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「松山駅 (愛媛県)」の版間の差分

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2020年2月15日 (土) 01:23時点における版

松山駅
四国旅客鉄道(JR四国)松山駅舎
まつやま
Matsuyama
地図
所在地 愛媛県松山市南江戸・宮田町
所属事業者 四国旅客鉄道(JR四国・駅詳細
日本貨物鉄道(JR貨物・駅詳細
伊予鉄道駅詳細
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松山駅(まつやまえき)は、愛媛県松山市南江戸一丁目にある、四国旅客鉄道(JR四国)・日本貨物鉄道(JR貨物)予讃線。駅案内パネルのコメントは「坊っちゃん、マドンナと道後温泉の駅」。松山市駅と共に、愛媛県の代表駅(県庁所在地駅)である。駅番号はJR四国がY55U00、伊予鉄道は05

伊予鉄道大手町線JR松山駅前停留場についてもここで記述する。

歴史

開業当時の松山駅

1927年に高松方面から延びてきた予讃線の駅として開業したが、松山市内には既に1888年に開業していた伊予鉄道の松山駅が存在していた。国有鉄道を当時運営していた鉄道省では伊予鉄道に駅名改称を要求し、伊予鉄道は国鉄駅の名前を「伊予松山駅」とすればよいと反発した。鉄道省は伊予鉄の運輸課長を東京の本省に呼び出して圧力を掛けるなどし、結局伊予鉄側が折れて伊予鉄の駅を松山市駅に改称して松山駅の名前を国鉄に譲った[1]。しかし国鉄の駅は市街地から離れていて、その後も松山における中心駅としての地位は松山市駅が占め続け、国鉄(→JR)の駅は長距離客のみ使用するものという雰囲気が形成され、現在に至る。現在JR線上に存在する都道府県代表駅(46駅)で最後に開業した駅となっている。

JR四国

伊予鉄道

  • 1927年昭和2年)4月3日:鉄道省松山駅の開業と同時に古町 - 松山間の連絡線が地方鉄道法による鉄道として開通。
  • 1936年(昭和11年)5月1日:古町 - 国鉄駅前(現在の松山駅前) - 西堀端間が軌道法による軌道として開業。古町 - 松山間の連絡線廃止。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:JR発足に伴い、停留場名を国鉄駅前から松山駅前に変更。

駅構造

JR四国

JR 松山駅
駅舎(2015年9月)
まつやま
Matsuyama
Y54 三津浜 (3.7 km)
(3.5 km) 市坪 U01
所在地 愛媛県松山市南江戸一丁目14-1
北緯33度50分25.4秒 東経132度45分5秒 / 北緯33.840389度 東経132.75139度 / 33.840389; 132.75139 (松山駅)座標: 北緯33度50分25.4秒 東経132度45分5秒 / 北緯33.840389度 東経132.75139度 / 33.840389; 132.75139 (松山駅)
駅番号 Y55・U00
所属事業者 四国旅客鉄道(JR四国)
日本貨物鉄道(JR貨物)
所属路線 予讃線
キロ程 194.4 km(高松起点)
電報略号 マツ
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度-
6,982人/日(降車客含まず)
-2018年-
開業年月日 1927年昭和2年)4月3日
備考 みどりの窓口
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愛媛県の県庁所在地でもある松山市の代表駅で、駅舎に接した単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の合計2面3線のホームを有する地上駅である。駅構内には車両基地松山運転所)が置かれている。みどりの窓口や自動券売機はあるがJRの人口30万人以上の都市の中心駅で唯一自動改札機はない。事務管コードは▲701452を使用している[5]

伊予市 - 伊予大洲間で伊予灘沿いの予讃線旧線を経由して宇和島方面に向かう列車は、同区間の愛称である「愛ある伊予灘線・伊予長浜経由(行先駅名)行き」と案内される。

2011年4月19日より、列車接近メロディが「瀬戸の花嫁」から「この街で」に変更されている。これは松山市とのパートナーシップ協定の一環であり、当日には協定締結式がホームにて行われた。なおこのメロディが採用されたのは松山市「ことばのちから」イベントで生まれた歌であることから。

2015年5月15日より、松山市とJR四国が「瀬戸内・松山」構想の協定締結を行った取り組みの一つとして、「この街で」から「春や昔」に変更されている[6][7]

駅舎は1953年に改築されたものである。エントランスの三角屋根は小説坊っちゃんの旧制松山中学や初代松山駅をイメージしたもので、これは2000年のリニューアルの際に新設されたものである。この時のリニューアル時には他にも改札口付近を木目調に改修、駅前にガス灯を設置するなどしており、レトロな雰囲気を漂わせている[3]

高架化が計画されており、着工している。詳細は「高架化事業」の節を参照。

のりば

のりば 路線 方向 行先
1・2・3 予讃線 上り 今治高松岡山方面
下り 八幡浜宇和島方面

特急は原則として1番のりばを使用するが、宇和島方面の一部は2番のりばも使用する。伊予市方面の普通列車は主に2・3番のりばを使用するが、今治方面の普通列車のホームは固定されていない。

当駅では、1番のりば北側に岡山高松発着の「しおかぜ」・「いしづち」、南側に宇和島発着の「宇和海」が向かい合わせに止まる珍しい形態を取ることが多い。そのため写真にあるように1番のりばの有効長が2番・3番のりばの有効長より長く、12両編成分の長さがある。2014年ダイヤ改正までは、下り基準で「しおかぜ」編成の前側と「宇和海」の後ろ側は自由席がメインで、指定席・グリーン車を利用しての「しおかぜ」「宇和海」相互の乗り換えには時間と距離を要していたが、同改正で「しおかぜ」は編成が逆転し前側がグリーン車・指定席となったため、指定席利用客の乗り換えが便利になるように改善された。2016年ダイヤ改正では、下り基準で「宇和海」の指定席が後側に変更されるため、指定席同士の乗換えが更に便利になった。また、電車を使用する「しおかぜ」「いしづち」はここで折り返すため、車内清掃終了後すぐに発車となる(到着後10分程度で発車する)。

伊予鉄道

伊予鉄道 JR松山駅前停留場
JR松山駅前電停(2015年)
JR まつやまえきまえ
JR Matsuyama Station
06 宮田町 (0.4 km)
(0.3 km) 大手町駅前 04
所在地 愛媛県松山市宮田町
駅番号 05
所属事業者 伊予鉄道
所属路線 大手町線
キロ程 0.8 km(古町起点)
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗降人員
-統計年度-
4011[8]人/日
-2015年-
開業年月日 1927年昭和2年)4月3日
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愛媛県道19号松山港線上に千鳥式に配置された2面2線の安全地帯が設けられている電停である。市内電車(松山市内線)の1、2、5号線が使用する。本電停を境に古町方は単線、西堀端方は複線となっている。それぞれ、松山市駅・道後温泉方面行きと、古町・木屋町方面行きとなっている。後者については5号線が当駅を終着とするため、継続電車と当駅終着電車で停車位置を分けている。

のりば

JR松山駅前
ホーム 路線 行先
1 1号線 環状 木屋町赤十字病院前方面
2 2号線 環状 松山市駅行き
5号線 大街道道後温泉行き

市内電車の延伸

後述する松山駅周辺の高架化が完成した暁には、電停が予讃線直下に移設される[9]

同時に、松山駅下を潜る形で、将来の市内電車による松山空港乗り入れを視野に入れて南江戸地区までの約700mが延伸されることも決定している[10][11]。 詳細な電停配置や、環状運転をどのように扱うのかなどは不明。

貨物駅

JR貨物松山駅
JR貨物松山駅
JR貨物松山営業所
JR貨物松山営業所

JR貨物の施設は、駅舎の南側に位置する。本線を挟んだ西側は松山運転所が広がる。コンテナホーム2面、荷役線3本が設置されている。駅の着発線と荷役線は市坪駅方面に伸びる引き上げ線を介して接続している。また、駅構内には営業窓口のJR貨物松山営業所も置かれている。

取り扱う貨物の種類

貨物列車

2014年3月改正時点での貨物列車は、1日1往復高松貨物ターミナル駅方面との間に高速貨物列車が運行されている。なお、当駅終着の下り列車は高松貨物ターミナル駅始発だが、当駅始発の上り列車は大阪貨物ターミナル駅まで直通する[12]

利用状況

人口50万人を抱える四国最大の県庁所在地の代表駅としては利用者は少ない。これは当駅が松山市街地の西端に位置することや、長距離客の利用が中心で短距離の利用は伊予鉄道の方が利便性が良いこと、松山市駅が市の実質的な中心駅としての機能を担っていることなどが挙げられる。

年度 1日平均
乗車人数[14]
2000年 8,461
2001年 8,205
2002年 7,907
2003年 7,718
2004年 7,461
2005年 7.368
2006年 7,282
2007年 7,245
2008年 7,593
2009年 7,090
2010年 7,125
2011年 7,238
2012年 7,287
2013年 7,373
2014年 7,179
2015年 7,258
2016年 7,135
2017年 7,172
2018年 6,982
1日平均乗車人員(単位:人/日)

バスのりば

伊予鉄バスのりば
伊予鉄バスのりば
JR四国バスのりば
JR四国バスのりば

駅前には伊予鉄バスとJR四国バスのバスのりばが設置されている。

一般路線バス

伊予鉄バス

  • (8) JR松山駅前・松山市駅 - 愛媛大学農学部前 - 道後温泉駅前
  • (10) 久米駅前 - 大街道 - 松山市駅 - JR松山駅前・津田団地前
  • (52・53) 奥道後・湯の山ニュータウン - 道後温泉駅前 - 松山市駅 - 松山空港(旧空港通り経由)
  • (62) 松山市駅・JR松山駅前 - 勝岡東・運転免許センター
  • 〈特急〉JR松山駅 - 松山市駅 - 四国がんセンター - (国道11号桜三里経由) - 小松 - 西条 - 新居浜駅前(瀬戸内運輸と共同運行)
  • 松山空港リムジン 道後温泉 - 大街道 - 松山市駅 - JR松山駅前 - 松山空港(新空港通り経由)
  • 松山観光港リムジン 道後温泉 - 大街道 - 松山市駅 - JR松山駅前 - 松山観光港

JR四国バス

高速バス

松山市駅前発着の高速バスはJR松山駅前を経由しないものも多い。

新高速乗合バス(ツアーバスから移行した高速バス)は、ロータリーとは別の場所にバス停を置いている。

松山駅東(ホテルニューカジワラ前)

駅弁

2018年4月2日、弁当製造販売の有限会社鈴木弁当店(1870年料亭として創業、1938年から当駅にて駅弁販売開始、1960年4月有限会社設立)が事業停止となり、当駅の駅弁は途絶えることになった[15]

しかしながら「醤油めし」の消滅を惜しむ声が多いことからJR四国の子会社である四国キヨスクとステーションクリエイト東四国が岡山駅の駅弁業者である三好野本店に依頼し「醤油めし」を復活させた[16]。復活に際し鈴木弁当店のレシピを受け継いでいるという。

主な駅弁は下記の通り[17]

  • 松山名物 醤油めし

駅周辺

高架化事業

2014年現在、松山駅では高架化事業が進んでいる[18][9][19]。2008年に都市計画決定および事業計画決定がなされ、同年より先行買収に着手した。先行買収は2011年度中に終了している。また、並行して埋蔵文化財の調査も行われている。

経緯

当駅は松山市の玄関口のひとつであるが、1953年に建築され老朽化した駅舎が現役である。2000年に駅本屋をレトロ調に改装したものの、駅舎の西方に運転所が併設されている関係で西口が設置できないなど、旧態依然とした構造ゆえに依然として利用者に不便を強いている。くわえて、予讃線により当駅付近の中心市街地・主要道路が南北に分断されており、朝夕のラッシュ時には踏切により交通が遮断されるなど、都市生活にも支障を来しており、高架化による改良が決定された。

また、当駅は松山市街の中心(大街道や松山市駅など)からはずれた中心市街地西端に位置している。これは、全国的に同様の事例がいくつかあったようだが、国鉄線開業が昭和に入ってからと遅かったため松山市が市街中心部への鉄道引き込みを拒否したためである[要出典]。結果、当時の温泉郡南江戸村(現・松山市南江戸1丁目)の田園地帯に駅をすることになり、周辺部に市街化調整区域が点在する状況にある。道路も狭隘で、市街地として抜本的な改良が待たれる。そのため、土地区画整理事業を行うことも決定された。これは高架化とあわせて市街地としての再生も目指すものである。

事業概要

具体的には

  • 貨物駅および松山運転所北伊予駅 - 伊予横田駅間に移転(車両基地の名称は未定)
  • 近隣の複線化
  • 旅客ホームを含む延長2.4kmの高架化と8か所の踏切除去
  • 西口駅前広場の整備
  • 東口駅前の再開発等
  • 伊予鉄道大手町線の軌道引込および松山西部環状線付近までの軌道延長
  • サクラメント通りのアンダーパス区間の埋め戻し

である。

完成は愛媛県で国民体育大会が開催される2017年度を予定していたが、事業計画の遅れにより2020年度に変更された。その後、用地取得の長期化により、2024年度に再変更された[20]

詳細は、松山駅周辺整備課(松山市ホームページ)を参照。

松山市駅との関係

松山市内には、前述の通り伊予鉄道の松山市駅もある。こちらは「市駅」と略して呼ぶことが多い。特に区別を要する場合、松山駅は「JR松山駅」と呼ばれる。路線の関係から、JR松山駅は主として県内外の主要都市と結ぶ足のやや長い交通、伊予鉄道の方は松山平野内の交通と棲み分けている。どちらかというと、松山市駅の方が市内中心部に近いことから、両社の相互乗り入れは絶えず課題となっている。ただし架線電圧の違い(予讃線は直流1500V、伊予鉄道線は直流750V)など、相互乗り入れには障害も多い。また、予讃線西衣山駅を伊予鉄道高浜線西衣山駅に併設して連絡させる計画もあった。

隣の駅

※特急「しおかぜ「いしづち」「ミッドナイトEXP松山」「モーニングEXP松山」宇和海」、観光列車「伊予灘ものがたり」の停車駅は各列車記事を参照。

四国旅客鉄道(JR四国)
予讃線
三津浜駅 (Y54) - 松山駅 (Y55, U00) - 市坪駅 (U01)
伊予鉄道
環状線(1号線・2号線)
大手町駅前停留場 (04) - JR松山駅前停留場 (05) - 宮田町停留場 (06)
5号線
大手町駅前停留場 (04) - JR松山駅前停留場 (05)
坊っちゃん列車
南堀端停留場 (03) - JR松山駅前停留場 (05) - 古町駅 (07)

参考文献

  • JR四国20年のあゆみ(2007年3月31日、四国旅客鉄道株式会社発行)

脚注

  1. ^ 武智 恒喜 「伊予鉄道開業120年をめぐって」 鉄道ピクトリアル802号 pp.27-31 電気車研究会 2008年4月
  2. ^ a b c 交建設計・駅研グループ、1996、『駅のはなし 明治から平成まで』改訂初版、成山堂書店 ISBN 4-425-76032-8 p. 130
  3. ^ a b JR四国20年のあゆみ268頁
  4. ^ 第1回松山駅まち会議 - 松山市松山駅周辺整備課、2019年9月16日閲覧。
  5. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  6. ^ "松山市・JR四国の連携・協力に関する協定締結式ならびにJR松山駅到着メロディーを「春や昔」の導入について" (Press release). 松山市・四国旅客鉄道. 12 May 2015. 2015年5月12日閲覧
  7. ^ “JR四国、松山駅メロディー「春や昔」導入 - 松山市との協定の取組みで実施”. マイナビニュース (マイナビ). (2015年5月14日). http://news.mynavi.jp/news/2015/05/14/176/ 2015年5月14日閲覧。 
  8. ^ 国土数値情報(駅別乗降客数データ) - 国土交通省、2017年11月16日閲覧
  9. ^ a b JR松山駅付近連続立体交差事業
  10. ^ 幹線道路・路面電車計画 - 松山市
  11. ^ JR松山駅付近の都市計画道路図 (PDF)
  12. ^ 『貨物時刻表 平成26年3月ダイヤ改正』、鉄道貨物協会、2014年、105頁。 
  13. ^ 会社案内 - JR四国
  14. ^ 愛媛県統計年鑑、2008年度以降はJR四国の会社概要
  15. ^ 愛媛 弁当製造販売(有)鈴木弁当店~駅弁「醤油めし」製造元、松山駅から駅弁消える~TSR速報(大型倒産情報・注目企業動向) 2018年4月4日 東京商工リサーチ
  16. ^ 松山の名物駅弁「醤油めし」復活 伝統の味を継承日本経済新聞
  17. ^ 『JR時刻表』2019年3月号、交通新聞社、2019年、484頁。 
  18. ^ 松山駅周辺整備課
  19. ^ JR松山駅付近連続立体交差事業(愛媛県実施鉄道高架事業)
  20. ^ "大洲・八幡浜自動車道整備事業(八幡浜道路、夜昼道路)およびJR松山駅付近連続立体交差事業の事業計画変更について" (PDF) (Press release). 愛媛県. 28 April 2017. 2017年4月29日閲覧

関連項目

外部リンク