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'''ビッグウィーク'''(''[[英語|英]]:{{Lang|en|Big Week}}'')は、[[日本]][[競走馬]]。おもな勝ち鞍に[[2010年]]の[[菊花賞]]がある。馬名の由来は「重大な週」
'''ビッグウィーク'''(欧字名:{{Lang|en|Big Week}}、[[2007年]][[3月20日]] - )は、[[日本]]の[[競走馬]]<ref name="JBIS">{{Cite web|和書|title=ビッグウィーク|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001045293/ |website=JBISサーチ |access-date=2022-09-30}}</ref>


2010年の[[菊花賞]](GI)優勝馬である。菊花賞史上最短となる初勝利から107日目での優勝。[[調教師]]の[[長浜博之]]、[[馬主]]の[[谷水信夫]][[谷水雄三|、雄三]]父子に[[中央競馬クラシック三冠|中央競馬クラシック三冠競走]]全制覇の称号をもたらした。
== 戦歴 ==
[[2009年]]9月のデビュー。当初より幾度も、頭の高い走法を厩舎スタッフやメディアで指摘され<ref>[[2009年]][[9月27日]] [[ケイバブック|競馬ブック]]・中川助手コメント、2009年[[11月15日]] [[競馬エイト]]</ref>、後に[[シャドーロール]]装着による矯正が行われている。


また[[障害競走]]においても1勝を挙げ、クラシック優勝馬として[[グレード制]]導入以後では初、1939年[[桜花賞]]優勝の[[ソールレディ]]、1963年桜花賞優勝馬[[ミスマサコ]]<ref>{{Cite web|和書|title=ミスマサコ|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000007679/ |website=JBISサーチ |accessdate=2023-1-27}}</ref>、1965年[[菊花賞]]優勝の[[ダイコーター]]に次ぐ45年ぶり史上4例目の障害競走勝ち馬となった。
途中[[ソエ]]で5か月休養したものの休み明け2戦目、デビュー6戦目[[2010年]]7月に初勝利を挙げてからは3連勝、[[神戸新聞杯]]に出走、距離延長をするたびにそれを懸念<ref>[[2010年]][[6月13日]]、[[9月26日]] 競馬ブック</ref>されたものの結果を出し、3着に入り菊花賞の出走権を手にする。


== 経歴 ==
[[ファイル:Big-Week20101024.jpg|180px|thumb|right|菊花賞優勝時]]
=== デビューまで ===
迎えた菊花賞で、陣営は「キレる脚は使えないが長くいい脚を使える馬。体型的にも距離はこなせそう」と同馬に対しコメントを残すが、「(神戸新聞杯の)上位との0.5秒差は少し差がある」<ref>2010年[[10月24日]] 競馬ブック、競馬エイト</ref>と当レースは7番人気で勝利した。
==== 背景 ====
[[カントリー牧場]]は、[[北海道]][[日高地方]]にある競走馬生産牧場である。1963年に実業家の[[谷水信夫]]が開いていた。谷水は、[[冠名]]「タニノ」を用いる馬主であり、[[オーナーブリーダー]]となっていた。創業2年目の1965年には、生産し大久保常吉に売却された[[マーチス]]が1968年の[[皐月賞]]を優勝している<ref name="優駿-2007-7-22">『優駿』2007年7月号 22頁</ref>。牧場生産馬として[[クラシック (競馬)|クラシック]]初優勝を挙げていた。そして直後の[[東京優駿]](日本ダービー)では、同じく2年目生産、谷水が所有する[[タニノハローモア]]が優勝<ref name="優駿-2007-7-22" />。谷水はダービーオーナー、ダービーブリーダーに輝いていた<ref name="優駿-2015-6-56">『優駿』2015年6月号 56頁</ref>。マーチスとタニノハローモアは、共に[[菊花賞]]で二冠を目指したが、[[アサカオー]]に敗れて叶わなかった。


それから1970年には、[[タニノムーティエ]]が活躍。皐月賞と東京優駿(日本ダービー)を連勝している<ref name="優駿-2015-6-56" />。続いてクラシック三冠を目指して菊花賞に出走したが、11着に敗退。菊花賞戴冠は再び叶わなかった。開業してすぐにクラシックなど大タイトルを席巻した牧場だったが、この後は同じようには行かなかった<ref name="優駿-2015-6-56" />。信夫の交通事故死により、急遽息子・[[谷水雄三]]が継承したが、変わらず低迷していた<ref name="優駿-2015-6-56" />。
レースでは、大逃げを打つコスモラピュタを前に3番手を追走、3コーナー手前で2番手に上がり、直線に向いてからは残り150m程で前を行くコスモラピュタを捕らえ先頭に出ると、そのまましっかり脚を使い後続の追い上げを封じて優勝。重賞初勝利をGIで飾る快挙を成し遂げた。バゴ産駒によるJRAのGI制覇も初めてとなった。馬主の谷水雄三は父の[[谷水信夫]]と父子でクラシック三冠を達成<ref group="注">谷水信夫が[[タニノハローモア]]で[[東京優駿]]、[[タニノムーティエ]]で[[皐月賞]]、東京優駿の二冠、谷水雄三が[[タニノギムレット]]と[[ウオッカ (競走馬)|ウオッカ]]で東京優駿を勝っている。</ref>、管理調教師の長浜博之も史上11人目の牡馬クラシック三冠達成となった。
[[ファイル:谷水雄三Yuzo-Tanimizu2010.jpg|サムネイル|253x253ピクセル|[[谷水雄三]]]]
しかし2002年、雄三が継承初期にアメリカで見出したタニノシーバードの孫、[[タニノギムレット]]が東京優駿を優勝する<ref name="優駿-2015-6-57">『優駿』2015年6月号 57頁</ref>。牧場にとって28年ぶりのGI級競走優勝を果たしていた。タニノギムレットは、その年の夏に故障し、菊花賞が行われる3歳秋を前に競走馬を引退、[[種牡馬]]となっていた。


さらに2007年には、タニノギムレットの初年度産駒である[[ウオッカ (競走馬)|ウオッカ]]が、牝馬ながら東京優駿優勝。牧場は、宮内庁の[[下総御料牧場]]、財閥の[[小岩井農場]]、大量生産の[[社台ファーム]]や[[ノーザンファーム]]に次いで史上5例目となる東京優駿4勝目を挙げていた<ref name="優駿-2015-6-57" />。ウオッカはその後、牝馬三冠の三冠目である[[秋華賞]]を選択するなどしたが、しばらく勝てなかった。それでも2010年までに[[安田記念]]を連覇するなど、GI級競走7勝を挙げることとなる。
[[2011年]]、京都記念6着、日経賞10着の後、右第3中手骨罅裂骨折を発症し休養した<ref>{{Cite web|publisher=ラジオNIKKEI|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/entry-200709.html|title=ビッグウィークが骨折、休養へ|accessdate=2022-10-01}}</ref>。


==== 誕生までの経緯 ====
[[File:Big Week Hanshin Jump Stakes 2013.jpg|180px|thumb|right|障害飛越するビッグウィーク(中央)]]
[[2013年]]7月に[[障害競走|障害]]に出走して勝利を挙げた。クラシックホースが障害競走に出走したのは、[[1965年]]菊花賞馬の[[ダイコーター]]以来である<ref group="注">[[1999年]][[秋華賞]]馬の[[ブゼンキャンドル]]も後に障害転向しているが、秋華賞はクラシック競走ではないので含めない。</ref>。


イシュクーダーは、アイルランド産[[2号族]]の牝馬である<ref name="優駿-2010-12-85">『優駿』2010年12月号 85頁</ref>。競走馬としてイギリスで4戦0勝、同地で繁殖牝馬となった後、谷水信夫が購入し、カントリー牧場にもたらしていた<ref name="スポニチ-谷水-菊花賞" />。ヒュールーパスとの仔を腹に宿して輸入され、タニノヒュールパスが産まれる<ref name="優駿-2010-12-85" />。やがてタニノヒュールパスは、牧場で繁殖牝馬となり、[[タニノブーケ]](父:[[ノーザンディクテイター]])を産む。タニノブーケは、1984年の[[デイリー杯3歳ステークス]](GII)を優勝するなど3勝。繁殖牝馬としても、1992年[[新潟記念]](GIII)を優勝したタニノボレロ(父:トレボロ)、1995年[[神戸新聞杯]](GII)を優勝した[[タニノクリエイト]](父:クリエイター)を産んでいた<ref name="優駿-2010-12-85" />。タニノクリエイトは、前哨戦を勝利して臨んだ菊花賞だったが、[[マヤノトップガン]]には敵わなかった<ref name="JBIS-1995菊花賞">{{Cite web|和書|title=10R 菊花賞|1995年11月5日(日)8回京都2日|url=https://www.jbis.or.jp/race/result/19951105/108/10/ |website=JBISサーチ |access-date=2022-10-02}}</ref>。
左前浅[[屈腱炎]]を発症し、9ヶ月以上の休養を要する見込みであることが判明。2014年5月25日付で競走馬登録を抹消した。引退後は[[京都産業大学]][[京都産業大学馬術部|馬術部]]で[[乗馬]]となり、「ジェミニ」という馬名で活躍<ref>{{Cite web |date=2014-05-23 |url=http://race.sanspo.com/keiba/news/20140523/ope14052317100008-n1.html |title=菊花賞馬ビッグウィーク引退 京産大で乗馬に |publisher=[[サンケイスポーツ]] |accessdate=2014-05-23}}</ref><ref>{{Cite web|publisher=日刊スポーツ|url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=201710200000128&year=2017&month=10&day=20|title=10年菊花賞馬ビッグウィーク、乗馬でも大輪咲かす|accessdate=2022-06-25}}</ref>。その後[[鳥取県]]の大山乗馬センターに移り、2020年11月から[[功労馬繋養展示事業|引退名馬繋養展示事業]]の対象馬となっている<ref>{{Cite web|url=https://www.meiba.jp/horses/view/2007100208|title=引退名馬|accessdate=2021-02-17|publisher=[[ジャパン・スタッドブック・インターナショナル]]}}</ref>。
{| style="float: right; font-size: 55%; text-align: left; margin:10px"
|+日本におけるビッグウィークの牝系<ref>{{Cite web|和書|title=繁殖牝馬情報:牝系情報|イシユクーダー(GB)|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000378037/broodmare/info/ |website=JBISサーチ |access-date=2022-09-30}}</ref>
|{{tree list}}輸入<br/>
*イシュクーダー 1959(父:[[モスボロー|Mossborough]])
**タニノヒュールパス 1966(父:Hugh Lupus)
***[[タニノブーケ]] 1982(父:*[[ノーザンディクテイター]])
****(牡)タニノボレロ 1988(父:*トレボロ)
****(牡)タニノクリエイト 1992(父:*クリエイター)
****タニノジャドール 1998(父:*[[サンデーサイレンス]])
*****(牡)'''ビッグウィーク''' 2007(父:*[[バゴ (競走馬)|バゴ]]){{Tree list/end}}
|}
1998年生産のタニノジャドール(ビッグウィークの母、父:[[サンデーサイレンス]])は、イシュクーダーの曾孫、タニノブーケの仔であり、タニノボレロとタニノクリエイトの妹である<ref name="優駿-2010-12-85" />。中央競馬と[[笠松競馬]]、[[金沢競馬]]で36戦3勝の成績を残した後、牧場で繁殖牝馬となっていた<ref name="優駿-2010-12-85" />。初年度は、[[タイキシャトル]]と交配し、初仔となる牝馬を儲ける<ref name="優駿-2010-12-85" />。2年目は、[[サクラバクシンオー]]と交配するも不受胎に終わっていた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?hid=36221576338 |title=タニノジャドール(JPN) |access-date=2022-9-30 |publisher=公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル |archive-url=https://web.archive.org/web/20220930134648/https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?hid=36221576338 |archive-date=2022‐9‐30}}</ref>。

そして3年目は、供用初年度の[[バゴ (競走馬)|バゴ]]が選ばれる。バゴは、フランス生産・調教された父[[ナシュワン]]、母父[[ヌレイエフ]]の牡馬である<ref name="JBIS-バゴ">{{Cite web|和書|title=バゴ(FR)|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000849057/ |website=JBISサーチ |access-date=2022-09-30}}</ref>。2004年[[凱旋門賞]]、[[パリ大賞]]、2005年[[ガネー賞]]を優勝し、引退後は日本に輸入され、種牡馬として供用されていた<ref name="JBIS-バゴ" />。初年度は、タニノジャドールを含めた102頭の牝馬を集めていた<ref>『優駿』2010年12月号 85頁</ref><ref>{{Cite web|和書|title=種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)|バゴ(FR)|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0000849057/sire/generation/thorough_s/ |website=JBISサーチ |access-date=2022-09-30}}</ref>。

==== 幼駒時代 ====
[[ファイル:Owner Tanimizu Yuzo.svg|サムネイル|204x204ピクセル|谷水雄三の[[勝負服 (競馬)|勝負服]]]]
2007年3月20日、北海道[[新ひだか町]]のカントリー牧場にて、タニノジャドールの3番仔、バゴの初年度産駒である[[青鹿毛]]の牡馬(後のビッグウィーク)が誕生する。3番仔は、牧場の繁殖主任である田村直人によれば「おとなしく、群れの中では目立たない馬<ref name="優駿-2010-12-85" /><ref>{{Cite web|和書|title=2010年10月24日 菊花賞 重賞ウィナーレポート|url=https://uma-furusato.com/winner_info/55921.html |website=競走馬のふるさと案内所 |access-date=2022-09-30}}</ref>」だったという。自然の成り行きでオーナーブリーダーである谷水敏三の所有となった。谷水は冠名「タニノ」に「ギムレット」と加えて「タニノギムレット」としたように、冠名に「酒の名称」を組み合わせて、所有馬に与えていた。しかし既に酒名のストックが尽きており「シリーズはむちゃくちゃ<ref name="スポニチ-谷水-菊花賞">{{Cite web|和書|title=【菊花賞】谷水氏、快挙に“二重の喜び”|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/10/25/kiji/K20101025Z00001390.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2022-09-30 |language=ja}}</ref>」(谷水)となっていた。3番仔にはウオッカ同様に冠名を省略し、「重大な週」を意味する「'''ビッグウィーク'''」という名前が与えられる<ref name="JAIRS">{{Cite web|和書|url=https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?sid=1037330385 |title=ビッグウィーク(JPN) |access-date=2022-9-30 |publisher=公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル |archive-date=2022‐9‐30 |archive-url=https://web.archive.org/web/20220930133847/https://www.studbook.jp/users/ja/Honba.php?sid=1037330385}}</ref>。
[[ファイル:Hiroyuki-Nagahama20100410.jpg|サムネイル|224x224ピクセル|[[長浜博之]]]]
ビッグウィークは、[[栗東トレーニングセンター]]所属の[[長浜博之]]調教師に託された。長浜は、1988年に厩舎を開業し、1990年[[桜花賞]]を[[アグネスフローラ]]で制し、GI初制覇を果たしていた<ref name="優駿-2010-12-75">『優駿』2010年12月号 75頁</ref>。さらにそのアグネスフローラの仔である[[アグネスフライト]]は2000年の東京優駿を、同じく仔の[[アグネスタキオン]]は2001年の皐月賞を優勝している。しかしクラシック三冠競走の最後の一つである菊花賞とは縁がなかった<ref name="優駿-2010-12-75" />。アグネスタキオンは、皐月賞を最後に引退、アグネスフライトは、1番人気の支持を集めたが、[[エアシャカール]]に及ばず5着<ref>{{Cite web|和書|title=11R 菊花賞|2000年10月22日(日)4回京都6日|url=https://www.jbis.or.jp/race/result/20001022/108/11/ |website=JBISサーチ |access-date=2022-10-02}}</ref>。その他、1994年の[[スターマン (競走馬)|スターマン]]は、[[ナリタブライアン]]に及ばず5着<ref>{{Cite web|和書|title=10R 菊花賞|1994年11月6日(日)1回京都2日|url=https://www.jbis.or.jp/race/result/19941106/108/10/ |website=JBISサーチ |access-date=2022-10-02}}</ref>。1995年のイブキタモンヤグラは、マヤノトップガンに及ばず4着<ref name="JBIS-1995菊花賞" />。1996年のロングカイウンは、[[ダンスインザダーク]]に及ばず5着<ref>{{Cite web|和書|title=10R 菊花賞|1996年11月3日(日)5回京都2日|url=https://www.jbis.or.jp/race/result/19961103/108/10/ |website=JBISサーチ |access-date=2022-10-02}}</ref>。2005年の[[シックスセンス (競走馬)|シックスセンス]]は2番人気に推されたが、[[ディープインパクト (競走馬)|ディープインパクト]]に及ばず4着だった<ref>{{Cite web|和書|title=11R 菊花賞|2005年10月23日(日)4回京都6日|url=https://www.jbis.or.jp/race/result/20051023/108/11/ |website=JBISサーチ|access-date=2022-10-02}}</ref>。

デビュー直前には、[[武豊]]が調教に騎乗している<ref name="スポニチ-菊花賞参戦直前">{{Cite web|和書|title=【菊花賞】ビッグウィークに漂う下克上の雰囲気|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/10/22/kiji/K20101022Z00002140.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。武は「この馬、ゆくゆくは走ってきますよ<ref name="スポニチ-菊花賞参戦直前" />」と述べていたという。

=== 競走馬時代 ===

==== クラシックまでの道程 ====

2009年9月27日、[[阪神競馬場]]でデビューし8着。その後は年末までに未勝利戦を2戦したがいずれも2着だった<ref name="JBIS-競走成績" />。年が明けて2010年、1月の3歳初戦も再び2着となった<ref name="JBIS-競走成績" />。相次ぐ敗戦は、長浜によれば「体は細い感じで、見た目も幼かった。それで走り方は頭が高い<ref name="優駿-2010-12-75" />」ことによる取りこぼしだった<ref name="優駿-2010-12-75" />。その後は、ソエが悪化したために無理をさせず、休養となる<ref name="優駿-2010-12-75" /><ref name="スポニチ-菊花賞参戦直前" />。3戦連続2着から5か月間戦線を離脱した<ref name="優駿-2010-12-75" />。ソエが解消して、6月の復帰戦では再び2着だった<ref name="JBIS-競走成績" />。しかし7月10日の2戦目は、初騎乗の川田将雅に導かれてエクスペティションに2馬身差をつけて勝利、6戦かかって勝ち上がりを果たした。以後しばらく、川田が騎乗を続けた<ref name="JBIS-競走成績" />。

続いて夏の[[小倉競馬場]]へ遠征を行う。8月7日の都井岬特別(500万円以下)では、1番人気の支持で出走<ref name="ラジオNIKKEI-都井岬特別">{{Cite web|和書|title=【都井岬特別】(小倉)~ビッグウィークが2連勝|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/entry-188248.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2022-10-01 |language=ja}}</ref>。ハナを奪って先導し、逃げ切った。後方に2馬身半差をつけて連勝、2勝目を挙げた<ref name="ラジオNIKKEI-都井岬特別" />。それから9月4日、玄海特別(1000万円以下)でも1番人気の支持で出走<ref name="ラジオNIKKEI-玄海特別">{{Cite web|和書|title=【玄海特別】(小倉)~ビッグウィーク 人気に応えて3連勝|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/entry-189607.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。2番手を追走し、最終コーナーで抜け出した<ref name="ラジオNIKKEI-玄海特別" />。迫ってくるマイネルゴルト、[[トレイルブレイザー (競走馬)|トレイルブレイザー]]などを振り切り優勝、後続に4分の3馬身差をつけて3連勝を果たした<ref name="スポニチ-菊花賞参戦直前" /><ref name="ラジオNIKKEI-玄海特別" />。

3連勝で1600万円以下、準オープンクラスまで到達。続いて1600万円以下のレースに参戦し、オープンクラスを狙うのがお約束だった<ref name="優駿-2010-12-75" />。しかし長浜は、古馬の準オープンクラスと張り合ううえで、適した条件のレースがないと考えていた<ref name="優駿-2010-12-75" />。そのため、消極的な理由で格上挑戦を行い、3歳限定の[[オープン競走]]を選択する<ref name="優駿-2010-12-75" />。クラシック三冠競走の最終戦である菊花賞の[[トライアル競走]]である[[神戸新聞杯]](GII)に臨む<ref name="優駿-2010-12-75" />。

9月26日、神戸新聞杯(GII)に出走する。12頭立てのなか、5番人気だった<ref name="優駿-2010-11-102">『優駿』2010年11月号 102頁</ref>。1番人気は、この年の東京優駿(日本ダービー)を優勝した[[エイシンフラッシュ]]であり、2番人気は、前年の[[朝日杯フューチュリティステークス]]を優勝、東京優駿では2着の[[ローズキングダム]]だった<ref>{{Cite web|和書|title=神戸新聞杯アラカルト |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/52906 |website=競馬ブック |access-date=2022-10-02}}</ref>。ダービーワンツーが1.9倍、3.0倍に推されたのに対して、ビッグウィークは、12.7倍だった<ref name="優駿-2010-11-102" />。

最内枠からスタートしハナを奪ったビッグウィークは、逃げに出る<ref name="優駿-2010-12-65">『優駿』2010年12月号 65頁</ref>。ペースをスローに持ち込んで先導した<ref name="名前なし-20230316103413">『優駿』2010年11月号 102頁</ref>。向こう正面にてネオヴァンドームや、[[サンディエゴシチー]]に先頭を奪われて、好位の3番手に落ち込んだが、直線で末脚を用いて巻き返し、1頭で抜け出した<ref name="優駿-2010-12-65" />。しかし、外から並んで追い上げてきたエイシンフラッシュとローズキングダムの末脚にかわされる<ref name="名前なし-20230316103413"/>。2頭には張り合うことができず、3馬身後れを取った<ref name="優駿-2010-12-65" />。それでも2頭以外にはかわされず、3着を確保<ref name="報知-神戸新聞杯">{{Cite web|和書|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20100926-OHT1T00186.htm |title=ローズキングダム、フラッシュ抑え優勝…神戸新聞杯 |access-date=2022‐10‐2 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20101006004323/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20100926-OHT1T00186.htm |archive-date=2010‐10‐6}}</ref>。菊花賞の優先出走権獲得を果たす<ref name="報知-神戸新聞杯" /><ref>{{Cite web|和書|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20100926-OHT1T00349.htm |title=フラッシュ2着 内田は菊へ手応え…神戸新聞杯 |access-date=2022-10-2 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20101006004150/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20100926-OHT1T00349.htm |archive-date=2010-10-6}}</ref>。もともと菊花賞の出走権利獲得を強く志向していなかったが、出走権利を得たため、菊花賞の出走が決定する<ref name="優駿-2010-12-75" />。

==== 初勝利から107日目の菊花賞 ====
{{Vertical images list|画像1=Yasunari-Iwata20100418.jpg|画像2=Eishin Flash.jpg|説明1=[[皐月賞]]([[ヴィクトワールピサ]])|説明2=[[東京優駿]]([[エイシンフラッシュ]])}}
2010年10月24日、菊花賞(GI)に出走する。この年のクラシックは、皐月賞を[[ヴィクトワールピサ]]、東京優駿をエイシンフラッシュが制していた。ヴィクトワールピサは、フランスの凱旋門賞を目指して不在だったが、エイシンフラッシュは神戸新聞杯の僅差の2着を経て参戦する予定であり、菊花賞では特にローズキングダムの再戦が期待されていた<ref name="優駿-2010-12-64">『優駿』2010年12月号 64頁</ref>。しかし直前に、エイシンフラッシュが[[筋肉痛]]をきたして回避となる。よってクラシック優勝馬を欠いた最終戦となっていた<ref name="優駿-2010-12-64" />。

18頭が揃う中、1番人気となったのは、神戸新聞杯でエイシンフラッシュを下したGI優勝馬ローズキングダムであり、2.1倍の支持だった<ref name="優駿-2010-12-84">『優駿』2010年12月号 84頁</ref>。以下、夏の北海道開催の長距離戦で連勝したトウカイメロディ、皐月賞2着の[[ヒルノダムール]]、[[セントライト記念]]優勝の[[クォークスター]]、神戸新聞杯5着のレーヴドリアン、[[ラジオNIKKEI賞]]優勝の[[アロマカフェ]]が続いていた<ref name="優駿-2010-12-84" />。ビッグウィークは、これらに続く23.2倍の7番人気だった<ref name="優駿-2010-12-84" />。騎乗する川田は、[[騎乗停止]]明けの週末だった。3週間前の[[スプリンターズステークス]]で[[ダッシャーゴーゴー]]に騎乗した際、直線手前にて[[サンカルロ]]の進路を塞ぐ斜行をしており、2位入線も4着降着<ref>{{Cite web|和書|title=【スプリンターズS】ゴーゴー4着降着…川田「ファンに申し訳ない」|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2010/10/03/kiji/K20101003Z00000690.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。開催4日、すなわち2週間の騎乗停止処分を受けていた<ref>{{Cite web|和書|title=川田将雅騎手 4日間の騎乗停止|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/entry-191013.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。{{External media|width=300px|video1=[https://www.youtube.com/watch?v=TlqnVttk1PM&ab_channel=JRA%E5%85%AC%E5%BC%8F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB 2010年 菊花賞(GI)<br />レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画]}}スタートから11番人気コスモラピュタが大逃げで引っ張り、ローズキングダムやトウカイメロディ、ヒルノダムールなど人気馬は中団を進むなか、ビッグウィークは好位の3番手を追走する<ref name="優駿-2010-12-64" /><ref name="サンスポ-菊花賞">{{Cite web|和書|url=http://www.sanspo.com/keiba/news/101024/kba1010241913028-n1.htm |title=【菊花賞】伏兵ビッグィークが大仕事 |access-date=2022-10-2 |publisher=[[サンケイスポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20110128164649/http://www.sanspo.com:80/keiba/news/101024/kba1010241913028-n1.htm |archive-date=2011-1-28}}</ref>。やがて大逃げ1頭とそれ以外の後方馬群一団という隊列が形成され、ビッグウィークは馬群の先頭、引っ張る立場となる<ref name="優駿-2010-12-84" />。馬群の進行はスローペースだった<ref name="優駿-2010-12-84" />。コスモラピュタが10馬身のリードを保つなか、第3コーナーの坂の上り下りに差し掛かり、ビッグウィークは下りからロングスパートを開始して、抜け出しと押し切りを図った<ref name="優駿-2010-12-65" /><ref name="サンスポ-菊花賞-2">{{Cite web|和書|url=http://www.sanspo.com/keiba/news/101024/kba1010241552022-n2.htm |title=【菊花賞】波乱!ビッグウィークが戴冠! (2/2ページ) |access-date=2022-10-2 |publisher=[[サンケイスポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20101027071722/http://www.sanspo.com/keiba/news/101024/kba1010241552022-n2.htm |archive-date=2010-10-27}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.sanspo.com/keiba/news/101024/kba1010241602023-n1.htm |title=【川田トーク】「いいリズムでと思っていた」 |access-date=2022-10-2 |publisher=[[サンケイスポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20101026005322/http://www.sanspo.com/keiba/news/101024/kba1010241602023-n1.htm |archive-date=2010-10-26}}</ref><ref name=":143">{{Cite web|和書|url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20101025-694037.html |title=ウィーク快挙 初勝利から最速V/菊花賞 |access-date=2022-10-2 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20101027233705/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20101025-694037.html |archive-date=2010-10-27}}</ref>。直線では、コスモラピュタに接近するとともに、後方外から追い上げるローズキングダムなどから逃走。半ばを過ぎた残り200メートル、コスモラピュタを捕らえ抜け出してからは独走となった<ref name="サンスポ-菊花賞-2" />。遅れて追い込むローズキングダム、[[ビートブラック]]を寄せ付けず、それらに1馬身4分の1差をつけて決勝線を通過する<ref name="サンスポ-菊花賞" /><ref name="サンスポ-菊花賞-2" />。
[[ファイル:Yuga-Kawada20101024.jpg|サムネイル|274x274ピクセル|菊花賞の表彰式]]
[[ファイル:Big-Week20101024.jpg|201x201px|thumb|right|菊花賞優勝時]]重賞並びにGI初勝利、クラシック戴冠を果たす<ref name="競馬ブック-菊花賞-アラカルト">{{Cite web|和書|title=菊花賞アラカルト |url=https://p.keibabook.co.jp/news/detail/53121 |website=競馬ブック |access-date=2022-10-02}}</ref>。7月10日、二冠目の東京優駿から41日後に初勝利を挙げてから約3か月で出世し、107日目で菊花賞のタイトルに到達した<ref name="日刊-菊花賞">{{Cite web|和書|url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20101025-694037.html |title=ウィーク快挙 初勝利から最速V/菊花賞 |access-date=2022-10-2 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20101027233705/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20101025-694037.html |archive-date=2010-10-27}}</ref>。'''初勝利から106日での戴冠'''は'''菊花賞史上最短記録'''であり、1969年3月22日初勝利から11月16日に戴冠した[[アカネテンリュウ]]、2008年6月8日初勝利から10月26日に戴冠した[[オウケンブルースリ]]などの過去の上がり馬を上回った<ref name="日刊-菊花賞" />。また川田は、[[キャプテントゥーレ]]を導いた2008年皐月賞以来のクラシック2勝目'''<ref name="競馬ブック-菊花賞-アラカルト" />'''。さらに長浜は、アグネスフライト、アグネスタキオンの優勝を経て、史上11人目となる'''クラシック三冠競走全制覇<ref name="競馬ブック-菊花賞-アラカルト" />'''。それから谷水父子とカントリー牧場も、マーチス、タニノハローモア、タニノムーティエの優勝を経て、'''クラシック三冠競走全制覇'''を成し遂げた<ref name="スポニチ-谷水-菊花賞" /><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20101025-694058.html |title=谷水オーナー故信夫氏と父子3冠/菊花賞 |access-date=2022-10-2 |publisher=[[日刊スポーツ]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20101027233721/http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20101025-694058.html |archive-date=2010-10-27}}</ref>。加えてバゴも、産駒のJRA-GI初勝利を果たした<ref name="競馬ブック-菊花賞-アラカルト" />。

==== 菊花賞以後 ====
菊花賞を勝利で飾った後は、深管骨瘤をきたして出走できず休養する<ref name="優駿-2010-12-75" /><ref name="スポニチ-京都記念-復帰">{{Cite web|和書|title=【京都記念】ビッグウィーク菊Vの淀で戦線復帰|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/02/08/kiji/K20110208000203680.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。古馬となった4歳の春は[[天皇賞(春)]]を目指した<ref name="スポニチ-京都記念-復帰" />。菊花賞と同じ京都の[[京都記念]](GII)で始動し6着、続いて前哨戦の[[日経賞]](GII)に臨んだが、大差での10着敗退だった。レース後に故障が判明、右第3中手骨罅裂骨折と発表され、目標だった天皇賞(春)を回避し長期休養に入った<ref>{{Cite web|和書|title=ビッグウィークが骨折、休養へ|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/entry-200709.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=【毎日王冠1週前追い】ビッグウィーク軽快11秒8|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2011/09/30/kiji/K20110930001723830.html?amp=1 |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。

8月31日に帰厩し<ref>{{Cite web|和書|title=ビッグウィーク帰厩、ひと叩きして天皇賞(秋)へ|url=https://www.keibalab.jp/topics/9589/ |website=競馬ラボ |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>、10月の[[毎日王冠]](GII)で復帰し敗退。その後も[[天皇賞(秋)]](GI)、[[ステイヤーズステークス]](GII)と進んだが、下位敗退を続けていた<ref name="JBIS-競走成績" />。5歳となった2012年は、格を落としてGIII、オープン競走に挑んだが、勝利から遠ざかった<ref name="JBIS-競走成績" />。年をまたいで6歳、2013年も、同じように3戦したが敵わなかった<ref name="JBIS-競走成績" />。

菊花賞から連敗が11に達した2013年6月、陣営はこれまでの平地競走から[[障害競走]]への転向を決意する<ref name="スポニチ-障害入り" />。1989年[[阪神3歳ステークス]]優勝の[[コガネタイフウ]]、1999年[[秋華賞]]優勝の[[ブゼンキャンドル]]、2003年[[NHKマイルカップ]]優勝の[[ウインクリューガー]]に次いで史上4頭目となる平地JRA-GI競走優勝馬の障害転向だった<ref name="スポニチ-障害入り" />。[[小坂忠士]]とコンビを結成し、6月27日には、障害試験を合格した<ref name="スポニチ-障害入り">{{Cite web|和書|title=10年菊花賞制覇 ビッグウィーク障害入り|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/07/04/kiji/K20130704006144600.html |website=スポニチ Sponichi Annex |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。
[[ファイル:Tadashi-Kosaka20100920.jpg|サムネイル|193x193px|[[小坂忠士]]]]
7月13日、[[中京競馬場]]の未勝利戦(障害3000メートル)に1番人気で出走。危ない飛越もありながら2番手を追走。逃げ馬をかわして抜け出し、後続を突き放した<ref name="スポニチ-障害初戦">{{Cite news |title=【中京4R】菊花賞馬ビッグウィーク 障害初戦“辛くも”勝った|url=https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/07/14/kiji/K20130714006214390.html |newspaper=スポーツニッポン |access-date=2022-10-02}}</ref>。3馬身半差をつけて先頭で入線<ref name="報知-障害初戦">{{Cite web|和書|url=http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130713-OHT1T00227.htm |title=【障害】菊花賞馬ビッグウィーク初陣飾る |access-date=2022‐10‐2 |publisher=[[スポーツ報知]] |archive-url=https://web.archive.org/web/20130714023801/http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20130713-OHT1T00227.htm |archive-date=2013‐7-14}}</ref>。約3年ぶりの勝利、障害初勝利を挙げた<ref name="スポニチ-障害初戦" />。JRA-GI優勝馬としては、先の3頭に続いて史上4頭目となる平地GI競走と障害競走の両方優勝を成し遂げた<ref name="ラジオNIKKEI-障害初戦">{{Cite web|和書|title=菊花賞馬ビッグウィークが障害初出走で初勝利|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_899.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。また1939年[[桜花賞]]優勝の[[ソールレディ]]、1965年菊花賞優勝の[[ダイコーター]]を加えて史上6頭目の平地GI級競走と障害競走の両方優勝<ref name="報知-障害初戦" />、45年ぶり史上3頭目となるクラシックと障害競走の両方優勝を成し遂げた<ref name="スポニチ-障害初戦" /><ref name="ラジオNIKKEI-障害初戦" />。
[[File:Big Week Hanshin Jump Stakes 2013.jpg|252x252px|thumb|right|障害飛越するビッグウィーク(阪神ジャンプステークス(J-GIII)]]

その後は、オープン競走で2着、重賞出走などがあったが勝利を挙げることができなかった。7歳となった2014年の春に左前脚浅[[屈腱炎]]を発症<ref name="ラジオNIKKEI-引退">{{Cite web|和書|title=菊花賞馬ビッグウィーク引退、乗馬へ|url=https://www.radionikkei.jp/keiba_article/news/post_3409.html |website=ラジオNIKKEI |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>、9カ月以上の休養が必要なことから陣営は引退を表明し、5月25日付で[[日本中央競馬会]]の競走馬登録を抹消された<ref>{{Cite web|和書|title=菊花賞馬ビッグウィーク引退 京産大で乗馬に |url=https://race.sanspo.com/keiba/news/20140523/ope14052317100008-n1.html |website=予想王TV@SANSPO.COM |date=2014-05-23 |access-date=2022-10-02 |language=ja-JP}}</ref>。

=== 引退後 ===
競走馬引退後は、京都競馬場近くの[[京都産業大学]]にて乗馬として繋養される。大学の[[馬術|馬術部]]に在籍し、「'''ジェミニ'''」という名が与えられた。ジェミニは、5月25日に入厩し、競馬用から馬術用へ転用する訓練を受け、2017年夏には馬術競技会デビューを果たした<ref name="日刊-京都産業大学">{{Cite news |title=10年菊花賞馬ビッグウィーク、乗馬でも大輪咲かす|url=https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=201710200000128&year=2017&month=10&day=20 |newspaper=日刊スポーツ |access-date=2022-10-02}}</ref>。馬術部員だけでなく、大学の体育実技に与して一般学生を、ホースセラピーに与して不登校生徒を相手にすることもあった<ref name="日刊-京都産業大学" />。

京都産業大学を退いてからのジェミニ、もといビッグウィークは、2020年3月から[[鳥取県]][[大山町]]の大山乗馬センターに移り、余生を過ごしている<ref>{{Cite web|和書|title=10年菊花賞馬のビッグウィークにエサやりができる 大山乗馬センターで今も活躍中 |url=https://hochi.news/articles/20220705-OHT1T51207.html |website=スポーツ報知 |date=2022-07-06 |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。2022年からは、[[島根県]][[出雲市]]の[[出雲大社]]に奉納される出雲[[神楽]]を披露する、島根県[[雲南市]]の西日登神楽社中に鬣を提供している<ref name="読売-たてがみ">{{Cite web|和書|title=菊花賞馬・ビッグウィーク、たてがみ「断髪式」…神楽の面に活用 |url=https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20220904-OYT1T50079/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-09-08 |access-date=2022-10-02 |language=ja}}</ref>。西日登神楽社中が使用する神楽面の髭や、髪の毛として使用された<ref name="読売-たてがみ" />。


== 競走成績 ==
== 競走成績 ==
以下の内容は、[[netkeiba.com]]<ref>{{Cite web|和書|title=ビッグウィークの競走成績|url=https://db.netkeiba.com/horse/2007100208/ |website=netkeiba.com |access-date=2022-09-30}}</ref>並びにJBISサーチ<ref name="JBIS-競走成績">{{Cite web|和書|title=競走成績:全競走成績|ビッグウィーク|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001045293/record/?sort=ymd&page=1&order=A |website=JBISサーチ |access-date=2022-09-29}}</ref>の情報に基づく。
{| style="border-collapse: collapse; font-size: 90%; text-align: center; white-space: nowrap;"
{| style="border-collapse: collapse; font-size: 80%; text-align: center; white-space: nowrap;"
! 競走日 !! nowrap| 競馬場 !! 競走名 !! 格 !! 距離(馬場) !! 頭<br />数 !! 枠<br />番 !! 馬<br />番 !! オッズ<br />(人気) !! 着順 !! タイム<br />(上り3F/平均1F) !! 着差 !! 騎手 !! 斤量 !! 1着馬(2着馬)
!競走日
! nowrap="" |競馬場
!競走名
!格
!距離
(馬場)
!頭
!枠
!馬
!オッズ
(人気)
!着順
!タイム
(上り3F/''1F'')
!着差
!騎手
!斤量
[kg]
!1着馬
(2着馬)
!馬体重
[kg]
|-
|-
| [[2008年|2009.]][[9月27日|{{0}}9.27]]
|[[2008年|2009.]][[9月27日|{{0}}9.27]]
| [[阪神競馬場|阪神]]
|[[阪神競馬場|阪神]]
| [[新馬|2歳新馬]]
|[[新馬|2歳新馬]]
|
|
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| 15
|15
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| 2歳未勝利
|2歳未勝利
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|
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|藤岡佑介
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|-
| [[2010年|2010.]][[1月11日|{{0}}1.11]]
|[[2010年|2010.]][[1月11日|{{0}}1.11]]
| 京都
|京都
| 3歳未勝利
|3歳未勝利
|
|
| 芝1600m(良)
|芝1600m(良)
| 16
|16
| 1
|1
| 2
|2
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|武豊
|56
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|タバルナ
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|-
| {{0|0000.}}[[6月13日|{{0}}6.13]]
|{{0|0000.}}[[6月13日|{{0}}6.13]]
| 京都
|京都
| 3歳未勝利
|3歳未勝利
|
|
| 芝1800m(良)
|芝1800m(良)
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| [[池添謙一]]
|[[池添謙一]]
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|ヤマニンガーゴイル
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|-
| {{0|0000.}}[[7月10日|{{0}}7.10]]
|{{0|0000.}}[[7月10日|{{0}}7.10]]
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|阪神
| 3歳未勝利
|3歳未勝利
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|
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|芝1800m(良)
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|[[川田将雅]]
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|[[小倉競馬場|小倉]]
| 都井岬特別
|都井岬特別
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|500万下
| 芝1800m(良)
|芝1800m(良)
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|川田将雅
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|-
|-
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|小倉
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|玄海特別
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|1000万下
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|芝2000m(良)
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|川田将雅
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|(マイネルゴルト)
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|-
|-
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|阪神
| [[神戸新聞杯]]
|[[神戸新聞杯]]
| {{GII}}
|{{GII}}
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|芝2400m(良)
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|[[ローズキングダム]]
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|{{0|0000.}}[[10月24日|10.24]]
| 京都
|京都
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|[[菊花賞]]
| {{GI}}
|{{GI}}
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|芝3000m(良)
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|川田将雅
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|(ローズキングダム)
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|-
|-
| [[2011年|2011.]][[2月13日|{{0}}2.13]]
|[[2011年|2011.]][[2月13日|{{0}}2.13]]
| 京都
|京都
| [[京都記念]]
|[[京都記念]]
| {{GII}}
|{{GII}}
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|芝2200m(良)
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|川田将雅
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|[[トゥザグローリー]]
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|{{0|0000.}}[[4月2日|{{0}}4.{{0}}2]]
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|阪神
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|[[日経賞]]
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|{{GII}}
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|芝2400m(良)
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|10
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|4
| 4
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|10着
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| [[四位洋文]]
|[[四位洋文]]
|59
| 59kg
| トゥザグローリー
|トゥザグローリー
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|-
|-
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|{{0|0000.}}[[10月9日|10.{{0}}9]]
| [[東京競馬場|東京]]
|[[東京競馬場|東京]]
| [[毎日王冠]]
|[[毎日王冠]]
| {{GII}}
|{{GII}}
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|芝1800m(良)
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|川田将雅
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|[[ダークシャドウ]]
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|-
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| 東京
|東京
| [[天皇賞(秋)]]
|[[天皇賞(秋)]]
| {{GI}}
|{{GI}}
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|芝2000m(良)
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|131.5(14人)
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|[[トーセンジョーダン]]
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|-
|-
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| [[中山競馬場|中山]]
|[[中山競馬場|中山]]
| [[ステイヤーズステークス|ステイヤーズS]]
|[[ステイヤーズステークス|ステイヤーズS]]
| {{GII}}
|{{GII}}
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|芝3600m(不)
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|[[クリストフ・ルメール|C.ルメール]]
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|[[マイネルキッツ]]
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|-
|-
| [[2012年|2012.]][[1月5日|{{0}}1.{{0}}5]]
|[[2012年|2012.]][[1月5日|{{0}}1.{{0}}5]]
| 京都
|京都
| [[京都金杯]]
|[[京都金杯]]
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|{{GIII}}
| 芝1600m(良)
|芝1600m(良)
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|16
| 6
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|12
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|{{0}}62.7(13人)
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|[[福永祐一]]
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|-
|-
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| 小倉
|小倉
| [[小倉大賞典]]
|[[小倉大賞典]]
| {{GIII}}
|{{GIII}}
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|芝1800m(良)
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| [[中舘英二]]
|[[中舘英二]]
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|[[エーシンジーライン]]
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|-
|-
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| [[福島競馬場|福島]]
|[[福島競馬場|福島]]
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|福島テレビOP
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|{{OP}}
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|芝1800m(良)
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| [[田中勝春]]
|[[田中勝春]]
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|ミキノバンジョー
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|-
|-
| [[2013年|2013.]][[4月7日|{{0}}4.{{0}}7]]
|[[2013年|2013.]][[4月7日|{{0}}4.{{0}}7]]
| 阪神
|阪神
| [[大阪-ハンブルクカップ|大阪-ハンブルクC]]
|[[大阪-ハンブルクカップ|大阪-ハンブルクC]]
|{{OP}}
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|芝2400m(良)
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|13
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|7
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|11
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|{{0}}62.2(10人)
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| 四位洋文
|四位洋文
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|[[レッドデイヴィス]]
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|-
|-
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| 京都
|京都
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|都大路S
|{{OP}}
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| 芝1800m(重)
|芝1800m(重)
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|18
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|121.9(14人)
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| [[幸英明]]
|[[幸英明]]
|57
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|リルダヴァル
|462
|-
|-
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|阪神
| [[鳴尾記念]]
|[[鳴尾記念]]
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|{{GIII}}
| 芝2000m(良)
|芝2000m(良)
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|16
| 1
|1
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|2
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|142.2(15人)
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| [[秋山真一郎]]
|[[秋山真一郎]]
|57
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|[[トウケイヘイロー]]
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|-
|-
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|[[中京競馬場|中京]]
| 障害未勝利
|障害未勝利
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|
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|3000m(稍)
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|6
| 6
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|{{0|00}}3.0({{0}}1人)
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| -0.6
| [[小坂忠士]]
|[[小坂忠士]]
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|(ファイヤー)
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|-
|-
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|{{0|0000.}}[[8月11日|{{0}}8.11]]
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|小倉
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|2900m(良)
| 8
|8
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|5
| 5
|5
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|{{0|00}}2.9({{0}}2人)
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|小坂忠士
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|エーシンイグアス
|458
|-
|-
| {{0|0000.}}[[9月14日|{{0}}9.14]]
|{{0|0000.}}[[9月14日|{{0}}9.14]]
| 阪神
|阪神
| [[阪神ジャンプステークス|阪神ジャンプS]]
|[[阪神ジャンプステークス|阪神ジャンプS]]
| JGIII
|J-GIII
|3140m(良)
|3140m(良)
| 14
|14
| 4
|4
| 6
|6
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|{{0|00}}9.1({{0}}4人)
| {{0}}9着
|{{0}}9着
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|{{0|R}}3:30.8{{0}}(''13.4'')
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| 小坂忠士
|小坂忠士
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|[[オースミムーン]]
|460
|-
|-
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|{{0|0000.}}[[10月6日|10.{{0}}6]]
| 京都
|京都
| 障害3歳オープン
|障害3歳上OP
|{{OP}}
|{{OP}}
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|3170m(良)
| 14
|14
| 7
|7
| 12
|12
| {{0|00}}2.4({{0}}1人)
|{{0|00}}2.4({{0}}1人)
| {{0}}5着
|{{0}}5着
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|{{0|R}}3:32.1{{0}}(''13.4'')
| {{0|-}}0.9
|{{0|-}}0.9
| 小坂忠士
|小坂忠士
|60
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|オンワードデューク
|466
|-
|-
| [[2014年|2014.]][[5月17日|{{0}}5.17]]
|[[2014年|2014.]][[5月17日|{{0}}5.17]]
|[[新潟競馬場|新潟]]
|[[新潟競馬場|新潟]]
| 障害4歳オープン
|障害4歳上OP
|{{OP}}
|{{OP}}
|2890m(良)
|2890m(良)
| 14
|14
| 5
|5
| 7
|7
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|{{0}}10.4({{0}}6人)
| 11着
|11着
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|{{0|R}}3:09.9{{0}}(''13.2'')
| {{0|-}}2.7
|{{0|-}}2.7
| 小坂忠士
|小坂忠士
|60
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| エイブルブラッド
|エイブルブラッド
|458
|}
|}


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|mmm = タニノヒユールパス
|mmm = タニノヒユールパス
|mmmf = Hugh Lupus
|mmmf = Hugh Lupus
|mmmm = *イシユクーダー [[ファミリーナンバー|F-No.]][[2号族|2-u]]
|mmmm = *イシユクーダー
|ref1 = [http://www.jbis.or.jp/horse/0001045293/pedigree/ JBISサーチ ビッグウィーク 5代血統表] 2017年8月30日閲覧。
|ref1 = <ref name="ped">{{Cite web|和書|title=血統情報:5代血統表|ビッグウィーク|url=https://www.jbis.or.jp/horse/0001045293/pedigree/ |website=JBISサーチ |accessdate=2017年8月30日}}</ref>
|mlin = [[ブラッシンググルーム系]]
|mlin = [[ブラッシンググルーム系]]
|ref2 = [http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100208/ netkeiba.com ビッグウィーク 5代血統表] 2017年8月30日閲覧。
|ref2 = <ref>{{Cite web|和書|title=ビッグウィークの血統表|url=https://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100208/ |website=netkeiba.com |accessdate=2017年8月30日}}</ref>
|flin = [[2号族]]
|flin =
|FN = [[2号族|2-u]]
|ref3 = <ref name="ped"/>
|FN = 2-u
|ref3 = [http://www.jbis.or.jp/horse/0001045293/pedigree/ JBISサーチ ビッグウィーク 5代血統表] 2017年8月30日閲覧。
|inbr = [[ヘイロー (競走馬)|Halo]]3×5、[[ノーザンダンサー|Northern Dancer]]4×4
|inbr = [[ヘイロー (競走馬)|Halo]]3×5、[[ノーザンダンサー|Northern Dancer]]4×4
|ref4 = <ref name="ped"/>
|ref4 = [http://www.jbis.or.jp/horse/0001045293/pedigree/ JBISサーチ ビッグウィーク 5代血統表] 2017年8月30日閲覧。
}}
}}
=== 主な近親 ===
* 祖母タニノブーケは[[デイリー杯2歳ステークス|デイリー杯3歳ステークス]]勝ち馬。
** タニノブーケの産駒にタニノボレロ([[新潟記念]])、[[タニノクリエイト]](神戸新聞杯)がいる。


== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
=== 出典 ===
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== 参考文献 ==

* 『[[優駿]]』([[日本中央競馬会]])
**2007年7月号
***江面弘也「【第74回日本ダービー】谷水雄三オーナー ダービー史に残る74分の4」
**2010年11月号
***「【重賞プレイバック】第58回神戸新聞杯(GII)ローズキングダム」
**2010年12月号
***石田敏徳「【第71回菊花賞詳報】ビッグウィーク 初勝利から107日での頂点」
***優駿編集部「【杉本清の競馬談義(307)】長浜博之調教師」
***「【重賞プレイバック】第71回菊花賞(GI)」
**2015年6月号
***河村清明「【優駿たちのルーツを辿る 4】カントリー牧場 オーナーブリーダーの『底力』」


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
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2024年6月23日 (日) 02:46時点における最新版

ビッグウィーク
欧字表記 Big Week[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 青鹿毛[1]
生誕 2007年3月20日(17歳)[1]
抹消日 2014年5月25日[2]
バゴ[1]
タニノジャドール[1]
母の父 サンデーサイレンス[1]
生国 日本の旗 日本北海道新ひだか町[1]
生産者 谷水雄三[3]
生産牧場 カントリー牧場[3]
馬主 谷水雄三[1]
調教師 長浜博之栗東[1]
競走成績
生涯成績 26戦5勝[1]
獲得賞金 2億1792万7000円[1]
勝ち鞍
GI 菊花賞 2010年
テンプレートを表示

ビッグウィーク(欧字名:Big Week2007年3月20日 - )は、日本競走馬[1]

2010年の菊花賞(GI)優勝馬である。菊花賞史上最短となる初勝利から107日目での優勝。調教師長浜博之馬主谷水信夫、雄三父子に中央競馬クラシック三冠競走全制覇の称号をもたらした。

また障害競走においても1勝を挙げ、クラシック優勝馬としてグレード制導入以後では初、1939年桜花賞優勝のソールレディ、1963年桜花賞優勝馬ミスマサコ[4]、1965年菊花賞優勝のダイコーターに次ぐ45年ぶり史上4例目の障害競走勝ち馬となった。

経歴

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デビューまで

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背景

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カントリー牧場は、北海道日高地方にある競走馬生産牧場である。1963年に実業家の谷水信夫が開いていた。谷水は、冠名「タニノ」を用いる馬主であり、オーナーブリーダーとなっていた。創業2年目の1965年には、生産し大久保常吉に売却されたマーチスが1968年の皐月賞を優勝している[5]。牧場生産馬としてクラシック初優勝を挙げていた。そして直後の東京優駿(日本ダービー)では、同じく2年目生産、谷水が所有するタニノハローモアが優勝[5]。谷水はダービーオーナー、ダービーブリーダーに輝いていた[6]。マーチスとタニノハローモアは、共に菊花賞で二冠を目指したが、アサカオーに敗れて叶わなかった。

それから1970年には、タニノムーティエが活躍。皐月賞と東京優駿(日本ダービー)を連勝している[6]。続いてクラシック三冠を目指して菊花賞に出走したが、11着に敗退。菊花賞戴冠は再び叶わなかった。開業してすぐにクラシックなど大タイトルを席巻した牧場だったが、この後は同じようには行かなかった[6]。信夫の交通事故死により、急遽息子・谷水雄三が継承したが、変わらず低迷していた[6]

谷水雄三

しかし2002年、雄三が継承初期にアメリカで見出したタニノシーバードの孫、タニノギムレットが東京優駿を優勝する[7]。牧場にとって28年ぶりのGI級競走優勝を果たしていた。タニノギムレットは、その年の夏に故障し、菊花賞が行われる3歳秋を前に競走馬を引退、種牡馬となっていた。

さらに2007年には、タニノギムレットの初年度産駒であるウオッカが、牝馬ながら東京優駿優勝。牧場は、宮内庁の下総御料牧場、財閥の小岩井農場、大量生産の社台ファームノーザンファームに次いで史上5例目となる東京優駿4勝目を挙げていた[7]。ウオッカはその後、牝馬三冠の三冠目である秋華賞を選択するなどしたが、しばらく勝てなかった。それでも2010年までに安田記念を連覇するなど、GI級競走7勝を挙げることとなる。

誕生までの経緯

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イシュクーダーは、アイルランド産2号族の牝馬である[8]。競走馬としてイギリスで4戦0勝、同地で繁殖牝馬となった後、谷水信夫が購入し、カントリー牧場にもたらしていた[9]。ヒュールーパスとの仔を腹に宿して輸入され、タニノヒュールパスが産まれる[8]。やがてタニノヒュールパスは、牧場で繁殖牝馬となり、タニノブーケ(父:ノーザンディクテイター)を産む。タニノブーケは、1984年のデイリー杯3歳ステークス(GII)を優勝するなど3勝。繁殖牝馬としても、1992年新潟記念(GIII)を優勝したタニノボレロ(父:トレボロ)、1995年神戸新聞杯(GII)を優勝したタニノクリエイト(父:クリエイター)を産んでいた[8]。タニノクリエイトは、前哨戦を勝利して臨んだ菊花賞だったが、マヤノトップガンには敵わなかった[10]

日本におけるビッグウィークの牝系[11]
輸入

1998年生産のタニノジャドール(ビッグウィークの母、父:サンデーサイレンス)は、イシュクーダーの曾孫、タニノブーケの仔であり、タニノボレロとタニノクリエイトの妹である[8]。中央競馬と笠松競馬金沢競馬で36戦3勝の成績を残した後、牧場で繁殖牝馬となっていた[8]。初年度は、タイキシャトルと交配し、初仔となる牝馬を儲ける[8]。2年目は、サクラバクシンオーと交配するも不受胎に終わっていた[12]

そして3年目は、供用初年度のバゴが選ばれる。バゴは、フランス生産・調教された父ナシュワン、母父ヌレイエフの牡馬である[13]。2004年凱旋門賞パリ大賞、2005年ガネー賞を優勝し、引退後は日本に輸入され、種牡馬として供用されていた[13]。初年度は、タニノジャドールを含めた102頭の牝馬を集めていた[14][15]

幼駒時代

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谷水雄三の勝負服

2007年3月20日、北海道新ひだか町のカントリー牧場にて、タニノジャドールの3番仔、バゴの初年度産駒である青鹿毛の牡馬(後のビッグウィーク)が誕生する。3番仔は、牧場の繁殖主任である田村直人によれば「おとなしく、群れの中では目立たない馬[8][16]」だったという。自然の成り行きでオーナーブリーダーである谷水敏三の所有となった。谷水は冠名「タニノ」に「ギムレット」と加えて「タニノギムレット」としたように、冠名に「酒の名称」を組み合わせて、所有馬に与えていた。しかし既に酒名のストックが尽きており「シリーズはむちゃくちゃ[9]」(谷水)となっていた。3番仔にはウオッカ同様に冠名を省略し、「重大な週」を意味する「ビッグウィーク」という名前が与えられる[3]

長浜博之

ビッグウィークは、栗東トレーニングセンター所属の長浜博之調教師に託された。長浜は、1988年に厩舎を開業し、1990年桜花賞アグネスフローラで制し、GI初制覇を果たしていた[17]。さらにそのアグネスフローラの仔であるアグネスフライトは2000年の東京優駿を、同じく仔のアグネスタキオンは2001年の皐月賞を優勝している。しかしクラシック三冠競走の最後の一つである菊花賞とは縁がなかった[17]。アグネスタキオンは、皐月賞を最後に引退、アグネスフライトは、1番人気の支持を集めたが、エアシャカールに及ばず5着[18]。その他、1994年のスターマンは、ナリタブライアンに及ばず5着[19]。1995年のイブキタモンヤグラは、マヤノトップガンに及ばず4着[10]。1996年のロングカイウンは、ダンスインザダークに及ばず5着[20]。2005年のシックスセンスは2番人気に推されたが、ディープインパクトに及ばず4着だった[21]

デビュー直前には、武豊が調教に騎乗している[22]。武は「この馬、ゆくゆくは走ってきますよ[22]」と述べていたという。

競走馬時代

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クラシックまでの道程

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2009年9月27日、阪神競馬場でデビューし8着。その後は年末までに未勝利戦を2戦したがいずれも2着だった[23]。年が明けて2010年、1月の3歳初戦も再び2着となった[23]。相次ぐ敗戦は、長浜によれば「体は細い感じで、見た目も幼かった。それで走り方は頭が高い[17]」ことによる取りこぼしだった[17]。その後は、ソエが悪化したために無理をさせず、休養となる[17][22]。3戦連続2着から5か月間戦線を離脱した[17]。ソエが解消して、6月の復帰戦では再び2着だった[23]。しかし7月10日の2戦目は、初騎乗の川田将雅に導かれてエクスペティションに2馬身差をつけて勝利、6戦かかって勝ち上がりを果たした。以後しばらく、川田が騎乗を続けた[23]

続いて夏の小倉競馬場へ遠征を行う。8月7日の都井岬特別(500万円以下)では、1番人気の支持で出走[24]。ハナを奪って先導し、逃げ切った。後方に2馬身半差をつけて連勝、2勝目を挙げた[24]。それから9月4日、玄海特別(1000万円以下)でも1番人気の支持で出走[25]。2番手を追走し、最終コーナーで抜け出した[25]。迫ってくるマイネルゴルト、トレイルブレイザーなどを振り切り優勝、後続に4分の3馬身差をつけて3連勝を果たした[22][25]

3連勝で1600万円以下、準オープンクラスまで到達。続いて1600万円以下のレースに参戦し、オープンクラスを狙うのがお約束だった[17]。しかし長浜は、古馬の準オープンクラスと張り合ううえで、適した条件のレースがないと考えていた[17]。そのため、消極的な理由で格上挑戦を行い、3歳限定のオープン競走を選択する[17]。クラシック三冠競走の最終戦である菊花賞のトライアル競走である神戸新聞杯(GII)に臨む[17]

9月26日、神戸新聞杯(GII)に出走する。12頭立てのなか、5番人気だった[26]。1番人気は、この年の東京優駿(日本ダービー)を優勝したエイシンフラッシュであり、2番人気は、前年の朝日杯フューチュリティステークスを優勝、東京優駿では2着のローズキングダムだった[27]。ダービーワンツーが1.9倍、3.0倍に推されたのに対して、ビッグウィークは、12.7倍だった[26]

最内枠からスタートしハナを奪ったビッグウィークは、逃げに出る[28]。ペースをスローに持ち込んで先導した[29]。向こう正面にてネオヴァンドームや、サンディエゴシチーに先頭を奪われて、好位の3番手に落ち込んだが、直線で末脚を用いて巻き返し、1頭で抜け出した[28]。しかし、外から並んで追い上げてきたエイシンフラッシュとローズキングダムの末脚にかわされる[29]。2頭には張り合うことができず、3馬身後れを取った[28]。それでも2頭以外にはかわされず、3着を確保[30]。菊花賞の優先出走権獲得を果たす[30][31]。もともと菊花賞の出走権利獲得を強く志向していなかったが、出走権利を得たため、菊花賞の出走が決定する[17]

初勝利から107日目の菊花賞

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2010年10月24日、菊花賞(GI)に出走する。この年のクラシックは、皐月賞をヴィクトワールピサ、東京優駿をエイシンフラッシュが制していた。ヴィクトワールピサは、フランスの凱旋門賞を目指して不在だったが、エイシンフラッシュは神戸新聞杯の僅差の2着を経て参戦する予定であり、菊花賞では特にローズキングダムの再戦が期待されていた[32]。しかし直前に、エイシンフラッシュが筋肉痛をきたして回避となる。よってクラシック優勝馬を欠いた最終戦となっていた[32]

18頭が揃う中、1番人気となったのは、神戸新聞杯でエイシンフラッシュを下したGI優勝馬ローズキングダムであり、2.1倍の支持だった[33]。以下、夏の北海道開催の長距離戦で連勝したトウカイメロディ、皐月賞2着のヒルノダムールセントライト記念優勝のクォークスター、神戸新聞杯5着のレーヴドリアン、ラジオNIKKEI賞優勝のアロマカフェが続いていた[33]。ビッグウィークは、これらに続く23.2倍の7番人気だった[33]。騎乗する川田は、騎乗停止明けの週末だった。3週間前のスプリンターズステークスダッシャーゴーゴーに騎乗した際、直線手前にてサンカルロの進路を塞ぐ斜行をしており、2位入線も4着降着[34]。開催4日、すなわち2週間の騎乗停止処分を受けていた[35]

映像外部リンク
2010年 菊花賞(GI)
レース映像 JRA公式YouTubeチャンネルによる動画

スタートから11番人気コスモラピュタが大逃げで引っ張り、ローズキングダムやトウカイメロディ、ヒルノダムールなど人気馬は中団を進むなか、ビッグウィークは好位の3番手を追走する[32][36]。やがて大逃げ1頭とそれ以外の後方馬群一団という隊列が形成され、ビッグウィークは馬群の先頭、引っ張る立場となる[33]。馬群の進行はスローペースだった[33]。コスモラピュタが10馬身のリードを保つなか、第3コーナーの坂の上り下りに差し掛かり、ビッグウィークは下りからロングスパートを開始して、抜け出しと押し切りを図った[28][37][38][39]。直線では、コスモラピュタに接近するとともに、後方外から追い上げるローズキングダムなどから逃走。半ばを過ぎた残り200メートル、コスモラピュタを捕らえ抜け出してからは独走となった[37]。遅れて追い込むローズキングダム、ビートブラックを寄せ付けず、それらに1馬身4分の1差をつけて決勝線を通過する[36][37]

菊花賞の表彰式
菊花賞優勝時

重賞並びにGI初勝利、クラシック戴冠を果たす[40]。7月10日、二冠目の東京優駿から41日後に初勝利を挙げてから約3か月で出世し、107日目で菊花賞のタイトルに到達した[41]初勝利から106日での戴冠菊花賞史上最短記録であり、1969年3月22日初勝利から11月16日に戴冠したアカネテンリュウ、2008年6月8日初勝利から10月26日に戴冠したオウケンブルースリなどの過去の上がり馬を上回った[41]。また川田は、キャプテントゥーレを導いた2008年皐月賞以来のクラシック2勝目[40]。さらに長浜は、アグネスフライト、アグネスタキオンの優勝を経て、史上11人目となるクラシック三冠競走全制覇[40]。それから谷水父子とカントリー牧場も、マーチス、タニノハローモア、タニノムーティエの優勝を経て、クラシック三冠競走全制覇を成し遂げた[9][42]。加えてバゴも、産駒のJRA-GI初勝利を果たした[40]

菊花賞以後

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菊花賞を勝利で飾った後は、深管骨瘤をきたして出走できず休養する[17][43]。古馬となった4歳の春は天皇賞(春)を目指した[43]。菊花賞と同じ京都の京都記念(GII)で始動し6着、続いて前哨戦の日経賞(GII)に臨んだが、大差での10着敗退だった。レース後に故障が判明、右第3中手骨罅裂骨折と発表され、目標だった天皇賞(春)を回避し長期休養に入った[44][45]

8月31日に帰厩し[46]、10月の毎日王冠(GII)で復帰し敗退。その後も天皇賞(秋)(GI)、ステイヤーズステークス(GII)と進んだが、下位敗退を続けていた[23]。5歳となった2012年は、格を落としてGIII、オープン競走に挑んだが、勝利から遠ざかった[23]。年をまたいで6歳、2013年も、同じように3戦したが敵わなかった[23]

菊花賞から連敗が11に達した2013年6月、陣営はこれまでの平地競走から障害競走への転向を決意する[47]。1989年阪神3歳ステークス優勝のコガネタイフウ、1999年秋華賞優勝のブゼンキャンドル、2003年NHKマイルカップ優勝のウインクリューガーに次いで史上4頭目となる平地JRA-GI競走優勝馬の障害転向だった[47]小坂忠士とコンビを結成し、6月27日には、障害試験を合格した[47]

小坂忠士

7月13日、中京競馬場の未勝利戦(障害3000メートル)に1番人気で出走。危ない飛越もありながら2番手を追走。逃げ馬をかわして抜け出し、後続を突き放した[48]。3馬身半差をつけて先頭で入線[49]。約3年ぶりの勝利、障害初勝利を挙げた[48]。JRA-GI優勝馬としては、先の3頭に続いて史上4頭目となる平地GI競走と障害競走の両方優勝を成し遂げた[50]。また1939年桜花賞優勝のソールレディ、1965年菊花賞優勝のダイコーターを加えて史上6頭目の平地GI級競走と障害競走の両方優勝[49]、45年ぶり史上3頭目となるクラシックと障害競走の両方優勝を成し遂げた[48][50]

障害飛越するビッグウィーク(阪神ジャンプステークス(J-GIII)

その後は、オープン競走で2着、重賞出走などがあったが勝利を挙げることができなかった。7歳となった2014年の春に左前脚浅屈腱炎を発症[51]、9カ月以上の休養が必要なことから陣営は引退を表明し、5月25日付で日本中央競馬会の競走馬登録を抹消された[52]

引退後

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競走馬引退後は、京都競馬場近くの京都産業大学にて乗馬として繋養される。大学の馬術部に在籍し、「ジェミニ」という名が与えられた。ジェミニは、5月25日に入厩し、競馬用から馬術用へ転用する訓練を受け、2017年夏には馬術競技会デビューを果たした[53]。馬術部員だけでなく、大学の体育実技に与して一般学生を、ホースセラピーに与して不登校生徒を相手にすることもあった[53]

京都産業大学を退いてからのジェミニ、もといビッグウィークは、2020年3月から鳥取県大山町の大山乗馬センターに移り、余生を過ごしている[54]。2022年からは、島根県出雲市出雲大社に奉納される出雲神楽を披露する、島根県雲南市の西日登神楽社中に鬣を提供している[55]。西日登神楽社中が使用する神楽面の髭や、髪の毛として使用された[55]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[56]並びにJBISサーチ[23]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離

(馬場)

オッズ

(人気)

着順 タイム

(上り3F/1F

着差 騎手 斤量

[kg]

1着馬

(2着馬)

馬体重

[kg]

2009.09.27 阪神 2歳新馬 芝1600m(良) 15 5 9 015.3(06人) 08着 R1:36.50(34.8) -0.7 武豊 54 トーセンファントム 476
0000.11.15 京都 2歳未勝利 芝1600m(稍) 14 2 2 035.1(08人) 02着 R1:36.40(35.6) -0.1 藤岡佑介 55 ストレンジラブ 468
0000.12.12 阪神 2歳未勝利 芝1600m(稍) 18 7 15 007.4(04人) 02着 R1:35.20(35.7) -0.2 藤岡佑介 55 カネトシディオス 468
2010.01.11 京都 3歳未勝利 芝1600m(良) 16 1 2 002.3(01人) 02着 R1:34.80(35.5) -0.2 武豊 56 タバルナ 466
0000.06.13 京都 3歳未勝利 芝1800m(良) 18 7 15 007.7(05人) 02着 R1:47.40(35.6) -0.1 池添謙一 56 ヤマニンガーゴイル 456
0000.07.10 阪神 3歳未勝利 芝1800m(良) 18 4 8 002.5(01人) 01着 R1:46.80(35.0) -0.3 川田将雅 56 エクスペディション 446
0000.08.07 小倉 都井岬特別 500万下 芝1800m(良) 14 1 1 002.5(01人) 01着 R1:47.60(35.0) -0.4 川田将雅 54 (エメラルドミスト) 444
0000.09.04 小倉 玄海特別 1000万下 芝2000m(良) 9 8 9 002.1(01人) 01着 R1:58.30(35.2) -0.1 川田将雅 54 (マイネルゴルト) 446
0000.09.26 阪神 神戸新聞杯 GII 芝2400m(良) 12 1 1 012.7(05人) 03着 R2:26.40(34.1) -0.5 川田将雅 56 ローズキングダム 444
0000.10.24 京都 菊花賞 GI 芝3000m(良) 18 3 6 023.2(07人) 01着 R3:06.10(34.4) -0.2 川田将雅 57 (ローズキングダム) 450
2011.02.13 京都 京都記念 GII 芝2200m(良) 12 3 3 012.6(06人) 06着 R2:15.00(35.6) -1.1 川田将雅 58 トゥザグローリー 468
0000.04.02 阪神 日経賞 GII 芝2400m(良) 10 4 4 015.3(04人) 10着 R2:30.00(38.8) -4.6 四位洋文 59 トゥザグローリー 460
0000.10.09 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 11 8 11 043.7(11人) 11着 R1:47.50(34.3) -0.8 川田将雅 59 ダークシャドウ 450
0000.10.30 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 3 6 131.5(14人) 17着 R1:59.80(38.9) -3.7 川田将雅 58 トーセンジョーダン 456
0000.12.03 中山 ステイヤーズS GII 芝3600m(不) 16 4 8 010.5(05人) 16着 R4:08.40(53.4) -17.6 C.ルメール 58 マイネルキッツ 466
2012.01.05 京都 京都金杯 GIII 芝1600m(良) 16 6 12 062.7(13人) 14着 R1:34.40(35.8) -1.5 福永祐一 58 マイネルラクリマ 476
0000.02.04 小倉 小倉大賞典 GIII 芝1800m(良) 16 3 5 025.8(07人) 12着 R1:46.90(35.7) -0.6 中舘英二 57.5 エーシンジーライン 476
0000.06.24 福島 福島テレビOP OP 芝1800m(良) 11 3 3 008.4(06人) 07着 R1:49.20(36.0) -0.8 田中勝春 57 ミキノバンジョー 458
2013.04.07 阪神 大阪-ハンブルクC OP 芝2400m(良) 13 7 11 062.2(10人) 12着 R2:30.60(37.8) -2.0 四位洋文 57 レッドデイヴィス 468
0000.05.11 京都 都大路S OP 芝1800m(重) 18 7 15 121.9(14人) 14着 R1:49.70(37.5) -2.2 幸英明 57 リルダヴァル 462
0000.06.01 阪神 鳴尾記念 GIII 芝2000m(良) 16 1 2 142.2(15人) 13着 R2:00.20(35.7) -1.8 秋山真一郎 57 トウケイヘイロー 460
0000.07.13 中京 障害未勝利 障3000m(稍) 10 6 6 003.0(01人) 01着 R3:21.8013.5 -0.6 小坂忠士 60 (ファイヤー) 464
0000.08.11 小倉 障害3歳上OP OP 障2900m(良) 8 5 5 002.9(02人) 02着 R3:09.9013.1 -0.3 小坂忠士 60 エーシンイグアス 458
0000.09.14 阪神 阪神ジャンプS J-GIII 障3140m(良) 14 4 6 009.1(04人) 09着 R3:30.8013.4 -6.0 小坂忠士 60 オースミムーン 460
0000.10.06 京都 障害3歳上OP OP 障3170m(良) 14 7 12 002.4(01人) 05着 R3:32.1013.4 -0.9 小坂忠士 60 オンワードデューク 466
2014.05.17 新潟 障害4歳上OP OP 障2890m(良) 14 5 7 010.4(06人) 11着 R3:09.9013.2 -2.7 小坂忠士 60 エイブルブラッド 458

血統表

[編集]
ビッグウィーク血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ブラッシンググルーム系
[§ 2]

*バゴ
Bago
2001 黒鹿毛
父の父
Nashwan
1986
Blushing Groom Red God
Runaway Bride
Height of Fashion Bustino
Highclere
父の母
Moonlight's Box
1996 鹿毛
Nureyev Northern Dancer
Special
Coup de Genie Mr. Prospector
Coup de Folie

タニノジャドール
1998 鹿毛
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
母の母
タニノブーケ
1982 栗毛
*ノーザンディクテイター Northern Dancer
Dictates
タニノヒユールパス Hugh Lupus
*イシユクーダー
母系(F-No.) (FN:2-u) [§ 3]
5代内の近親交配 Halo3×5、Northern Dancer4×4 [§ 4]
出典
  1. ^ [57]
  2. ^ [58]
  3. ^ [57]
  4. ^ [57]


脚注

[編集]

注釈

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出典

[編集]
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  58. ^ ビッグウィークの血統表”. netkeiba.com. 2017年8月30日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 優駿』(日本中央競馬会
    • 2007年7月号
      • 江面弘也「【第74回日本ダービー】谷水雄三オーナー ダービー史に残る74分の4」
    • 2010年11月号
      • 「【重賞プレイバック】第58回神戸新聞杯(GII)ローズキングダム」
    • 2010年12月号
      • 石田敏徳「【第71回菊花賞詳報】ビッグウィーク 初勝利から107日での頂点」
      • 優駿編集部「【杉本清の競馬談義(307)】長浜博之調教師」
      • 「【重賞プレイバック】第71回菊花賞(GI)」
    • 2015年6月号
      • 河村清明「【優駿たちのルーツを辿る 4】カントリー牧場 オーナーブリーダーの『底力』」

外部リンク

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