コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

1988年の映画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1988年の映画(1988ねんのえいが)では、1988年(昭和63年)の映画分野の動向についてまとめる。

1987年の映画 - 1988年の映画 - 1989年の映画

出来事

[編集]

世界

[編集]

日本

[編集]

周年

[編集]

日本の映画興行

[編集]
配給会社別年間配給収入
配給会社 配給本数 年間配給収入 概要
新作 再映 洋画 前年対比
松竹 20 38億5300万円 正月映画の『男はつらいよ 寅次郎物語』(10.5億円)が大台を突破したが、その後は不振続きの1年となった。夏の勝負作『ダウンタウン・ヒーローズ』(8.1億円)が他社の夏作品に押し出され不本意な結果で終わる。人気アニメの久々の登場となった『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(6.2億円)は成功だったが、『山田村ワルツ』と『恋はいつもアマンドピンク』は絶不調。企画の遅れから番組編成を埋めるために、ヒットの可能性のない『橋』や『青い山脈'88』を公開する羽目になる。そのため、翌年は自社製作を減らし、積極的に外部プロ作品を導入する。松竹富士の『マリリンに逢いたい』は配給収入11億円。
18 0 2 73.2%
東宝 25 158億8200万円 年間配給収入は1986年の163億9000万円に次ぐ好成績。ブロックブッキングで配給収入100億円を突破する偉業も達成。配給収入10億円の大台を突破したのは、『敦煌』(45億円)・『優駿』(18億円)・『いこかもどろか』(16億円)・『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』(13.6億円)・『マルサの女2』(13億円)・『帝都物語』(10.5億円)の6番組。吉永小百合映画出演100本記念作品の『つる -鶴-』は不調。
25 0 0 137.6%
東映 30 90億7800万円 正月映画『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎狂騒曲』(12.5億円)、洋画配給部扱いの『あぶない刑事』(15億円)・『またまたあぶない刑事』(10.5億円)の3番組が大台突破。『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎音頭』(7.3億円)・『極道渡世の素敵な面々』・『』はまずまず。『華の乱』(7.6億円)は平凡な結果、『ラブ・ストーリーを君に』(5億円)は不調。
22 0 8 100.0%
にっかつ 44 16億1600万円 5月28日公開の『ベッド・パートナー』/『ラブ・ゲームは終わらない』でロマンポルノ路線を終了。7月1日からは一般映画の新路線ロッポニカに移行し、5番組10本を製作するが惨敗、にっかつは製作配給から撤退することになる。配給収入1億円以上は『待ち濡れた女』ほか(1.5億円)の1番組のみ。
37 2 5 71.2%
出典:「1988年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1989年平成元年)2月下旬号、キネマ旬報社、1989年、167 - 172頁。 

各国ランキング

[編集]

日本配給収入ランキング

[編集]
1988年日本配給収入トップ10
順位 題名 製作国 配給 配給収入
1 敦煌 日本の旗 東宝 45.0億円
2 ラストエンペラー イタリアの旗中華人民共和国の旗イギリスの旗フランスの旗アメリカ合衆国の旗 松竹富士 24.5億円
3 ランボー3/怒りのアフガン アメリカ合衆国の旗 東宝東和 24.0億円
4 優駿 ORACION 日本の旗 東宝 18.0億円
5 危険な情事 アメリカ合衆国の旗 UIP 17.4億円
6 いこかもどろか 日本の旗 東宝 16.0億円
7 あぶない刑事

七福星香港の旗ゴールデン・ハーベスト

日本の旗 東映 15.0億円
7 ウィロー アメリカ合衆国の旗 UIP 15.0億円
9 ドラえもん のび太のパラレル西遊記 日本の旗 東宝 13.6億円
10 ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎狂騒曲
はいからさんが通る
日本の旗 東映 12.5億円
出典:1988年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟

北米興行収入ランキング

[編集]
1988年北米興行収入トップ10
順位 題名 スタジオ 興行収入
1. レインマン ユナイテッド・アーティスツ $172,825,435
2. ロジャー・ラビット タッチストーン $156,452,370
3. 星の王子 ニューヨークへ行く パラマウント $128,152,301
4. ビッグ 20世紀FOX $114,968,774
5. ツインズ ユニバーサル $111,938,388
6. クロコダイル・ダンディー2 パラマウント $109,306,210
7. ダイ・ハード 20世紀FOX $84,008,852
8. 裸の銃を持つ男 パラマウント $79,756,177
9. カクテル タッチストーン $78,897,753
10. ビートルジュース ワーナー・ブラザース $73,707,461
出典:1988 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月24日閲覧。

日本公開映画

[編集]

1988年の日本公開映画を参照。

受賞

[編集]

誕生

[編集]

死去

[編集]
日付 名前 国籍 年齢 職業
1月 7日 トレヴァー・ハワード イギリスの旗 74 俳優
ミシェル・オークレール ドイツの旗 65 俳優
9日 宇野重吉 日本の旗 73 俳優
18日 ジャン・ミトリ フランスの旗 80 映画批評家
30日 ホーマー・ブライトマン 86 脚本家
2月 1日 ヘザー・オルーク アメリカ合衆国の旗 12 子役
5日 エメリック・プレスバーガー ハンガリーの旗イギリスの旗 85 脚本家・プロデューサー
17日 千葉順二 日本の旗 62 声優
3月 1日 加藤嘉 日本の旗 85 俳優
7日 ディヴァイン アメリカ合衆国の旗 42 俳優・歌手
4月 23日 小沢栄太郎 日本の旗 79 俳優
5月 21日 I・A・L・ダイアモンド アメリカ合衆国の旗 67 脚本家
30日 エラ・レインズ アメリカ合衆国の旗 67 女優
6月 8日 青木日出雄 日本の旗 61 航空・軍事評論家
25日 ジャン・ポフェティ フランスの旗 62 撮影監督
7月 2日 荻昌弘 日本の旗 62 映画評論家
3日 井手俊郎 日本の旗 78 脚本家
6日 東八郎 日本の旗 52 コメディアン、
12日 ジョシュア・ローガン アメリカ合衆国の旗 79 映画監督
22日 ラリー・クレモンズ アメリカ合衆国の旗 81 脚本家
25日 ジュディス・バーシ アメリカ合衆国の旗 10 子役
8月 1日 フローレンス・エルドリッジ アメリカ合衆国の旗 86 女優
5日 コリン・ヒギンズ アメリカ合衆国の旗 47 映画監督・脚本家
7日 ウィルフレッド・ジャクソン アメリカ合衆国の旗 82 映画監督
10日 木村荘十二 日本の旗 84 映画監督
11日 アン・ラムジー アメリカ合衆国の旗 58 女優
9月 5日 ゲルト・フレーベ ドイツの旗 75 俳優
13日 堀江しのぶ 日本の旗 23 女優・タレント
20日 馬淵威雄 日本の旗 82 東宝相談役
10月 1日 ルシアン・バラード アメリカ合衆国の旗 80 撮影監督
13日 メルヴィン・フランク アメリカ合衆国の旗 75 脚本家、映画監督、映画プロデューサー
25日 エリック・ラーソン アメリカ合衆国の旗 83 アニメーター
12月 27日 ハル・アシュビー アメリカ合衆国の旗 59 映画監督・映画編集者
26日 信欣三 日本の旗 78 俳優

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 東宝の資料では、「8月2日 全米作家連盟、…」となっている。
  2. ^ 東宝の資料では「映画翻訳協会」となっていて、”家”の字がない。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap 東宝 2010b, p. 239.
  2. ^ WRITERS STRIKE CHRONOLOGY” (英語). ロサンゼルス・タイムズ (1988年8月4日). 2022年8月25日閲覧。
  3. ^ a b c d e 東映 1992, p. 84.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 東宝 2010b, p. 240.
  5. ^ 斉藤 2009, p. 114.
  6. ^ 第39作 男はつらいよ 寅次郎物語”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月6日閲覧。
  7. ^ 「1988年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1989年平成元年)2月下旬号、キネマ旬報社、1989年、172 - 173頁。 
  8. ^ 小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  9. ^ 主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  10. ^ a b 過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
  11. ^ 主要耐久消費財等の普及率(全世帯)(平成16年3月末現在)” (XLS). 内閣府公式サイト. 統計表一覧:消費動向調査. 内閣府 (2004年3月31日). 2022年5月3日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8 
  • 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746 
  • 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。 
    • 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。