コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

豊清水信号場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
豊清水信号場
旅客営業末期の駅舎(駅前通り側)
(2017年10月)
とよしみず
Toyoshimizu
W54 美深 (19.6 km)
(3.6 km) 天塩川温泉 W59
地図
所在地 北海道中川郡美深町字清水
北緯44度38分22秒 東経142度16分12.8秒 / 北緯44.63944度 東経142.270222度 / 44.63944; 142.270222座標: 北緯44度38分22秒 東経142度16分12.8秒 / 北緯44.63944度 東経142.270222度 / 44.63944; 142.270222
駅番号 W58
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 宗谷本線
キロ程 117.9 km(旭川起点)
電報略号 トス
駅構造 地上駅
ホーム 2線
乗降人員
-統計年度-
4人/日
-2011年-
開業年月日 1946年昭和21年)10月10日[1]
備考 2021年令和3年)3月13日に旅客扱いを廃止し[JR北 1][JR北 2][新聞 1]、信号場化[新聞 2]
テンプレートを表示

豊清水信号場(とよしみずしんごうじょう)は、北海道中川郡美深町字清水にある北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線信号場である。電報略号トス事務管理コードは▲121828[2]。旅客営業末期の駅番号W58

歴史

[編集]
1977年の豊清水駅と周囲約500m範囲の状況。左上が稚内方面。島式ホーム1面2線。駅舎横の名寄側に貨物積卸場と引込み線。この時点で既に貨物取扱いをやめて久しい様子。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

大正時代から入植者による駅設置の請願が行われていた[3]。その後仮乗降場を経て駅として営業されていたが、利用者減少に伴い2021年(令和3年)3月13日に旅客扱いを廃止し[JR北 1][JR北 2][新聞 1]、信号場となった[新聞 2]

年表

[編集]

信号場名の由来

[編集]

所在地の美深町清水および隣接する常盤村清水(現在は音威子府村咲来の一部)の両地区の名称に、「将来豊かな所になるように[6]」「豊かな清水[4]」との意味を込めて「豊」を冠したとされる[3][6][9][10]

「清水」の名称については美深・音威子府町村境を流れる現在のペペケナイ川を指すアイヌ語、「ペペケンナイ(pe-peken-nay)[注釈 2]」(水が・清澄な・川)の意訳である[9][10]

構造

[編集]

2線を有する列車交換型の信号場[新聞 2]美深駅 - 音威子府駅間で唯一、列車交換が可能である。線路西側に旧駅舎があり、信号場化された後も残されている[新聞 2]。冬季は保線要員が常駐する[新聞 2]

2021年3月改正時点では、朝夕時間帯における普通列車・特急列車の行き違いに使用されている[新聞 2]

旅客駅時代は島式1面2線のホームを持つ地上駅で、音威子府駅管理の無人駅であった。

仮乗降場時代は単式ホーム1面1線であり、駅昇格に伴い木造駅舎と上り側1線スルー式の島式ホーム1面2線、駅舎横の名寄寄りに貨物積卸場と引込み線が設けられた。貨物および荷物取り扱い廃止後も、引込み線は待避線として残されている。

利用状況

[編集]

旅客営業時の乗車人員の推移は以下の通り。出典が「乗降人員」となっているものについては1/2とした値を括弧書きで1日平均乗車人員の欄に示し、備考欄で元の値を示す。

また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

乗車人員推移
年度 乗車人員(人) 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1978年(昭和53年) 14.0 [11]
2015年(平成27年) 「1名以下」 [JR北 3]
2016年(平成28年) 0.4 [JR北 4]
2017年(平成29年) 0.4 [JR北 5]
2018年(平成30年) 0.4 [JR北 6]
2019年(令和元年) 0.4 [JR北 7]
2020年(令和02年) 0.4 [JR北 8]

周辺

[編集]

高台に駅があるため周りの風景が眼下に見える。周りは一面の牧草畑である。冬季には、駅周辺の一部の道路が閉鎖される[12]

  • 国道40号 - 駅裏手。直接通じる道はない。
  • 天塩川
  • Blueberry House音威子府村[12] - 一戸建て型宿泊施設。冬季は駅周辺の道路が閉鎖されるため、徒歩でのアクセスは不可能となる。

バス路線

[編集]
  • 美深町スクールバス:楠清水線 「楠27線」停留所

2010年(平成22年)3月現在、恩根内駅付近にあるセンタープラザ停留所との間に、スクールバスが1日3便運行されている[13]

日曜運休。全ての便で通学生以外も乗車可能。現在、停留所にはバス停を表す標識は撤去され、設置されていない。

その他

[編集]

当駅を含む美深町に所在する無人駅3駅が、2021年3月13日に廃止されるのに合わせて、地元若手住民で構成されるグループ「美深廃駅プロジェクト」が、廃止対象3駅を舞台とした記録映像の制作を2021年1月より開始している[新聞 8]。同年1月25日には、映像制作費を募集するためのクラウドファンディングを開始させ、駅のイラストが入った返礼品も作成された[新聞 8]

隣の施設

[編集]
北海道旅客鉄道(JR北海道)
宗谷本線
美深駅 (W54) - *初野駅 (W55) - *紋穂内駅 (W56) - *恩根内駅 (W57) - (豊清水信号場) - 天塩川温泉駅 (W59)
*:打消線は廃駅

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 2013年 - 2018年の1日当たりの平均乗車人員が3人以下の駅
  2. ^ 本来「清澄な」を表すアイヌ語は「ペケㇾ(peker)」であるが、後の語の"n"に引き付けられて「ペケン(peken)」に変化している[9]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、900頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、239頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年1月15日閲覧 
  3. ^ a b “全駅DATA 石北本線②(上川~網走) 宗谷本線”. 週刊JR全駅・全車両基地 (朝日新聞出版) (No.60): pp.19-27. (2013-10-03). 
  4. ^ a b c d e “ありがとう さようなら 長き歳月の歴史に幕 JR南美深駅・紋穂内駅・豊清水駅廃止”. 広報びふか (美深町) (815): pp.2-5. (2021-04). オリジナルの2021-04-28時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210428102809/http://www.town.bifuka.hokkaido.jp/cms/section/soumu/nuv41p0000000p0n-att/nuv41p0000001ajj.pdf 2021年4月28日閲覧。. 
  5. ^ 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 20号・宗谷本線/留萌本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年11月2日、14-17頁。 
  6. ^ a b c 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、177頁。ASIN B000J9RBUY 
  7. ^ a b 大蔵省印刷局(編)「日本国有鉄道公示 第3号」『官報』第6895号、国立国会図書館デジタルコレクション、1950年1月9日。 
  8. ^ 鉄道百年記念 旭鉄略年表(1972年)』日本国有鉄道旭川鉄道管理局、1972年、29頁。doi:10.11501/12061017https://dl.ndl.go.jp/pid/12061017/ 
  9. ^ a b c 山田秀三 (2018-11-30). 北海道の地名. アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻 (2 ed.). 浦安市: 草風館. p. 144. ISBN 978-4-88323-114-0 
  10. ^ a b 鏡味明克「北海道におけるアイヌ語地名の現代日本語接触変化」『人間文化(愛知学院大学人間文化研究所紀要)』第19巻、愛知学院大学、2004年9月20日、294-284頁、2018年5月20日閲覧 
  11. ^ 藤田, 稔 編『国鉄全駅大事典』藤田書店、1980年4月30日、888頁。doi:10.11501/12065814https://dl.ndl.go.jp/pid/12065814 
  12. ^ a b BlueberryHouse音威子府村 on Strikingly”. BlueberryHouse音威子府村. 2020年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月20日閲覧。
  13. ^ 美深町地域公共交通総合連携計画” (日本語) (PDF), 美深町 (2010年3月, オリジナルの2018年12月14日時点によるアーカイブ。 2019年9月27日閲覧。

JR北海道

[編集]
  1. ^ a b c 来春のダイヤ見直しについて』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月9日。オリジナルの2020年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201209060401/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201209_KO_kaisei.pdf2020年12月9日閲覧 
  2. ^ a b c 2021年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201218050637/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20201218_KO_Daikai.pdf2020年12月18日閲覧 
  3. ^ 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2017年9月25日閲覧。
  4. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2017年12月8日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月30日閲覧。
  5. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2017年7月2日). 2017年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月13日閲覧。
  6. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  7. ^ 宗谷線(名寄・稚内間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人以上2,000人未満の線区(「黄色」8線区). 北海道旅客鉄道. p. 3・4 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月3日閲覧。
  8. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。

新聞記事

[編集]
  1. ^ a b c “18無人駅に「ありがとう」 JRダイヤ改正で廃止 住民やファン 各地で別れ”. 北海道新聞. (2021年3月13日). オリジナルの2021年3月13日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/k4tNW 2021年3月13日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f g 「駅廃止から1か月 寂しさを漂わせる 速度落とさず列車通過 豊清水信号場は名残も」『名寄新聞』2021年4月13日、3面。
  3. ^ “「通報」●函館本線江部乙駅ほか49駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 1. (1984年11月9日) 
  4. ^ “宗谷線、20駅無人化へ 特殊自動閉そく装置導入工事進む”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1986年9月17日) 
  5. ^ “宗谷線の無人駅管理 自治体に要請 JR「負担か廃止」 3月期限、悩む沿線”. 北海道新聞. (2019年12月12日). オリジナルの2019年12月12日時点におけるアーカイブ。. https://archive.vn/rLCSB 2020年3月28日閲覧。 
  6. ^ “宗谷線の計5駅、廃止受け入れ 名寄市と美深町”. 北海道新聞. (2020年3月26日). オリジナルの2020年3月26日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/mheyH 2020年3月26日閲覧。 
  7. ^ “宗谷線無人5駅 21年春廃止 名寄市、美深町が受け入れ「仕方ない」「寂しい」惜しむ声”. 北海道新聞. (2020年3月26日). オリジナルの2020年3月26日時点におけるアーカイブ。. https://archive.vn/BbdML 2020年3月26日閲覧。 
  8. ^ a b “宗谷線の廃止3駅を映像に 若手グループ制作へ”. 北海道新聞. (2021年1月27日). オリジナルの2021年2月7日時点におけるアーカイブ。. https://archive.vn/1gNXU 2021年2月6日閲覧。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]