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|style="background-color:#CCC"|大津 |
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2019年8月16日 (金) 09:57時点における版
高速自動車国道 (有料) | |
---|---|
E1A 新名神高速道路 | |
地図 | |
路線延長 | 149.6 km 2019年(平成31年)3月現在: 114.8 km |
開通年 | 2005年(平成17年) - |
起点 | 四日市JCT |
主な 経由都市 |
大津市、八幡市、高槻市、川西市 |
終点 | 神戸JCT |
接続する 主な道路 (記法) |
E1A 伊勢湾岸自動車道 E23 東名阪自動車道 C3 東海環状自動車道 E1 名神高速道路 E24 京奈和自動車道 E2A 中国自動車道 E2 山陽自動車道 |
■テンプレート(■ノート ■使い方) ■PJ道路 |
新名神高速道路(しんめいしんこうそくどうろ、SHIN-MEISHIN EXPRESSWAY)は、三重県四日市市から滋賀県、京都府、大阪府を経由し兵庫県神戸市北区へ至る高速道路(高速自動車国道)である。略称は新名神高速(しんめいしんこうそく、SHIN-MEISHIN EXPWY)、新名神(しんめいしん)など。
高速道路ナンバリングによる路線番号は、新東名高速道路・伊勢湾岸自動車道ともに「E1A」が割り振られている[1]。
概要
新東名高速・伊勢湾岸道とともに、東名高速道路(東名)・名神高速道路(名神)と機能を相互に補完する役割を担う道路である。東名・名神は、1966年の全線開通以降、東京、名古屋、大阪の日本三大都市を結ぶ基幹的な高速道路となった。しかし、交通量の増加により交通混雑が頻発しているほか、自動車交通に依存している産業・経済を支える役割の道路が断絶した場合の影響は壊滅的な状況になるものであると予測されたことから、東名・名神とのダブルネットワーク、適切な交通機能の分担により、高い信頼性を確保する道路として計画されたものである[2]。
おおむね名神高速と並行するが、関ヶ原・琵琶湖南岸を通過する中山道沿いから天王山を越えて進む名神高速に対して、新名神は鈴鹿峠越えの東海道(国道1号)沿いを進み、淀川を横断して北摂山系を貫くルートで建設されており、名古屋 - 神戸間を比較的直線的に結ぶ一方で、大阪市や京都市といった大都市の市域からは離れたルートが選択されている。
新名神の整備により、交通の流れや交通量に変化が出ている。
高速自動車国道法に基づく法定路線名(正式名)は名古屋・神戸間を結ぶ「近畿自動車道名古屋神戸線」といい[3]、近畿自動車道名古屋神戸線のうちの四日市ジャンクション (JCT) - 神戸JCT間に相当する区間を、一般公衆に案内する道路名(営業路線名・通称名)として「新名神高速道路」の名称で一部供用中の高速道路である[注釈 1]。道路名称決定までの仮称は「第二名神高速道路」であったが、2007年4月23日に「快適性や走行性に優れた21世紀の新時代にふさわしい道路となる」ということから新名神高速道路と道路名称が発表された経緯がある[5][6]。
愛称は、第二名神自動車道建設促進協議会によって募集・決定された「畿央まほろばハイウェイ」[7][8]。「しんめちゃん」というマスコットキャラクターが存在する[9]。部分開通を迎えた際、テレビ・ラジオCMやリーフレットなど宣伝広告に用いられたキャッチコピーは、「日本のまん中に、元気な流れ」。
建設に当たっては紫香楽宮に関連する遺跡や鵜殿のヨシ原の付近を通過する箇所があり、前者については工事計画の変更を余儀なくされ、後者については2013年に国土交通大臣に計画の見直しを求めて約7万9000人分の署名簿が提出される[10]などの事象が生じている。
新名神や新東名などの中央分離帯に専用軌道を敷き、東京 - 大阪間に物流専用の高速貨物鉄道を整備する東海道物流新幹線構想が検討されていたが、2019年(平成31年)現在では新東名の御殿場JCT - 浜松いなさJCT間の全線6車線化が決定しており、残りの区間についても6車線化に向けた本格的な調査が開始されたため、当構想は事実上消滅している。
道路規格
城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC間と高槻JCT - 神戸JCT間は工費や工期削減のため従来の4車線構造で施工されており[11]、路肩部分も下記に示す幅は確保されていない。
本線
- 道路構造 : 第1種第1級(亀山西JCT - 甲賀土山ICの下り線以外は暫定施工時 : 第1種第2級)
- 設計速度 : 100[注釈 2] - 120 km/h
- 車線
- 亀山西JCT - 甲賀土山IC 下り線 : 3.50 m × 2 + 3.75 m
- 上記以外の区間 : 走行車線3.50 m 追い越し車線3.75 m(用地買収 : 6車線)
- 路肩(往復分離しない区間[注釈 3])
- 土工部 : 2.50 m - 3.00 m × 2(左側)
- 橋梁部(中小橋) : 2.50 m - 3.00 m × 2(左側)
- 橋梁部(長大橋) : 1.75 m - 3.125 m × 2(左側)
- 路肩(往復分離する区間[注釈 4])
- 土工部 : 2.50 m - 3.50 m(左側)1.25 m - 1.75 m(右側)
- トンネル部 : 1.00 m - 2.50 m
- 橋梁部(中小橋) : 2.50 m - 3.00 m(左側)1.25 m - 1.75 m(右側)
- 橋梁部(長大橋) : 1.75 m - 3.125 m(左側)1.25 m(右側)
- 中央分離帯 : 4.50 m
- 中央分離帯の路肩 : 2.00 m(トンネル部1.25 m)
- 最小曲線半径 : 標準値3,000 m 特例値1,500 m
- 最急勾配 : 標準値2.0 % 特例値3.0 %
- 最小縦断曲線半径 : 凸型標準値40,000 m 特例値23,000 m 凹型標準値9,000 m 特例値6,000 m
- 停止視距 : 310 m
名神に比べ、車線は1車線あたり15 cm広く、道路全体では4 m広い。曲線半径は名神が一般的に半径1,000 m - 2,000 mであるのに対し、新名神は大部分が半径3,000 m以上である。勾配の割合も名神が5 %であるのに対し、新名神では半分以下の2 %に抑えられている。
連絡路
- 道路構造 : 第1種第3級
- 設計速度 : 80 km/h
- 車線 : 3.50 m×2
- 路肩 : 2.50 m(橋梁部1.75 m)
- 最小曲線半径 : 標準値700 m
- 最急勾配 : 標準値4.0 %
一部区間の建設凍結と凍結解除の経緯
新名神高速道路は新東名・伊勢湾岸道・山陽道と共に、東京・名古屋・大阪・広島・博多の日本五大都市を結ぶ日本の新しい大動脈として期待されている。しかし、道路関係四公団民営化推進委員会委員であった猪瀬直樹が京滋バイパスや第二京阪道路と重複し、交通需要が低く採算性が見込めない区間とされる滋賀県大津市 - 京都府城陽市間約25 kmと京都府八幡市 - 大阪府高槻市間約10 kmの整備をしない意向を示した旨の意見書を、当委員会の最終意見として2002年12月6日に当時の小泉純一郎総理大臣に提出した。
これにより、2003年12月22日に政府・与党申し合わせで当区間が抜本的見直し区間に設定。同年12月25日の第1回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)では、新東名などと共に本線部分の暫定4車線での施工など、大幅な整備計画変更(コスト削減)が決定された。さらに2006年2月7日の第2回国幹会議にて「主要な周辺ネットワークの供用における交通状況等を見て、改めて事業の着工について判断する当面着工しない区間」とされ、第二京阪道路が全線開通した2010年3月20日以降に着工判断が持ち越され、法的に建設が予定されている国土開発幹線自動車道の整備を占う象徴的区間として政争の中心となっていた。沿線の滋賀県・京都府・大阪府の3知事などは凍結解除・早期着工を求めており、2009年4月27日の第4回国幹会議では、議論に至ったものの凍結解除は見送られた。
馬淵澄夫国土交通副大臣は2010年4月13日に毎日新聞の取材を受け、国幹会議で整備計画区間でありながら建設が凍結されている当路線を含む4路線5区間について「整備計画からの格下げもありうる」と発言し、建設中止を示唆していた[12]。第174回国会に提出中であった道路整備事業財政特別措置法改正案の適用で整備計画区間からの除外も可能であったことや、現職副大臣の発言であったため建設中止の可能性が高まっていた。
事業を担当するNEXCO西日本の西村英俊会長兼社長は「危機管理の点からも絶対に必要な道路。当然、着工しないといけない。」と明言していた[13]。
2009年3月31日に国土交通省が費用便益比 (B/C) の再評価を以下のように発表している[14]。
区間 | 延長 (km) | 事業費(億円) | 計画交通量(台/日) | 費用便益比 (B/C) |
---|---|---|---|---|
四日市JCT - 菰野IC | 12.6 | 1,461 | 40,000 - 51,700 | 4.1 |
菰野IC - 亀山西JCT | 15.2 | 1,798 | 41,600 | 3.9 |
大津JCT - 城陽IC | 25.1 | 3,273 | 45,200 - 49,200 | 2.3 |
城陽IC - 高槻JCT | 14.2 | 5,155 | 29,600 - 46,500 | 2.0 |
高槻JCT - 神戸JCT | 40.5 | 7,206 | 34,900 - 42,200 | 1.1 |
上記の通り、費用便益比が1.1の高槻JCT - 神戸JCT間が先に事業化されており、1.1より高い大津JCT - 城陽IC間が当面着工しない区間に指定されていた。
その後、2012年4月6日に前田武志国土交通大臣が当面着工しない区間の建設凍結解除を表明[15][16] し、同月20日には事業許可が下りた[17]。この結果、未開通区間は全て事業中となり、2023年度までに全線開通予定である。
インターチェンジなど
名神ではIC番号は東名からの通し番号となっているが、新名神は新東名との間に伊勢湾岸道を挟むことなどから新東名からの通し番号とはなっておらず、新名神単独で1から振られている。
- IC番号欄の背景色が■である区間は既開通区間に存在する。
施設欄の背景色が■である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。
未開通区間の名称は仮称である。 - スマートインターチェンジ (SIC) は背景色■で示す。
- 路線名の特記がないものは市道。
- バスストップ (BS) のうち、○/●は運用中、◆は休止中の施設。無印はBSなし。
- 英略字は以下の項目を示す。
本線
亀山連絡路
- この区間は全区間三重県亀山市に所在。
- 上り線のKPの数字の左には「F」、下り線には「E」とアルファベットが表記されている。
これは亀山連絡路が新名神と東名阪道を結ぶランプであるため、亀山西JCTのランプ(A・B・C・Dランプ)の続きである「E」と「F」が表記されている。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
鈴鹿亀山道路[29](調査中) | |||||
32-1 | 亀山JCT | E23 東名阪自動車道 | 0.0 | - | |
3 | 亀山西JCT | E1A 本線 | [19]4.8 | - | 本線四日市方面⇔亀山連絡路は2019年度開通予定 |
大津連絡路
- KPの数字の左には、「W」のアルファベットが表記されている。
- 起終点は草津JCTから大津JCTであるが、KP上は大津JCTから草津JCTとなっている。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
30-1 | 草津JCT | E1 名神高速道路 | 3.6 | - | 滋賀県 | 草津市 | |
7-1 | 草津田上IC | 県道342号草津田上インター線 県道2号大津能登川長浜線(県道342号経由) |
2.4 | ||||
大津JCT | E1A 本線 | 0.0 | - | 亀山西JCT方面のみ接続 | 大津市 |
歴史
- 1987年(昭和62年)
- 6月30日:第四次全国総合開発計画の閣議決定により、第二名神自動車道として名古屋 - 神戸間が高規格幹線道路に構想される[30][31]。
- 9月1日:国土開発幹線自動車道建設法の一部改正により、近畿自動車道名古屋神戸線として名古屋市 - 神戸市が国土開発幹線自動車道の予定路線となる[32]。
- 1989年(平成元年)
- 1991年(平成3年)12月3日:亀山 - 城陽間の整備計画が決定する[34]。
- 1993年(平成5年)
- 1996年(平成8年)12月27日 : 四日市 - 菰野間、城陽 - 八幡間、八幡 - 高槻間、箕面 - 神戸間の整備計画が決定する[34]。
- 1997年(平成9年)12月25日 : 城陽 - 八幡間の施工命令が出る[34]。
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)
- 2000年(平成12年)1月12日:高槻第一JCT - 箕面IC間の事業に着手する。
- 2001年(平成13年)11月28日:新宮神社遺跡の保存ため工法を変更する。
- 2002年(平成14年)12月6日:道路関係四公団民営化推進委員会が大津 - 城陽間と、八幡 - 高槻間を整備をしない意向を示した意見書を、当時の小泉純一郎総理大臣に提出する。
- 2003年(平成15年)
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)4月23日:道路名称が第二名神高速道路から新名神高速道路に、亀山JCT〜草津田上IC間の各施設の名称が正式決定する[5][6]。
- 2008年(平成20年)2月23日:亀山JCT - 草津田上IC間が開通し[35]、それに伴い草津JCT - 草津田上IC間が新名神高速道路に編入する。
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)3月1日:宝塚SAに併設する形でスマートICを設置する方針が固まる[48]。
- 2011年(平成23年)12月4日:城陽JCT/IC - 八幡JCT/IC間の工事に着手する[49]。
- 2012年(平成24年)
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 2019年(平成31年)
開通予定年度
※上記は日本高速道路保有・債務返済機構との協定上の完成予定年度である。
建設にかかる事件・事故
発生日 | 発生場所 | 死者数 | 負傷者数 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2016年4月22日 | 兵庫県神戸市北区道場町 | 2 | 8 | 橋桁落下→新名神高速道路有馬川橋橋桁落下事故 |
2016年5月19日 | 大阪府箕面市下止々呂美 | 0 | 0 | 橋桁を支える仮受設備の転倒 |
2016年6月20日 | 三重県四日市市北山町 | 1 | 0 | 建設機械による轢過[53] |
2016年10月3日 | 兵庫県猪名川町広根 | 1 | 0 | 足場から転落[55] |
2017年6月19日 | 大阪府箕面市下止々呂美 | 1 | 0 | 鉄板の落下 |
2017年9月12日 | 大阪府箕面市下止々呂美 | 1 | 0 | 足場から転落 |
2018年3月15日 | 大阪府枚方市楠葉 | 1 | 0 | 足場の落下 |
- 入札情報漏洩疑い
- 2009年12月12日に高槻JCT - 神戸JCTの40.5 kmが着工されたが、この区間のうちの一部において、工事価格の情報が、入札前に清水建設に漏洩した疑いが出ており、この疑惑を受け西日本高速道路は工事の入札を中止しており、兵庫県警が清水建設及び社員宅を捜索するなどして捜査を行った[66]。
- 有馬川橋橋桁落下事故
- 2016年4月22日午後4時30分頃、兵庫県神戸市北区の工事区間で橋桁落下事故が発生。120 mの長さの橋桁の片方が国道176号上に落下し、10人が巻き込まれ、2人が死亡した。この影響で、国道176号が長期通行止めとなったほか、高槻JCT/IC - 神戸JCT間の開通が半年から1年遅れた。
整備効果
- 亀山JCT - 草津JCT
- 2005年3月19日に草津JCT - 草津田上IC間が開通、当初2009年3月の開通予定であった亀山JCT - 草津田上IC間の49.7 kmが、コスト削減により設計規格を見直し、1年前倒しで2008年2月23日に開通した(総事業費4652億円)[39][35]。これにより、名神と新名神のダブルネットワークが完成したが[67]、後述のとおり、東名阪道で渋滞が頻発した。
- 豊田JCT - 草津JCT間における東名・名神経由のルートと伊勢湾岸道・東名阪・新名神経由の2ルートを比較すると、所要時間は名神経由の約2時間5分から新名神経由の約1時間35分へと30分の短縮、走行距離では名神経由約160 kmから新名神経由約126 kmと約34 kmの短縮となる。西日本高速道路が発表の開通後1年間のとりまとめによれば、名神経由の交通の一部が新名神経由へ転換したことにより、東名・名神の交通量は減少、豊田JCT - 草津JCT間の渋滞回数は減少した(一宮JCT - 草津JCT間の渋滞は約7割減少)。また、この2ルートの分担率は名神経由が26%、新名神経由が76%と、豊田JCT - 草津JCTでは新名神の利用が進んでいることがわかる。さらには、東名・名神で発生した通行止めの際には代替ルートとしても機能した実績も挙げられた[68]。
- 一方、東名阪自動車道では渋滞が多発した。上述の通り、豊田JCT - 草津JCT間を通過する車両が名神経由26%・新名神経由74%となった。そのため、接続先の東名阪道の亀山JCT - 四日市JCT間では新名神開通前と比べて渋滞回数が約2.7倍に増加した[68]。ゴールデンウィークや土日・祝日の夕方などに渋滞が多発している。渋滞が10 - 20 km以上に及ぶこともあり、名神草津JCT以西から東名豊田JCT以東を通過する場合に通常時は新名神経由が20分ほど早く通過出来るが、渋滞時は名神経由と同等、もしくは名神経由の方が早い場合がある。渋滞緩和のため、東名阪道の一部区間での付加車線の設置[注釈 7]やLEDライトの発光で速度低下を防ぐ仕組みを導入する[72]などの様々な試みが施されたが渋滞解消には至らず、抜本的対策である新四日市JCT - 亀山西JCT間の開通が待たれた[72]。
- →詳細は「東名阪自動車道 § 四日市JCT - 亀山JCTについて」を参照
- 新四日市JCT - 亀山西JCT
- この新四日市JCT - 亀山西JCT間は、上述の渋滞を抜本的に解消する区間である。2019年3月17日に開通すると、開通直後のデータでは並行する東名阪自動車道(四日市JCT - 亀山JCT)の交通量がおよそ3割減少し、東名阪と新名神で交通が分散した。東名阪で一週間に29回発生していた渋滞は開通後には9回に減少した[73]。速報値ではあるが、開通した年のゴールデンウィークでは前述の区間において新名神と東名阪道で一日に合わせて14万6000台が走行したが、このうち6万2400台が新名神を、8万3600台が東名阪道を経由しており、交通が分散した。この期間では10 km以上の渋滞が前年同期比で16回から8回へ半分に減少し、20 km以上の渋滞は7回から1回へと大幅に減少した。また、10 km以上の渋滞は新名神では発生しなかった[74]。
- 高槻JCT - 神戸JCT
- 2017年12月10日に高槻JCT - 川西IC間の23.6 kmが開通、2018年3月18日に川西IC - 神戸JCT間16.9 kmが開通し[75]、高槻 - 神戸間における名神・中国道と新名神のダブルネットワークが完成した[76]。開通から1年後に西日本高速道路が発表したとりまとめによれば、高槻 - 神戸間の交通が名神・中国道ルートと新名神ルートに分散し、名神・中国道ルートでは開通前と比較しておよそ20%、通行量が減少した。名神・中国道ルートにおける、開通後である2018年の交通混雑期(ゴールデン・ウィーク、お盆、年末年始)に発生した10 km以上の渋滞は、2017年の交通混雑期に発生していた渋滞回数から約5割から9割減少、また開通前1年間と開通後1年間での5 km以上の渋滞回数を比較すると約7割減少する結果となった[77]。
路線状況
車線・最高速度
区間 | 車線 上下線=上り線+下り線 |
最高速度 | |
---|---|---|---|
本線 | 四日市JCT - 亀山西JCT | 4=2+2(暫定4車線) | 100 km/h |
亀山西JCT - 甲賀土山IC | 5=2+3(暫定5車線) | ||
甲賀土山IC - 大津JCT | 4=2+2(暫定4車線) | ||
城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC | 80 km/h | ||
高槻JCT - 神戸JCT | 100 km/h | ||
亀山連絡路 | 亀山JCT - 亀山西JCT | 4=2+2(完成4車線) | 80 km/h |
大津連絡路 | 草津JCT - 大津JCT |
甲南トンネル-大津JCT付近にかけては、山の斜面に建設されたために、上下線で路面の高さが異なっている。またトンネル部はスピード感覚が希薄になるため走行速度には注意を要する。
雨天時の水捌けが向上し、車両走行による水飛沫の発生・騒音の低減効果を有する高機能舗装で舗装されており、車線逸脱時の注意喚起として凹型注意喚起舗装、白線も従来の20cmから30cmの幅広タイプの採用など、全線において様々な面で安全対策がとられている。
コスト削減により、下り線の亀山西JCT-甲賀土山IC間を除く本線は暫定4車線での開通になったが完成6車線分の用地買収はされており、トンネルや一部橋梁では完成6車線規格での施工が済んでいる箇所がある。完成6車線での施工か否かは施工時期によって異なっており、暫定4車線区間の完成6車線での運用の際には、土工部では中央分離帯の暫定緑化を縮小する、橋梁部では橋桁や橋脚の拡幅(一部橋脚は片側3車線分の幅で施工済み箇所あり)をするなど新たな追越車線となる3車線目を施工する必要がある。また、高槻JCT-神戸JCTの区間のトンネルは片側2車線分の幅しかないため、完成6車線で供用するにはトンネルをもう一本掘るなどの工事が必要になる。
突発的な事故や渋滞の発生、気象状況等によって、三重県警・滋賀県警高速道路交通警察隊が規制速度を定めている。特に当路線では濃霧や横風により最高速度が50 km/hまでに制限される。
サービスエリア・パーキングエリア
鈴鹿パーキングエリア (PA)・土山サービスエリア (SA)・甲南パーキングエリア (PA)・宝塚北サービスエリア (SA)には売店があるが、茨木千提寺パーキングエリア (PA)には売店がない。また土山SA・宝塚北SAは上下線集約型の特殊構造型SAで、レストラン・ガソリンスタンドがあり、フードコート・売店・ガソリンスタンド・コンビニエンスストア(土山SAのみ、セブン-イレブン)が24時間営業となっている。土山SA・甲南PAは第三セクターが管理・運営する。鈴鹿PAにはガソリンスタンドがないが、並行する東名阪自動車道の御在所SAにはガソリンスタンドがある。
トンネルと橋
本線
- 四日市トンネル(菰野IC - 鈴鹿PA/SIC):上り線1,347 m 下り線1,349 m
- 野登トンネル(鈴鹿PA/SIC - 亀山西JCT) : 上り線4,125 m 下り線4,127 m
- 錐ヶ瀧橋(亀山西JCT-土山SA) : 上り線1,257 m 下り線1,303 m
- 鈴鹿トンネル (亀山西JCT - 土山SA) : 上り線4,005 m 下り線3,959 m
- 池田高架橋(甲賀土山IC - 甲南IC/PA) : 上り線1,464 m 下り線1,460 m
- 甲南トンネル(甲南IC/PA - 信楽IC) : 上り線2,552 m 下り線2,530 m
- 隼人川橋(甲南IC/PA - 信楽IC) : 上り線674 m 下り線708 m
- 近江大鳥橋(信楽IC - 大津JCT) : 上り線495 m 下り線555 m
- 金勝山トンネル(信楽IC - 大津JCT) : 上り線3,836 m 下り線3,765 m
- (建設中)枚方トンネル(八幡京田辺IC/JCT - 高槻JCT):約3,000 m[78]
- 箕面トンネル(茨木千提寺IC/PA-箕面とどろみIC):上り線4,997 m 下り線4,982 m[79]
- 生野大橋(宝塚北SA/SIC - 神戸JCT) : 606 m
- 新名神武庫川橋(宝塚北SA/SIC - 神戸JCT) : 442.2 m
亀山連絡路
大津連絡路
- 萱尾川橋(大津JCT - 草津田上IC) : 上り線302 m 下り線302 m
トンネルと橋の数
区間 | トンネル | 橋梁 | |||
---|---|---|---|---|---|
上り線 | 下り線 | 上り線 | 下り線 | ||
本線 | 四日市JCT - 新四日市JCT | 0 | 0 | 2 | 2 |
新四日市JCT - 菰野IC | 0 | 0 | 不明 | ||
菰野IC - 鈴鹿PA/SIC | 1 | 1 | |||
鈴鹿PA/SIC - 亀山西JCT | 1 | 1 | |||
亀山西JCT - 土山SA | 1 | 1 | 4 | 4 | |
土山SA - 甲賀土山IC | 0 | 0 | 0 | 0 | |
甲賀土山IC - 甲南IC/PA | 0 | 0 | 10 | 10 | |
甲南IC/PA - 信楽IC | 1 | 1 | 4 | 4 | |
信楽IC - 大津JCT | 1 | 1 | 8 | 8 | |
城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC | 0 | 0 | 1 | 1 | |
高槻JCT/IC - 茨木千提寺IC/PA | 3 | 3 | 不明 | ||
茨木千提寺IC/PA - 箕面とどろみIC | 1 | 1 | |||
箕面とどろみIC - 川西IC | 2 | 2 | |||
川西IC - 宝塚北SA/SIC | 3 | 3 | |||
宝塚北SA/SIC - 神戸JCT | 1 | 1 | |||
亀山連絡路 | 亀山JCT - 亀山西JCT | 1 | 1 | 8 | 7 |
大津連絡路 | 草津JCT - 草津田上IC | 0 | 0 | 3 | 3 |
草津田上IC - 大津JCT | 0 | 0 | 3 | 3 | |
合計 | 16 | 16 | 40以上 | 39以上 |
亀山JCT - 草津田上IC間(草津JCT - 草津田上IC間の1.2 kmを除く)の49.7 kmのうち、土工部が26.7 km(54%)、橋梁部が11.5 km(23%)、トンネル部が11.5 km(23%)であり、地形比率は山地部約80%、平地部約20%である。
城陽JCT/IC-八幡JCT/IC間の3.5 kmのうち、土工部0.6 km(17%)・橋梁部2.9 km(83%)である。また、高槻JCT/IC-神戸JCT間の40.5 kmのうち、土工部13.4 km(35%)・橋梁部10.6 km(25%)・トンネル部17.3 km(40%)であり、大半が山地であるため橋梁33本、トンネル10本が設けられる。
道路照明灯
- 亀山JCT・草津JCT付近
- 甲賀土山IC・甲南IC・信楽IC・草津田上IC付近
- 土山SA・甲南PA付近
- 大津Aランプ橋・大津Dランプ橋(低位置照明)
ほぼ全線にわたり、山間部を通過している上に道路照明灯がJCT・IC・SA・PA付近にしか設置されていないので夜間は見通しが悪い。
また、信楽地区などで濃霧が発生しやすいため、一部区間の左側路肩に緑色の、右側路肩にオレンジ色の自発光LED霧対策用視線誘導灯が10m間隔で近畿地方では初めて設置されている。濃霧発生時だけでなく見通しの悪い夜間にも稼働している場合がある。
道路管理者
ハイウェイラジオ
- 菰野第一(新四日市JCT - 菰野IC)
- 土山(亀山西JCT - 甲賀土山IC)
- 甲賀(甲賀土山IC - 甲南IC/PA)
- 甲南トンネル上り(甲南IC/PA - 信楽IC 上り線のみ)
- 甲南トンネル下り(甲南IC/PA - 信楽IC 下り線のみ)
- 金勝山トンネル上り(信楽IC - 大津JCT 上り線のみ)
- 金勝山トンネル下り(信楽IC - 大津JCT 下り線のみ)
- 原萩谷(高槻JCT - 茨木千提寺IC)
- 箕面(茨木千提寺IC - 箕面とどろみIC)
- 止々呂美(箕面とどろみIC - 川西IC)
- 切畑(川西IC - 宝塚北SA/SIC)
- 道場(宝塚北SA/SIC - 神戸JCT)
甲南トンネル上り・甲南トンネル下りと金勝山トンネル上り・金勝山トンネル下りは無線局を持たないトンネル内ラジオ再放送設備を介したトンネル内放送である。また、上下線別放送になっており、上り線は上り方面のみの情報、下り線は下り方面のみの情報提供である。
NEXCO中日本名古屋支社とNEXCO西日本関西支社の管理境界となる甲賀土山ICを境に、東側は名古屋支社の一宮管制による4点チャイムの後に「○○時○○分現在の高速道路情報をお知らせします」で始まる形態、西側は関西支社の形態に分けられている。
交通量
24時間交通量(台) 道路交通センサス
区間 | 平成22年(2010年)度 | 平成27年(2015年)度 |
---|---|---|
四日市JCT - 新四日市JCT | 調査当時未開通 | |
新四日市JCT - 菰野IC | ||
菰野IC - 鈴鹿PA/SIC | ||
鈴鹿PA/SIC - 亀山西JCT | ||
亀山西JCT - 甲賀土山IC | 36,369 | 46,645 |
甲賀土山IC - 甲南IC | 34,608 | 44,717 |
甲南IC - 信楽IC | 36,840 | 48,022 |
信楽IC - 草津田上IC | 40,428 | 51,270 |
草津田上IC - 草津JCT | 46,089 | 55,851 |
城陽JCT/IC - 八幡京田辺JCT/IC | 調査当時未開通 | |
高槻JCT/IC - 茨木千提寺IC | ||
茨木千提寺IC - 箕面とどろみIC | ||
箕面とどろみIC - 川西IC | ||
川西IC - 宝塚北SA/SIC | ||
宝塚北SA/SIC - 神戸JCT | ||
亀山JCT - 亀山西JCT | 36,369 | 46,645 |
(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
地理
通過する自治体
- 本線
- 亀山連絡路
- 大津連絡路
通過予定の自治体
本線
接続する高速道路
- E1A 伊勢湾岸自動車道(四日市JCTで直結)
- E23 東名阪自動車道(四日市JCTで接続)
- C3 東海環状自動車道(新四日市JCTで直結)
- E23 東名阪自動車道(亀山連絡路を経由して亀山JCTで接続)
- E1 名神高速道路(大津連絡路を経由して草津JCTで接続)
- E24 京奈和自動車道(城陽JCTで接続)
- E89 第二京阪道路(八幡京田辺JCTで接続)
- E1 名神高速道路(高槻JCT/ICで接続)
- E2A 中国自動車道(神戸JCTで接続)
- E2 山陽自動車道(神戸JCTで直結)
ギャラリー
-
起点の四日市JCT付近を伊坂城橋から望む。奥は伊勢湾。
-
起点からほどなくして新四日市JCTを通過。C3東海環状自動車道と連絡。
-
新四日市JCT通過後朝明川に架けられた単弦ローゼ橋を渡り、以後鈴鹿山脈の麓を通過。
-
菰野市街を通過。奥に菰野ICを望む。起点から暫くは平野部を通行。
-
鈴鹿PA付近。この後すぐに野登トンネルに入る。トンネルを抜けると亀山西JCTに到達する。
-
池山高架橋付近より安坂山トンネル方面を望む
-
安坂山トンネル南坑口より亀山JCT方面を望む
-
土山橋付近より鈴鹿トンネル方面を望む
-
大水戸跨道橋より甲賀土山IC方面を望む
-
高野高架橋付近より甲南IC/PA方面を望む[注釈 8]
-
竜法師跨道橋より甲南IC/PA方面を望む
-
広徳寺展望台より甲賀土山IC方面を望む
-
広徳寺展望台より甲南IC/PA方面を望む
-
甲南トンネル西坑口より信楽IC方面を望む
-
信楽IC付近より金勝山トンネル方面を望む[注釈 9]
-
黄瀬跨道橋より金勝山トンネル方面を望む
脚注
注釈
- ^ 名港中央IC - 四日市JCT間は、「伊勢湾岸自動車道」の道路名で案内される。ただし、東海IC - 名港中央IC - 飛鳥ICの区間は、一般国道302号の自動車専用道路(伊勢湾岸道路)である[4]。
- ^ 高槻JCT - 神戸JCTは設計速度100 km/h
- ^ 中央分離帯による上下線の分離なし
- ^ 中央分離帯による上下線の分離あり
- ^ 建設凍結解除の際コスト削減を理由に、休憩施設の設置は大津SAへ統合され当SAは設置されない計画となったが、城陽市は設置を要望している。
“平成25年 第1回定例会(第3号 3月8日) No.163 園崎弘道議員”. 城陽市議会 会議録検索システム. 城陽市議会 (2013年3月8日). 2017年2月10日閲覧。 - ^ 名神分岐 - 新名神分岐間のキロポストは数字の左側に「W」のアルファベットが表記されている。
- ^ 片側2車線であった区間の一部を暫定的に片側3車線に拡幅[69][70][71]。
- ^ 右端に甲南トンネル東坑口が確認出来る
- ^ 写真奥の上り線(右側)を見ると高低差が確認出来る
出典
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- ^ 浅井建爾 2015, p. 169.
- ^ 浅井建爾 2015, p. 172.
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の日付が不正です。 (説明) - ^ "E23 東名阪道 3車線(暫定)の運用を開始します" (Press release). 中日本高速道路. 30 June 2017. 2019年4月5日閲覧。
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参考文献
- 浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3。