1967年フランスグランプリ
レース詳細 | |||
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1967年F1世界選手権全11戦の第5戦 | |||
日程 | 1967年7月2日 | ||
正式名称 | 53e Grand Prix de l'ACF[1] | ||
開催地 |
ブガッティ・サーキット フランス ル・マン | ||
コース | 恒久的レース施設 | ||
コース長 | 4.430 km (2.753 mi) | ||
レース距離 | 80周 354.40 km (220.24 mi) | ||
決勝日天候 | 晴(ドライ) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | ロータス-フォード | ||
タイム | 1:36.2 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | グラハム・ヒル | ロータス-フォード | |
タイム | 1:36.7 (7[2]周目) | ||
決勝順位 | |||
優勝 | ブラバム-レプコ | ||
2位 | ブラバム-レプコ | ||
3位 | BRM |
1967年フランスグランプリ (1967 French Grand Prix) は、1967年のF1世界選手権第5戦として、1967年7月2日にブガッティ・サーキットで開催された。
1906年にル・マンで初開催されて以来、ブガッティ・サーキットで開催された唯一のフランスグランプリである。このコースは2000年以降、ロードレース世界選手権(MotoGP)のフランスグランプリが開催されている。
レース概要
[編集]フランスGPでこの年のみ開催されたブガッティ・サーキットは、ル・マン24時間レースで使用されるサルト・サーキットのスタート&フィニッシュラインを含んでいたが、新しいセクションはあまりにも曲がりくねっていて、ランスやルーアン、クレルモンフェランのような壮大さを持っていなかった。本レースの前週にランスで行われたF2レースでは、ほとんどのトップドライバーが参加していた[注 1]。その後、ルーアンでの別のF2レースを楽しみにしていたので、彼らはル・マンに感銘を受けなかった。観客動員数もわずか2万人であった[3]。
フェラーリは5月のモナコGPでロレンツォ・バンディーニが事故死したのに続き、前戦ベルギーGPでマイク・パークスがクラッシュし、両足を複雑骨折してドライバー生命を絶たれ、このクラッシュにショックを受けたルドビコ・スカルフィオッティが一時的にF1から引退[注 2]したため、この年抜擢された若いクリス・エイモンのみが参加した[4]。ホンダは前戦ベルギーGPで大破したエンジンの代替が間に合わず、本レースを欠場した[5][注 3]。ブルース・マクラーレンは自身(マクラーレン)の新車を準備できず[3]、イーグルの2台目を借りて参加した[6]。
スタート直後はポールポジションのグラハム・ヒルがリードしたが、1周でジャック・ブラバムに抜かれた。しかし、5周目にジム・クラークがブラバムを抜いてトップに立ち、7周目にヒルがブラバムを抜き返し、ロータスは1-2体制を築いた。その後、ヒルは11周目に首位の座を取り戻すが、14周目にクラウンホイール&ピニオンが壊れてリタイアした。これで再び首位となったクラークも24周目にヒルと同じ箇所の問題でリタイアし、ブラバムがダン・ガーニー、クリス・エイモン、デニス・ハルムを従えて首位に返り咲いた。ガーニーが41周目に燃料パイプが壊れてリタイアしたことによりブラバムの1-2体制となり、エイモンは数周後にスロットルケーブルが壊れてリタイアした[7]。これでペドロ・ロドリゲスが3位に浮上したが、燃料ラインが割れてピットインを強いられ後退した[3]。ブラバムはチームメイトのハルムに49.5秒差で前年のドイツGP以来8戦ぶりの勝利を挙げた。1周遅れでBRMのジャッキー・スチュワートが3位表彰台を獲得した。
エントリーリスト
[編集]チーム | No. | ドライバー | コンストラクター | シャシー | エンジン | タイヤ |
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スクーデリア・フェラーリ SpA SEFAC | 1 | ルドビコ・スカルフィオッティ 1 | フェラーリ | 312/67 | フェラーリ 242 3.0L V12 | F |
2 | クリス・エイモン | |||||
ブラバム・レーシング・オーガニゼーション | 3 | ジャック・ブラバム | ブラバム | BT24 | レプコ 740 3.0L V8 | G |
4 | デニス・ハルム | |||||
ホンダ・レーシング | 5 | ジョン・サーティース 2 | ホンダ | RA273 | ホンダ RA273E 3.0L V12 | F |
チーム・ロータス | 6 | ジム・クラーク | ロータス | 49 | フォード・コスワース DFV 3.0L V8 | F |
7 | グラハム・ヒル | |||||
アングロ・アメリカン・レーサーズ | 8 | ブルース・マクラーレン | イーグル | T1G | ウェスレイク 58 3.0L V12 | G |
9 | ダン・ガーニー | |||||
オーウェン・レーシング・オーガニゼーション | 10 | ジャッキー・スチュワート | BRM | P261 | BRM P60 2.1L V8 | G |
11 | マイク・スペンス | P83 | BRM P75 3.0L H16 | |||
クーパー・カー・カンパニー | 12 | ヨッヘン・リント | クーパー | T81B | マセラティ 10/F1 3.0L V12 | F |
14 | ペドロ・ロドリゲス | T81 | マセラティ 9/F1 3.0L V12 | |||
レグ・パーネル・レーシング | 15 | クリス・アーウィン | BRM | P83 | BRM P75 3.0L H16 | F |
ギ・リジェ | 16 | ギ・リジェ | クーパー | T81 | マセラティ 9/F1 3.0L V12 | F |
DWレーシング・エンタープライゼス | 17 | ボブ・アンダーソン | ブラバム | BT11 | クライマックス FPF 2.8L L4 | D |
ロブ・ウォーカー/ジャック・ダーラッシャー・レーシングチーム | 18 | ジョー・シフェール | クーパー | T81 | マセラティ 9/F1 3.0L V12 | F |
ヨアキム・ボニエ・レーシングチーム | 19 | ヨアキム・ボニエ 3 | クーパー | T81 | マセラティ 9/F1 3.0L V12 | F |
マトラ・スポール | 20 | ジャン=ピエール・ベルトワーズ 4 | マトラ | MS7 | フォード・コスワース FVA 1.6L L4 | D |
21 | ジョニー・セルボ=ギャバン 4 | |||||
ソース:[8] |
- 追記
- ^1 - スカルフィオッティはF1引退によりチームを離脱[4]
- ^2 - ホンダはエンジンが準備できず欠場[5]
- ^3 - マシンが準備できず[9]
- ^4 - エントリーしたが出場せず[9]
- ピンク地はF2マシン
結果
[編集]予選
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | タイム | 差 | グリッド |
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1 | 7 | グラハム・ヒル | ロータス-フォード | 1:36.2 | - | 1 |
2 | 3 | ジャック・ブラバム | ブラバム-レプコ | 1:36.3 | +0.1 | 2 |
3 | 9 | ダン・ガーニー | イーグル-ウェスレイク | 1:37.0 | +0.8 | 3 |
4 | 6 | ジム・クラーク | ロータス-フォード | 1:37.5 | +1.3 | 4 |
5 | 8 | ブルース・マクラーレン | イーグル-ウェスレイク | 1:37.6 | +1.4 | 5 |
6 | 4 | デニス・ハルム | ブラバム-レプコ | 1:37.9 | +1.7 | 6 |
7 | 2 | クリス・エイモン | フェラーリ | 1:38.0 | +1.8 | 7 |
8 | 12 | ヨッヘン・リント | クーパー-マセラティ | 1:38.9 | +2.7 | 8 |
9 | 15 | クリス・アーウィン | BRM | 1:39.4 | +3.2 | 9 |
10 | 10 | ジャッキー・スチュワート | BRM | 1:39.6 | +3.4 | 10 |
11 | 18 | ジョー・シフェール | クーパー-マセラティ | 1:40.1 | +3.9 | 11 |
12 | 11 | マイク・スペンス | BRM | 1:40.3 | +4.1 | 12 |
13 | 14 | ペドロ・ロドリゲス | クーパー-マセラティ | 1:40.5 | +4.3 | 13 |
14 | 17 | ボブ・アンダーソン | ブラバム-クライマックス | 1:44.9 | +8.7 | 14 |
15 | 16 | ギ・リジェ | クーパー-マセラティ | 1:45.2 | +9.0 | 15 |
ソース:[10]
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決勝
[編集]順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | グリッド | ポイント |
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1 | 3 | ジャック・ブラバム | ブラバム-レプコ | 80 | 2:13:21.3 | 2 | 9 |
2 | 4 | デニス・ハルム | ブラバム-レプコ | 80 | +49.5 | 6 | 6 |
3 | 10 | ジャッキー・スチュワート | BRM | 79 | +1 Lap | 10 | 4 |
4 | 18 | ジョー・シフェール | クーパー-マセラティ | 77 | +3 Laps | 11 | 3 |
5 | 15 | クリス・アーウィン | BRM | 76 | エンジン | 9 | 2 |
6 | 14 | ペドロ・ロドリゲス | クーパー-マセラティ | 76 | +4 Laps | 13 | 1 |
NC | 16 | ギ・リジェ | クーパー-マセラティ | 68 | 規定周回数不足 | 15 | |
Ret | 2 | クリス・エイモン | フェラーリ | 47 | スロットル | 7 | |
Ret | 9 | ダン・ガーニー | イーグル-ウェスレイク | 40 | 燃料漏れ | 3 | |
Ret | 12 | ヨッヘン・リント | クーパー-マセラティ | 33 | エンジン | 8 | |
Ret | 8 | ブルース・マクラーレン | イーグル-ウェスレイク | 26 | 燃料噴射装置 | 5 | |
Ret | 6 | ジム・クラーク | ロータス-フォード | 23 | ディファレンシャル | 4 | |
Ret | 17 | ボブ・アンダーソン | ブラバム-クライマックス | 16 | イグニッション | 14 | |
Ret | 7 | グラハム・ヒル | ロータス-フォード | 13 | ディファレンシャル | 1 | |
Ret | 11 | マイク・スペンス | BRM | 9 | ハーフシャフト | 12 | |
ソース:[11]
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- グラハム・ヒル - 1:36.7(7周目)
- ラップリーダー[12]
第5戦終了時点のランキング
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- 注: トップ5のみ表示。前半6戦のうちベスト5戦及び後半5戦のうちベスト4戦がカウントされる。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “Motor Racing Programme Covers: 1967”. The Programme Covers Project. 20 October 2017閲覧。
- ^ a b “France 1967 - Best laps”. STATS F1. 2019年6月11日閲覧。
- ^ a b c “French GP, 1967”. grandprix.com. 2019年6月11日閲覧。
- ^ a b (林信次 1995, p. 42-43)
- ^ a b (中村良夫 1998, p. 214)
- ^ (林信次 1995, p. 50-51)
- ^ (アラン・ヘンリー 1989, p. 229)
- ^ “France 1967 - Race entrants”. STATS F1. 2019年6月12日閲覧。
- ^ a b “France 1967 - Result”. STATS F1. 2019年6月12日閲覧。
- ^ “France 1967 - Qualifications”. STATS F1. 2019年6月12日閲覧。
- ^ “1967 French Grand Prix”. formula1.com. 19 February 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。26 September 2015閲覧。
- ^ “France 1967 - Laps led”. STATS F1. 2019年6月13日閲覧。
- ^ a b “France 1967 - Championship”. STATS F1. 15 March 2019閲覧。
参照文献
[編集]- en:1967 French Grand Prix(2019年3月15日 11:56:40(UTC))より翻訳
- 林信次『F1全史 1966-1970 [3リッターF1の開幕/ホンダ挑戦期の終わり]』ニューズ出版、1995年。ISBN 4-938495-06-6。
- アラン・ヘンリー『チーム・フェラーリの全て』早川麻百合+島江政弘(訳)、CBS・ソニー出版、1989年12月。ISBN 4-7897-0491-2。
- 中村良夫『F-1グランプリ ホンダF-1と共に 1963-1968 (愛蔵版)』三樹書房、1998年。ISBN 4-89522-233-0。
外部リンク
[編集]前戦 1967年ベルギーグランプリ |
FIA F1世界選手権 1967年シーズン |
次戦 1967年イギリスグランプリ |
前回開催 1966年フランスグランプリ |
フランスグランプリ | 次回開催 1968年フランスグランプリ |