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「鹿児島港」の版間の差分

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{{Infobox 港
{{Infobox 港
| 港名 = 鹿児島港
| 港名 = 鹿児島港
| 画像 = [[File:Port of Kagoshima and Sakurajima 01.jpg|290px]]<br/>[[#主な施設|南埠頭]]から見た[[桜]]
| 画像 = [[ファイル:Sakurajima_-城山展望台より.jpg|300px]]<br/>[[城山 (鹿児島市城山町)|城山]]から望む鹿児港と鹿児島市街
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|Japan#Japan Kagoshima#East China Sea#Pacific Ocean
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| 座標 = {{ウィキ座標2段度分秒|31|35|37.74|N|130|33|57.86|E|region:JP-46_type:landmark|display=inline,title|name=鹿児島港}}
| 座標 = {{ウィキ座標2段度分秒|31|35|37.74|N|130|33|57.86|E|region:JP-46_type:landmark|display=inline,title|name=鹿児島港}}
| 開港 = [[1341年]]頃<ref name="pref-history">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/gaiyo/documents/10652_20200715093145-1.pdf|title=鹿児島港の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-22}}</ref>
| 開港 = [[12世紀]]
| 管理者 = 鹿児島県
| 管理者 = [[鹿児島県]]
| 種類 = 自然/人工
| 種類 = 自然/人工
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| 面積 = 36.38 [[平方キロメートル|km&sup2;]]
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| 埠頭数 = 6
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| 年度 = [[2018年]](平成30年)
| 発着数 =
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| 貨物取扱量 = 34,840,356 [[トン]]<ref>{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00600280&tstat=000001018967&cycle=7&year=20180&month=0&stat_infid=000031898187&result_back=1&tclass1val=0|title=港湾調査 / 港湾統計(年報) 第2部 甲種港湾 第3表 海上出入貨物表 (1)トン数総数表|publisher=国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室|accessdate=2020-12-12}}</ref>
| 貨物取扱量 =
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| 旅客数 = 6,264,181 人<ref>{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00600280&tstat=000001018967&cycle=7&year=20180&month=0&stat_infid=000031898186&result_back=1&tclass1val=0|title=港湾調査 / 港湾統計(年報) 第2部 甲種港湾 第2表 船舶乗降人員表|publisher=国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室|accessdate=2020-12-12}}</ref>
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| 公式サイト =
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}}
'''鹿児島港'''(かごしまこう)は、[[鹿児島県]][[鹿児島市]]にある[[港湾]]。港湾管理者は鹿児島県。[[港湾法]]上の[[重要港湾]]、[[港則法]]上の[[特定港]]に指定されている。


'''鹿児島港'''(かごしまこう)は、[[鹿児島県]][[鹿児島市]]にある[[港湾]]{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=182}}。[[港湾法]]による[[重要港湾]]<ref name="mlit-kowan-h19">{{cite web|url=https://www.mlit.go.jp/kowan/data/pdf/H19.4.1kowan_kanrisya.pdf|title=港湾管理者一覧表|publisher=国土交通省|accessdate=2020-12-12|date=2009-04-1|p=57}}</ref>{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=182}}{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=508}}、[[港則法]]による[[特定港]]<ref>{{cite web|url=https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323M40000800029|title=港則法施行規則(昭和二十三年運輸省令第二十九号)|publisher=日本国政府|accessdate=2020-12-12|date=2020-09-26}}</ref>、[[港湾運送事業法]]による指定港湾{{Sfn|南日本新聞|2015|p=627}}<ref>{{cite web|url=https://www.mlit.go.jp/kaiji/kouwanunsoukon/05/shiryou3.pdf|title=港湾運送事業法適用対象港について|publisher=国土交通省|accessdate=2020-12-19}}</ref>。港湾管理者は[[鹿児島県]]<ref name="mlit-kowan-h19"/><ref>{{cite web|url=https://www.pa.qsr.mlit.go.jp/qanda/index.html|title=なんでもQ&A 港を管理しているのは誰ですか|publisher=国土交通省九州地方整備局港湾空港部|accessdate=2020-12-20}}</ref>。
港本港の歴史的防波堤は、土木学会デザイン賞 2001 優秀賞 受賞。

[[鹿児島湾]]の中央部の[[薩摩半島]]側に位置しており<ref name="pref-history"/>、[[鹿児島市]]の南北約20キロメートル範囲の7港区から構成される<ref name="pref-port-gaiyo">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/gaiyo/port-of-kagoshima.html|title=鹿児島港の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-12}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.city.kagoshima.lg.jp/kensetu/toshikeikaku/toshikeikaku/machizukuri/kasen/kihonhoshin.html|title=鹿児島港港湾計画の基本方針|publisher=鹿児島市|accessdate=2020-12-12}}</ref>。[[2018年]](平成30年)の「港湾統計年報」によれば[[自動車航送]]車両台数は約205万台であり全国首位<ref name="pref-gaiyo-pdf"/>、船舶乗降人員は約626万人で、[[広島県]]の[[厳島港]]に次いで全国2位である<ref name="pref-gaiyo-pdf">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/gaiyo/documents/10652_20200715093340-1.pdf|title=鹿児島港の港勢|publisher=鹿児島県|format=pdf|accessdate=2020-12-12}}</ref><ref name="kowan-gaiyo">{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?&stat_infid=000031898176|title=港湾統計年報の概要|date=2018|accessdate=2020-12-13}}</ref>。

[[平安時代]]末期から[[鎌倉時代]]にかけて[[甲突川]]の河口が港となっており{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=267}}、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]には稲荷川の河口が港となった{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=267}}。[[1341年]]に[[島津貞久]]によって[[東福寺城]]が築城されたことにより発展し{{Sfn|上柿元大輔|2013a}}<ref name="pref-history"/>、[[江戸時代]]には[[鹿児島城|鹿児島城下]]の港として[[琉球貿易]]や海外交易の基地となった{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=750}}。[[1919年]](大正8年)には[[関税法]]上による[[開港]]指定を受け<ref name="customs-2019">{{cite web|url=https://www.customs.go.jp/nagasaki/content/R01.12_tokusyu.pdf|title=鹿児島港開港100年の歩み~開港から平成期までの主要輸出入品目の変遷~|publisher=長崎税関|date=2019-12-19|accessdate=2020-12-13}}</ref>、[[南九州]]で最初の開港場となった{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=751}}。

== 概要 ==
== 概要 ==
[[鹿児島湾]]の中央部の[[薩摩半島]]側に位置する<ref name="pref-history"/>。[[鹿児島市]]の南北約20キロメートルに広がる港湾であり、7港区から構成される(詳細は「[[#港区]]」節を参照)<ref name="pref-port-gaiyo"/>。[[薩摩半島]]と[[桜島]]や[[大隅半島]]への交通路であるほか、[[奄美大島]]・[[沖縄]]などの[[南西諸島]]への重要な交通・物流拠点となっており{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=144}}、[[鹿児島県]]の[[県庁所在地]]である[[鹿児島市]]の海の玄関口となっている{{Sfn|南日本新聞|1990|p=784}}。
開港より約650年の歴史を有し、港湾設備と都心市街地が一体化した[[南日本]]の主要な港湾地帯でもある。


また、[[薩摩半島]]に位置する鹿児島港と[[鹿児島湾]]を挟んで東側に対する[[大隅半島]]との間を結ぶフェリー航路が運航されている。桜島港との間を結ぶ[[桜島フェリー]]、[[垂水市]]の[[垂水港]]との間を結ぶ[[鴨池・垂水フェリー]]は生活航路としての使命を果たしており、年間約731万人の旅客輸送を行っている{{Sfn|南日本新聞|2015|p=574-575}}。
港湾は南北約20kmの範囲に及び、'''本港区'''(桜島フェリーターミナル、北埠頭、南埠頭)、'''新港区(鹿児島新港フェリーターミナル)''' '''鴨池港'''(鴨池フェリーターミナル)、'''中央港区'''(旧南港、旧木材区、[[マリンポートかごしま]])、'''谷山港一区'''フェリーはいびすかす'''谷山港二区'''、'''浜平川港区'''に分かれる。


鹿児島港において取り扱われている貨物は、鹿児島県は畜産が盛んであることから飼料用の穀物や、南方に多数の離島を抱えていることから離島の生活関連物資が中心となっている{{Sfn|南日本新聞|2015|p=627}}。
鹿児島県は離島が多いほか、本土の大半が半島や険しい地勢で、物流・旅客ともに海上交通に頼る面が多いため、鹿児島港の各港区や旅客ターミナルは普段から活況を呈している。加えて桜島フェリー・垂水フェリー・種子島・屋久島行の高速船は頻繁に運航されており、一般の旅客に加え、通学・通勤での定期利用者も非常に多い。また、お盆や年末には帰省客で、転勤シーズンには異動者とその見送りの人々で賑わう。
年間の旅客乗降人員は600万人~700万人ほどで推移しており、国内では[[広島県]]の[[厳島港]]に次いで旅客利用者の多い湾港である。


== 定期旅客航路 ==
2009年(平成21年)2月1日より、空港連絡バスを除くほとんどの高速バスの始終着点が本港区南埠頭(高速船のりば)へ移転し、各地へ向かうフェリーと陸路のアクセスが今まで以上に密となった。
[[2020年]](令和2年)3月現在、鹿児島港を発着する定期旅客航路は以下のとおりである<ref name="pref-port-gaiyo"/>。


{| class="wikitable"
一帯は2007年(平成19年)4月25日に他の2港とともに九州で初めて[[みなとオアシス]]に登録していて、[[北埠頭旅客ターミナル]]を代表施設とする'''みなとオアシス鹿児島'''として賑わい拠点ともなっている。
|-
!港区
!埠頭
!船名・航路名
!運営者
!運航区間
|-
!rowspan="7"|[[#本港区|本港区]]
!rowspan="2"|北ふ頭
|[[桜島フェリー]]{{Sfn|南日本新聞|2015|p=560}}
|[[鹿児島市船舶局]]
| - 桜島港
|-
|フェリーあまみ<br/>フェリーきかい
|[[奄美海運]]
| - [[喜界島]] - [[奄美大島]]([[名瀬港]]) - 奄美大島([[古仁屋港]]) - [[徳之島]](平土野港) - 沖永良部島(知名港)
|-
!rowspan="5"|南ふ頭
|[[みしま (フェリー)|フェリーみしま]]
|[[三島村]]
| - [[竹島 (鹿児島県)|竹島]] - [[硫黄島 (鹿児島県)|硫黄島]] - [[黒島 (鹿児島県)|黒島]]
|-
|[[フェリーとしま]]
|[[十島村]]
| - [[口之島]] - [[中之島 (鹿児島県)|中之島]] - [[平島 (鹿児島県)|平島]] - [[諏訪之瀬島]] - [[悪石島]] - [[小宝島]] - [[宝島 (鹿児島県)|宝島]] - 奄美大島(名瀬港)
|-
|[[貨客船]][[プリンセスわかさ]]
|[[コスモライン (鹿児島県)|コスモライン]]
| - [[種子島]](西之表港)
|-
|[[フェリー屋久島2]]
|[[折田汽船]]
| - [[屋久島]]([[宮之浦港 (屋久島町)|宮之浦港]])
|-
|高速船トッピー<br/>高速船ロケット
|[[種子屋久高速船]]
| - [[指宿港]] - [[西之表港]](種子島) - 宮之浦港・安房港(屋久島)
|-
!rowspan="2" colspan="2"|[[#新港区|新港区]]
|クイーンコーラルプラス<br/>クイーンコーラル8
|[[マリックスライン]]
| - 奄美大島(名瀬港) - [[徳之島]](亀徳港) - [[沖永良部島]](和泊港) - [[与論島]](与論港) - [[本部港]] - [[那覇港]]
|-
|フェリーあけぼの<br/>フェリー波之上
|[[マルエーフェリー]]
| - 奄美大島(名瀬港) - [[徳之島]](亀徳港) - [[沖永良部島]](和泊港) - [[与論島]](与論港) - [[本部港]] - [[那覇港]]
|-
!colspan="2"|[[#鴨池港区|鴨池港区]]
|[[鴨池・垂水フェリー]]
|[[垂水フェリー]]
| - [[垂水港]]
|-
!colspan="2"|[[#谷山二区|谷山二区]]
|[[フェリー]][[はいびすかす]]
|[[鹿児島商船]]
| - 種子島(西之表港) - 屋久島(宮之浦港)
|}

== 港勢 ==
[[File:View from Sakurajima.jpg|250px|thumb|[[桜島]](手前)より見下ろす鹿児島港(奥)。写真中央が北埠頭、その左隣が南埠頭。]]

鹿児島港を発着する定期航路は、[[鹿児島湾]]内を運航する[[桜島]]との間を結ぶ[[桜島フェリー]](桜島航路)、[[垂水市]]との間を結ぶ[[鴨池・垂水フェリー]](垂水航路)が就航しているほか、鹿児島県本土の南方に位置する[[離島]]である[[種子島]]、[[屋久島]]、[[奄美大島]]や[[沖縄]]、[[三島村]]、[[十島村]]の各島への発着港となっている<ref name="pref-gaiyo-pdf"/>。また桜島フェリーは全国で唯一24時間運航を実施している<ref>{{cite web|url=https://www.asahi.com/articles/ASK9V6R63K9VTLTB011.html|title=毎日24時間運航、全国唯一の桜島フェリー その訳は?|publisher=朝日新聞デジタル|author=斉藤明美|accessdate=2020-12-13}}</ref>。

中央港区の[[マリンポートかごしま]]には大型観光船ふ頭が整備されており、[[2019年]](令和元年)には大型観光船が95回寄港した<ref name="marine-port-2019">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ah09/infra/port/minato/marineport/gaiyo/mpkjisseki.html|title=「マリンポートかごしま」への観光船寄港|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。

鹿児島港を管轄する[[長崎税関]]鹿児島税関支署(管轄に喜入港を含む)によって通関した[[2018年]](平成30年)の輸出品目は再輸出品・魚介類及び同調製品・金属鉱及びくず・無機化合物・船舶類、輸入品目は原油及び粗油・穀物及び同調製品・飼料・再輸入品・石油ガス類であった<ref name="customs-2019"/>。

以下の港勢は特に記載がないものは[[2018年]](平成30年)現在の「港湾統計年報」のデータである。

=== 入港船舶 ===
鹿児島港への入港船舶は下記のとおりである<ref>{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?&stat_infid=000031898185|title=港湾調査 / 港湾統計(年報)/第2部 甲種港湾/第1表 入港船舶表|publisher=国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室|accessdate=2020-12-13}}</ref>。

{| class="wikitable"
!種別
!隻数(隻)
!総トン数(トン)
|-
!外航商船
|style="text-align:right;"|302
|style="text-align:right;"|13,509,203
|-
!内航商船
|style="text-align:right;"|7,504
|style="text-align:right;"|7,210,397
|-
!内航の[[自動車航送|自動車航送船]]
|style="text-align:right;"|35,911
|style="text-align:right;"|50,480,634
|-
!漁船
|style="text-align:right;"|1,606
|style="text-align:right;"|36,089
|-
!その他
|style="text-align:right;"|2
|style="text-align:right;"|210
|-
!合計
|style="text-align:right;"|45,325
|style="text-align:right;"|71,236,533
|}

=== 船舶乗降人員 ===
鹿児島港の船舶乗降人員は以下のとおりである<ref>{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?&stat_infid=000031898186|title=港湾調査 / 港湾統計(年報)/第2部 甲種港湾/第2表 船舶乗降人員表|publisher=国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室|accessdate=2020-12-13}}</ref>。船舶乗降人員は[[広島県]]の[[厳島港]]に次いで全国2位である<ref name="pref-gaiyo-pdf"/><ref name="kowan-gaiyo"/>。

{| class="wikitable"
!種別
!乗降人員(人)
!乗込人員(人)
!上陸乗員(人)
|-
!外国航路
|style="text-align:right;"|533,180
|style="text-align:right;"|250,121
|style="text-align:right;"|283,059
|-
!内国航路
|style="text-align:right;"|7,731,001
|style="text-align:right;"|2,867,050
|style="text-align:right;"|2,863,951
|-
!合計
|style="text-align:right;"|6,264,181
|style="text-align:right;"|3,117,171
|style="text-align:right;"|3,147,010
|}

=== 海上出入貨物 ===
鹿児島港の海上出入貨物のトン数は以下のとおりである<ref>{{cite web|url=https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?&stat_infid=000031898187|title=港湾調査 / 港湾統計(年報)/第2部 甲種港湾/第3表 海上出入貨物表 (1)トン数総数表|publisher=国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室|accessdate=2020-12-13}}</ref>。

{| class="wikitable"
!種別
!合計(トン)
!輸出(トン)
!輸入(トン)
!移出(トン)
!移入(トン)
|-
!一般
|style="text-align:right;"|6,320,241
|style="text-align:right;"|35,320
|style="text-align:right;"|1,388,136
|style="text-align:right;"|1,500,421
|style="text-align:right;"|3,396,364
|-
!自動車航送船
|style="text-align:right;"|28,520,115
|style="text-align:center;"|-
|style="text-align:center;"|-
|style="text-align:right;"|14,115,195
|style="text-align:right;"|14,404,920
|-
!合計
|style="text-align:right;"|34,840,356
|style="text-align:right;"|35,320
|style="text-align:right;"|1,388,136
|style="text-align:right;"|15,615,616
|style="text-align:right;"|17,801,284
|}


== 歴史 ==
== 歴史 ==
=== 鹿児島港の興り ===
[[ファイル:Sinhato6485.JPG|thumb|right|240px|鹿児島旧港施設・新波止砲台跡<br>([[重要文化財]]・「[[明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業]]」(九州・山口の近代化産業遺産群)の候補遺産であった。]]
[[平安時代]]末期から[[鎌倉時代]]にかけて[[甲突川]]の河口に港があったとされ{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=267}}、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]になると稲荷川の河口が鹿児島の港となった{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=267}}。鹿児島港が本格的に築港されるまでは、稲荷川や[[甲突川]]によって形成された沖積地が広がっており、海岸線には草木が繁茂していたとされる{{Sfn|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983|p=182}}。
[[File:Kagoshima Port Sakurajima Ferry Terminal 20180504-3.jpg|thumb|240px|桜島フェリーターミナル]]
*[[12世紀]]中頃 - 確認される最古の記録によれば、この時期に[[島津氏]]により開港されたようである。
*[[1602年]]-[[1854年]] - 現在の本港区の大半がこの期間に形成される。[[鹿児島城]]の築城や城下の拡大、[[薩英戦争]]の防衛などに伴い、周辺の丘陵が削られ土砂で随時埋め立てられている。埋立て開始当初、現在の中心街[[天文館]]界隈の{{要出典範囲|大半は遠浅の海であったようだ|date=2009年12月}}。
*[[1901年]]-[[1905年]] - 明治の大改修により近代港湾として整備に着手。すでにこの頃より[[沖縄県|沖縄]]・[[阪神間|阪神]]方面の定期航路が頻繁であったほか、[[台湾]]にも定期航路があった。
*1901年 - 港の背後地区に[[官営鉄道]][[鹿児島本線]](現在の[[日豊本線]]・[[肥薩線]]経由)の[[鹿児島駅]]が開業。同時期より沖縄方面の貨物取扱いが開始。
*[[1907年]] - [[横浜港]]・[[神戸港]]などと共に旧[[重要港湾]]に指定。
*[[1919年]] - 旧関税法の「開港」に指定。
*[[1922年]] - 国の[[指定港湾]]([[内務省 (日本)|内務省]][[告示]])指定。同時期より[[上海市|上海]]・[[大連市|大連]]への国際航路のほか、[[朝鮮半島]]への{{要出典範囲|航路が開設されていたようである|date=2009年12月}}。
*[[1923年]]-[[1934年]] - 大正・昭和の大改修に着手。本港区の混雑解消のため城南埠頭(現在の新港)が建設される。また、鹿児島市の近代化の一環として、漁港関連施設の整備のほか近隣の本港区[[住吉町 (鹿児島市)|住吉町]](旧ボサド桟橋)に全国で4番目の魚類・青果[[中央卸売市場]]が整備される。
*[[1950年]] - [[植物防疫法]]「輸入可」港に指定。
*[[1951年]] - 新[[重要港湾]]、[[入管難民法]]の「出入港」、[[家畜伝染病予防法]]「輸入可」港に指定。
*[[1952年]] - 検疫法[[検疫港]]に指定。この頃より旧南港区(中央港区)の整備を開始。
*[[1959年]] - 現在の港湾計画を策定し、新港区の整備を開始。奄美・沖縄航路が本港区から移転。
*[[1965年]] - 旧木材港区(中央港区)整備を開始。[[適用港湾]]、[[特定港]]に指定。
*[[1966年]] - 谷山港一区の整備開始。
*[[1960年代|1960年]]後半 - 新港区と鴨池港区の中間の[[与次郎]]地区の埋立が完了。
*[[1967年]] - 新港区新港に魚類中央卸売市場が新設(住吉町の市場より分離)。
*[[1971年]] - 港湾計画を拡大して、谷山港二区の整備を開始。
*[[1972年]] - 旧[[鹿児島空港]]跡地に鴨池港区の整備を開始、大隅半島の垂水航路専用のフェリーターミナルとする。
*1972年 - 港湾計画を改定、浜平港区の整備を開始。
*1972年 - 新港区と鴨池港区の中間の埋立地である与次郎地区を主会場に[[第27回国民体育大会|太陽国体]]が開催される。
*[[1976年]]-[[1980年]]代 - 鴨池港区の背後地区(旧鹿児島飛行場跡地)である[[鴨池新町]]を旧[[日本住宅公団]]が「鴨池ニュータウン」として都市整備。高層集合住宅団地の建設を皮切りに[[地区計画]]を策定し、外壁の色調を統一したオフィス街が出現。
*1976年 - 中央港区木材港背後地区に青果中央卸売市場が移転し、住吉町の中央卸売市場は閉鎖。
*[[1985年]] - 本港区と背後地区の再整備計画に着手。
*[[1986年]] - 谷山港二区に[[IHI|石川島播磨重工業]]が進出(2002年撤退)。
*[[1991年]] - 本港区の市役所大通りを鹿児島市が「みなと大通り公園」として再整備。
*1991-[[1993年]] - 本港区背後地域の県農協連跡地に、高層集合分譲住宅・商業施設・シティーホテルなどが一体となった再開発ビル「アーバンポート21」が整備される。
*1993年 - 本港区北埠頭ターミナルの供用を開始。
*[[1996年]] - 本港区背後地域の[[小川町 (鹿児島市)|小川町]]21番街区に再開発ビル「アーバンポート住宅棟」が整備される。
*1996年 - 将来の臨港道路の一部となる谷山臨港大橋が開通。
*[[1997年]] - 鴨池港区の背後地区に鹿児島県庁・県警察本部・県議会が移転。
*1997年 - 本港区に[[いおワールドかごしま水族館]]が開館。
*[[1998年]] - 新[[桜島フェリー]]ターミナル供用を開始
*[[2000年]] - 将来の臨港道路の一部となる天保山シーサイドブリッジ供用を開始。
*[[2002年]] - 本港区南埠頭ターミナルの供用を開始。
*[[2004年]] - 本港区に隣接して、既存の[[鹿児島駅]]を拡大した[[鹿児島貨物ターミナル駅]]([[日本貨物鉄道|JR貨物]])が開業。鉄道と海上輸送とのオンタイムが実現。
*[[2005年]] - 本港区に大型商業施設[[ドルフィンポート]]が開業。
*[[2006年]] - 本港区に[[NHK鹿児島放送局]]が移転。
*[[2007年]] - 中央港区の旧木材港に大型商業施設イオン鹿児島ショッピングセンター(現・[[イオンモール鹿児島]])が開業。
*[[2008年]] - 運航本数が多い種子島・屋久島行きの高速船ターミナルが本港区の北埠頭から市街地寄りの南埠頭に移設、タクシー車寄せなどを完備した専用のりばになる。
*2008年10月18日 - [[クルーズ客船|大型観光船]]用の埠頭を備えたマリンポートかごしまが中央港区に開港する。
*[[2009年]] - 各地へ向かう高速長距離バスの始終着点が、[[いづろ高速バスセンター]]より種子島・屋久島行き高速船ターミナルへ移転。


港町としての発展は[[興国]]2年/[[暦応]]4年([[1341年]])に[[島津貞久]]が[[東福寺城]]を築城して以降と見られている{{Sfn|上柿元大輔|2013a}}<ref name="pref-history"/>。多賀山の麓が[[泊地]]となっており、河口から滑川までの海岸にそって人家が立ち並んで港町を形成していた{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=283}}。
== 主な施設 ==
[[File:View from Sakurajima.jpg|300px|thumb|[[桜島]](手前)より見下ろす鹿児島港(奥)。写真中央が'''北埠頭'''、その左隣が'''南埠頭'''。]]
[[File:View in Kagoshima Port Sakurajima Ferry Terminal.jpg|thumb|桜島フェリーターミナル内の様子]]
;本港区
*'''北埠頭''':旅客待合所・旅客ターミナルビル・桜島フェリーターミナル・県営1号上屋・県営2号上屋・県営4号上屋
*'''南埠頭''':旅客待合所・南ふ頭旅客ターミナル・村営フェリーとしま乗り場・村営フェリーみしま乗り場・高速船ターミナルビル・高速バスのりば
;'''新港区''':
*新港第1待合所・新港第2待合所・県営上屋2号・県営上屋2号・県営上屋5号・鹿児島市魚類[[中央卸売市場]]
;'''鴨池港区''':
*鴨池フェリーターミナル・天保山シーサイドブリッジ
;'''中央港区''':
*[[マリンポートかごしま]](大型観光船埠頭)
;谷山港一区''':
*谷山漁港・鹿児島市青果中央卸売市場・谷山臨港大橋・県営上屋1号・県営上屋2号
;'''谷山港二区''':
*県営上屋


[[江戸時代]]初頭頃には稲荷川の河口近くの田之浦付近が湊として利用されていた{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=144}}。[[慶長]]7年([[1602年]])に[[薩摩藩]]初代[[藩主]][[島津家久]]が[[鹿児島城]]を築城した頃より港の機能は稲荷川河口から南下し鹿児島城の前方にある前之浜が港としての機能を有するようになった{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=749}}{{Sfn|芳即正|五味克夫|1998|p=144}}{{Sfn|上柿元大輔|2013a}}。[[正保]]2年([[1645年]])に新たに海岸の石垣の構築を幕府に申請した{{Sfn|田村省三|2009|p=3}}。[[文政]]年間になり、鹿児島城下の[[住吉町 (鹿児島市)|住吉町]]から築町(現在の[[名山町]]の一部)にかけて本格的な港としての整備が行われた{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=749}}{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=496}}。
== 旅客航路 ==

=== 本港区北埠頭 ===
[[江戸時代]]後期の[[文政]]・[[天保]]年間には屋久島岸岐(南波止)、弁天波止、新波止、三五郎波止などの[[防波堤]]が鹿児島の港を囲うように建設された{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=384}}{{Sfn|田村省三|2009|p=4}}。[[文政]]9年の記録によれば鹿児島港の背景地にある[[鹿児島城|鹿児島城下]]の人口は72,350人であり、全国的に見ても大都市であった{{Sfn|田村省三|2009|p=4}}。
*[[桜島フェリー]] ※終夜運航。

**鹿児島港(桜島フェリーターミナル) - [[桜島]]フェリーターミナル(袴越)
=== 航路の開設と拡張 ===
*[[奄美海運]]:「フェリーあまみ」「フェリーきかい」 ※親会社の[[マルエーフェリー]](奄美群島経由[[沖縄]]行き)とは遠く離れた別のふ頭を使用している事に注意。
[[File:PSM V71 D052 One of the most active volcanos kirishima yama in south of japan.png|thumb|1907年頃の鹿児島市街と鹿児島港]]
**鹿児島港 - [[喜界島]](湾港) - [[奄美大島]]([[名瀬港]]) - 奄美大島([[古仁屋港]]) - [[徳之島]](平土野港、島の西側[[天城町]]) - 沖永良部島(知名港)

*[[琉球海運]]・共進トラベル(株)(共進組): [[RO-RO船]]「わかなつおきなわ」 ※2006年9月をもって旅客扱い休止。但し貨物の定期航路は存続強化される。
[[明治時代]]になり、[[西南戦争]]が終戦すると[[三菱|三菱会社]]や[[共同運輸会社]](のちに合併し[[日本郵船]]となる)の船が鹿児島港に寄港するようになった{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=766}}{{Sfn|田村省三|2009|p=4}}。[[1884年]](明治17年)には[[大阪商船]](現在の[[商船三井]])の船も寄港するようになり、[[大阪港]]との間を[[神戸港]]、[[多度津港]]などを経由し結んだ{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=766}}。
**鹿児島港 - [[那覇港]] - [[平良港]] - [[石垣港]]

[[1878年]](明治11年)には、[[鹿児島湾]]内を運航する小型の旅客汽船の運行が始まり、[[1883年]](明治16年)には[[種子島]]・[[屋久島]]に郵便回送を行うようになった{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=766}}{{Sfn|田村省三|2009|p=4}}。鹿児島港には関税の手続きを行う官庁が設置されておらず、海外からの貨物については[[長崎港]]にて関税手続を行ってから鹿児島港に荷揚げされていたが、[[1897年]](明治30年)に鹿児島税関監視所が設置され、鹿児島港で直接関税手続が行えるようになった{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=305}}。

[[1900年]](明治33年)から[[1905年]](明治38年)にかけて鹿児島港の修築工事が行われ、この工事によって発生した土砂を利用して大門口附近の海面、[[鹿児島駅]]付近の運河や堀を埋立てて新たに陸地が拡張された{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=756}}。物揚場、防波堤、浮桟橋が整備されたことにより1,500トン級の船舶の接岸が可能となった{{Sfn|田村省三|2009|p=4}}。このことにより、交易は伸長し[[1907年]](明治40年)には輸移出額・輸移入額が増加に転じた{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=496}}。明治時代後半には沖縄や奄美大島との[[泡盛]]、[[黒砂糖]]などの取引や大阪方面との反物などの取引が海上輸送を通じて行われた{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=308}}。

[[1922年]](大正11年)に指定港湾に指定され、[[上海]]や[[大連]]、[[朝鮮半島]]への国際定期便航路が開設された{{Sfn|田村省三|2009|p=5}}。[[1923年]](大正12年)には2回目となる修築工事が行われ、洲崎町(現在の[[城南町 (鹿児島市)|城南町]]・[[住吉町 (鹿児島市)|住吉町]]など)から住吉町までの堀を埋立て港湾施設が建設された{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=757}}。[[1938年]](昭和13年)には塩屋町(現在の[[甲突町]])の沖が埋立てられさらに陸地が拡張された{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1969|p=757}}。

[[1934年]](昭和9年)に西桜島村(のちの[[桜島町]])が桜島の袴腰港から鹿児島港を結ぶ航路の運航を開始した<ref>{{cite web|url=http://kagoshima-hiroba.jp/wp/wp-content/uploads/2015/02/815a61358e56e28419cd00aa069249f6.pdf|title=かごしま市民のひろば|date=2015-03|accessdate=2020-12-19|publisher=鹿児島市}}</ref>。[[1935年]](昭和10年)には全国で9番目、九州地方では初となる[[中央卸売市場]]として鹿児島市中央卸売市場が[[住吉町 (鹿児島市)|住吉町]]に開設された{{Sfn|南日本新聞|1990|p=623}}。中央卸売市場はのちに[[1967年]](昭和42年)には魚類市場を[[城南町 (鹿児島市)|城南町]]に移転、[[1976年]](昭和51年)には青果市場を[[東開町 (鹿児島市)|東開町]]に移転した{{Sfn|南日本新聞|1990|p=623-624}}。

=== 第二次世界大戦と終戦後の貿易 ===
[[1941年]](昭和16年)から[[1945年]](昭和20年)までの[[第二次世界大戦]]中の鹿児島港は軍需港として使用され{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=500}}、南港では[[大日本帝国海軍]]が軍港として整備を行っていたが建設途中に終戦を迎えた<ref name="pref-minamiko"/>。

戦時中の鹿児島港では軍需関係以外の貿易が行われず{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=500}}、終戦後の[[1945年]](昭和20年)には当時の日本を統治下に置いた[[連合国軍最高司令官総司令部]](GHQ)が輸出入許可制を発令し、鹿児島港では少量の貿易が行われた{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=505}}。戦前の主要貿易先であったアジア大陸に代わり、[[アメリカ合衆国軍]]の統治下となった奄美大島や沖縄への貿易が鹿児島港にとって主軸となった{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=506}}。また、同時に鹿児島市の[[自治体警察]]である[[鹿児島市警察]]によってアメリカ合衆国軍統治下の[[北緯29度線]]以南の沖縄や奄美大島からの密航者や密輸入に対する取締りが行われた{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=295}}。

=== 戦後復興と南岸の整備拡張 ===
[[1948年]](昭和23年)に5年に渡る鹿児島港の戦災復旧工事に着手し{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=508}}、[[1950年]](昭和25年)には鹿児島港と袴腰港(現在の桜島港)との間にフェリーが就航した{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=471}}。[[1951年]](昭和26年)には[[港湾法]]による[[重要港湾]]に指定された{{Sfn|鹿児島市史編さん委員会|1970|p=508}}<ref name="mlit-kowan-h19"/>。

昭和40年代以降、鹿児島港は南岸に沿って整備拡張がすすめられた{{Sfn|南日本新聞|1990|p=553}}。[[1967年]](昭和42年)に奄美・沖縄航路専用の新港区が整備され{{Sfn|南日本新聞|1990|p=553}}、[[1974年]](昭和49年)には与次郎ヶ浜に南海郵船(のちの垂水フェリー)が[[垂水港]]との間に[[フェリー]]航路を開設した{{Sfn|南日本新聞|1990|p=553}}。

[[1972年]](昭和47年)には、鹿児島市[[郡元 (鹿児島市)|郡元町]](現在の[[鴨池新町]])に設置されていた[[鹿児島空港]]が、[[姶良郡]][[溝辺町]]大字麓(現在の[[霧島市]][[溝辺町麓]])に移転した{{Sfn|南日本新聞|1990|p=562}}。

更には[[1974年]](昭和49年)には谷山港を発着するフェリー[[さんふらわあ]]が就航し鹿児島と大阪を結んでいたが、[[1986年]](昭和61年)から多客期のみ鹿児島港に寄港し通常は[[志布志港]]発着となった{{Sfn|南日本新聞|1990|p=554}}。また、[[1987年]](昭和62年)には鹿屋市の古江港との間を結ぶ高速船が就航{{Sfn|南日本新聞|1990|p=554}}、[[1989年]](平成元年)には種子島・屋久島との間を結ぶ高速船も就航した{{Sfn|南日本新聞|1990|p=554}}。

[[2000年]](平成12年)には鹿児島市に本社を置く[[日本ガス]]が[[液化天然ガス]]を運搬する専用船の母港を鹿児島港とし、鹿児島港と[[インドネシア]]との間に液化天然ガス専用船を就航させた{{Sfn|南日本新聞|2015|p=614}}。[[2014年]](平成26年)には[[博多港]]から鹿児島港、[[那覇港]]などを経て[[石垣島]]に至る航路であった[[琉球海運]]が運航する「みやびII」が石垣島から[[台湾]]の[[高雄港]]に航路を延伸し、鹿児島港では初となる国際定期貨物航路となった{{Sfn|南日本新聞|2015|p=499}}。

== 港区 ==
鹿児島港は南北約20キロメートルの範囲の7港区から構成されている{{Sfn|南日本新聞|1990|p=784}}<ref name="pref-port-gaiyo"/>。港区は北から本港区、新港区、鴨池港区、中央港区、谷山一区、谷山二区、浜平川港区がある<ref name="pref-port-gaiyo"/><ref name="mlit-pa-kagoshima">{{cite web|url=https://www.pa.qsr.mlit.go.jp/kagoshima/port/kagoshima/index.html|title=鹿児島港・港区について|publisher=国土交通省九州地方整備局鹿児島港湾・空港整備事務所|accessdate=2020-12-13}}</ref>。

以下では鹿児島港を構成する港区について詳述する。

[[File:Kagoshima Port area map.png|thumb|center|500px|鹿児島港を構成する港区を示す地図(写真右方向が北)]]

=== 本港区 ===
[[File:20100721 Kagoshima 3892.jpg|thumb|出航した桜島フェリーの船上から望む本港桜島フェリーふ頭]]

[[桜島]]との間を結ぶ[[桜島フェリー]]、[[種子島]]・[[屋久島]]との間を結ぶ種子屋久航路、[[沖縄]]との間を結ぶ沖縄航路{{Sfn|南日本新聞|2015|p=832}}、[[十島村]]及び[[三島村]]へのフェリーが発着している{{Sfn|南日本新聞|1990|p=785}}。[[埠頭]]は小川ふ頭・本港桜島フェリーふ頭・本港フェリーふ頭・北ふ頭・南ふ頭がある<ref name="pref-honkoku"/>。

[[江戸時代]]に[[琉球貿易]]が盛んとなり、波止場の荷役護岸を建設し利用したのが始まりといわれており、[[1907年]](明治40年)に重要港湾に指定された<ref name="pref-honkoku">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/honko/honkouku-page1.html|title=本港区の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。


<gallery>
<gallery>
File:Port of Kagoshima and Sakurajima 01.jpg|南ふ頭を出航する[[高速船]]と[[桜島]]
File:Ferry Amami.jpg|thumb|「フェリーあまみ」
File:フェリー喜界DSC01775.JPG|thumb|「フェリーきかい(先代)
File:Ferry Amami.jpg|北ふ頭を発着する「フェリーあまみ
File:フェリー喜界DSC01775.JPG|北ふ頭を発着する「フェリーきかい」(先代)
File:Port of Kagoshima 03.jpg|南ふ頭を発着する「フェリーとしま」
File:フェリーみしまDSC01754.JPG|南ふ頭を発着する「フェリーみしま」
</gallery>
</gallery>


=== 港区南埠頭 ===
=== 港区 ===
[[奄美大島]]・[[沖縄]]との間を結ぶ奄美・沖縄航路の船が発着する{{Sfn|南日本新聞|2015|p=832}}。
[[File:Port of Kagoshima 03.jpg|thumb|240px|南埠頭]]
[[File:フェリーとしまDSC01763.JPG|thumb|240px|フェリーみしま]]
[[File:フェリーみしまDSC01754.JPG|thumb|240px|フェリーみしま]]


[[1959年]](昭和34年)から港湾需要の拡大に対処する為に整備が行われ、岸壁や上屋が設置された<ref name="pref-sinko">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/shinkou/sinkouku-page1.html|title=新港区の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。[[1968年]](昭和43年)には沖縄航路や奄美航路が本港区から移転した<ref name="pref-sinko"/>{{Sfn|南日本新聞|1990|p=785}}。
*[[三島村]]営:「フェリーみしま」
**鹿児島港 - [[竹島 (鹿児島県)|竹島]] - [[硫黄島 (鹿児島県)|硫黄島]] - [[黒島 (鹿児島県)|黒島]]
*[[十島村]]営:「[[フェリーとしま]]」
**鹿児島港 - [[口之島]] - [[中之島 (鹿児島県)|中之島]] - [[平島 (鹿児島県)|平島]] - [[諏訪之瀬島]] - [[悪石島]] - [[小宝島]] - [[宝島 (鹿児島県)|宝島]] - 奄美大島(名瀬港)
*[[コスモライン (鹿児島県)|コスモライン]]:[[貨客船]]「[[プリンセスわかさ]]」
**鹿児島港 - [[種子島]](西之表港)
*[[折田汽船]]:「[[フェリー屋久島2]]」
**鹿児島港 - [[屋久島]]([[宮之浦港 (屋久島町)|宮之浦港]])
*[[鹿児島商船|新屋敷商事]]:「[[はいびすかす]]」
**鹿児島港 - [[西之表港]](種子島) - 宮之浦港(屋久島)


[[2011年]](平成23年)より旅客待合所の建て替え、[[ボーディングブリッジ]]の設置、埋立てによるふ頭用地の造成、耐震強化岸壁の整備が実施され、[[2016年]](平成28年)に整備が完了した<ref>{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ah09/infra/port/minato/kagoshima/shinkou/sinko-keikaku.html|title=鹿児島港新港区改修工事について|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-19}}</ref>。
;本港区南埠頭(高速船ターミナルビル)
2007年4月から供用開始。
*[[鹿児島商船]]:高速船「トッピ-」
**鹿児島港 - [[指宿港]] - 種子島(西之表港・島間港) - 屋久島(宮之浦港・[[安房港]])
*[[コスモライン (鹿児島県)|コスモライン]]:高速船「ロケット」
**鹿児島港 - 種子島(西之表港) - 屋久島(宮之浦港)


<gallery>
=== 新港区 ===
File:Kagoshima Port New Port Building.jpg|奄美・沖縄フェリーターミナル
{{出典の明記|date=2012年12月24日 (月) 00:48 (UTC)|section=1}}<!--必ずしも事実関係の疑義ではありませんが、整備計画および岸壁運用の現状について出典を提示ください。(現状は観察記録=独自研究の体であるため。)-->
File:Kagoshima New Port.jpg|2011年まで使用されていたターミナル
県は老朽化や安全上問題あるとして本港区北埠頭への移転を要請していたが、将来的に新港区を整備したうえで継続利用するとの結論となり、2011年から整備工事を開始<ref>[http://www.mlit.go.jp/common/000123236.pdf 鹿児島港 新港区 複合一貫輸送ターミナル改良事業 - 国土交通省]</ref><ref>[http://www.pref.kagoshima.jp/ah09/infra/port/minato/kagoshima/shinkou/sinko-keikaku.html 鹿児島港新港区改修工事について]</ref>。
</gallery>


=== 鴨池港区 ===
整備計画として、
[[大隅半島]]の[[垂水市]]との間を結ぶ[[鴨池・垂水フェリー]]が発着する{{Sfn|南日本新聞|2015|p=832}}{{Sfn|南日本新聞|1990|p=785}}。[[1972年]](昭和47年)から[[鹿児島空港]]の跡地に建設された港であり、[[1975年]](昭和50年)にはフェリーの発着施設が完成した<ref>{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/kamoike/kamoike-page1.html|title=鴨池港の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。


<gallery>
* 埠頭用地不足解消の為、老朽化対策と併せ全面埋め立てによる用地確保。
ファイル:Kamoike_Ferry_Terminal_2009.JPG|鴨池フェリーターミナル
* 岸壁再構築については大規模災害時に運用できる[[耐震]]岸壁を一バース整備。
ファイル:Tarumizu_Ferry_-_6th_Osumi.JPG|フェリー第六おおすみ([[鴨池・垂水フェリー]])
* 港湾施設は旅客ターミナルは[[ボーディングブリッジ]]・[[エレベーター]]などの[[バリアフリー]]対策と共に貨物との動線分離を図る。
</gallery>
* 臨港道路は現行の臨港道路を活用し、4車線を整備する。


=== 中央港区 ===
2011年9月20日から整備工事のため従来の新港第二待合所は閉鎖となり、旧第一待合所を新港仮設待合所として2013年度末まで使用し、
[[File:Marine port Kagoshima Fureai port Building.JPG|thumb|マリンポートかごしまの待合所である「ふれあいぽーと」]]
同整備工事に伴い、新港での接岸荷役岸壁も一部工事区画に入り、従来のように使用船舶の二隻同時接岸が不可能な為、
マリックスラインは本港北埠頭、マルエーフェリーは谷山港区にそれぞれ待機岸壁を設定し、必要に応じて船舶の入れ替えを行っていた。<br>
2016年4月に新旅客ターミナル、ボーディングブリッジ、耐震岸壁が整備供用開始され、4年5ヶ月にわたる前述の使用岸壁変則運用を終了し、
新港区内における鹿児島=奄美群島=沖縄/那覇航路の運航船舶二隻同時接岸運用が再開された。


[[LPG]]や金属くずなどの貨物を取り扱っている{{Sfn|南日本新聞|2015|p=832}}。中央港区は旧木材港、旧南港、マリンポートかごしまから構成される。
*[[マリックスライン]]:「クイーンコーラルプラス」「クイーンコーラル8」
*[[マルエーフェリー]]:「フェリーあけぼの」「フェリー波之上」
**鹿児島港 - 奄美大島(名瀬港) - [[徳之島]](亀徳港) - [[沖永良部島]](和泊港) - [[与論島]](与論港) - [[本部港]] - [[那覇港]]
2009年2月より新港待合所前と[[鹿児島中央駅]]、[[天文館]]、市街地方面の間を[[いわさきバスネットワーク]]が船の入出港時間に併せて連絡バス「ポートライナー」を運航中。


旧木材港は[[1965年]](昭和40年)から木材を取り扱う港として整備が行われた<ref name="pref-mokuzai">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/chuou/mokuzai-page1.html|title=旧木材港の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。[[1965年]](昭和40年)には金属機械団地・製材団地に挟まれた水域には貯木場が整備された<ref name="pref-mokuzai"/>。
=== 鴨池港区(通称:「鴨池フェリーターミナル」) ===
*[[垂水フェリー]]
**鹿児島港 - [[垂水港]]


旧南港は新川の河口部に整備された港であり、[[第二次世界大戦]]中に[[大日本帝国海軍]]が港として整備を行っていたが建設途中に終戦を迎え、放棄されていた用地を鹿児島市が港として[[1953年]](昭和28年)から整備を実施した<ref name="pref-minamiko">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/chuou/tyuuoukouku-minamikou.html|title=旧南港の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。
=== 谷山港二区(七ッ島地区) ===
*新屋敷商事:貨客船「はいびすかす」
**鹿児島港 - 種子島(西之表港) - 屋久島(宮之浦港)


==== マリンポートかごしま ====
== 高速バス ==
{{Main|マリンポートかごしま}}
[[File:九州産業交通DSC01182.JPG|thumb|[[熊本市|熊本]]まで乗り入れている[[九州産交バス]] (南埠頭駐車場より)]]


マリンポートかごしまは、中央港区の一部を構成する大型観光船が接岸できる岸壁を有する埋立地であり、それまで谷山港区に入港していた観光客船の寄港地となった{{Sfn|南日本新聞|2015|p=499}}{{Sfn|南日本新聞|2015|p=573}}。港以外にも緑地空間が整備されており<ref name="pref-marineport">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/chuou/mpkagoshima.html|title=マリンポートかごしまの概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>、[[2016年]](平成28年)に1期2工区が完成しヘリポートや芝生広場・親水広場が供用された<ref>{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ah09/infra/port/minato/marineport/topics/mpk1-2fullopen.html|title=「マリンポートかごしま」(1期2工区)の全面供用について|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。[[2019年]](令和元年)には大型観光船が95回寄港した<ref name="marine-port-2019"/>。
2009年2月1日より、旧[[いづろ高速バスセンター]]を起終点としていた高速バスが本港区南埠頭(高速船ターミナル)に乗り入れ、同ターミナルが起終点となった。


[[海上における人命の安全のための国際条約]]に基づき、マリンポートかごしまの一部の区域が「国際埠頭施設(制限区域)」と「国際水域施設」に指定されている<ref>{{cite web|url=https://www.mlit.go.jp/kowan/port_security/09/kagoshima.pdf|title=鹿児島港|publisher=国土交通省港湾局総務課危機管理室|accessdate=2020-12-20}}</ref>。
なお、管理は同バスセンターを管理していた[[いわさきバスネットワーク]]が行っていたが、[[2017年]][[3月31日]]からは[[鹿児島交通]]が引き継いだ。長崎行き[[ランタン号]]や宮崎行き[[はまゆう号]]は乗り入れない。

* [[桜島号]]:[[博多バスターミナル]]行き。
=== 谷山一区 ===
* [[きりしま号]]:[[熊本桜町バスターミナル|桜町BT]]行き。
臨海工業用地から発生する貨物を取り扱っている{{Sfn|南日本新聞|2015|p=832}}。[[1968年]](昭和43年)から[[1970年]](昭和45年)に造成された臨海工業用地に隣接して整備がなされた<ref name="pref-taniyama1">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/taniyama1/taniyama-1ku.html|title=谷山一区の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。[[1973年]](昭和48年)と[[1973年]](昭和48年)、[[1985年]](昭和60年)に段階的に岸壁の供用が開始された<ref name="pref-taniyama1"/>。

また、飼料やセメントの施設があり、外航貨物や専用船が寄港する{{Sfn|南日本新聞|2015|p=573}}。貨物船も発着しており、奄美・[[博多]]・沖縄・[[台湾]]への貨物フェリー航路が開設されている{{Sfn|南日本新聞|2015|p=573}}。

[[海上における人命の安全のための国際条約]]に基づき、谷山一区の一部区域が「制限区域(国際埠頭施設)」、泊地が「泊地(国際水域施設)」に指定されている<ref name="solas-map">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ah09/infra/port/kanri/documents/kagoshimakou.pdf|title=鹿児島港谷山一区・二区|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-20}}</ref>。

=== 谷山二区 ===
臨海工業用地から発生する貨物を取り扱っている{{Sfn|南日本新聞|2015|p=832}}。また、種子屋久航路のフェリーが発着するほか<ref>{{cite web|url=https://www.yakushimaferry.com/#port|title=フェリーはいびすかす|publisher=鹿商海運株式会社|accessdate=2020-12-13}}</ref>、沖縄への貨物フェリー航路がある{{Sfn|南日本新聞|2015|p=574}}。また、鹿児島港最大の臨海工業用地でもある{{Sfn|南日本新聞|2015|p=574}}。

[[1971年]](昭和46年)に整備を開始し、[[1976年]](昭和51年)に係留施設や埠頭、[[1980年]](昭和55年)には二区2号上屋や埠頭、[[1992年]](平成4年)には[[プレジャーボート]]スポット事業による小型船の浮桟橋が整備された<ref name="pref-taniyama2">{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/taniyama2/taniyama-2ku.html|title=谷山二区の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。

[[海上における人命の安全のための国際条約]]に基づき、谷山二区の一部区域が「制限区域(国際埠頭施設)」、泊地が「泊地(国際水域施設)」に指定されている<ref name="solas-map"/>。

[[1974年]](昭和49年)に鹿児島臨海1号用地B区の用地売買契約を[[石川島播磨重工業]]と締結したが{{Sfn|南日本新聞|1990|p=201}}、[[1988年]](昭和63年)の時点で陸上機械部門が置かれたのみでその他は遊休地となっていた{{Sfn|南日本新聞|1990|p=301}}。[[2002年]](平成14年)に撤退し、跡地は[[鹿児島七ツ島メガソーラー発電所]]が建設され[[2013年]](平成25年)に運転開始した時点では[[日本の太陽光発電所]]で最大の発電出力を有していた<ref>{{cite web|url=http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20131121/317720/|title=鹿児島・七ツ島、桜島を前に29万枚のパネルが並ぶ、国内最大のメガソーラー|publisher=日経テクノロジーオンライン|author=加藤伸一|date=2013-11-26|accessdate=2020-12-19}}</ref>。

<gallery>
File:Kagoshima Port Taniyama-2 area Terminal Haibisukasu.jpg|フェリーはいびすかすの発着場
File:Kagoshima Nanatsujima Solar Plant 2020.jpg|鹿児島七ツ島メガソーラー発電所(石川島播磨重工業跡地)
</gallery>

=== 浜平川港区 ===
[[ヨット]]や[[プレジャーボート]]、[[漁船]]の基地として利用されている{{Sfn|南日本新聞|2015|p=832}}。[[1968年]](昭和43年)に地方港湾として指定を受けたが、[[1972年]](昭和47年)に鹿児島港の区域に含有されることとなった<ref>{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/ak16/infra/port/minato/kagoshima/hamahirakawa/hamahirakawa.html|title=浜平川港区の概要|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。

また、鹿児島県によって平川ヨットハウスが設置されている<ref>{{cite web|url=http://www.pref.kagoshima.jp/bc10/kikan/taiku/shisetsu/yottohausu.html|title=鹿児島県平川ヨットハウス|publisher=鹿児島県|accessdate=2020-12-13}}</ref>。

<gallery>
File:Kagoshima Port Hamahirakawa area.jpg|浜平川港区の全景
</gallery>

== 関連史跡 ==
[[ファイル:Sinhato6485.JPG|thumb|right|鹿児島旧港施設 新波止(国の重要文化財)]]

鹿児島港に関連する施設として下記の施設が文化財に指定されている。また、港本港の歴史的防波堤は[[2001年]](平成13年)に「[[土木学会]]デザイン賞 2001 優秀賞」を受賞した<ref>{{cite web|url=https://www.jsce.or.jp/committee/lsd/prize/2001/works/2001c11.html|title=鹿児島本港の歴史的防波堤|publisher=土木学会|accessdate=2020-12-13}}</ref>。
* 鹿児島旧港施設 新波止(国の[[重要文化財]]<ref name="nii-167428">{{cite web|url=https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/167428|title=鹿児島旧港施設 新波止|publisher=文化遺産オンライン|accessdate=2020-12-13}}</ref>)
** 本港区にある鹿児島旧港施設であり、江戸時代末期に築かれたものである<ref name="nii-167428"/>。[[島津斉彬]]が推進した軍備強化策の一環として砲台が築かれ、薩英戦争時には150ポンド砲、80ポンド砲、36ポンド砲が配備されていた{{Sfn|田村省三|2009|p=13-14}}。
* 鹿児島旧港施設 遮断防波堤(国の重要文化財<ref name="nii-216390">{{cite web|url=https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/216390|title=鹿児島旧港施設 遮断防波堤|publisher=文化遺産オンライン|accessdate=2020-12-13}}</ref>)
* 鹿児島旧港施設 一丁台場(国の重要文化財<ref name="nii-222659">{{cite web|url=https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/222659|title=鹿児島旧港施設 一丁台場|publisher=文化遺産オンライン|accessdate=2020-12-13}}</ref>)

== 官公庁 ==
[[ファイル:Kagoshima_second_local_government_office.jpg|thumb|九州南部地方を管轄する[[海上保安庁]][[第十管区海上保安本部]]の本部]]

鹿児島港に関連する官公庁は以下のとおりである。
* [[国土交通省]][[海上保安庁]]
** [[第十管区海上保安本部]]([[東郡元町]]<ref>{{cite web|url=https://www.kaiho.mlit.go.jp/10kanku/|title=第十管区保安本部|publisher=海上保安庁第十管区保安本部|accessdate=2020-12-13}}</ref>)
*** 鹿児島海上保安部([[浜町 (鹿児島市)|浜町]]<ref>{{cite web|url=https://www.kaiho.mlit.go.jp/10kanku/kagoshima/|title=鹿児島海上保安部|publisher=海上保安庁第十管区保安本部鹿児島海上保安部|accessdate=2020-12-13}}</ref>)
* [[国土交通省]]
** [[九州地方整備局]]鹿児島港湾・空港整備事務所([[城南町 (鹿児島市)|城南町]]<ref>{{cite web|url=https://www.pa.qsr.mlit.go.jp/kagoshima/index.html|title=国土交通省九州地方整備局鹿児島港湾・空港整備事務所|publisher=国土交通省九州地方整備局鹿児島港湾・空港整備事務所|accessdate=2020-12-13}}</ref>)
* [[財務省]]
** [[関税局]][[長崎税関]]鹿児島税関支署([[南栄 (鹿児島市)|南栄五丁目]]<ref>{{cite web|url=https://www.customs.go.jp/kyotsu/map/nagasaki/kagoshima.htm|title=鹿児島税関支署|publisher=財務省税関局長崎税関鹿児島税関支署|accessdate=2020-12-13}}</ref>)
* [[厚生労働省]]
** 福岡検疫所鹿児島検疫所支所(浜町<ref>{{cite web|url=https://www.forth.go.jp/keneki/fukuoka/access-kagoshima.html|title=福岡検疫所鹿児島検疫所支所|publisher=厚生労働省福岡検疫所|accessdate=2020-12-13}}</ref>)
* [[農林水産省]]
** 門司植物防疫所鹿児島支所(浜町<ref>{{cite web|url=https://www.maff.go.jp/pps/j/map/moji/kagoshima/index.html|title=鹿児島支所|publisher=植物検疫所|accessdate=2020-12-13}}</ref>)
* [[法務省]]
** 福岡出入国在留管理局鹿児島出張所(浜町<ref>{{cite web|url=http://www.immi-moj.go.jp/others/pdf/190515-event-fukuoka.pdf|title=出張所移転のご案内|publisher=福岡出入国在留管理局鹿児島出張所|accessdate=2020-12-13}}</ref>)

== 陸上交通 ==
=== 道路 ===
==== 鹿児島港臨港道路 ====
鹿児島港の各港区間の港湾物流の円滑化と鹿児島港付近を通る[[国道225号]]や[[鹿児島県道217号郡元鹿児島港線]](産業道路)の渋滞緩和を目的として鹿児島港[[臨港道路]]の建設が進められており{{Sfn|南日本新聞|2015|p=835}}、[[1996年]](平成8年)には谷山一区の[[南栄 (鹿児島市)|南栄一丁目]]と中央港区の[[東開町 (鹿児島市)|東開町]]との間を結ぶ谷山臨海大橋、[[2000年]](平成12年)には[[与次郎]]と新港区の[[錦江町 (鹿児島市)|錦江町]]との間を結ぶ天保山シーサイド大橋、[[2014年]](平成26年)には[[宇宿 (鹿児島市)|宇宿二丁目]]と東開町との間を結ぶ黎明みなと大橋が開通している{{Sfn|南日本新聞|2015|p=835}}{{Sfn|肥後美保子|2014}}。また未完成区間である鴨池港区から中央港区までを結ぶ鴨池中央港区線については[[2017年]](平成29年)年度に事業化した<ref>{{cite web|url=http://www.senmonshi.com/archive/02/02CF7T2eRPK7OL.asp|title=【鹿児島】2プロジェクトが新規事業化 臨港道路2.4㎞に280億円|publisher=地方建設専門紙の会|author=鹿児島建設新聞|accessdate=2020-12-19|date=2017-03-07}}</ref><ref>{{cite web|url=http://www.senmonshi.com/archive/02/02D1MS6SC0PZRQ.asp|title=【鹿児島】臨港道路・鴨池中央港区線/測量設計費に2.3億円|publisher=地方建設専門紙の会|author=鹿児島建設新聞|accessdate=2020-12-19|date=2017-05-22}}</ref>。

<gallery>
File:Reimei-Minato Bridge.jpg|黎明みなと大橋
File:Taniyama-rinkai-ohashi.JPG|谷山臨海大橋
</gallery>

==== 周辺の道路 ====
鹿児島港の沿岸を南北に結ぶ[[地域高規格道路]][[鹿児島南北幹線道路]]の構想があるほか<ref>{{cite web|url=http://www.city.kagoshima.lg.jp/kensetu/douro/gairoseibi/machizukuri/kotsu/doro/koikikansen/sebi-03.html|title=鹿児島南北幹線道路の整備促進|publisher=鹿児島市|accessdate=2020-12-19}}</ref>、鹿児島市の[[高速道路]]網の結節点である[[九州自動車道]][[鹿児島インターチェンジ]]から鹿児島港までを結ぶ[[地域高規格道路]][[鹿児島東西幹線道路]]の建設が予定されている<ref>{{cite web|url=http://www.city.kagoshima.lg.jp/kensetu/douro/gairoseibi/machizukuri/kotsu/doro/koikikansen/sebi-02.html|title=鹿児島東西幹線道路の整備促進|publisher=鹿児島市|accessdate=2020-12-19}}</ref>。

=== 鉄道 ===
かつては[[日本国有鉄道|国鉄]][[鹿児島本線]]の貨物支線である通称鹿児島港線が[[1953年]](昭和28年)から[[1984年]](昭和59年)の支線廃止まで[[浜町 (鹿児島市)|浜町]]の[[鹿児島駅]]から[[住吉町 (鹿児島市)|住吉町]]にあった[[鹿児島港駅]]までを連絡していた<ref name="teishajo">石野哲 編「停車場変遷大事典 国鉄・JR編」JTB 1998年刊 ISBN 4-533-02980-9</ref>。トラック輸送の普及による利用減により路線が廃止され{{Sfn|上柿元大輔|2013b}}、鹿児島港駅は[[1984年]](昭和59年)2月以降に廃止された{{Sfn|南日本新聞|1990|p=543}}。離島への物資輸送の使命を終え以降は鹿児島駅での貨物の取扱いとなった{{Sfn|南日本新聞|1990|p=543}}。

=== 高速バス ===
[[File:九州産業交通DSC01182.JPG|thumb|[[熊本市|熊本]]まで乗り入れている[[九州産交バス]] (南埠頭駐車場より)]]

[[2009年]](平成21年)[[2月1日]]よりそれまで[[大黒町 (鹿児島市)|大黒町]]にあった[[いづろ高速バスセンター]]を起終点としていた高速バスが本港区南埠頭(高速船ターミナル)に乗り入れ、同ターミナルに設置された「鹿児島本港(高速船ターミナル)」バス停が起終点となった<ref>{{cite web|url=http://www.nishitetsu.co.jp/release/2008/oshirase/090122.pdf|title=西鉄バス 桜島号「鹿児島本港へ路線延長のお知らせ」|publisher=西日本鉄道株式会社|accessdate=2020-12-20}}</ref>。
* [[桜島号]]:[[博多バスターミナル]]行<ref>{{cite web|url=http://www.nishitetsu.jp/bus/highwaybus/rosen/sakura/|title=福岡~鹿児島(桜島号)|publisher=西日本鉄道株式会社|accessdate=2020-12-20}}</ref>
* [[きりしま号]]:[[熊本桜町バスターミナル]]行<ref>{{cite web|url=https://www.kyusanko.co.jp/sankobus/toshikan/kirishima/|title=高速きりしま号 熊本←→鹿児島|publisher=産交バス|accessdate=2020-12-20}}</ref>


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{Reflist}}
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}


== 関連項目 ==
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書
[[File:Sakurajima -城山展望台より.jpg|thumb|270px|[[城山 (鹿児島市城山町)|城山展望台]]から見た鹿児島港と市街]]
|author = 鹿児島市史編さん委員会
|year = 1969
|title = 鹿児島市史 第一巻
|publisher = 鹿児島市
|isbn =
|url = http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/shishi/kagoshima-04.html
|ref = {{SfnRef|鹿児島市史編さん委員会|1969}}
}}
* {{Cite book|和書
|author = 鹿児島市史編さん委員会
|year = 1970
|title = 鹿児島市史 第二巻
|publisher = 鹿児島市長 [[末吉利雄]]
|url = http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/shishi/kagoshima-03.html
|ref = {{SfnRef|鹿児島市史編さん委員会|1970}}
}}
* {{Cite book|和書
|author = [[南日本新聞]]
|year = 1990
|title = 鹿児島市史 第四巻
|publisher = 鹿児島市長 [[赤崎義則]]
|ref = {{SfnRef|南日本新聞|1990}}
|url = http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/shishi/kagoshima.html
}}
* {{Cite book|和書
|author = [[南日本新聞]]
|year = 2015
|title = 鹿児島市史 第五巻
|publisher = 鹿児島市長 [[森博幸 (政治家)|森博幸]]
|ref = {{SfnRef|南日本新聞|2015}}
|url = http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/kagoshima-05.html
}}
* {{Cite book|和書
|author = 角川日本地名大辞典編纂委員会
|year = 1983
|title = [[角川日本地名大辞典]] 46 鹿児島県
|publisher = [[角川書店]]
|isbn = 978-4040014609
|ref={{SfnRef|角川日本地名大辞典編纂委員会|1983}}
}}
* {{Cite book|和書
|editor1-first = 即正
|editor1-surname = 芳
|editor1-link = [[芳即正]]
|editor2-first = 五味
|editor2-surname = 克夫
|editor2-link = [[五味克夫]]
|year = 1998
|title = [[日本歴史地名大系]]47巻 鹿児島県の地名
|publisher = [[平凡社]]
|isbn = 978-4582910544
|ref={{SfnRef|芳即正|五味克夫|1998}}
}}
* {{Cite news|和書
| author=上柿元大輔
| title=港町かごしま 600年の歴史 街に息づく
| date=2013-01-03
| newspaper=[[南日本新聞]]
| issue =
| edition=
| page= 13
| ref={{SfnRef|上柿元大輔|2013a}}
}}
* {{Cite news|和書
| author=上柿元大輔
| title=港町を歩く 10 「鉄路」復活へ
| date=2013-01-17
| newspaper=[[南日本新聞]]
| issue =
| edition=
| page= 20
| ref={{SfnRef|上柿元大輔|2013b}}
}}
* {{Cite news|和書
| author=肥後美保子
| title=「黎明みなと大橋」開通 港湾物流の充実期待
| date=2014-03-30
| newspaper=[[南日本新聞]]
| issue =
| edition=
| page= 24
| ref={{SfnRef|肥後美保子|2014}}
}}
* {{Cite journal|和書
|author=田村省三
|title=鹿児島港の「みなと文化」
|url=http://www.wave.or.jp/minatobunka/archives/report/116.pdf
|journal=港別みなと文化アーカイブス
|publisher=一般社団法人みなと総合研究財団
|year=2009
|month=feb
|ref={{SfnRef|田村省三|2009}}
}}


== 関連項目 ==
'''港湾・物流関連'''
{{ウィキポータルリンク|日本の都道府県/鹿児島県}}
*[[重要港湾]]
*[[特定港]]
* [[日本の湾一覧]]
* [[港湾都市]]
*[[鹿児島貨物ターミナル駅]]
* [[みなとオアシス]] - [[2007年]](平成19年)指定。
*[[鹿児島東西道路]]
'''施設'''
*[[いおワールドかごしま水族館]]
*[[NHK鹿児島放送局]]
*'''複合商業施設'''<!--50音順-->
**[[イオンモール鹿児島]]
**[[オプシアミスミ]]
**[[スクエアモール鹿児島宇宿]]
**[[ドルフィンポート]]
**[[フレスポジャングルパーク]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{commonscat|Port_of_Kagoshima}}
{{commonscat}}
* [http://www.pref.kagoshima.jp/infra/port/minato/kagoshima/index.html 鹿児島港] - 鹿児島県
* [http://www.pa.qsr.mlit.go.jp/kagoshima/index.htm 鹿児島港] - 国土交通省九州地方整備局
* [http://www.pa.qsr.mlit.go.jp/kagoshima/index.htm 鹿児島港] - 国土交通省九州地方整備局
* [https://www.pa.qsr.mlit.go.jp/oasis/minato03.html みなとオアシス鹿児島] - 国土交通省九州地方整備局
* [https://www.pa.qsr.mlit.go.jp/oasis/minato03.html みなとオアシス鹿児島] - 国土交通省九州地方整備局
* [https://blogs.mbc.co.jp/showa/tag/%E9%B9%BF%E5%85%90%E5%B3%B6%E6%B8%AF/ MBCアーカイブス昭和のふるさと 鹿児島港] - [[南日本放送]]


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2020年12月30日 (水) 01:41時点における版

鹿児島港

城山から望む鹿児島港と鹿児島市街
鹿児島港の位置(日本内)
鹿児島港
鹿児島港の位置(鹿児島県内)
鹿児島港
鹿児島港の位置(東シナ海内)
鹿児島港
鹿児島港の位置(太平洋内)
鹿児島港
鹿児島港の位置
所在地
日本の旗 日本
所在地 鹿児島県鹿児島市
座標 北緯31度35分37.74秒 東経130度33分57.86秒 / 北緯31.5938167度 東経130.5660722度 / 31.5938167; 130.5660722 (鹿児島港)座標: 北緯31度35分37.74秒 東経130度33分57.86秒 / 北緯31.5938167度 東経130.5660722度 / 31.5938167; 130.5660722 (鹿児島港)
詳細
開港 1341年[1]
管理者 鹿児島県
種類 自然/人工
面積 36.38 km²
埠頭数 6
統計
統計年度 2018年(平成30年)
貨物取扱量 34,840,356 トン[2]
旅客数 6,264,181 人[3]

鹿児島港(かごしまこう)は、鹿児島県鹿児島市にある港湾[4]港湾法による重要港湾[5][4][6]港則法による特定港[7]港湾運送事業法による指定港湾[8][9]。港湾管理者は鹿児島県[5][10]

鹿児島湾の中央部の薩摩半島側に位置しており[1]鹿児島市の南北約20キロメートル範囲の7港区から構成される[11][12]2018年(平成30年)の「港湾統計年報」によれば自動車航送車両台数は約205万台であり全国首位[13]、船舶乗降人員は約626万人で、広島県厳島港に次いで全国2位である[13][14]

平安時代末期から鎌倉時代にかけて甲突川の河口が港となっており[15]戦国時代には稲荷川の河口が港となった[15]1341年島津貞久によって東福寺城が築城されたことにより発展し[16][1]江戸時代には鹿児島城下の港として琉球貿易や海外交易の基地となった[17]1919年(大正8年)には関税法上による開港指定を受け[18]南九州で最初の開港場となった[19]

概要

鹿児島湾の中央部の薩摩半島側に位置する[1]鹿児島市の南北約20キロメートルに広がる港湾であり、7港区から構成される(詳細は「#港区」節を参照)[11]薩摩半島桜島大隅半島への交通路であるほか、奄美大島沖縄などの南西諸島への重要な交通・物流拠点となっており[20]鹿児島県県庁所在地である鹿児島市の海の玄関口となっている[21]

また、薩摩半島に位置する鹿児島港と鹿児島湾を挟んで東側に対する大隅半島との間を結ぶフェリー航路が運航されている。桜島港との間を結ぶ桜島フェリー垂水市垂水港との間を結ぶ鴨池・垂水フェリーは生活航路としての使命を果たしており、年間約731万人の旅客輸送を行っている[22]

鹿児島港において取り扱われている貨物は、鹿児島県は畜産が盛んであることから飼料用の穀物や、南方に多数の離島を抱えていることから離島の生活関連物資が中心となっている[8]

定期旅客航路

2020年(令和2年)3月現在、鹿児島港を発着する定期旅客航路は以下のとおりである[11]

港区 埠頭 船名・航路名 運営者 運航区間
本港区 北ふ頭 桜島フェリー[23] 鹿児島市船舶局 - 桜島港
フェリーあまみ
フェリーきかい
奄美海運 - 喜界島 - 奄美大島名瀬港) - 奄美大島(古仁屋港) - 徳之島(平土野港) - 沖永良部島(知名港)
南ふ頭 フェリーみしま 三島村 - 竹島 - 硫黄島 - 黒島
フェリーとしま 十島村 - 口之島 - 中之島 - 平島 - 諏訪之瀬島 - 悪石島 - 小宝島 - 宝島 - 奄美大島(名瀬港)
貨客船プリンセスわかさ コスモライン - 種子島(西之表港)
フェリー屋久島2 折田汽船 - 屋久島宮之浦港
高速船トッピー
高速船ロケット
種子屋久高速船 - 指宿港 - 西之表港(種子島) - 宮之浦港・安房港(屋久島)
新港区 クイーンコーラルプラス
クイーンコーラル8
マリックスライン - 奄美大島(名瀬港) - 徳之島(亀徳港) - 沖永良部島(和泊港) - 与論島(与論港) - 本部港 - 那覇港
フェリーあけぼの
フェリー波之上
マルエーフェリー - 奄美大島(名瀬港) - 徳之島(亀徳港) - 沖永良部島(和泊港) - 与論島(与論港) - 本部港 - 那覇港
鴨池港区 鴨池・垂水フェリー 垂水フェリー - 垂水港
谷山二区 フェリーはいびすかす 鹿児島商船 - 種子島(西之表港) - 屋久島(宮之浦港)

港勢

桜島(手前)より見下ろす鹿児島港(奥)。写真中央が北埠頭、その左隣が南埠頭。

鹿児島港を発着する定期航路は、鹿児島湾内を運航する桜島との間を結ぶ桜島フェリー(桜島航路)、垂水市との間を結ぶ鴨池・垂水フェリー(垂水航路)が就航しているほか、鹿児島県本土の南方に位置する離島である種子島屋久島奄美大島沖縄三島村十島村の各島への発着港となっている[13]。また桜島フェリーは全国で唯一24時間運航を実施している[24]

中央港区のマリンポートかごしまには大型観光船ふ頭が整備されており、2019年(令和元年)には大型観光船が95回寄港した[25]

鹿児島港を管轄する長崎税関鹿児島税関支署(管轄に喜入港を含む)によって通関した2018年(平成30年)の輸出品目は再輸出品・魚介類及び同調製品・金属鉱及びくず・無機化合物・船舶類、輸入品目は原油及び粗油・穀物及び同調製品・飼料・再輸入品・石油ガス類であった[18]

以下の港勢は特に記載がないものは2018年(平成30年)現在の「港湾統計年報」のデータである。

入港船舶

鹿児島港への入港船舶は下記のとおりである[26]

種別 隻数(隻) 総トン数(トン)
外航商船 302 13,509,203
内航商船 7,504 7,210,397
内航の自動車航送船 35,911 50,480,634
漁船 1,606 36,089
その他 2 210
合計 45,325 71,236,533

船舶乗降人員

鹿児島港の船舶乗降人員は以下のとおりである[27]。船舶乗降人員は広島県厳島港に次いで全国2位である[13][14]

種別 乗降人員(人) 乗込人員(人) 上陸乗員(人)
外国航路 533,180 250,121 283,059
内国航路 7,731,001 2,867,050 2,863,951
合計 6,264,181 3,117,171 3,147,010

海上出入貨物

鹿児島港の海上出入貨物のトン数は以下のとおりである[28]

種別 合計(トン) 輸出(トン) 輸入(トン) 移出(トン) 移入(トン)
一般 6,320,241 35,320 1,388,136 1,500,421 3,396,364
自動車航送船 28,520,115 - - 14,115,195 14,404,920
合計 34,840,356 35,320 1,388,136 15,615,616 17,801,284

歴史

鹿児島港の興り

平安時代末期から鎌倉時代にかけて甲突川の河口に港があったとされ[15]戦国時代になると稲荷川の河口が鹿児島の港となった[15]。鹿児島港が本格的に築港されるまでは、稲荷川や甲突川によって形成された沖積地が広がっており、海岸線には草木が繁茂していたとされる[4]

港町としての発展は興国2年/暦応4年(1341年)に島津貞久東福寺城を築城して以降と見られている[16][1]。多賀山の麓が泊地となっており、河口から滑川までの海岸にそって人家が立ち並んで港町を形成していた[29]

江戸時代初頭頃には稲荷川の河口近くの田之浦付近が湊として利用されていた[20]慶長7年(1602年)に薩摩藩初代藩主島津家久鹿児島城を築城した頃より港の機能は稲荷川河口から南下し鹿児島城の前方にある前之浜が港としての機能を有するようになった[30][20][16]正保2年(1645年)に新たに海岸の石垣の構築を幕府に申請した[31]文政年間になり、鹿児島城下の住吉町から築町(現在の名山町の一部)にかけて本格的な港としての整備が行われた[30][32]

江戸時代後期の文政天保年間には屋久島岸岐(南波止)、弁天波止、新波止、三五郎波止などの防波堤が鹿児島の港を囲うように建設された[33][34]文政9年の記録によれば鹿児島港の背景地にある鹿児島城下の人口は72,350人であり、全国的に見ても大都市であった[34]

航路の開設と拡張

1907年頃の鹿児島市街と鹿児島港

明治時代になり、西南戦争が終戦すると三菱会社共同運輸会社(のちに合併し日本郵船となる)の船が鹿児島港に寄港するようになった[35][34]1884年(明治17年)には大阪商船(現在の商船三井)の船も寄港するようになり、大阪港との間を神戸港多度津港などを経由し結んだ[35]

1878年(明治11年)には、鹿児島湾内を運航する小型の旅客汽船の運行が始まり、1883年(明治16年)には種子島屋久島に郵便回送を行うようになった[35][34]。鹿児島港には関税の手続きを行う官庁が設置されておらず、海外からの貨物については長崎港にて関税手続を行ってから鹿児島港に荷揚げされていたが、1897年(明治30年)に鹿児島税関監視所が設置され、鹿児島港で直接関税手続が行えるようになった[36]

1900年(明治33年)から1905年(明治38年)にかけて鹿児島港の修築工事が行われ、この工事によって発生した土砂を利用して大門口附近の海面、鹿児島駅付近の運河や堀を埋立てて新たに陸地が拡張された[37]。物揚場、防波堤、浮桟橋が整備されたことにより1,500トン級の船舶の接岸が可能となった[34]。このことにより、交易は伸長し1907年(明治40年)には輸移出額・輸移入額が増加に転じた[32]。明治時代後半には沖縄や奄美大島との泡盛黒砂糖などの取引や大阪方面との反物などの取引が海上輸送を通じて行われた[38]

1922年(大正11年)に指定港湾に指定され、上海大連朝鮮半島への国際定期便航路が開設された[39]1923年(大正12年)には2回目となる修築工事が行われ、洲崎町(現在の城南町住吉町など)から住吉町までの堀を埋立て港湾施設が建設された[40]1938年(昭和13年)には塩屋町(現在の甲突町)の沖が埋立てられさらに陸地が拡張された[40]

1934年(昭和9年)に西桜島村(のちの桜島町)が桜島の袴腰港から鹿児島港を結ぶ航路の運航を開始した[41]1935年(昭和10年)には全国で9番目、九州地方では初となる中央卸売市場として鹿児島市中央卸売市場が住吉町に開設された[42]。中央卸売市場はのちに1967年(昭和42年)には魚類市場を城南町に移転、1976年(昭和51年)には青果市場を東開町に移転した[43]

第二次世界大戦と終戦後の貿易

1941年(昭和16年)から1945年(昭和20年)までの第二次世界大戦中の鹿児島港は軍需港として使用され[44]、南港では大日本帝国海軍が軍港として整備を行っていたが建設途中に終戦を迎えた[45]

戦時中の鹿児島港では軍需関係以外の貿易が行われず[44]、終戦後の1945年(昭和20年)には当時の日本を統治下に置いた連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が輸出入許可制を発令し、鹿児島港では少量の貿易が行われた[46]。戦前の主要貿易先であったアジア大陸に代わり、アメリカ合衆国軍の統治下となった奄美大島や沖縄への貿易が鹿児島港にとって主軸となった[47]。また、同時に鹿児島市の自治体警察である鹿児島市警察によってアメリカ合衆国軍統治下の北緯29度線以南の沖縄や奄美大島からの密航者や密輸入に対する取締りが行われた[48]

戦後復興と南岸の整備拡張

1948年(昭和23年)に5年に渡る鹿児島港の戦災復旧工事に着手し[6]1950年(昭和25年)には鹿児島港と袴腰港(現在の桜島港)との間にフェリーが就航した[49]1951年(昭和26年)には港湾法による重要港湾に指定された[6][5]

昭和40年代以降、鹿児島港は南岸に沿って整備拡張がすすめられた[50]1967年(昭和42年)に奄美・沖縄航路専用の新港区が整備され[50]1974年(昭和49年)には与次郎ヶ浜に南海郵船(のちの垂水フェリー)が垂水港との間にフェリー航路を開設した[50]

1972年(昭和47年)には、鹿児島市郡元町(現在の鴨池新町)に設置されていた鹿児島空港が、姶良郡溝辺町大字麓(現在の霧島市溝辺町麓)に移転した[51]

更には1974年(昭和49年)には谷山港を発着するフェリーさんふらわあが就航し鹿児島と大阪を結んでいたが、1986年(昭和61年)から多客期のみ鹿児島港に寄港し通常は志布志港発着となった[52]。また、1987年(昭和62年)には鹿屋市の古江港との間を結ぶ高速船が就航[52]1989年(平成元年)には種子島・屋久島との間を結ぶ高速船も就航した[52]

2000年(平成12年)には鹿児島市に本社を置く日本ガス液化天然ガスを運搬する専用船の母港を鹿児島港とし、鹿児島港とインドネシアとの間に液化天然ガス専用船を就航させた[53]2014年(平成26年)には博多港から鹿児島港、那覇港などを経て石垣島に至る航路であった琉球海運が運航する「みやびII」が石垣島から台湾高雄港に航路を延伸し、鹿児島港では初となる国際定期貨物航路となった[54]

港区

鹿児島港は南北約20キロメートルの範囲の7港区から構成されている[21][11]。港区は北から本港区、新港区、鴨池港区、中央港区、谷山一区、谷山二区、浜平川港区がある[11][55]

以下では鹿児島港を構成する港区について詳述する。

鹿児島港を構成する港区を示す地図(写真右方向が北)

本港区

出航した桜島フェリーの船上から望む本港桜島フェリーふ頭

桜島との間を結ぶ桜島フェリー種子島屋久島との間を結ぶ種子屋久航路、沖縄との間を結ぶ沖縄航路[56]十島村及び三島村へのフェリーが発着している[57]埠頭は小川ふ頭・本港桜島フェリーふ頭・本港フェリーふ頭・北ふ頭・南ふ頭がある[58]

江戸時代琉球貿易が盛んとなり、波止場の荷役護岸を建設し利用したのが始まりといわれており、1907年(明治40年)に重要港湾に指定された[58]

新港区

奄美大島沖縄との間を結ぶ奄美・沖縄航路の船が発着する[56]

1959年(昭和34年)から港湾需要の拡大に対処する為に整備が行われ、岸壁や上屋が設置された[59]1968年(昭和43年)には沖縄航路や奄美航路が本港区から移転した[59][57]

2011年(平成23年)より旅客待合所の建て替え、ボーディングブリッジの設置、埋立てによるふ頭用地の造成、耐震強化岸壁の整備が実施され、2016年(平成28年)に整備が完了した[60]

鴨池港区

大隅半島垂水市との間を結ぶ鴨池・垂水フェリーが発着する[56][57]1972年(昭和47年)から鹿児島空港の跡地に建設された港であり、1975年(昭和50年)にはフェリーの発着施設が完成した[61]

中央港区

マリンポートかごしまの待合所である「ふれあいぽーと」

LPGや金属くずなどの貨物を取り扱っている[56]。中央港区は旧木材港、旧南港、マリンポートかごしまから構成される。

旧木材港は1965年(昭和40年)から木材を取り扱う港として整備が行われた[62]1965年(昭和40年)には金属機械団地・製材団地に挟まれた水域には貯木場が整備された[62]

旧南港は新川の河口部に整備された港であり、第二次世界大戦中に大日本帝国海軍が港として整備を行っていたが建設途中に終戦を迎え、放棄されていた用地を鹿児島市が港として1953年(昭和28年)から整備を実施した[45]

マリンポートかごしま

マリンポートかごしまは、中央港区の一部を構成する大型観光船が接岸できる岸壁を有する埋立地であり、それまで谷山港区に入港していた観光客船の寄港地となった[54][63]。港以外にも緑地空間が整備されており[64]2016年(平成28年)に1期2工区が完成しヘリポートや芝生広場・親水広場が供用された[65]2019年(令和元年)には大型観光船が95回寄港した[25]

海上における人命の安全のための国際条約に基づき、マリンポートかごしまの一部の区域が「国際埠頭施設(制限区域)」と「国際水域施設」に指定されている[66]

谷山一区

臨海工業用地から発生する貨物を取り扱っている[56]1968年(昭和43年)から1970年(昭和45年)に造成された臨海工業用地に隣接して整備がなされた[67]1973年(昭和48年)と1973年(昭和48年)、1985年(昭和60年)に段階的に岸壁の供用が開始された[67]

また、飼料やセメントの施設があり、外航貨物や専用船が寄港する[63]。貨物船も発着しており、奄美・博多・沖縄・台湾への貨物フェリー航路が開設されている[63]

海上における人命の安全のための国際条約に基づき、谷山一区の一部区域が「制限区域(国際埠頭施設)」、泊地が「泊地(国際水域施設)」に指定されている[68]

谷山二区

臨海工業用地から発生する貨物を取り扱っている[56]。また、種子屋久航路のフェリーが発着するほか[69]、沖縄への貨物フェリー航路がある[70]。また、鹿児島港最大の臨海工業用地でもある[70]

1971年(昭和46年)に整備を開始し、1976年(昭和51年)に係留施設や埠頭、1980年(昭和55年)には二区2号上屋や埠頭、1992年(平成4年)にはプレジャーボートスポット事業による小型船の浮桟橋が整備された[71]

海上における人命の安全のための国際条約に基づき、谷山二区の一部区域が「制限区域(国際埠頭施設)」、泊地が「泊地(国際水域施設)」に指定されている[68]

1974年(昭和49年)に鹿児島臨海1号用地B区の用地売買契約を石川島播磨重工業と締結したが[72]1988年(昭和63年)の時点で陸上機械部門が置かれたのみでその他は遊休地となっていた[73]2002年(平成14年)に撤退し、跡地は鹿児島七ツ島メガソーラー発電所が建設され2013年(平成25年)に運転開始した時点では日本の太陽光発電所で最大の発電出力を有していた[74]

浜平川港区

ヨットプレジャーボート漁船の基地として利用されている[56]1968年(昭和43年)に地方港湾として指定を受けたが、1972年(昭和47年)に鹿児島港の区域に含有されることとなった[75]

また、鹿児島県によって平川ヨットハウスが設置されている[76]

関連史跡

鹿児島旧港施設 新波止(国の重要文化財)

鹿児島港に関連する施設として下記の施設が文化財に指定されている。また、港本港の歴史的防波堤は2001年(平成13年)に「土木学会デザイン賞 2001 優秀賞」を受賞した[77]

  • 鹿児島旧港施設 新波止(国の重要文化財[78]
    • 本港区にある鹿児島旧港施設であり、江戸時代末期に築かれたものである[78]島津斉彬が推進した軍備強化策の一環として砲台が築かれ、薩英戦争時には150ポンド砲、80ポンド砲、36ポンド砲が配備されていた[79]
  • 鹿児島旧港施設 遮断防波堤(国の重要文化財[80]
  • 鹿児島旧港施設 一丁台場(国の重要文化財[81]

官公庁

九州南部地方を管轄する海上保安庁第十管区海上保安本部の本部

鹿児島港に関連する官公庁は以下のとおりである。

陸上交通

道路

鹿児島港臨港道路

鹿児島港の各港区間の港湾物流の円滑化と鹿児島港付近を通る国道225号鹿児島県道217号郡元鹿児島港線(産業道路)の渋滞緩和を目的として鹿児島港臨港道路の建設が進められており[89]1996年(平成8年)には谷山一区の南栄一丁目と中央港区の東開町との間を結ぶ谷山臨海大橋、2000年(平成12年)には与次郎と新港区の錦江町との間を結ぶ天保山シーサイド大橋、2014年(平成26年)には宇宿二丁目と東開町との間を結ぶ黎明みなと大橋が開通している[89][90]。また未完成区間である鴨池港区から中央港区までを結ぶ鴨池中央港区線については2017年(平成29年)年度に事業化した[91][92]

周辺の道路

鹿児島港の沿岸を南北に結ぶ地域高規格道路鹿児島南北幹線道路の構想があるほか[93]、鹿児島市の高速道路網の結節点である九州自動車道鹿児島インターチェンジから鹿児島港までを結ぶ地域高規格道路鹿児島東西幹線道路の建設が予定されている[94]

鉄道

かつては国鉄鹿児島本線の貨物支線である通称鹿児島港線が1953年(昭和28年)から1984年(昭和59年)の支線廃止まで浜町鹿児島駅から住吉町にあった鹿児島港駅までを連絡していた[95]。トラック輸送の普及による利用減により路線が廃止され[96]、鹿児島港駅は1984年(昭和59年)2月以降に廃止された[97]。離島への物資輸送の使命を終え以降は鹿児島駅での貨物の取扱いとなった[97]

高速バス

熊本まで乗り入れている九州産交バス (南埠頭駐車場より)

2009年(平成21年)2月1日よりそれまで大黒町にあったいづろ高速バスセンターを起終点としていた高速バスが本港区南埠頭(高速船ターミナル)に乗り入れ、同ターミナルに設置された「鹿児島本港(高速船ターミナル)」バス停が起終点となった[98]

脚注

  1. ^ a b c d e 鹿児島港の概要”. 鹿児島県. 2020年12月22日閲覧。
  2. ^ 港湾調査 / 港湾統計(年報) 第2部 甲種港湾 第3表 海上出入貨物表 (1)トン数総数表”. 国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室. 2020年12月12日閲覧。
  3. ^ 港湾調査 / 港湾統計(年報) 第2部 甲種港湾 第2表 船舶乗降人員表”. 国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室. 2020年12月12日閲覧。
  4. ^ a b c 角川日本地名大辞典編纂委員会 1983, p. 182.
  5. ^ a b c 港湾管理者一覧表”. 国土交通省 (2009年4月1日). 2020年12月12日閲覧。
  6. ^ a b c 鹿児島市史編さん委員会 1970, p. 508.
  7. ^ 港則法施行規則(昭和二十三年運輸省令第二十九号)”. 日本国政府 (2020年9月26日). 2020年12月12日閲覧。
  8. ^ a b 南日本新聞 2015, p. 627.
  9. ^ 港湾運送事業法適用対象港について”. 国土交通省. 2020年12月19日閲覧。
  10. ^ なんでもQ&A 港を管理しているのは誰ですか”. 国土交通省九州地方整備局港湾空港部. 2020年12月20日閲覧。
  11. ^ a b c d e 鹿児島港の概要”. 鹿児島県. 2020年12月12日閲覧。
  12. ^ 鹿児島港港湾計画の基本方針”. 鹿児島市. 2020年12月12日閲覧。
  13. ^ a b c d 鹿児島港の港勢” (pdf). 鹿児島県. 2020年12月12日閲覧。
  14. ^ a b 港湾統計年報の概要” (2018年). 2020年12月13日閲覧。
  15. ^ a b c d 鹿児島市史編さん委員会 1969, p. 267.
  16. ^ a b c 上柿元大輔 2013a.
  17. ^ 鹿児島市史編さん委員会 1970, p. 750.
  18. ^ a b 鹿児島港開港100年の歩み~開港から平成期までの主要輸出入品目の変遷~”. 長崎税関 (2019年12月19日). 2020年12月13日閲覧。
  19. ^ 鹿児島市史編さん委員会 1970, p. 751.
  20. ^ a b c 芳即正 & 五味克夫 1998, p. 144.
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  22. ^ 南日本新聞 2015, p. 574-575.
  23. ^ 南日本新聞 2015, p. 560.
  24. ^ 斉藤明美. “毎日24時間運航、全国唯一の桜島フェリー その訳は?”. 朝日新聞デジタル. 2020年12月13日閲覧。
  25. ^ a b 「マリンポートかごしま」への観光船寄港”. 鹿児島県. 2020年12月13日閲覧。
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  27. ^ 港湾調査 / 港湾統計(年報)/第2部 甲種港湾/第2表 船舶乗降人員表”. 国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室. 2020年12月13日閲覧。
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参考文献

関連項目

外部リンク