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芦川駅 (北海道)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
芦川駅
跡地。機器室は残っている(2005年5月)
あしかわ
Ashikawa
徳満 (5.7 km)
(4.3 km) 兜沼
地図
所在地 北海道天塩郡豊富町字芦川
北緯45度11分45.7秒 東経141度44分12.5秒 / 北緯45.196028度 東経141.736806度 / 45.196028; 141.736806座標: 北緯45度11分45.7秒 東経141度44分12.5秒 / 北緯45.196028度 東経141.736806度 / 45.196028; 141.736806
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 宗谷本線
キロ程 226.6 km(旭川起点)
電報略号 シハ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1926年(大正15年)9月25日[1]
廃止年月日 2001年(平成13年)7月1日[2]
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1977年の芦川駅と周囲約500m範囲の状況。上が稚内方面。千鳥式ホームに駅舎とその横に貨物積卸場の建家及び引込線を有する一般駅で、駅を建設した当初のサロベツ原野開拓拠点としての意気込みが窺える。しかしこの写真の時点では、周辺の民家は殆どなく、積むべき貨物も見当たらない。駅の右上に職員官舎が二棟見える。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

芦川駅(あしかわえき)は、北海道宗谷支庁天塩郡豊富町字芦川にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線廃駅)である。電報略号シハ事務管理コードは▲121846[3]

歴史

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駅名の由来

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当駅の所在する地名より。現在のサロベツ川を指すアイヌ語の「サㇻオマペッ(sar-oma-pet)」(原・にある・川)を意訳したもの、とされる[5][13][14]

駅構造

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地上駅。廃止時点で南稚内駅管理の無人駅となっていた。

かつてはホームが千鳥式に配置された相対式ホーム2面2線を有する列車交換可能な交換駅であったが[15]、廃止時点で交換設備が廃止され、線路の東側(駅舎側)に単式ホーム1面1線を有する分岐器を持たない棒線駅となっていた[13]

交換設備が設置されていたころは駅舎側(東側)ホーム(1番線)南側と対向ホーム(2番線)北側を結ぶ構内踏切が設置されていた[15]。そのほか1番線の旭川方から分岐し駅舎南側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線有していた[15]。交換設備運用廃止後は、使われなくなった2番線の線路は撤去されたが、ホーム前後の線路は分岐器の名残で湾曲していた[13]

駅舎は末期はヨ3500形車掌車[16]を改造した貨車駅舎となっていた[13]。ホームの有効長は1番線、廃止された2番線共に50mであった[15]

隣の兜沼駅近くの民家敷地内に廃止当時の駅舎として使われていた貨車駅舎が移設保存されている。

兜沼駅近くに移設保存されている芦川駅の貨車駅舎。

利用状況

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乗車人員の推移は以下の通り。年間の値のみ判明している年度は日数割で算出した参考値を括弧書きで示す。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。

乗車人員推移
年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均
1978年(昭和53年) 6 [17]
1981年(昭和56年) (2.5) [15] 1日乗降客数5人
1992年(平成04年) (0.0) [13] 1日乗降客数0人
2000年(平成12年) (0.5) [18]

駅周辺

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附近一帯はサロベツ原野の一部でほとんど何もなかった。駅前に芦川会館という集会所があったが、集会所より先に集落が消滅してしまい、使われないまま放置されていた。

隣の駅

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北海道旅客鉄道
宗谷本線(当駅廃止時点)
徳満駅 - 芦川駅 - 兜沼駅

脚注

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  1. ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、903頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '02年版』ジェー・アール・アール、2002年7月1日、184頁。ISBN 4-88283-123-6 
  3. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、240頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年1月15日閲覧 
  4. ^ 大蔵省印刷局, ed (1926-09-20). “鉄道省告示 第173号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (4233). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2956373/4. 
  5. ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、182頁。ASIN B000J9RBUY 
  6. ^ a b c 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 20号・宗谷本線/留萌本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年11月2日、14-17頁。 
  7. ^ 鉄道百年記念 旭鉄略年表(1972年)』日本国有鉄道旭川鉄道管理局、1972年、32頁。doi:10.11501/12061017https://dl.ndl.go.jp/pid/12061017/ 
  8. ^ 「きょうから客貨物取り扱いを廃止 旭鉄局の13駅」『北海道新聞』1977年5月25日、朝刊、道北版。
  9. ^ 「国鉄が荷物扱い廃止計画 来年2月から実施 各地に反発の声」『名寄新聞』1983年4月16日。
  10. ^ 「予定通り来月から合理化 旭鉄局3線区 貨物、荷物取り扱い駅はわずか」『北海道新聞』1984年1月29日、朝刊、道北版。
  11. ^ “「通報」●函館本線江部乙駅ほか49駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 1. (1984年11月9日) 
  12. ^ 「“列車待合室”が登場 宗谷本線合理化を象徴」『名寄新聞』1985年7月8日。
  13. ^ a b c d e 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、150-151頁。ISBN 4-09-395401-1 
  14. ^ アイヌ語地名リスト ア~イチ P1-10”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2014年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月20日閲覧。
  15. ^ a b c d e 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館、1983年7月発行)186ページより。
  16. ^ 書籍『ダルマ駅へ行こう!』(著:笹田昌宏、小学館文庫2007年5月発行)19ページより。
  17. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、890頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  18. ^ 書籍『時刻表の謎』(著:三宅俊彦新人物往来社2003年6月発行)59ページより。
  19. ^ 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)17ページより。

関連項目

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