ワールドプレミア (競走馬)
ワールドプレミア | |||||||||
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2019年菊花賞 | |||||||||
欧字表記 | World Premiere | ||||||||
品種 | サラブレッド | ||||||||
性別 | 牡 | ||||||||
毛色 | 黒鹿毛 | ||||||||
生誕 | 2016年2月1日(8歳) | ||||||||
抹消日 | 2021年11月25日[1] | ||||||||
父 | ディープインパクト | ||||||||
母 | マンデラ | ||||||||
母の父 | Acatenango | ||||||||
生国 | 日本(北海道安平町) | ||||||||
生産者 | ノーザンファーム | ||||||||
馬主 | 大塚亮一 | ||||||||
調教師 | 友道康夫(栗東) | ||||||||
調教助手 | 安田晋司 | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 12戦4勝 | ||||||||
獲得賞金 | 4億5594万3000円 | ||||||||
WBRR | E119 / 2021年[2] | ||||||||
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ワールドプレミア(欧字名:World Premiere、2016年2月1日 - )は、日本の競走馬[3]。主な勝ち鞍は、2019年の菊花賞、2021年の天皇賞(春)。
なお、同名の競走馬が過去に中央競馬に存在していたが[注 1][4]本項では2016年生まれの同名の競走馬について記述する。
経歴
デビュー前
2016年7月に北海道苫小牧市で開催されたセレクトセールに上場され、大塚総合税理士法人代表の大塚亮一に2億4000万円で落札された[5]。「世界規模での上映会を目指して」[6]という由来から「ワールドプレミア」と名付けられ、栗東の友道康夫厩舎に入厩する。
2018年(2歳)
10月21日に行われた京都競馬場の2歳新馬に武豊を鞍上に迎えて出走。「伝説の新馬戦[注 2][注 3]」とも呼ばれるこの条件 の一戦で1番人気に応えてデビュー戦を勝利する[7]。重賞初挑戦となった京都2歳ステークスではクラージュゲリエに次ぐ2番人気に推されたが、その3着に敗れた[8]。
2019年(3歳)
年明け初戦は条件戦のつばき賞に出走。2番人気となったがレースでは直線で2着ユニコーンライオンを退けて2勝目を飾る[9]と、続いて出走したリステッド競走の若葉ステークスでも若駒ステークスを快勝したヴェロックスに次ぐ2番人気に推されたがその2着に敗れた[10]。
次走には青葉賞 (GII)を予定していたが、ソエのため出走を見送り、春の全休が決まった[11]。
復帰戦の神戸新聞杯では皐月賞馬サートゥルナーリア、本馬が出走しなかった皐月賞や日本ダービーで善戦した先述のヴェロックスに次ぐ3番人気に推された。レースはサートゥルナーリアが快勝。本馬はヴェロックスに続く形で3着に入り、菊花賞への優先出走権を獲得した[12]。
そして迎えたクラシック最後の一冠菊花賞にはサートゥルナーリアが天皇賞(秋)を目指し、ダービー馬ロジャーバローズが屈腱炎により既に引退していた為、皐月賞馬、ダービー馬共に不在となり混戦模様となった中で3番人気に推された。レースでは直線で先頭に立って、外から猛然と追い上げた8番人気サトノルークスをクビ差で凌いで優勝、重賞及びGI初制覇を成し遂げた[13]。鞍上の武豊は本馬の父ディープインパクトで制覇して以来の菊花賞5勝目を果たすと共に、最年長50歳での菊花賞優勝、昭和・平成・令和の3元号全てで菊花賞制覇を達成した初めての騎手となった[14]。調教師の友道康夫は、この勝利で自身の管理馬による牡馬クラシック三冠制覇を達成した[15]。
次走は第64回有馬記念に出走。武豊にとっては史上初の3元号での同競走騎乗[16]となり、圧倒的支持を集めたアーモンドアイ、GI競走2連勝中のリスグラシュー、サートゥルナーリアに次ぐ4番人気に推された。レースではスタートが決まらず後方からの競馬となるも、鞍上が「決め打ちしかチャンスがない」[17]と判断し、最後方に待機して前を追走。アエロリットがハイペースで逃げ、結果的にはアーモンドアイ含めて先行勢が総崩れ[18]となる展開の中、最後の直線で脚を伸ばし、優勝したリスグラシューには離されたものの2着サートゥルナーリアにクビ差の3着となった[19]。
2020年(4歳)
有馬記念終了後、「春は天皇賞春、秋は天皇賞秋とジャパンカップを目標に」と公表されたが[17]、4歳を迎えた2020年2月21日、体調が整わないため、天皇賞(春)を回避することが発表された[20]。その後は休養に入り、秋に予定していた天皇賞(秋)も回避することになった。11か月ぶりのレースとなった第40回ジャパンカップは中団の内を追走し、直線バテずにじわじわと伸びて6着に入った[21]。続く第65回有馬記念は5番手追走から3コーナーで位置取りを下げたものの最後は脚を伸ばし5着となった。
2021年(5歳)
年明け初戦、日経賞は武豊が負傷により騎乗できないため、石橋脩に乗り替わりとなった[22]。レースは中団から3コーナーで前に前につけていったが0.1秒差及ばず3着に敗れた。
次走は天皇賞(春)に出走。レースでは好位追走から最後の直線でディープボンドを3/4馬身差し切って優勝。勝ち時計3分14秒7は阪神芝3200mレコードタイム。初騎乗の福永祐一は、この勝利で史上二例目の天皇賞春秋親子制覇を達成した。
その後は休養に入り、半年ぶりとなった天皇賞(秋)は岩田康誠が騎乗、後方2番手につけて末脚勝負に賭けたが伸びず11着に沈んだ。
その後、ジャパンカップへの出走を予定していたが体調が整わず回避。11月25日付で競走馬登録を抹消され、現役を引退した。引退後は北海道新冠町の優駿スタリオンステーションで種牡馬入りする予定[1]。
競走成績
以下の内容は、netkeiba.comの情報[23]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(状態) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2018.10.21 | 京都 | 2歳新馬 | 芝1800m(良) | 13 | 6 | 9 | 1.8 (1人) | 1着 | 1:48.0(34.9) | -0.0 | 武豊 | 55 | (メイショウテンゲン) | 472 | |
11.24 | 京都 | 京都2歳S | GIII | 芝2000m(良) | 9 | 2 | 2 | 3.4 (2人) | 3着 | 2:02.2(34.5) | 0.7 | 武豊 | 55 | クラージュゲリエ | 464 |
2019. 2.16 | 京都 | つばき賞 | 500万下 | 芝1800m(良) | 8 | 1 | 1 | 4.5 (2人) | 1着 | 1:47.3(36.1) | -0.2 | 武豊 | 56 | (ユニコーンライオン) | 476 |
3.16 | 阪神 | 若葉S | L | 芝2000m(稍) | 10 | 4 | 4 | 3.2 (2人) | 2着 | 2:02.6(35.2) | 0.5 | 武豊 | 56 | ヴェロックス | 474 |
9.22 | 阪神 | 神戸新聞杯 | GII | 芝2400m(良) | 8 | 8 | 8 | 13.2 (3人) | 3着 | 2:27.5(32.3) | 0.7 | 武豊 | 56 | サートゥルナーリア | 472 |
10.20 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 3 | 5 | 6.5 (3人) | 1着 | 3:06.0(35.8) | -0.0 | 武豊 | 57 | (サトノルークス) | 484 |
12.22 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500m(良) | 16 | 4 | 7 | 13.4 (4人) | 3着 | 2:31.4(35.0) | 0.9 | 武豊 | 55 | リスグラシュー | 492 |
2020.11.29 | 東京 | ジャパンC | GI | 芝2400m(良) | 15 | 2 | 3 | 45.4 (7人) | 6着 | 2:23.8(35.0) | 0.8 | 武豊 | 57 | アーモンドアイ | 482 |
12.27 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500m(良) | 16 | 3 | 5 | 13.5 (5人) | 5着 | 2:35.6(36.3) | 0.6 | 武豊 | 57 | クロノジェネシス | 484 |
2021. 3.27 | 中山 | 日経賞 | GII | 芝2500m(良) | 15 | 2 | 2 | 5.0 (2人) | 3着 | 2:33.4(34.5) | 0.1 | 石橋脩 | 57 | ウインマリリン | 488 |
5. 2 | 阪神 | 天皇賞(春) | GI | 芝3200m(良) | 17 | 1 | 1 | 5.2 (3人) | 1着 | R3:14.7(36.7) | -0.1 | 福永祐一 | 58 | (ディープボンド) | 484 |
10.31 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 16 | 4 | 7 | 30.2 (6人) | 11着 | 1:59.1(33.7) | 1.2 | 岩田康誠 | 58 | エフフォーリア | 480 |
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す
エピソード
- 序文で触れられている同名の競走馬「ワールドプレミア」は社台サラブレッドクラブの募集馬であったが、本記事の主題となる競走馬「ワールドプレミア」の馬主である大塚亮一はその出資者の一員で名付け親でもあった[24]。
血統表
ワールドプレミアの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ヘイロー系 |
[§ 2] | ||
父 ディープインパクト 2002 鹿毛 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ウインドインハーヘア1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | ||
Lady Rebecca | ||||
Burghclere | Busted | |||
Highclere | ||||
母 *マンデラ Mandela 2000 栗毛 |
Acatenango 1982 |
Surumu | Literat | |
Surama | ||||
Aggravate | Aggressor | |||
Raven Locks | ||||
母の母 Mandellicht1994 |
Be My Guest | Northern Dancer | ||
What a Treat | ||||
Mandelauge | Elektrant | |||
Mandriale F-No.3-d | ||||
母系(F-No.) | 3号族(FN:3-d) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer 5×4 | [§ 4] | ||
出典 |
- 母マンデラはドイツオークス3着。叔父(マンデラの半弟)にイスパーン賞、プリンスオブウェールズステークス、ジャック・ル・マロワ賞を制したマンデュロがいる。
- 全兄にきさらぎ賞、マイラーズカップを制したワールドエース、半弟に鳴尾記念、日経新春杯を制したヴェルトライゼンデ(父ドリームジャーニー)がいる。
脚注
注釈
出典
- ^ a b “ワールドプレミアが競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2021年11月25日). 2021年11月25日閲覧。
- ^ 国際競馬統括機関連盟 (IFHA) “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings”. 2022年1月26日閲覧。
- ^ “ワールドプレミア|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2020年10月26日閲覧。
- ^ “ワールドプレミア”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月30日閲覧。
- ^ “「マンデラの2016」が2億4000万円”. netkeiba.com. 2020年10月19日閲覧。
- ^ “ワールドプレミアの軌跡 菊花賞でG1初制覇!武豊騎手が3元号G1制覇を達成”. netkeiba.com. 2020年10月19日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【2歳新馬】京都5R ワールドプレミアが「伝説の新馬戦」制す”. サンスポZBAT!競馬. 2019年10月20日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【京都2歳S】ワールドプレミア直線で盛り返すも3着 武豊「気性が若い」”. サンスポZBAT!競馬. 2019年10月20日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【つばき賞】ワールドプレミアが差し切りV”. サンスポZBAT!競馬. 2019年10月20日閲覧。
- ^ “【若葉S】ワールドプレミアしぶとく伸び2着 つかんだ皐月賞優先出走権 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2019年10月20日閲覧。
- ^ “【JRA】ワールドプレミアはソエのため春全休へ | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2019年10月20日閲覧。
- ^ “【神戸新聞杯】ワールドプレミアが3着で「菊切符」ゲット 武豊「距離は問題なかった」 : スポーツ報知”. hochi.news. 2019年10月20日閲覧。
- ^ “【菊花賞】ワールドプレミアが悲願のV 武豊、父ディープにささげるV導く(スポニチアネックス)”. Yahoo!ニュース. 2019年10月20日閲覧。
- ^ “【菊花賞】ワールドV! 武豊が史上初3元号GI制覇”. サンスポZBAT!競馬 (2019年10月21日). 2020年5月5日閲覧。
- ^ “【菊花賞】友道師 牡馬3冠「うれしい」 武豊を絶賛「さすが」”. スポニチ Sponichi Annex (2019年10月21日). 2020年6月23日閲覧。
- ^ “【有馬記念】武豊 令和元年はプレミアVで飾る!有馬史上初3元号騎乗へ高まる期待”. www.sponichi.co.jp. 2019年12月29日閲覧。
- ^ a b “【有馬記念】ワールドプレミア納得3着 豊の作戦はまった「ためるだけためて」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2019年12月29日閲覧。
- ^ “【有馬記念】アーモンドアイまさかの9着で初の馬券圏外 ルメール「冷静に走れなかった」”. サンスポZBAT!競馬 (2019年12月22日). 2019年12月29日閲覧。
- ^ “【有馬記念】大外から猛追! ワールドプレミア3着”. サンスポZBAT!競馬 (2019年12月23日). 2019年12月29日閲覧。
- ^ “ワールドプレミア天皇賞回避 友道調教師「症状は重いものではない」”. スポーツ報知 (2020年2月22日). 2020年5月5日閲覧。
- ^ “【ジャパンC】ワールドプレミア久々の実戦で6着 武豊「思い通りの競馬はできた」”. サンスポZBAT!競馬 (2020年11月29日). 2021年11月11日閲覧。
- ^ “【日経賞】ワールドプレミアの鞍上は石橋脩騎手に 武豊騎手の骨折で | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年11月11日閲覧。
- ^ “ワールドプレミア | 競走馬データ - netkeiba”. netkeiba.com. 2019年10月20日閲覧。
- ^ クロコスミア、Wプレミア所有大塚氏語る 国内G1制覇そして海外へ膨らむ夢 - スポニチアネックス、2023年1月25日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ワールドプレミア|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月20日閲覧。
- ^ a b c “ワールドプレミアの血統表”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年10月20日閲覧。