勝沼ぶどう郷駅
勝沼ぶどう郷駅[* 1] | |
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駅舎(2021年5月) | |
かつぬまぶどうきょう Katsunumabudōkyō | |
◄CO 35 甲斐大和 (6.0 km) (4.4 km) 塩山 CO 37► | |
所在地 | 山梨県甲州市勝沼町菱山3052番地 |
駅番号 | CO36[2] |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | ■中央本線 |
キロ程 | 112.5 km(東京起点) |
電報略号 | ヌマ←ツマ(改称前) |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面2線[3] |
乗車人員 -統計年度- |
308人/日(降車客含まず) -2023年- |
開業年月日 | 1913年(大正2年)4月8日[3] |
備考 | 業務委託駅[4] |
勝沼ぶどう郷駅(かつぬまぶどうきょうえき)は、山梨県甲州市勝沼町菱山にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)中央本線の駅である[3]。駅番号はCO 36[2]。
歴史
[編集]当駅は既にこの地域に開通していた中央本線上に新しく設置された駅である。まず1913年(大正2年)に大日影信号場が新設され、それが駅に昇格する形で同年4月8日に「勝沼駅」として開業した。
当時は勾配上にホームを設けるのを避け、通過可能なスイッチバック駅であったが、1968年(昭和43年)にスイッチバックは廃止された[3]。
1993年(平成5年)に現在の「勝沼ぶどう郷駅」へ改称された[1]。その後JR東日本には、さくらんぼ東根駅、井川さくら駅など地名と名物を組合わせた駅名が多く登場するが、当駅はその先駆けとなった。
年表
[編集]- 1913年(大正2年)
- 1960年(昭和35年)6月11日:貨物取扱廃止[5]。
- 1968年(昭和43年)8月30日:複線化に伴いスイッチバック運転解消[5]。
- 1970年(昭和45年)10月1日:荷物扱い廃止[6]。業務委託駅となる[7]。
- 1980年(昭和55年)10月:現駅舎の使用開始[5][1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる[5]。
- 1993年(平成5年)4月1日:勝沼ぶどう郷駅(かつぬまぶどうきょうえき)に改称[1]。
- 1998年(平成10年)10月14日:「関東の駅百選」に選定される[5]。選定理由は「四季折々の季節の中で勝沼の町のシンボルとなるぶどうの丘を望む駅」。
- 2004年(平成16年)10月16日:ICカード「Suica」の利用が可能となる[8]。東京近郊区間に編入される[8]。
- 2015年(平成27年)3月24日:指定席券売機を設置。
駅構造
[編集]島式ホーム1面2線を有する地上駅[3]。のりばは駅舎側から1番線、2番線の順。この地域に中央本線が開通した後に開設された駅であり、開業当初はホーム等を急勾配にしないためスイッチバック駅であった。
スイッチバック駅とはいっても通過可能な構造で、当駅に停車する列車のみ駅の甲府寄りで本線から分岐した線路を進み当駅に入っていた。
スイッチバックが廃止されたのは1968年8月30日のこと。この時からホームは25‰の勾配がある本線上に設けられているが、スイッチバック時代の遺構が残っており、公園として整備されている[5]。日本国有鉄道(国鉄)形式の駅名標「勝沼」を復刻した旧ホームなどの整備が行われており、復刻のため駅名標の隣駅は「甲斐大和」ではなく「初鹿野」になっている。
ホームは駅舎より高い位置にあり、駅舎の2階から階段と小さな橋でホーム脇に業務用通路が延びている。駅前には約600本のサクラが植えられている甚六桜公園があり[5]、毎年4月頃に見頃を迎えるが、線路が駅舎や駅前広場より高い位置を通っているため通過する列車の内部からもこの様子を見ることができる。
駅舎は1980年に供用を開始したもので、2階建てである[1]。駅舎内部にはコンコースのほか駅事務室や独立した待合所があるほか市の観光案内所をかねたコーヒー店と市営のワインショップが併設されており、特産の甲州ワインの販売がある。
塩山駅が管理する業務委託駅(JR東日本ステーションサービス委託)で[4]、みどりの窓口は設置されていないが、日中は改札口に係員がいる。かつては窓口が設置されていたが、2015年3月24日限りで撤去され指定席券売機に置換えられた。これにより、当駅での指定席や割引きっぷ購入、えきねっと受取が可能になった。簡易Suica改札機設置駅。
特急列車の停車について
[編集]特急列車は原則当駅には停車しないが、主に3 - 11月の観光シーズンにおいて、特急「あずさ」「かいじ」の一部列車が停車する[9]。
のりば
[編集]番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | 中央本線 | 下り | 甲府・上諏訪・松本方面 |
2 | 上り | 大月・八王子・新宿方面 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
-
改札口(2021年5月)
-
待合室(2021年5月)
-
ホーム(2021年5月)
利用状況
[編集]JR東日本によると、2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は308人である[利用客数 1]。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下の通り。
乗車人員推移 | ||
---|---|---|
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
2000年(平成12年) | 404 | [利用客数 2] |
2001年(平成13年) | 424 | [利用客数 3] |
2002年(平成14年) | 425 | [利用客数 4] |
2003年(平成15年) | 417 | [利用客数 5] |
2004年(平成16年) | 421 | [利用客数 6] |
2005年(平成17年) | 429 | [利用客数 7] |
2006年(平成18年) | 401 | [利用客数 8] |
2007年(平成19年) | 377 | [利用客数 9] |
2008年(平成20年) | 432 | [利用客数 10] |
2009年(平成21年) | 430 | [利用客数 11] |
2010年(平成22年) | 427 | [利用客数 12] |
2011年(平成23年) | 420 | [利用客数 13] |
2012年(平成24年) | 471 | [利用客数 14] |
2013年(平成25年) | 479 | [利用客数 15] |
2014年(平成26年) | 485 | [利用客数 16] |
2015年(平成27年) | 479 | [利用客数 17] |
2016年(平成28年) | 451 | [利用客数 18] |
2017年(平成29年) | 450 | [利用客数 19] |
2018年(平成30年) | 443 | [利用客数 20] |
2019年(令和元年) | 398 | [利用客数 21] |
2020年(令和 | 2年)229 | [利用客数 22] |
2021年(令和 | 3年)261 | [利用客数 23] |
2022年(令和 | 4年)304 | [利用客数 24] |
2023年(令和 | 5年)308 | [利用客数 1] |
駅周辺
[編集]この駅は勝沼を名乗ってはいるが、勝沼中心部から見て東側の笹子峠を下り甲府盆地に入る位置にある。これは笹子峠と甲府盆地との標高差を距離で稼ぐため、盆地の縁に沿って迂回する路線形状を取らざるを得ないことによる。駅を出ると駅前広場の先が崖状になっていて、勝沼の町や甲府盆地、晴れた日には南アルプスも一望出来る。駅前からは勝沼市街へ通じる急な坂が左右に降りている。
この駅の所在地は甲州市勝沼町菱山で、開設当初には当時の菱山村がこの駅を菱山駅とするよう求めたと言うエピソードもあるが、この駅は勝沼のぶどうを多く出荷することとなっていたので結局勝沼となった。
駅の周りから駅の南4km程の所までが当駅の駅名ともなった勝沼ぶどう郷である。勝沼の中心部までは直線距離でも1.5km程の距離がある。
駅近くの鉄道遺産記念公園(改札口を出て左方向に100m弱)には国鉄EF64形電気機関車18号機(東芝製)が静態保存されている[3]。元は、廃車後に塩尻機関区篠ノ井派出構内で留置されていたが、甲州市が日本貨物鉄道(JR貨物)より譲り受け、国道18号・国道141号・国道20号を経由して陸送された。なお、展示に当たって塗色をし直す等の整備が成されている(当機は国鉄、JR貨物時代共国鉄色)。
バス路線
[編集]- 甲州市市民バス
- ぶどうコース・ワインコース:健康福祉センター / 塩山市民病院 / 塩山駅南口
- 富士急バス
- 勝沼周遊バス左回り・勝沼周遊バス右回り:勝沼ぶどう郷駅 ※季節運行
登場作品
[編集]テレビアニメ『アサルトリリィ BOUQUET』の第5話「ヒスイカズラ」にて当駅が登場。これに関連し本作品と甲州市観光協会のタイアップで2021年1月から9月まで改札外北口にてフィギュアやサイン色紙の展示を実施している[10][11]。
隣の駅
[編集]- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- 前述の通り、主に3 - 11月の観光シーズンにおいて、特急「かいじ」の一部列車が停車する。
脚注
[編集]記事本文
[編集]- ^ a b c d e “駅すてーしょん 勝沼ぶどう郷駅(中央本線)”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1993年8月2日)
- ^ a b 『中央本線 初狩~小淵沢駅間へ「駅ナンバリング」を拡大しました』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道八王子支社、2020年3月23日。オリジナルの2020年3月23日時点におけるアーカイブ 。2020年3月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g 『JR全駅・全車両基地』 20頁
- ^ a b 事業エリアマップ - JR東日本ステーションサービス.2021年9月14日閲覧
- ^ a b c d e f g h i j k 『JR全駅・全車両基地』 11頁
- ^ 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、181頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 「廃止3、無人化10駅」『交通新聞』交通協力会、1970年3月1日、1面。
- ^ a b 『首都圏でSuicaをご利用いただけるエリアが広がります』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2004年8月23日。オリジナルの2019年7月9日時点におけるアーカイブ 。2020年3月25日閲覧。
- ^ 駅の時刻表 勝沼ぶどう郷駅
- ^ “テレビアニメ「アサルトリリィBOUQUET(ブーケ)」の展示を行ってます!”. 甲州市観光協会 (2021年1月26日). 2021年1月26日閲覧。
- ^ “アニメ『アサルトリリィBOUQUET(ブーケ)』が甲州市とタイアップ!聖地巡礼ガイド動画公開”. ガジェット通信. (2021年1月29日) 2021年1月29日閲覧。
利用状況
[編集]- ^ a b “各駅の乗車人員(2023年度)”. 東日本旅客鉄道. 2024年7月20日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年4月21日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月10日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月10日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月19日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月3日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月9日閲覧。
参考文献
[編集]- 『週刊 JR全駅・全車両基地』 46号 甲府駅・奥多摩駅・勝沼ぶどう郷駅ほか79駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年7月7日。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 駅の情報(勝沼ぶどう郷駅):JR東日本