雨の慕情
「雨の慕情」 | ||||
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八代亜紀 の シングル | ||||
B面 | 男と女・酒と歌 | |||
リリース | ||||
規格 | レコード | |||
ジャンル | 演歌・歌謡曲 | |||
時間 | ||||
レーベル | テイチク | |||
作詞 | 阿久悠 | |||
作曲 | 浜圭介 | |||
プロデュース | 小西良太郎 | |||
ゴールドディスク | ||||
チャート最高順位 | ||||
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八代亜紀 シングル 年表 | ||||
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「雨の慕情」(あめのぼじょう)は、1980年4月25日に発売された八代亜紀の30枚目のシングル。
解説
[編集]シングルの総売上は「なみだ恋」に続き八代のシングルでは第2位を記録した。TBS系列『ザ・ベストテン』では唯一の登場曲となった。1980年の『第31回NHK紅白歌合戦』の大トリで表題曲を歌唱した。
音楽性
[編集]前年発表した「舟唄」が男心を歌にしていることに対し、同じく作詞をした阿久悠が女心を歌にしたものとされる[1]。
阿久悠/浜圭介コンビによる、「舟唄」「港町絶唱」と合わせて哀憐三部作とされた[2]。阿久によると、「舟唄」「雨の慕情」と徐々に評判を高めていき、最終的に「港町絶唱」で日本レコード大賞を狙うつもりであったようである[3]。だが、結果的には「雨の慕情」が予想以上のヒットとなり、同賞のほか多くの音楽賞を受賞することとなった。
阿久は、当初「雨々ふれふれ」というタイトルを考えていた[2]。しかしこのタイトルを聞いた本作のプロデューサー・小西良太郎が、阿久に「雨の慕情」への変更を助言したことでタイトルが正式に決まった[2]。
それまでの日本の歌謡曲では、「雨」に関する名曲は切ないメロディが多かったとされる[2]。「雨の慕情」では、楽しく雨乞いをするような歌詞、切なさもありながら明るいメロディは画期的だった。一部マスコミからは、「日本人が楽しそうに雨に関する歌を歌うのは、『あめふり』以来」とも言われている[2]。
浜は、阿久が書き上げた歌詞を受け取った際、「これは雨の歌だけと湿っぽい演歌ではない」と感じ、曲作りを始めた。「私のいい人つれて来い」の部分をどこか前向きなイメージ[注釈 1]を持ったことから、サビの明るいメロディが浮かんだ[2]。「演歌のコブシを付けると暗くなりやすいため、リズムは16分音符を使って軽やかに、フォークっぽい分かりやすいメロディで作った」とのこと[注釈 2]。また物憂げなイントロは、編曲した竜崎孝路の「ヨーロッパの匂いを出したい」との考えにより、フランス製のガットギターの演奏で完成させた[2]。
サビのところからリズムが入る際の、手のひらを天に向ける振付[4]は、八代自身の考案[2]。他の八代の歌の場合と同様、自然に出てきたものだと本人は言う[5]。本作が当時の様々な歌番組で披露されると、上記の振付けが子どもたちにもウケてマネされたこともあり、世代を超えるヒットに繋がった[2]。
偶然ではあるが、本作が発売された1980年は夏場に雨が続き、同年の5~8月までの月間降水量は全て前年比100%を超えている[注釈 3](詳しい降水量は右のリンクを参照[6])。気象予報士の森田正光によると、当時働いていた気象協会では、この現象を「八代効果」と呼んでいた[2]。このため記録的な冷夏となっており(詳しい気温は右のリンクを参照[7])、この曲と冷夏とが重なる形で印象づけられることになった。
メディアでの使用
[編集]1983年にサンリツ電気からリリースされたアーケードゲーム『四人打ち麻雀・ジャントツ』ではBGMにこの楽曲をアレンジした演奏が採用された(このゲームのゲームセンター向け広告チラシやポスターにも八代が起用されている)。
中部日本放送(CBCテレビ)制作・TBS系の「昼の連続ドラマ」枠で1983年3月21日から同年7月15日まで放送されたテレビドラマ『雨の慕情』(加賀まりこ主演)の主題歌に使用された。
ドラマ『北の国から』第8話では、同曲を歌い出す登場人物(吉岡秀隆演じる黒板純)が最終的に歌詞の一部(あめあめふれふれ)が同じである童謡『あめふり』を歌ってしまうシーンが描かれている。
収録曲
[編集]- 雨の慕情(3分28秒)
- 男と女・酒と歌(3分41秒)
価格
[編集]- 発売当時の値段は600円
カバー
[編集]- テレサ・テン(1980年7月1日発売、アルバム『演歌のメッセージ』に収録)
- 瀬川瑛子(1989年7月21日発売、アルバム『心に泌みる想い出の歌』に収録)
- 奥村チヨ(1995年3月24日発売、アルバム『奥村チヨ伝説』に収録)
- 谷本知美(2002年10月17日発売、アルバム『知美の流行歌14〜ビビッてたまるか〜』に収録)
- 永井龍雲(2009年発売、アルバム『歌鬼2〜阿久悠 vs. フォーク〜』に収録)
- 山内惠介(2013年12月4日発売、アルバム『時代を超えた同歳』に収録)
- 池田瑛紗(2022年6月20日放送、日本テレビ「新・ 乃木坂スター誕生!」)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 2008年4月19日放送、名古屋テレビ放送制作のバラエティ番組『仰天! ヒット曲の謎』での本人インタビューより。
- ^ a b c d e f g h i j k l 週刊現代2022年6月11日・18日号週現「熱討スタジアム」第435回・八代亜紀の「雨の慕情」を語ろうp144-147
- ^ 阿久悠『歌謡曲の時代 歌もよう人もよう』新潮社、2004年、54-55頁。ISBN 4104708011
- ^ 八代亜紀「今でも忘れられぬレコード大賞巡る五-八戦争」 - 週刊朝日 2016年9月30日号
- ^ ゲスト:八代亜紀 ロングインタビュー3 - BSフジ 『歌人伝説』
- ^ “気象庁|過去の気象データ検索”. www.data.jma.go.jp. 2024年1月16日閲覧。
- ^ “気象庁|過去の気象データ検索”. www.data.jma.go.jp. 2024年1月16日閲覧。