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2001年の福岡ダイエーホークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2001年の福岡ダイエーホークス
成績
パシフィック・リーグ2位
76勝63敗1分 勝率.547
本拠地
都市 福岡県福岡市
球場 福岡ドーム
球団組織
オーナー 中内正
経営母体 ダイエー
球団社長 高塚猛
監督 王貞治
選手会長 小久保裕紀
スローガン
Super Hawks 2001〜鷹の時代
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2001年の福岡ダイエーホークスでは、2001年シーズンについての福岡ダイエーホークスの動向をまとめる。

この年の福岡ダイエーホークスは、王貞治監督の7年目のシーズンである。

概要

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20世紀最後の年に2年連続の日本一を逃したものの、連覇で締めくくったチームは3連覇が期待された。前年の日本シリーズ前に主力投手の藤井将雄が32歳で死去するなどリリーフ陣を含めて投手陣の弱体化が懸念されたが、打撃陣は連覇に貢献したメルビン・ニエベスの後釜としてペドロ・バルデスが入団し、衰えの見え始めた秋山幸二に代わって柴原洋が1番を打つなど終始好調で、チーム本塁打とチーム打率はリーグ2位。チームは投手陣の不振を小久保裕紀松中信彦らの打撃陣がカバーする形で7月まで近鉄オリックス西武と首位争いを展開し、8月には14勝10敗で勝ち越して首位を固めるかに見えた。しかし、9月以降貯金1で伸び悩みまた2連覇の立役者だったロドニー・ペドラザや、「ナベジイ」こと渡辺正和などのリリーフが救援失敗を連発して首位から陥落。投手陣は打線の援護で勝つ試合が多く、チーム防御率が前年から低下して4.49と、リーグ4位に後退。打線の奮闘もむなしく、最後は近鉄の12年ぶり優勝を許し2位に終わった。この年優勝した近鉄のタフィ・ローズは王監督が巨人時代の1964年に記録した55本塁打に並んだものの、ダイエー投手陣の敬遠攻めで記録更新はならなかった。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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オーダー変遷
開幕:3/24 5/1 6/2 7/1 8/1 9/1
1 柴原洋 柴原洋 柴原洋 柴原洋 柴原洋 柴原洋
2 バルデス バルデス バルデス 村松有人 大道典良 バルデス
3 井口資仁 井口資仁 井口資仁 バルデス 井口資仁 井口資仁
4 小久保裕紀 小久保裕紀 小久保裕紀 小久保裕紀 小久保裕紀 小久保裕紀
5 松中信彦 松中信彦 松中信彦 松中信彦 松中信彦 松中信彦
6 城島健司 城島健司 城島健司 城島健司 秋山幸二 城島健司
7 ミッチェル 大道典良 秋山幸二 ミッチェル 城島健司 坊西浩嗣
8 大野倫 ミッチェル 大道典良 浜名千広 バルデス 村松有人
9 鳥越裕介 鳥越裕介 鳥越裕介 鳥越裕介 鳥越裕介 本間満
西村龍次 田之上慶三郎 ラジオ 山田秋親 ラジオ 若田部健一

[1]

2001年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 近鉄 -- オリックス -- 近鉄 -- 近鉄 -- ダイエー -- 近鉄 --
2位 ダイエー 0.5 ダイエー 1.0 ダイエー 2.5 ダイエー 1.5 近鉄 0.5 ダイエー 2.5
3位 オリックス 2.0 ロッテ 1.5 オリックス 3.5 西武 2.5 西武 3.5 西武 6.0
4位 ロッテ 2.5 近鉄 1.5 ロッテ 4.5 オリックス 3.5 オリックス 6.5 オリックス 7.0
5位 西武 3.0 西武 3.5 西武 5.5 ロッテ 7.0 ロッテ 7.0 ロッテ 14.0
6位 日本ハム 7.0 日本ハム 13.5 日本ハム 14.0 日本ハム 18.5 日本ハム 18.5 日本ハム 24.5
期間
成績
17勝13敗
勝率.567
11勝10敗1分
勝率.524
11勝11敗
勝率.500
11勝8敗
勝率.579
14勝10敗
勝率.583
12勝11敗
勝率.522
2001年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 大阪近鉄バファローズ 78 60 2 .565 優勝
2位 福岡ダイエーホークス 76 63 1 .547 2.5
3位 西武ライオンズ 73 67 0 .521 6.0
4位 オリックス・ブルーウェーブ 70 66 4 .515 7.0
5位 千葉ロッテマリーンズ 64 74 2 .464 14.0
6位 日本ハムファイターズ 53 84 3 .387 24.5

オールスターゲーム

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  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
監督 王貞治
抑え投手 ペドラザ 3
捕手 城島健司 5
二塁手 井口資仁
内野手 松中信彦 3
小久保裕紀 6(1)
外野手 秋山幸二 17
柴原洋 2
指名打者 大道典嘉
  • 太字はファン投票による選出。選出回数のカッコ内は上記回数中事故のため不出場のもの。

個人成績

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投手成績

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  • 色付きは規定投球回数(140イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/星野順治 30 28 3 1 0 13 9 0 762 175.2 197 24 50 7 82 0 0 93 85 4.35 1.41
/田之上慶三郎 29 27 5 1 1 13 7 0 716 171.2 172 16 42 2 99 2 0 85 72 3.77 1.25
/ラジオ 22 22 2 0 0 9 6 0 570 125.1 145 11 58 10 66 6 2 66 60 4.31 1.62
/若田部健一 22 16 2 1 1 6 4 0 469 106.1 134 20 23 1 66 1 0 56 52 4.40 1.48
/倉野信次 34 8 1 0 0 7 4 1 388 88.1 83 11 47 5 58 3 0 37 37 3.77 1.47
/吉田修司 68 0 0 0 0 3 6 0 323 71.2 80 7 36 1 70 1 0 38 26 3.27 1.62
/岡本克道 66 0 0 0 0 5 4 1 267 63.2 57 6 26 0 52 2 0 22 20 2.83 1.30
/ペドラザ 54 0 0 0 0 4 4 34 238 56.2 63 10 10 2 32 0 2 24 23 3.65 1.29
/永井智浩 13 9 0 0 0 3 2 0 241 51.1 61 11 31 1 29 3 0 39 37 6.49 1.79
/山田秋親 10 9 1 1 0 2 2 0 218 48.1 43 5 32 3 25 4 0 29 29 5.40 1.55
/篠原貴行 33 0 0 0 0 3 0 0 192 41.2 52 4 17 0 28 3 0 31 29 6.26 1.66
/佐久本昌広 23 3 0 0 0 1 1 0 200 41.2 54 5 25 3 25 3 1 24 23 4.97 1.90
/渡辺正和 48 0 0 0 0 3 1 0 185 41.0 48 6 16 3 16 0 1 23 23 5.05 1.56
/ヘイニー 7 7 0 0 0 2 4 0 138 31.1 34 7 12 1 16 0 1 22 20 5.74 1.47
/松修康 9 5 0 0 0 1 3 0 132 27.2 31 4 18 0 24 0 0 19 16 5.20 1.77
/吉武真太郎 18 0 0 0 0 0 1 0 100 22.2 29 6 7 0 21 1 0 14 14 5.56 1.59
/斉藤和巳 7 3 1 0 0 0 1 0 104 22.1 28 4 11 1 16 1 0 11 11 4.43 1.75
/長冨浩志 26 0 0 0 0 1 2 0 89 22.0 18 3 8 1 13 2 0 9 9 3.68 1.18
/ 8 0 0 0 0 0 0 0 57 13.1 15 3 6 0 5 1 0 10 8 5.40 1.58
/西村龍次 2 2 0 0 0 0 2 0 35 7.1 12 2 2 0 3 0 0 7 7 8.59 1.91
/日笠雅人 7 0 0 0 0 0 0 0 26 5.2 6 0 3 0 3 0 0 3 3 4.76 1.59
/水田章雄 2 0 0 0 0 0 0 0 22 5.0 6 0 1 0 3 0 0 3 3 5.40 1.40
/小椋真介 1 1 0 0 0 0 0 0 22 5.0 6 0 2 0 5 1 0 5 5 9.00 1.60
/アキラ 3 0 0 0 0 0 0 0 24 4.2 10 1 0 0 2 0 0 5 5 9.64 2.14
/広田庄司 1 0 0 0 0 0 0 0 10 1.0 6 1 0 0 0 0 0 6 6 54.00 6.00
/土井雅弘 1 0 0 0 0 0 0 0 6 0.2 2 0 1 1 0 0 0 3 2 27.00 4.50
/渡辺秀一 1 0 0 0 0 0 0 0 2 0.1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0.00 3.00

打撃成績

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  • 色付きは規定打席(434打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/柴原洋 139 644 587 95 177 35 2 7 237 49 8 7 6 4 46 1 1 102 4 .302 .351 .404 .755
/井口資仁 140 636 552 104 144 26 1 30 262 97 44 9 9 2 61 0 12 117 14 .261 .346 .475 .821
/バルデス 137 611 526 95 163 31 0 21 257 81 1 1 2 6 77 4 0 85 13 .310 .394 .489 .883
/小久保裕紀 138 605 535 108 155 32 1 44 321 123 6 1 0 5 62 3 3 97 6 .290 .364 .600 .964
/城島健司 140 578 534 63 138 18 0 31 249 95 9 4 5 2 31 2 6 55 17 .258 .305 .466 .772
/松中信彦 130 551 479 81 160 29 0 36 297 122 2 0 0 5 57 5 10 77 6 .334 .412 .620 1.032
/鳥越裕介 122 358 304 34 53 9 3 2 74 16 6 4 26 1 26 0 1 85 2 .174 .241 .243 .484
/大道典良 104 335 302 35 98 20 0 5 133 36 0 3 6 2 24 0 1 36 4 .325 .374 .440 .814
/秋山幸二 82 287 269 31 77 13 3 11 129 32 1 0 0 0 17 0 1 43 6 .286 .331 .480 .811
/村松有人 121 261 242 34 60 3 6 0 75 18 14 2 2 1 15 1 1 28 4 .248 .293 .310 .603
/ミッチェル 65 214 181 17 35 1 0 10 66 20 0 0 0 1 30 0 2 72 4 .193 .313 .365 .678
/浜名千広 42 78 72 7 14 1 0 2 21 3 1 0 1 0 5 0 0 27 1 .194 .247 .292 .538
/野々垣武 48 75 68 7 15 2 0 1 20 5 2 0 4 0 2 0 1 17 4 .221 .254 .294 .548
/坊西浩嗣 40 74 63 2 12 0 0 0 12 5 0 0 2 0 6 0 3 10 1 .190 .292 .190 .482
/本間満 29 59 56 9 11 1 1 2 20 6 0 0 2 0 1 0 0 14 2 .196 .211 .357 .568
/大越基 81 27 26 12 6 0 1 0 8 1 4 0 0 0 1 0 0 3 0 .231 .259 .308 .567
/林孝哉 49 21 18 4 4 0 0 1 7 6 0 0 1 0 2 0 0 7 0 .222 .300 .389 .689
/内之倉隆志 17 19 17 0 3 1 0 0 4 2 0 0 0 0 2 0 0 5 0 .176 .263 .235 .498
/大野倫 6 11 9 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 2 0 0 4 0 .111 .273 .111 .384
/出口雄大 6 7 7 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .143 .143 .143 .286
/荒金久雄 2 7 6 1 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 .167 .286 .167 .452
/川﨑宗則 1 5 4 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 0 0 0 0 .000 .200 .000 .200
/吉本亮 2 3 3 1 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .333 .333 .333 .667
/森山一人 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

できごと

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  • 8月31日 - MLBのボストン・レッドソックスが業務提携を締結[2]
  • 9月19日 - 松中信彦が9月17日からこの日の試合まで球団記録の11打席連続出塁(6安打5四球)[3]
  • 9月26日 - 日本プロ野球史上2球団目の観客動員300万人突破[4]
  • 9月30日 - ダイエーは対近鉄戦でタフィ・ローズに対し敬遠策を取る。試合後、バッテリーコーチの若菜嘉晴が監督の王貞治のシーズン本塁打記録を守る為に敬遠を指示したとコメント。翌10月1日にコミッショナーからフェアプレーを求める異例の声明が出され、翌10月2日にはダイエーに対し、パ・リーグ会長が厳重注意[5]
  • この年からホーム用及びビジター用のユニフォームに「エムシーコーポレーション」のスポンサーワッペンが付けられた(ユニフォームの左袖)

選手・スタッフ

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[6]

表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
井口資仁 盗塁王 44個 初受賞
ペドラザ 最優秀救援投手 38SP 2年連続2度目
吉田修司 最多ホールド投手 19H 3年ぶり2度目
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
城島健司 捕手 3年連続3度目
井口資仁 二塁手 初受賞
ゴールデングラブ賞
選手名 ポジション 回数
城島健司 捕手 3年連続3度目
井口資仁 二塁手 初受賞
柴原洋 外野手 2年連続2度目

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1巡目 寺原隼人 投手 日南学園高 入団
2巡目 (選択権なし)
3巡目 杉内俊哉 投手 三菱重工長崎 入団
4巡目 神内靖 投手 延岡学園高 入団
5巡目 北野良栄 捕手 星稜高 入団
6巡目 飯島一彦 投手 新日本製鐵君津 入団
7巡目 養父鉄 投手 日産自動車 入団
8巡目 井手正太郎 内野手 日南学園高 入団

出典

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  1. ^ 『2002 ベースボール・レコード・ブック』ベースボール・マガジン社、2001年。ISBN 4-583-03677-9 
  2. ^ パシフィック・リーグ略史(2001年~) | パ・リーグ/BLUE BOOK”. パシフィック野球連盟. 2014年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月14日閲覧。
  3. ^ 個人打撃連続記録(3) Archived 2013年12月3日, at the Wayback Machine.パ・リーグ公式サイト
  4. ^ ソフトバンク刊「王貞治監督 ホークス14年の軌跡」36ページ
  5. ^ ベースボールマガジン社刊「日本プロ野球事件史1934-2013」104ページ
  6. ^ 背番号の変遷”. 福岡ソフトバンクホークス. 2023年4月14日閲覧。