チューリップ賞
チューリップ賞 (桜花賞トライアル) | |
---|---|
第31回チューリップ賞(2024年3月2日) 優勝馬:スウィープフィート | |
開催国 | 日本 |
主催者 | 日本中央競馬会 |
競馬場 | 阪神競馬場 |
第1回施行日 | 1994年3月12日 |
2024年の情報 | |
距離 | 芝1600m |
格付け | GII |
賞金 |
1着賞金5200万円 |
出走条件 | サラ系3歳牝馬(国際)(指定) |
負担重量 | 馬齢(55kg) |
出典 | [1][2] |
チューリップ賞(チューリップしょう)は、日本中央競馬会(JRA)が阪神競馬場で施行する中央競馬の重賞競走(GII)である。
競走名の「チューリップ(Tulip)」は、ユリ科の球根植物[3]。品種改良によって数百種類もの色・形が存在する。茎が出て幅広い葉が数枚付き、4月 - 5月頃に大きな花を一つ咲かせる[3]。花言葉は「永遠の愛情」「愛の告白」「名声」など、色によってさまざまな解釈がある[4]。
概要
[編集]3着までの馬に桜花賞の優先出走権が付与されるトライアル競走で、桜花賞と同じ舞台で行われることから、同競走を目指す3歳牝馬にとって重要な競走となっている[3]。
本競走は1993年まで、「桜花賞指定オープン」として行われていた4歳(現3歳)牝馬限定の特別競走で2着以上に桜花賞の優先出走権が与えられていた[5]が、1994年から重賞 (GIII[注 1])に格上げされ、3着までに桜花賞の優先出走権が与えられるようになった[4]。翌年から桜花賞トライアルに指定[4]され、当レース出走馬から多数のクラシックホースを輩出してきた。2018年にGIIに昇格し、現在に至る。
地方競馬所属馬は1995年から[6]、外国産馬は2004年からそれぞれ出走可能になり[7]、2010年からは外国馬も出走可能な国際競走となった[8]。
競走条件
[編集]出走資格:サラ系3歳牝馬
- JRA所属馬
- 地方競馬所属馬(後述)
- 外国調教馬(優先出走)
負担重量:馬齢重量(55kg)
桜花賞のステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は桜花賞の出走候補馬(2頭まで)およびJRAの2歳GI競走優勝馬に優先出走が認められ[4][9][10]、JRAで行われる芝の3歳重賞競走優勝馬にも出走資格が与えられる[9]。
賞金
[編集]2022年の1着賞金は5200万円で、以下2着2100万円、3着1300万円、4着780万円、5着520万円[1][2]。
歴史
[編集]- 1994年 - 4歳牝馬限定の重賞(GIII[注 1])に格上げ、「桜花賞指定オープン重賞」として3着までに桜花賞の優先出走権を付与[4]。
- 1995年
- 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格を「3歳牝馬」に変更。
- 2004年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[7]。
- 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[11]。
- 2010年
- 2015年
- 出走可能頭数を18頭に拡大。
- 外国馬の出走枠を9頭に変更。
- 2018年 - GIIに昇格[12]。
- 2020年 - COVID-19の流行により、「無観客競馬」として実施[13](2021年も同様[14])。
- 2025年 - 施行日を日曜日に変更予定(実質はフィリーズレビューとの曜日の変更である)。
歴代優勝馬
[編集]コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。
優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。
回数 | 施行日 | 競馬場 | 距離 | 優勝馬 | 性齢 | タイム | 優勝騎手 | 管理調教師 | 馬主 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1994年3月12日 | 中京 | 1700m | アグネスパレード | 牝3 | 1:43.8 | 河内洋 | 長浜博之 | 渡辺孝男 |
第2回 | 1995年3月11日 | 京都 | 1600m | ユウキビバーチェ | 牝3 | 1:35.1 | 松永幹夫 | 新井仁 | 雪本秀樹 |
第3回 | 1996年3月2日 | 阪神 | 1600m | エアグルーヴ | 牝3 | 1:34.2 | O.ペリエ | 伊藤雄二 | 吉原毎文 |
第4回 | 1997年3月1日 | 阪神 | 1600m | オレンジピール | 牝3 | 1:37.7 | 河内洋 | 山内研二 | (有)社台レースホース |
第5回 | 1998年3月7日 | 阪神 | 1600m | ダンツシリウス | 牝3 | 1:36.9 | 四位洋文 | 山内研二 | 山元哲二 |
第6回 | 1999年3月6日 | 阪神 | 1600m | エイシンルーデンス | 牝3 | 1:35.1 | 野元昭嘉 | 野元昭 | 平井豊光 |
第7回 | 2000年3月4日 | 阪神 | 1600m | ジョーディシラオキ | 牝3 | 1:39.7 | 武幸四郎 | 松田国英 | (有)大成牧場 |
第8回 | 2001年3月3日 | 阪神 | 1600m | テイエムオーシャン | 牝3 | 1:35.3 | 本田優 | 西浦勝一 | 竹園正繼 |
第9回 | 2002年3月2日 | 阪神 | 1600m | ヘルスウォール | 牝3 | 1:35.2 | M.デムーロ | 森秀行 | 鈴木義孝 |
第10回 | 2003年3月8日 | 阪神 | 1600m | オースミハルカ | 牝3 | 1:35.9 | 安藤勝己 | 安藤正敏 | 山路秀則 |
第11回 | 2004年3月6日 | 阪神 | 1600m | スイープトウショウ | 牝3 | 1:35.5 | 池添謙一 | 鶴留明雄 | トウショウ産業(株) |
第12回 | 2005年3月5日 | 阪神 | 1600m | エイシンテンダー | 牝3 | 1:35.3 | 武幸四郎 | 武邦彦 | 平井豊光 |
第13回 | 2006年3月4日 | 阪神 | 1600m | アドマイヤキッス | 牝3 | 1:36.5 | 武豊 | 松田博資 | 近藤利一 |
第14回 | 2007年3月3日 | 阪神 | 1600m | ウオッカ | 牝3 | 1:33.7 | 四位洋文 | 角居勝彦 | 谷水雄三 |
第15回 | 2008年3月8日 | 阪神 | 1600m | エアパスカル | 牝3 | 1:35.8 | 藤岡佑介 | 池江泰寿 | (株)ラッキーフィールド |
第16回 | 2009年3月7日 | 阪神 | 1600m | ブエナビスタ | 牝3 | 1:36.5 | 安藤勝己 | 松田博資 | (有)サンデーレーシング |
第17回 | 2010年3月6日 | 阪神 | 1600m | ショウリュウムーン | 牝3 | 1:36.1 | 木村健 | 佐々木晶三 | 上田亙 |
第18回 | 2011年3月5日 | 阪神 | 1600m | レーヴディソール | 牝3 | 1:34.5 | 福永祐一 | 松田博資 | (有)サンデーレーシング |
第19回 | 2012年3月3日 | 阪神 | 1600m | ハナズゴール | 牝3 | 1:35.5 | C.デムーロ | 加藤和宏 | M.タバート |
第20回 | 2013年3月2日 | 阪神 | 1600m | クロフネサプライズ | 牝3 | 1:34.9 | 武豊 | 田所秀孝 | 畑清介 |
第21回 | 2014年3月8日 | 阪神 | 1600m | ハープスター | 牝3 | 1:34.3 | 川田将雅 | 松田博資 | (有)キャロットファーム |
第22回 | 2015年3月7日 | 阪神 | 1600m | ココロノアイ | 牝3 | 1:37.7 | 横山典弘 | 尾関知人 | (有)酒井牧場 |
第23回 | 2016年3月5日 | 阪神 | 1600m | シンハライト | 牝3 | 1:32.8 | 池添謙一 | 石坂正 | (有)キャロットファーム |
第24回 | 2017年3月4日 | 阪神 | 1600m | ソウルスターリング | 牝3 | 1:33.2 | C.ルメール | 藤沢和雄 | (有)社台レースホース |
第25回 | 2018年3月3日 | 阪神 | 1600m | ラッキーライラック | 牝3 | 1:33.4 | 石橋脩 | 松永幹夫 | (有)サンデーレーシング |
第26回 | 2019年3月2日 | 阪神 | 1600m | ダノンファンタジー | 牝3 | 1:34.1 | 川田将雅 | 中内田充正 | (株)ダノックス |
第27回 | 2020年3月7日 | 阪神 | 1600m | マルターズディオサ | 牝3 | 1:33.3 | 田辺裕信 | 手塚貴久 | 藤田在子 |
第28回 | 2021年3月6日 | 阪神 | 1600m | メイケイエール | 牝3 | 1:33.8 (同着) |
武豊 | 武英智 | 名古屋競馬(株) |
エリザベスタワー | 牝3 | 川田将雅 | 高野友和 | (有)社台レースホース | |||||
第29回 | 2022年3月5日 | 阪神 | 1600m | ナミュール | 牝3 | 1:33.2 | 横山武史 | 高野友和 | (有)キャロットファーム |
第30回 | 2023年3月4日 | 阪神 | 1600m | モズメイメイ | 牝3 | 1:34.0 | 武豊 | 音無秀孝 | (株)キャピタル・システム |
第31回 | 2024年3月2日 | 阪神 | 1600m | スウィープフィート | 牝3 | 1:33:1 | 武豊 | 庄野靖志 | (株)YGGホースクラブ |
1993年までの優勝馬
[編集]施行日 | 競馬場 | 距離 | 条件 | 優勝馬 | 性齢 | タイム | 優勝騎手 | 管理調教師 | 馬主 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1984年3月11日 | 阪神 | 1600m | オープン | ウラカワミユキ | 牝3 | 1:37.8 | 松永昌博 | 松永善晴 | 佐々木八郎 |
1985年3月10日 | 阪神 | 1600m | オープン | アイノサチ | 牝3 | 1:38.1 | 増井裕 | 土門健司 | 田中京子 |
1986年3月9日 | 阪神 | 1600m | オープン | レイホーソロン | 牝3 | 1:36.9 | 村本善之 | 小林稔 | 野村截夫 |
1987年3月15日 | 阪神 | 1600m | オープン | マックスビューティ | 牝3 | 1:38.2 | 田原成貴 | 伊藤雄二 | 田所祐 |
1988年3月13日 | 阪神 | 1600m | オープン | シヨノロマン | 牝3 | 1:37.2 | 武豊 | 庄野穂積 | 庄野昭彦 |
1989年3月12日 | 阪神 | 1600m | オープン | ヤンゲストシチー | 牝3 | 1:36.8 | 本田優 | 清水出美 | (株)友駿ホースクラブ |
1990年3月11日 | 阪神 | 1600m | オープン | アグネスフローラ | 牝3 | 1:36.4 | 河内洋 | 長浜博之 | 渡辺孝男 |
1991年3月10日 | 中京 | 1700m | オープン | シスタートウショウ | 牝3 | 1:44.1 | 角田晃一 | 鶴留明雄 | トウショウ産業(株) |
1992年3月15日 | 阪神 | 1600m | オープン | アドラーブル | 牝3 | 1:38.5 | 村本善之 | 小林稔 | 根岸治男 |
1993年3月13日 | 阪神 | 1600m | オープン | ベガ | 牝3 | 1:36.8 | 武豊 | 松田博資 | 吉田和子 |
脚注・出典
[編集]参考文献
[編集]- 「チューリップ賞(GIII)(桜花賞トライアル)」『中央競馬全重賞競走成績集 【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、1185-1208頁。
注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6 (2024年). 2024年4月29日閲覧。
- ^ a b c “2024年第1回阪神競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
- ^ a b c “2024年度第1回阪神競馬特別レース名解説” (PDF). 日本中央競馬会. p. 2. 2024年4月29日閲覧。
- ^ a b c d e f “レースについて:チューリップ賞 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
- ^ “チューリップ賞2022特集 - 歴史と概要”. 競馬予想のウマニティ. 2022年11月19日閲覧。
- ^ a b 『中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】』
- ^ a b 2004年の成績表参照。
- ^ a b c “第1回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 713-714 (2010年). 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- ^ a b “[地]が出走できるGI競走とそのステップ競走について【2024年度】” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
- ^ “競馬番組一般事項 V 出馬投票 2-(4)” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 20-22. 2024年4月29日閲覧。
- ^ “第1回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 682-683 (2007年). 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- ^ “平成30年度の重賞競走の主な変更点について” (PDF). 日本中央競馬会. 2020年6月21日閲覧。
- ^ “3月7日(土曜)、8日(日曜)の中央競馬の開催等について”. 日本中央競馬会 (2020年3月5日). 2020年6月21日閲覧。
- ^ “2月13日(土曜)からの競馬場・ウインズ等の営業(無観客競馬・発売取りやめ)”. 日本中央競馬会 (2021年2月4日). 2021年2月5日閲覧。
各回競走結果の出典
[編集]- 中央競馬全重賞競走成績集 【2歳・3歳編】 第1回 - 第12回
- JRA年度別全成績
- (2024年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2024年3月4日閲覧。(索引番号:07035)
- (2023年)“第1回 阪神競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2023年9月10日閲覧。(索引番号:04083)
- (2022年)“第1回 阪神競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2022年3月7日閲覧。(索引番号:04083)
- (2021年)“第1回 阪神競馬 第7日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2021年11月22日閲覧。(索引番号:04083)
- (2020年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2020年6月20日閲覧。(索引番号:06035)
- (2019年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2020年6月20日閲覧。(索引番号:07035)
- (2018年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2018年3月4日閲覧。(索引番号:07035)
- (2017年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2017年3月5日閲覧。(索引番号:07035)
- (2016年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年3月7日閲覧。(索引番号:07035)
- (2015年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:07035)
- (2014年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:07035)
- (2013年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:07035)
- (2012年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- (2011年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- (2010年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- (2009年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:07035)
- (2008年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- (2007年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- (2006年)“第1回 阪神競馬 第3日” (PDF). 日本中央競馬会. p. 11. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- (2005年)“第1回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 705-706. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- (2004年)“第1回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 708-709. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- (2003年)“第1回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 703-704. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- (2002年)“第1回 阪神競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 676-677. 2016年2月29日閲覧。(索引番号:06035)
- 1984年 - 「特別レース勝馬一覧」『優駿』1984年5月号、日本中央競馬会、134頁
- 1985年 - 「新馬・特別レース勝馬一覧」『優駿』1985年5月号、日本中央競馬会、145頁
- netkeiba.comより(最終閲覧日: 2024年3月4日)
外部リンク
[編集]- レース分析:チューリップ賞 今週の注目レース - 日本中央競馬会