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鉢植を買う女

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鉢植を買う女
作者 松本清張
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
シリーズ影の車」第7話
発表形態 雑誌掲載
初出情報
初出婦人公論1961年7月
出版元 中央公論社
刊本情報
収録 『影の車』
出版元 中央公論社
出版年月日 1961年8月30日
装幀 伊藤憲治
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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鉢植を買う女』(はちうえをかうおんな)は、松本清張短編小説。『影の車』第7話として『婦人公論1961年7月号に掲載され、同年8月に短編集『影の車』収録の一作として、中央公論社から刊行された。

これまで4度テレビドラマ化されている。

あらすじ

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上浜楢江は精密機械会社に勤めているが、女性社員としては最年長となっていた。不器量の彼女は、美しい同僚2人が若い社員からもてるのをよそに、恋愛の対象から除外されていた。楢江は美人の同僚に言い寄る男たちの言葉に次第に耳をふさぐようになり、懸命に仕事に精を出した。結婚に諦めを持つようになった彼女には、金さえあれば、いかなる不幸も、ある程度は防げるように思われた。やがて楢江はかなりの金を貯め、金銭的に苦しむ社員に対して、金貸しを始める。会計課の杉浦淳一も楢江から金を借りる常連となった。返済が溜り、利子も払えなくなった杉浦は、それを棒引きさせるため、楢江を陥れることを思い立つ。

エピソード

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  • エッセイストの酒井順子は「この作品には注目すべき記述がある。楢江は終戦前から勤めていたので「女子の新しい定年制度にも彼女は抵触しない」のであり「男子社員と同じように五十五歳までは頑張れる」とされている。この小説が書かれた昭和36年当時、定年は五十五歳という企業が多かった。またこの頃は、男性よりも女性の定年を低く設定している企業が、珍しくなかった」と指摘し「(松本清張作品における)オールドミスたちの声は、当時の企業に対する鋭い批判の声ともなっている」と述べている[1]

テレビドラマ

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1962年版

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1962年4月12日4月13日(22:15-22:45)、NHKの「松本清張シリーズ・黒の組曲」の1作として2回にわたり放映。

キャスト
スタッフ

1966年版

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1966年2月1日関西テレビ制作・フジテレビ系列(FNS)の「松本清張シリーズ」枠(21:00-21:30)にて放映。

キャスト
スタッフ

1993年版

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松本清張スペシャル
鉢植を買う女
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『鉢植を買う女』
脚本 吉田剛
監督 出目昌伸
出演者 池上季実子
布施博ほか
製作
プロデューサー 佐藤涼一(テレビ朝日)
伊藤満
田辺隆史(東北新社)
林悦子(霧企画)
制作 テレビ朝日
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1993年12月11日
放送時間21:02 - 22:51
放送枠土曜ワイド劇場
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松本清張スペシャル・鉢植を買う女」。1993年12月11日テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠(21:02-22:51)にて放映。サブタイトルは「上浜楢江32才、寂しい女の予期せぬ完全犯罪 もうあなたを離さない」。視聴率17.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)[2]

キャスト
スタッフ

2011年版

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松本清張特別企画
鉢植を買う女
ジャンル テレビドラマ
原作 松本清張『鉢植を買う女』
脚本 西岡琢也
監督 大岡進
出演者 余貴美子
田中哲司ほか
エンディング レディ・アンテベラム「ジャスト・ア・キス~幸せの予感」
製作
プロデューサー 小川治ほか
制作 テレビ東京
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2011年11月9日
放送時間21:00 - 22:48
放送枠水曜ミステリー9
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松本清張特別企画・鉢植を買う女」。2011年11月9日テレビ東京系列の「水曜ミステリー9」枠(21:00-22:48)にて放映された。

キャスト
スタッフ
関西テレビ制作・フジテレビ系列 松本清張シリーズ
前番組 番組名 次番組
左の腕
(1966.1.25)
鉢植を買う女
(1966.2.1)
俺は知らない
(1966.2.8)
テレビ朝日系列 土曜ワイド劇場
前番組 番組名 次番組
札幌時計台殺人事件
(原作:木谷恭介
(1993.12.4)
松本清張スペシャル
鉢植を買う女
(1993.12.11)
女刑事・柏木冴子
(1993.12.18)
テレビ東京系列 水曜ミステリー9
前番組 番組名 次番組
松本清張特別企画
鉢植を買う女
(2011.11.9)

出典

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  1. ^ 酒井順子「松本清張の女たち」第11回「女性会社員の変遷」(『小説新潮』2023年6月号掲載)参照。
  2. ^ 林悦子『松本清張映像の世界 霧にかけた夢』(2001年、ワイズ出版

外部リンク

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