ^ キネマ旬報では56.0億円となっている[37]

出典

[編集]
  1. ^ a b c Finler, Joel Waldo (2003) (英語). The Hollywood Story. Wallflower Press. ISBN 978-1-903364-66-6. https://openlibrary.org/books/OL8767837M/The_Hollywood_Story 2024年2月12日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f g h 石原良太 1986, p. 144.
  3. ^ a b c d e f g h i 石原良太 1986, p. 145.
  4. ^ ジョージ・キューカー:プロフィール・作品情報・最新ニュース”. 映画.com. 2024年3月29日閲覧。
  5. ^ ルイ・ド・フュネス(Louis de Funes)について”. allcinema. スティングレー. 2024年3月29日閲覧。
  6. ^ モーリス・ロネ(Maurice Ronet)について”. allcinema. スティングレー. 2024年3月29日閲覧。
  7. ^ グロリア・スワンソン(Gloria Swanson)について”. allcinema. スティングレー. 2024年3月30日閲覧。
  8. ^ The 55th Academy Awards | 1983” (英語). アカデミー賞公式サイト. 映画芸術科学アカデミー. 2024年3月28日閲覧。
  9. ^ The 54th Academy Awards | 1982” (英語). アカデミー賞公式サイト. 映画芸術科学アカデミー. 2024年3月28日閲覧。
  10. ^ 東映 1992, p. 72.
  11. ^ Academy of Science Fiction, Fantasy & Horror Films, USA (1983)” (英語). IMDb. 2024年8月31日閲覧。
  12. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab 東宝 2010b, p. 233.
  13. ^ a b 東映 1992, p. 77.
  14. ^ デヴィッド・ニーヴン(David Niven)について”. allcinema. スティングレー. 2024年3月30日閲覧。
  15. ^ ルイス・ブニュエル(Luis Bunuel)について”. allcinema. スティングレー. 2024年3月30日閲覧。
  16. ^ a b c d e f g h i j k l 東映 1992, p. 76.
  17. ^ a b c d e f g h 東宝 2010b, p. 234.
  18. ^ ロバート・アルドリッチ(Robert Aldrich)について”. allcinema. スティングレー. 2024年3月30日閲覧。
  19. ^ 東宝 2010b, p. 232.
  20. ^ 寺山年表”. 三沢市寺山修司記念館. 2024年4月11日閲覧。
  21. ^ 『スタジオジブリ作品関連資料集 型録 I』 1巻、スタジオジブリ 編さん、徳間書店〈ジブリTHE ARTシリーズ〉、1996年6月、55頁。ISBN 978-4-1986-0525-4 
  22. ^ a b 東映 1992, p. 78.
  23. ^ 山本薩夫:プロフィール・作品情報・最新ニュース”. 映画.com. 2024年4月11日閲覧。
  24. ^ 日活 2014, p. 134.
  25. ^ カルメン (1983) CARMEN”. 映画.com. 2023年4月19日閲覧。
  26. ^ 文化庁芸術祭賞受賞一覧 昭和51年度(第31回) - 昭和60年度(第40回)” (PDF). 文化庁. p. 8. 2023年4月19日閲覧。
  27. ^ a b 東映 1992, pp. 76–77.
  28. ^ 斉藤 2009, p. 97.
  29. ^ 第30作 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月5日閲覧。
  30. ^ 第31作 男はつらいよ 旅と女と寅次郎”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月5日閲覧。
  31. ^ 小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  32. ^ 主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  33. ^ a b 過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
  34. ^ 主要耐久消費財等の普及率(全世帯)(平成16年3月末現在)” (XLS). 内閣府公式サイト. 統計表一覧:消費動向調査. 内閣府 (2004年3月31日). 2022年5月3日閲覧。
  35. ^ a b 1983年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  36. ^ 「1983年邦画4社<封切配収ベスト作品>」『キネマ旬報1984年昭和59年)2月下旬号、キネマ旬報社、1984年、116頁。 
  37. ^ 「邦画フリーブッキング配収ベスト作品」『キネマ旬報1984年昭和59年)2月下旬号、キネマ旬報社、1984年、115頁。 
  38. ^ 1982年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  39. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 映画界物故人 1984, p. 210.
  40. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 映画界物故人 1984, p. 211.

参考文献

[編集]
  • 石原良太 編『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集 : 栄光と虚栄・アカデミー賞からヨコハマ映画祭』芳賀書店、1986年6月。ISBN 4-8261-0520-7 
  • 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8 
  • 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746 
  • 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。 
    • 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。 
  • 日活『日活100年史 = Nikkatsu-celebrating 100 years of history』日活、2014年3月。全国書誌番号:22411179