微笑の儀式
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微笑の儀式 | |
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作者 | 松本清張 |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 小説 |
シリーズ | 「黒の様式」第3話 |
発表形態 | 雑誌連載 |
初出情報 | |
初出 | 『週刊朝日』 1967年4月28日 - 6月30日 |
出版元 | 朝日新聞社 |
挿絵 | 田代光 |
刊本情報 | |
刊行 | 『黒の様式』 |
出版元 | 光文社 |
出版年月日 | 1967年8月1日 |
装幀 | 伊藤憲治 |
題字 | 朝倉摂 |
挿絵 | 朝倉摂 |
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『微笑の儀式』(びしょうのぎしき)は、松本清張の小説。「黒の様式」第3話として『週刊朝日』に連載され(1967年4月28日号 - 6月30日号)、1967年8月に中短編集「黒の様式」収録の一作として、光文社(カッパ・ノベルス)から刊行された。
1995年にテレビドラマ化されている。
あらすじ
[編集]大学で法医学を研究していた鳥沢良一郎は、夏の初め、奈良・法隆寺内の飛鳥仏を鑑賞中、30代半ば過ぎの男に声をかけられる。その男は、自分は止利様式の仏像が持つ「古拙の笑い」にとり憑かれている彫刻家だと云い、その大きな眼は情熱的な光を宿していた。秋になったある日、新聞掲載の展覧会評で、「微笑」という題の彫刻作品が取り上げられているのを目にした鳥沢は、予感を抱いて展覧会場へとおもむく。その彫刻の顔つきには飛鳥仏の特徴がよく出ていたが、作者はやはりあの時の彫刻家で、名を新井大助といった。新井に祝意を述べた鳥沢だったが、そのあと鳥沢を呼び止めた生命保険会社の調査員の男は、この彫刻の大きさが「人間の実物大」であり、「本当の人間の顔からそっくり取った」ものではないかと指摘、さらに、この彫刻とよく似た顔の宅間添子という女性が、最近死んだ事実を告げる。しかもその遺体はなぜか、「微笑んでいた」というのだった…
エピソード
[編集]- 当時『週刊朝日』で本作の担当編集者を務めていた重金敦之は、「アルカイックスマイルを残したまま死ぬには、どんな方法があるかという無理難題を仰せつかり、難儀したことを覚えている。しかし、「古拙の笑い」の飛鳥仏や和辻哲郎の世界に遊べたことは、高校時代から関心があっただけに、多忙な週刊誌記者にとって束の間の余裕となった」と述べている[1]。
テレビドラマ
[編集]松本清張スペシャル 微笑の儀式 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 松本清張『微笑の儀式』 |
脚本 | 金子成人 |
監督 | 長尾啓司 |
出演者 |
役所広司 内藤剛志ほか |
エンディング | 沢田知可子「Day by day」 |
製作 | |
プロデューサー | 伊藤祥二 |
制作 | 日本テレビ |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1995年3月7日 |
放送時間 | 21:03 - 22:54 |
放送枠 | 火曜サスペンス劇場 |
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「松本清張スペシャル・微笑の儀式」。1995年3月7日、日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」枠(21:03 - 22:54)にて放映。視聴率18.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]。過去の彫刻家を主人公が思い出すストーリーとなっている。
- キャスト
- 鳥沢良一郎:役所広司 (法医学者・5年前に大学を退官)
- 新井大介:内藤剛志 (彫刻家)
- 宅間添子:佳那晃子(女性像と似た顔の女性・被害者)
- 島上忠太郎:石丸謙二郎(保険会社の調査員)
- 宅間平造:織本順吉(添子の父)
- 沢村:木場勝己(管理人)
- 岡崎:斉藤洋介(アパート住人・カメラマン)
- 窪田:沼田爆(アパートのオーナー)
- 沢村の妻:田根楽子
- 桃:三野友華子(クラブのホステス)
- クラブのママ:落合ひとみ
- 石井:清水宏(佃島署刑事)
- 谷沢:井上博一(科学捜査研究所研究員)
- 喫茶店マスター:水島涼太
- 渡辺成紀
- 北川たか子
ほか
- スタッフ
- 脚本:金子成人
- 監督:長尾啓司
- 音楽:佐藤允彦
- 撮影:羽方義昌
- 技術協力:映広
- 美術協力:東京工芸大学、西村美術、ベレッツァスタジオ
- プロデューサー:伊藤祥二(日本テレビ)、小坂一雄(レオナ)、林悦子(霧企画)
- 制作:レオナ、日本テレビ、霧企画
日本テレビ系列 火曜サスペンス劇場 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
京都日野殺人街道
(1995.2.28) |
松本清張スペシャル
微笑の儀式 (1995.3.7) |
地方記者・立花陽介5
(1995.3.21) |