コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

1985年の西武ライオンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1985年の西武ライオンズ
成績
日本シリーズ敗退
日本S 2勝4敗(対阪神
パシフィック・リーグ優勝
79勝45敗6分 勝率.637[1]
本拠地
都市 埼玉県所沢市
球場 西武ライオンズ球場
球団組織
オーナー 堤義明
経営母体 国土計画(コクド
監督 広岡達朗
スローガン
爽球
« 1984
1986 »

テンプレートを表示

1985年の西武ライオンズでは、1985年の西武ライオンズにおける動向をまとめる。

1985年の西武ライオンズは、広岡達朗監督の4年目のシーズンであり、2年ぶり8度目(1983年以来)のリーグ優勝を果たしたシーズンである。

概要

[編集]

ベテラン選手が相次いで引退したことを受け、この年から広岡監督は本格的に若手選手主体のチーム編成に着手。それでも若手への刺激として中日田尾安志を交換トレードで獲得し、また日本ハム井上弘昭もコーチ兼任(当初はコーチ専任)で西武に移籍。またコーチ陣も一新され、一軍総合コーチには退団した森昌彦(一軍ヘッドコーチ)に替わり黒江透修(二軍総合コーチ)が配置転換。広岡監督らの巨人時代の同僚である宮田征典が投手コーチに、阪急OBの長池徳士が打撃コーチにそれぞれ就任し、生え抜きの伊原春樹二軍打撃コーチが一軍守備走塁コーチに昇格した。チームは4月こそ近鉄に首位を譲ったが、5月以降は秋山幸二工藤公康渡辺久信などの活躍で一気に首位に浮上すると、最終的に2位のロッテに15ゲーム差を付けて2年ぶりにリーグ優勝。日本シリーズは21年ぶり優勝の阪神との対決となり下馬評では西武有利の声が多かった。しかしチームリーダーの石毛宏典金森永時と守備中に激突して右ひざを痛め、またエースの郭泰源が7月14日の登板を最後に右肩痛のため離脱し、後半戦、日本シリーズで投げられないなど誤算が続出。第4戦に勝って2勝2敗としたチームは日本一を狙うべく第5戦に若手の小野和幸を先発させるも、小野が最速でKOされ、後を受けた投手も打たれて敗戦。この敗戦で阪神に流れが傾き、地元に戻った第6戦で先発の高橋直樹長崎啓二に先制満塁本塁打を打たれると後手後手に回り、最終的に2勝4敗で敗退。シリーズ終了後、広岡監督は勇退した。

監督輩出

[編集]

1985年の西武ライオンズ在籍者中11名が、後に西武ライオンズを始めとする各球団にて監督を歴任した。東尾修石毛宏典伊東勤田尾安志渡辺久信秋山幸二大久保博元田辺徳雄森繁和工藤公康辻発彦である。

チーム成績

[編集]

レギュラーシーズン

[編集]
開幕オーダー[2]
1 石毛宏典
2 鈴木康友
3 田尾安志
4 スティーブ
5 大田卓司
6 井上弘昭
7 秋山幸二
8 伊東勤
9 青山道雄
東尾修
1985年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 近鉄 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 -- 西武 --
2位 西武 0.5 近鉄 6.0 阪急 6.0 近鉄 9.5 近鉄 12.0 近鉄 15.0 ロッテ 15.0
3位 南海 3.0 ロッテ 近鉄 8.0 阪急 10.5 阪急 14.5 阪急 17.0 近鉄 15.5
4位 阪急 3.5 南海 9.5 ロッテ ロッテ 12.5 ロッテ 17.5 ロッテ 17.5 阪急 15.5
5位 ロッテ 3.5 阪急 10.5 南海 13.0 南海 18.0 日本ハム 19.5 日本ハム 21.5 日本ハム 23.0
6位 日本ハム 7.5 日本ハム 13.0 日本ハム 16.0 日本ハム 18.5 南海 26.5 南海 28.0 南海 33.0
期間
成績
11勝6敗1分
勝率.647
16勝6敗
勝率.727
9勝7敗
勝率.563
12勝6敗
勝率.667
15勝8敗2分
勝率.652
9勝6敗2分
勝率.600
7勝6敗1分
勝率.538

[3][4][5][6][7][8]

1985年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 西武ライオンズ 79 45 6 .637 優勝
2位 ロッテオリオンズ 64 60 6 .516 15.0
3位 近鉄バファローズ 63 60 7 .5122 15.5
4位 阪急ブレーブス 64 61 5 .5120 15.5
5位 日本ハムファイターズ 53 65 12 .449 23.0
6位 南海ホークス 44 76 10 .367 33.0

[1]

日本シリーズ

[編集]
1985年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月26日(土) 第1戦 阪神タイガース 3 - 0 西武ライオンズ 西武ライオンズ球場
10月27日(日) 第2戦 阪神タイガース 2 - 1 西武ライオンズ
10月28日(月) 移動日
10月29日(火) 第3戦 西武ライオンズ 6 - 4 阪神タイガース 阪神甲子園球場
10月30日(水) 第4戦 西武ライオンズ 4 - 2 阪神タイガース
10月31日(木) 第5戦 西武ライオンズ 2 - 7 阪神タイガース
11月1日(金) 移動日
11月2日(土) 第6戦 阪神タイガース 9 - 3 西武ライオンズ 西武ライオンズ球場
優勝:阪神タイガース(初優勝)

オールスターゲーム1985

[編集]
  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
コーチ 広岡達朗
投手 郭泰源
松沼博久 4
東尾修 8
渡辺久信
捕手 伊東勤 2
三塁手 秋山幸二
遊撃手 石毛宏典 5
外野手 田尾安志 6
金森永時
  • 太字はファン投票による選出、取消線は出場辞退。

個人成績

[編集]

投手成績

[編集]
  • 色付き規定投球回(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/東尾修 31 23 11 3 2 17 3 1 721 174.1 164 19 46 7 74 1 0 71 64 3.30 1.21
/松沼博久 27 26 8 1 0 14 6 0 715 171.0 154 32 60 7 88 1 0 87 79 4.16 1.25
/渡辺久信 43 15 7 0 0 8 8 11 644 152.0 132 22 72 3 121 0 1 59 54 3.20 1.34
/工藤公康 34 14 8 0 1 8 3 0 554 137.0 84 13 73 2 104 1 1 44 42 2.76 1.15
/郭泰源 15 15 9 3 0 9 5 0 484 117.2 89 14 48 4 75 1 0 44 33 2.52 1.16
/高橋直樹 20 16 5 0 3 7 6 0 401 101.1 104 10 10 3 35 0 0 52 49 4.35 1.13
/森繁和 39 2 0 0 0 6 6 8 324 73.1 85 14 26 2 22 3 1 41 35 4.30 1.51
/小野和幸 11 10 1 1 0 3 2 0 235 57.1 56 9 12 1 37 0 0 28 26 4.08 1.19
/川村一明 13 1 0 0 0 3 1 0 142 30.2 33 6 15 1 16 0 1 20 18 5.28 1.57
/永射保 33 0 0 0 0 0 1 0 134 30.0 32 9 16 0 20 0 0 24 23 6.90 1.60
/石井毅 16 0 0 0 0 2 0 1 123 29.2 26 5 12 1 19 0 0 13 13 3.94 1.28
/高山郁夫 10 2 1 1 0 1 1 0 106 22.0 19 5 23 1 14 0 0 19 19 7.77 1.91
/松沼雅之 7 5 0 0 0 0 2 0 104 21.2 25 2 16 1 6 0 0 17 17 7.06 1.89
/黒原祐二 7 0 0 0 0 1 0 0 49 11.2 10 1 7 0 5 1 0 5 5 3.86 1.46
/西本和人 7 0 0 0 0 0 1 0 44 9.2 11 2 7 0 1 1 0 9 9 8.38 1.86
/小田真也 4 1 0 0 0 0 0 0 25 5.0 6 0 3 0 4 1 1 4 4 7.20 1.80
/成田幸洋 1 0 0 0 0 0 0 0 23 5.0 7 0 2 0 2 1 0 3 0 0.00 1.80
/川本智徳 2 0 0 0 0 0 0 0 17 4.0 2 1 3 0 0 0 0 1 1 2.25 1.25
/鈴木孝行 2 0 0 0 0 0 0 0 15 2.0 5 0 6 0 2 0 0 2 2 9.00 5.50

打撃成績

[編集]
  • 色付き規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/石毛宏典 130 607 504 96 141 26 4 27 256 76 11 3 8 5 88 4 2 86 4 .280 .386 .508 .894
/秋山幸二 130 542 468 93 118 16 0 40 254 93 17 9 1 3 66 0 4 115 13 .252 .348 .543 .890
/スティーブ 125 539 463 60 146 22 0 11 201 61 0 0 0 8 63 1 5 58 16 .315 .397 .434 .831
/田尾安志 127 534 477 66 128 21 5 13 198 60 1 4 2 3 50 1 2 33 10 .268 .338 .415 .753
/金森永時 129 514 413 71 129 18 2 12 187 55 2 3 30 1 55 0 15 50 11 .312 .411 .453 .864
/伊東勤 124 481 411 57 106 19 5 13 174 62 13 11 9 6 50 4 5 43 11 .258 .341 .423 .764
/片平晋作 103 354 327 34 100 9 1 10 141 55 1 0 0 4 18 2 5 21 15 .306 .347 .431 .779
/辻発彦 110 310 251 45 69 11 4 5 103 35 27 3 15 5 29 0 10 26 2 .275 .366 .410 .776
/岡村隆則 119 260 224 31 54 7 4 4 81 38 9 5 14 3 19 0 0 25 0 .241 .297 .362 .658
/大田卓司 88 240 221 27 53 9 0 10 92 38 0 0 0 3 16 0 0 17 11 .240 .288 .416 .704
/西岡良洋 94 174 140 26 34 8 0 3 51 13 6 2 7 1 25 1 1 19 4 .243 .359 .364 .724
/広橋公寿 82 143 123 16 37 14 1 1 56 17 1 1 6 2 12 2 0 17 1 .301 .358 .455 .813
/行沢久隆 71 87 81 12 18 5 0 3 32 9 1 1 3 0 3 0 0 13 2 .222 .250 .395 .645
/立花義家 37 53 47 4 11 0 0 1 14 7 1 0 0 0 5 0 1 6 1 .234 .321 .298 .619
/仲田秀司 17 30 28 5 4 1 0 0 5 1 0 0 1 0 1 0 0 13 0 .143 .172 .179 .351
/安部理 23 28 26 1 2 0 0 0 2 1 0 0 0 1 1 0 0 6 0 .077 .107 .077 .184
/白幡勝弘 12 26 21 3 6 0 0 2 12 2 0 0 0 0 5 0 0 5 1 .286 .423 .571 .995
/駒崎幸一 16 20 19 2 2 1 0 0 3 0 0 0 0 0 1 0 0 6 0 .105 .150 .158 .308
/鈴木康友 13 16 14 1 4 1 0 0 5 1 2 0 0 0 2 0 0 2 0 .286 .375 .357 .732
/井上弘昭 10 15 14 1 3 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 1 2 1 .214 .267 .214 .481
/清家政和 12 14 12 1 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 1 0 0 3 0 .083 .154 .083 .237
/青山道雄 15 12 10 2 1 0 0 0 1 0 1 1 0 0 1 0 1 2 0 .100 .250 .100 .350
/大久保博元 5 4 4 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .250 .250 .250 .500
/田辺徳雄 2 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 .000 .000 .000 .000

できごと

[編集]

選手・スタッフ

[編集]

[9]

表彰選手

[編集]
リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
工藤公康 最優秀防御率 2.76 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
東尾修 投手 2年ぶり2度目
伊東勤 捕手 初受賞
石毛宏典 遊撃手 2年ぶり4度目
金森永時 外野手 初受賞
ダイヤモンドグラブ賞
選手名 ポジション 回数
東尾修 投手 3年連続3度目
伊東勤 捕手 初受賞
石毛宏典 遊撃手 2年ぶり4度目
金森永時 外野手 初受賞

ドラフト

[編集]
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 清原和博 内野手 PL学園高 入団
2位 山野和明 外野手 鎮西高 入団
3位 原口哲也 投手 熊谷商業高 入団
4位 森博幸 外野手 新日本製鐵君津 翌年シーズン後に入団
5位 岡田展和 投手 近畿大学附属福山高 入団
6位 横田久則 投手 和歌山・那賀高 入団

出典

[編集]
  1. ^ a b 年度別成績 1985年 パシフィック・リーグ”. 日本野球機構. 2015年7月9日閲覧。
  2. ^ 『読売新聞』1985年4月7日付朝刊、14版、17面
  3. ^ 『読売新聞』1985年4月30日付朝刊、14版、17面
  4. ^ 『読売新聞』1985年6月1日付朝刊、14版、17面
  5. ^ 『読売新聞』1985年6月30日付朝刊、14版、17面
  6. ^ 『読売新聞』1985年8月1日付朝刊、14版、17面
  7. ^ 『読売新聞』1985年9月1日付朝刊、14版、17面
  8. ^ 『読売新聞』1985年10月1日付朝刊、14版、17面
  9. ^ 西武ライオンズ公式HP 背番号の歴史”. 埼玉西武ライオンズ. 2015年6月8日閲覧。