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初野駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
初野駅
駅全景(2017年10月)
はつの
Hatsuno
W54 美深 (3.6 km)
(10.2 km) 恩根内 W57
地図
所在地 北海道中川郡美深町字富岡
北緯44度30分47.7秒 東経142度20分8.7秒 / 北緯44.513250度 東経142.335750度 / 44.513250; 142.335750座標: 北緯44度30分47.7秒 東経142度20分8.7秒 / 北緯44.513250度 東経142.335750度 / 44.513250; 142.335750
駅番号 W55
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 宗谷本線
キロ程 101.9 km(旭川起点)
電報略号 ハノ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
10人/日
-2014年-
開業年月日 1948年昭和23年)6月
廃止年月日 2024年令和6年)3月16日[JR北 1]
備考 無人駅
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初野駅(はつのえき)は、北海道中川郡美深町字富岡[注 1]にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線である。事務管理コードは▲121825[1]駅番号W55

歴史

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1977年の初野駅と周囲約500m範囲の状況。上が稚内方面。稚内側に十四線道の踏切。待合室は確認できない。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

1947年(昭和22年)5月31日、斑渓、吉野、富岡、西里地区住民の強い要望によって、美深駅 - 紋穂内駅間に仮乗降場の設置を運輸省や国鉄に陳情したことが始まりとされる。同年9月には「初野乗降場設置促進期成会」も発足し、建設工事の資材や労力、待合所の建物は地域住民の負担によって提供し、1948年(昭和23年)6月に仮乗降場が設置された[3]

2019年(令和元年)にJR北海道が宗谷本線沿線自治体に、2018年までの過去5年の1日平均乗降人員が3名以下の駅の廃止か維持費用負担を求めた際[新聞 1]、当駅の過去5年1日平均乗降人員は3人を越えていたため[JR北 2]、特に存廃の議論は発生せず、翌々年の2021年(令和3年)3月に美深町内で利用僅少の3駅が廃止になった際にも当駅は存続した。

しかし、2020年(令和2年)以降は過去5年の1日平均乗降人員が3人を割っていたこともあり、2021年(令和3年)6月にはJR北海道から美深町に当駅の廃止が打診され[4]、2024年(令和6年)3月に廃止となった[JR北 1]

年表

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駅名の由来

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1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道駅名の起源』では「部落名をそのまま駅名としたが、その由来については定かではない[6]」としている。しかし、位置する集落名は現在「富岡」となっている[8]

ただし、設置に当たって地元で「初野乗降場設置促進期成会」を結成しており、当初からこの仮乗降場名が予定されていたと考えられる[8]

駅構造

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稚内方面に向かって左側に木造板張りの簡易型単式ホーム1面1線を有した地上駅[9]。稚内側に踏切があり、側にプレハブの待合所(幅 2.7 m 、奥行 1.85 m、美深町所有[7][2])を持っていた。無人駅

利用状況

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乗車人員の推移は以下の通り。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで1日平均乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

乗車人員推移
年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1960年(昭和35年) (28,850) (79.0) [8] 年間乗降客数57,700人
1978年(昭和53年) 9.0 [10]
1992年(平成04年) (92.0) [9] [注 2]
2015年(平成27年) 「10名以下」 [JR北 3]
2016年(平成28年) 3.4 [JR北 4]
2017年(平成29年) 3.8 [JR北 5]
2018年(平成30年) 3.8 [JR北 2]
2019年(令和元年) 3.2 [JR北 6]
2020年(令和02年) 2.2 [JR北 7]
2021年(令和03年) 1.6 [JR北 8]
2022年(令和04年) 1.0 [JR北 9]
2023年(令和05年) 0.8 [JR北 10] 営業最終年度[注 3]

駅周辺

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線路西側の富岡、東側の吉野・斑渓の3地区の境界に位置し、民家の点在する田園地帯。約300m西方に並行して走る国道を望む。

隣の駅

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北海道旅客鉄道(JR北海道)
宗谷本線(当駅廃止時点)
美深駅 (W54) - 初野駅 (W55) - *紋穂内駅 (W56) - 恩根内駅 (W57)
*打消線は廃駅

脚注

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注釈

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  1. ^ 当駅の所在地は富岡と吉野の境界となっており、国鉄では当駅の所在地を「美深町富丘(富岡の誤植か)[1]」としていたが、美深町の町有財産であった待合所の設置位置は、廃止後の公売時に「美深町吉野272番地1[2]」となっていた。
  2. ^ 1日乗降客数184人となっているが[9]、誤植の可能性もある。
  3. ^ 同年4月から高校生1人が列車通学していたが、それを除くと利用がほとんどなかった[新聞 6]

出典

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  1. ^ a b 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、239頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年1月15日閲覧 
  2. ^ a b c 美深町企画商工観光課 企画グループ 企画係 (2024年10月11日). “旧初野駅の公売処分について”. 美深町. 2024年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月12日閲覧。
  3. ^ 『美深町史』美深町、1971年11月1日。 
  4. ^ a b 朝生, 樹「JR北海道、宗谷線初野駅の24年3月廃止検討 美深町に意向示す」『北海道新聞デジタル』北海道新聞社、2023年6月14日。オリジナルの2023年6月14日時点におけるアーカイブ。2023年6月14日閲覧。
  5. ^ a b 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 20号・宗谷本線/留萌本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年11月2日、14-17頁。 
  6. ^ a b 北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、177頁。ASIN B000J9RBUYdoi:10.11501/12068975https://dl.ndl.go.jp/pid/12068975/1/272023年7月13日閲覧 
  7. ^ a b 美深町公共施設等総合管理計画”. 美深町 (2016年5月). 2023年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月14日閲覧。
  8. ^ a b c “全駅DATA 石北本線②(上川~網走) 宗谷本線”. 週刊JR全駅・全車両基地 (朝日新聞出版) (No.60): pp.19-27. (2013-10-03). 
  9. ^ a b c 宮脇俊三原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、147頁。ISBN 4-09-395401-1 
  10. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、888頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 

JR北海道

[編集]
  1. ^ a b c 2024年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2023年12月15日。オリジナルの2023年12月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20231215050147/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20231215_KO_kaisei.pdf2023年12月15日閲覧 
  2. ^ a b 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  3. ^ 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
  4. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2017年12月8日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月30日閲覧。
  5. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2017年7月2日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月13日閲覧。
  6. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3・4 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月3日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  8. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  9. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。
  10. ^ 宗谷線(旭川・稚内間) 事業の抜本的な改善方策の実現に向けた実行計画(2024(令和6)~2026(令和8)年度)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2024年). 2024年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月8日閲覧。

新聞記事

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  1. ^ “宗谷線の無人駅管理 自治体に要請 JR「負担か廃止」 3月期限、悩む沿線”. 北海道新聞. (2019年12月12日). オリジナルの2019年12月12日時点におけるアーカイブ。. https://archive.vn/rLCSB 2020年3月28日閲覧。 
  2. ^ 住民の利便性向上 美深・初野駅に待合所新設(名寄新聞、1996年7月17日)
  3. ^ JR北海道、42無人駅の廃止検討 道内全駅の1割強、4駅は来春にも」『北海道新聞北海道新聞社、2023年6月17日。オリジナルの2023年6月17日時点におけるアーカイブ。2023年6月24日閲覧。
  4. ^ 宗谷本線初野駅 存廃で協議進められる 7月までに結論、JRへ回答(名寄新聞、2023年6月16日)
  5. ^ 朝生, 樹「美深・恩根内駅の廃止、自治会受け入れ 初野駅も」『北海道新聞デジタル』北海道新聞社、2023年7月12日。オリジナルの2023年7月12日時点におけるアーカイブ。2023年7月12日閲覧。
  6. ^ a b 初野駅、恩根内駅「廃止やむなし」 美深町 自治会から報告受ける 今後、JRと最終決定へ(名寄新聞、2023年7月12日)
  7. ^ JR北海道 初野駅、恩根内駅が廃止 来年3月16日ダイヤ改正で(名寄新聞、2023年12月17日)
  8. ^ JR恩根内駅、初野駅 地域に根差した駅、別れ惜しむ 住民たちが列車見送る 自治会で「さよならイベント」 名寄新聞、2024年3月17日
  9. ^ a b 美深町 旧初野駅待合所を公売 23日に説明会、28日に入札(名寄新聞、2024年10月18日)

関連項目

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外部リンク

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