1955年の映画
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1955年の映画(1955ねんのえいが)では、1955年(昭和30年)の映画分野の動向についてまとめる。
1954年の映画 - 1955年の映画 - 1956年の映画
出来事
[編集]→「1955年 § できごと」も参照
世界
[編集]- 3月30日 - 第27回アカデミー賞で『地獄門』が外国語映画賞とカラー衣装デザイン賞(和田三造)を受賞[1][注 1]。
- 5月21日 - 第2回アジア映画祭で伊藤大輔監督『春琴物語』が最優秀作品賞獲得[3]。
- 7月17日 - アメリカ合衆国カリフォルニア州アナハイムにウォルト・ディズニー・プロダクション制作、運営のディズニーランドがオープン。
- 6月28日 - フランス、初のシネマスコープ『水色の夜会服』(ワルテル・カップス監督)[4]公開[5][6][注 2]。
- 8月23日 - 英国、初のシネマスコープ『愛情は深い海のごとく』(アナトール・リトヴァク監督)公開[5][7]。
- 8月26日 - インド、サタジット・レイ監督、『大地のうた』公開[5][8]。
- 9月30日 - 米国、俳優・ジェームズ・ディーン、自動車事故で死去[5][9]。
- 10月11日 - 米国、Todd-AOシステムによる70mm映画の第1作『オクラホマ!』(フレッド・ジンネマン監督)公開[5][10]。
- 10月26日 - フランス、ルネ・クレール監督、初のカラー作品『夜の騎士道』公開[5][11]。
- 12月13日 - 英国、初のビスタビジョン『リチャード三世』(主演・監督:ローレンス・オリヴィエ)公開[5][12]。
- 月日不詳
- 『二十四の瞳』(木下惠介監督)、第12回ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞[13][14]。
日本
[編集]- 1月
- 2月
- 3月
- 3月16日 - 東映、大映から賃借中の京都撮影所の土地・建物を約6700万円で買収[16]。
- 3月28日 - 大阪東映劇場・大阪東映地下劇場オープン[16]。
- 4月
- 5月
- 6月
- 7月
- 8月
- 9月
- 10月
- 11月
- 12月
周年
[編集]- 創業60周年
日本の映画興行
[編集]配給会社 | 年間配給収入 | 前年対比 |
---|---|---|
松竹 | 47億6165万円 | 101.8% |
東宝 | 32億2034万円 | 104.0% |
大映 | 40億7645万円 | 104.5% |
新東宝 | 18億6848万円 | 86.1% |
東映 | 45億2952万円 | 121.7% |
日活 | 23億6512万円 | 555.7% |
- 出典: 井上雅雄「映画産業の戦後「黄金期」の実態(下) : ポスト占領期の映画産業と大映の企業経営・補論」『立教經濟學研究』第71巻第2号、立教大学経済学研究会、2017年10月、102頁、doi:10.14992/00015468。
各国ランキング
[編集]日本配給収入ランキング
[編集]順位 | 題名 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|
1 | 赤穂浪士 天の巻 地の巻 | 東映 | 3億1305万円 |
2 | 修禅寺物語[43] | 松竹 | 1億8368万円 |
3 | ジャンケン娘 | 東宝 | 1億7600万円 |
4 | 新・平家物語 | 大映 | 1億7303万円 |
5 | 亡命記[44] | 松竹 | 1億7228万円 |
6 | 続宮本武蔵 一乗寺の決斗 | 東宝 | 1億6800万円 |
7 | 楊貴妃 | 大映 | 1億5781万円 |
8 | 宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島 | 東宝 | 1億5550万円 |
9 | 力道山物語 怒濤の男[45] | 日活 | 1億5000万円 |
10 | 夫婦善哉 | 東宝 | 1億4800万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、120頁。ISBN 978-4873767550。
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | 砂漠は生きている | 大映 | 2億9260万円 | |
2 | シネラマ・ホリデー[46] | 東宝 | 2億7134万円 | |
3 | 海底二万哩 | 大映 | 1億8150万円 | |
4 | ベラクルス | ユナイテッド・アーティスツ 松竹 |
1億7102万円 | |
5 | エデンの東 | ワーナー・ブラザース | 1億6810万円 | |
6 | 征服者[47] | RKO | 1億4646万円 | |
7 | スタア誕生 | ワーナー・ブラザース | 1億4408万円 | |
8 | 裏窓 | パラマウント映画 | 1億4219万円 | |
9 | 暴力教室 | MGM | 1億3647万円 | |
10 | ピクニック | コロンビア ピクチャーズ | 1億2483万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、121頁。ISBN 978-4873767550。
日本公開作品
[編集]→詳細は「1955年の日本公開映画」を参照
受賞
[編集]- 第13回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『エデンの東』
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - アーネスト・ボーグナイン - 『マーティ』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - アンナ・マニャーニ - 『バラの刺青』
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『野郎どもと女たち』
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - トム・イーウェル - 『七年目の浮気』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ジーン・シモンズ - 『野郎どもと女たち』
- 監督賞 - ジョシュア・ローガン - 『ピクニック』
- 外国映画賞
- 第21回ニューヨーク映画批評家協会賞
- 作品賞 - 『マーティ』
- 第16回ヴェネツィア国際映画祭
- 金獅子賞 - 『奇跡』 - カール・テオドア・ドライヤー監督、 デンマーク
- 第5回ベルリン国際映画祭
- 金熊賞 - Die Ratten - ロバート・シオドマク監督、 西ドイツ
- 第10回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『浮雲』
生誕
[編集]- 1月5日 - 渡辺えり、 日本、女優
- 1月6日 - ローワン・アトキンソン、 イングランド、コメディアン・男優
- 1月9日 - J・K・シモンズ、 アメリカ合衆国、男優
- 1月11日 - 木村奈保子、 日本、映画評論家
- 1月13日 - 伊藤蘭、 日本、女優・歌手
- 1月15日 - 田中真弓、 日本、声優
- 1月18日 - ケビン・コスナー、 アメリカ合衆国、俳優・プロデューサー・映画監督
- 1月17日 - 小山茉美、 日本、声優
- 1月22日 - 高橋恵子、 日本、女優
- 2月7日 - ミゲル・フェラー、 アメリカ合衆国、男優
- 2月15日 - クリストファー・マクドナルド、 アメリカ合衆国、男優
- 2月19日 - ジェフ・ダニエルズ、 アメリカ合衆国、男優
- 2月26日 - 武上純希、 日本、脚本家
- 3月4日 - 佐野史郎、 日本、男優
- 3月9日 - オルネラ・ムーティ、 イタリア、女優
- 3月17日 - ゲイリー・シニーズ、 アメリカ合衆国、男優・プロデューサー・映画監督
- 3月19日 - ブルース・ウィリス、 アメリカ合衆国、男優
- 3月22日 - レナ・オリン、 スウェーデン、女優
- 4月23日 - ジュディ・デイヴィス、 オーストラリア、女優
- 4月23日 - 平野文、 日本、声優
- 4月29日 - 田中裕子、 日本、女優
- 5月16日 - デブラ・ウィンガー、 アメリカ合衆国、女優
- 5月17日 - ビル・パクストン、 アメリカ合衆国、男優
- 5月18日 - チョウ・ユンファ、 イギリス領香港、男優
- 5月27日 - 内藤剛志、 日本、男優
- 5月31日 - スージー・エスマン、 アメリカ合衆国、女優
- 6月2日 - ダナ・カーヴィ、 アメリカ合衆国、男優・コメディ
- 6月8日 - グリフィン・ダン、 アメリカ合衆国、男優・映画監督
- 6月9日 - ジミー・スミッツ、 アメリカ合衆国、男優
- 6月15日 - ローリー・メトカーフ、 アメリカ合衆国、女優
- 6月21日 - 長谷川初範、 日本、男優
- 6月27日 - イザベル・アジャーニ、 フランス、女優
- 7月22日 - ウィレム・デフォー、 アメリカ合衆国、男優
- 8月4日 - ビリー・ボブ・ソーントン、 アメリカ合衆国、男優・映画監督・脚本家
- 8月10日 - 三波豊和、 日本、男優
- 8月19日 - ピーター・ギャラガー、 アメリカ合衆国、男優
- 8月25日 - 松澤一之、 日本、男優
- 8月27日 - ダイアナ・スカーウィッド、 アメリカ合衆国、女優
- 10月23日 - 坂口良子、 日本、女優
- 11月3日 - 堤幸彦、 日本、映画監督
- 11月13日 - ウーピー・ゴールドバーグ、 アメリカ合衆国、女優・コメディエンヌ
- 11月16日 - 國村隼、 日本、男優
- 12月3日 - メロディ・アンダーソン、 カナダ、女優
- 12月4日 - 滝田洋二郎、 日本、映画監督
- 12月9日 - 升毅、 日本、男優
- 12月9日 - 渡辺裕之、 日本、男優
- 12月12日 - 中村梅雀、 日本、男優
死去
[編集]日付 | 名前 | 出身国 | 年齢 | 職業 | |
2月 | 12日 | トム・ムーア | アメリカ合衆国 | 71 | 男優 |
4月 | 7日 | セダ・バラ | アメリカ合衆国 | 69 | 女優 |
8月 | 5日 | カルメン・ミランダ | ポルトガル | 46 | 歌手・女優 |
8月 | 30日 | ジェームズ・ディーン | アメリカ合衆国 | 24 | 男優 |
10月 | 1日 | チャールズ・クリスティー | カナダ | 75 | 映画スタジオ所有者 |
11月 | 22日 | シェンプ・ハワード | アメリカ合衆国 | 60 | 男優・コメディアン |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 『年表・映画100年史』では「外国語映画賞」ではなく「外国映画賞」となっている。また、『東宝五十年史』では「外国語映画賞」の記述が無く、「カラー衣装デザイン賞」が「衣裳デザイン賞(色彩映画)」となっている[2]。
- ^ 〔引用者註〕『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集』では「1954年」となっているが、IMDbの「1955年」を採用した。
- ^ 『松竹九十年史』では「8月」となっている[27]。
- ^ 『松竹九十年史』では「カラーフィルム」ではなく「天然色フィルム」となっている。
- ^ 日本映画連合会発行の『映画統計資料 : 昭和21年1月-30年12月(10年間)』によれば、8億8510万人(1年間に1人平均9.9回鑑賞)となっている[42]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h 谷川 1993, p. 126.
- ^ a b c d e f g 東宝 1982b, p. 69.
- ^ a b c d e f g h i 東宝 1982b, p. 70.
- ^ “水色の夜会服”. 映画.com. 2023年10月21日閲覧。 “シネパノラミック(シネマスコープと同方式)映画”
- ^ a b c d e f g 石原良太 1986, p. 88.
- ^ “水色の夜会服 (1955) - Release info” (英語). IMDb. 2023年10月18日閲覧。
- ^ “愛情は深い海の如く(1955) - Release info” (英語). IMDb. 2023年10月21日閲覧。
- ^ “大地のうた (1955) - Release info”. IMDb. 2023年10月21日閲覧。
- ^ “今日は何の日? 1955年9月30日 ジェームズ・ディーンが交通事故死”. 時事通信社. 2023年10月20日閲覧。
- ^ “オクラホマ! (1955) - Release info” (英語). IMDb. 2023年10月21日閲覧。
- ^ “夜の騎士道 (1955) - Release info” (英語). IMDb. 2023年10月21日閲覧。
- ^ “リチャード三世(1955) - Release info” (英語). IMDb. 2023年10月21日閲覧。
- ^ “松竹の歴史 作品 1950 -”. 松竹公式サイト. 松竹. 2023年12月10日閲覧。
- ^ “第12回 ゴールデングローブ賞(1955年)”. 映画.com. 2023年12月10日閲覧。
- ^ “毎日映画社 沿革”. 毎日映画社. 2019年9月9日閲覧。
- ^ a b c d 東映 1992, p. 20.
- ^ “これがシネラマだ(1952)”. allcinema. スティングレイ. 2019年9月10日閲覧。
- ^ a b 山川 1987, p. 239.
- ^ “ふろたき大将”. キネノート. キネマ旬報社. 2020年4月4日閲覧。
- ^ “ふろたき大将”. 東映ビデオ公式サイト. 東映ビデオ. 2020年4月4日閲覧。
- ^ 東映 1992, pp. 19–20, 22.
- ^ a b “東映クロニクル”. 東映公式サイト. 東映. 2020年4月1日閲覧。
- ^ “警察日記”. キネノート. キネマ旬報社. 2020年4月4日閲覧。
- ^ “沿革”. 日活公式サイト. 日活. 2020年4月4日閲覧。
- ^ “高校三年”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年12月31日閲覧。
- ^ “血槍富士”. キネノート. キネマ旬報社. 2020年4月4日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 松竹 1985, p. 681.
- ^ “会社案内:1955年誕生 総合映像ポストプロダクションとして”. 東京現像所. 2019年9月29日閲覧。 “東京現像所は1955年(昭和30年)4月22日、映画フィルムの現像所として緑豊かな東京都調布市に誕生しました。”
- ^ 日活 2014, pp. 60, 71.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 東宝 2010b, p. 209.
- ^ “蝶々夫人(1955)”. allcinema. スティングレー. 2019年9月10日閲覧。
- ^ 岡田元. “放送史料探訪 社会番組機関紙『ネットワーク』” (PDF). NHK. p. 1. 2020年1月1日閲覧。 “『時の動き』は, この当時, 日火木土の週4回, ラジオ第1放送で午後9時40分から20分間放送されていた番組で(後略)”
- ^ “桜映画社について:歩んできた道”. 桜映画社. 2019年9月29日閲覧。 “1955年(昭和30年)創立、東京都港区芝公園内に事務所を置く”
- ^ “学研映画の歴史”. 学研映像.com. Gakken. 2019年9月29日閲覧。 “学研に「映画部」が設立されたのは、1955年のことです。”
- ^ a b c d e f g 東宝 1982b, p. 71.
- ^ “新諸国物語 オテナの塔 前篇”. KINENOTE. キネマ旬報社. 2023年10月22日閲覧。
- ^ 東宝 1982b, p. 72.
- ^ 角川春樹、藤岡和賀夫、阿久悠『ザ・ブーム』角川書店、1982年1月25日、202頁。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ a b “過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
- ^ 『映画統計資料 : 昭和21年1月-30年12月(10年間)』日本映画連合会、1956年、16頁。NDLJP:1694281。
- ^ “修禅寺物語”. KINENOTE(キネノート). 2018年9月21日閲覧。
- ^ “亡命記”. KINENOTE(キネノート). 2018年9月21日閲覧。
- ^ “力道山物語 怒涛の男”. KINENOTE(キネノート). 2018年9月21日閲覧。
- ^ “シネラマ・ホリデー”. allcinema. 2018年9月22日閲覧。
- ^ “征服者”. allcinema. 2018年9月17日閲覧。
参考文献
[編集]- 石原良太 編『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集 : 栄光と虚栄・アカデミー賞からヨコハマ映画祭』芳賀書店、1986年6月。ISBN 4-8261-0520-7。
- 井上雅雄「映画産業の戦後「黄金期」の実態(下) : ポスト占領期の映画産業と大映の企業経営・補論」『立教經濟學研究』第71巻第2号、立教大学経済学研究会、2017年10月、67 - 107頁、doi:10.14992/00015468。 - 1953年から1956年の邦画各社の状況について書かれている。
- 松竹『松竹九十年史』松竹、1985年12月。全国書誌番号:87001945。
- 谷川義雄『年表・映画100年史』風濤社、1993年5月。ISBN 4-89219-113-2。
- 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746。
- 東宝『東宝五十年史』東宝、1982年11月。全国書誌番号:83041631。
- 渋沢社史データベース版(1982年11月刊行本が底本)
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。
- 日活『日活100年史 = Nikkatsu-celebrating 100 years of history』日活、2014年3月。全国書誌番号:22411179。
- 山川浩二『昭和広告60年史』講談社、1987年。ISBN 4-06-202184-6。