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1981年の日本ハムファイターズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1981年の日本ハムファイターズ
成績
日本シリーズ敗退
日本S:2勝4敗(対巨人
パシフィック・リーグ優勝
プレーオフ:3勝1敗1分(対ロッテ
レギュラーシーズン
年間成績:68勝54敗8分 勝率.557
前期4位:31勝31敗3分 勝率.500
後期優勝:37勝23敗5分 勝率.617
本拠地
都市 東京都文京区
後楽園球場
球団組織
オーナー 大社義規
経営母体 日本ハム
監督 大沢啓二
« 1980
1982 »

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1981年の日本ハムファイターズ(1981ねんのにっぽんハムファイターズ)では、1981年の日本ハムファイターズにおける動向をまとめる。

このシーズンの日本ハムファイターズは、大沢啓二監督の6年目のシーズンであり、東映時代の1962年以来19年ぶりのリーグ優勝を果たしたシーズンである。

概要

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前年優勝を逃したチームはリリーフのコマ不足解消のため、東映時代からのエース・高橋直樹広島へ放出して江夏豊を獲得すると、同じく広島から高橋里志佐伯和司との交換トレードで獲得。また、富田勝との交換トレードで中日から井上弘昭を獲得するが、それ以外の戦力は前年と大差はなかった。前年2連覇の近鉄とともに優勝候補にあげられたチームだったが、4月を9勝12敗と出遅れて開幕ダッシュに失敗する。5月以降は持ち直したものの、前期は勝率5割ちょうどの4位で終了した。後期に入ると柏原純一トニー・ソレイタトミー・クルーズの強力クリーンナップが活躍し、ベテラン高橋一三が150勝と2500投球回を達成。また江夏が100セーブを、間柴茂有が開幕から無傷の15連勝を相次いで達成するなど記録ラッシュが相次いだ。後期は貯金14を稼ぎ、阪急の追い上げをかわして初の後期優勝を達成(年間通算勝率でも1位)。プレーオフは3勝1敗1分で前期優勝のロッテを破って19年ぶりのリーグ優勝を果たし、大沢監督が胴上げされた。この勢いで日本シリーズ制覇が期待されたが、第4戦で守備陣のミスが続発して巨人に大敗すると以降は投打が精彩を欠き、2勝4敗で巨人の軍門に下った。投手陣では2年目の木田勇が低調に終わったが、4年目の岡部憲章が13勝2敗で最優秀防御率を、間柴が最高勝率を、江夏が最優秀救援に輝いたほかMVPも受賞するなど主要タイトルを総なめにした。それ以外では、高橋一も打線の援護に助けられて14勝をあげ、高橋里も中継ぎでまずまずの成績を残した。打撃陣では、この年から1番の島田誠がグラウンドを走りまくったほか両外国人と柏原も安定した成績を残し、中日から移籍の井上は代打の切り札としてチームの勝利に貢献した。特にソレイタは44本塁打と108打点の二冠王に輝いたが、MVPは江夏に譲るかたちとなった。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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開幕オーダー
1 古屋英夫
2 島田誠
3 柏原純一
4 クルーズ
5 ソレイタ
6 井上弘昭
7 加藤俊夫
8 高代延博
9 菅野光夫
高橋一三
1981年パシフィック・リーグ順位変動
前期
順位 4月終了時 5月終了時 前期成績
1位 ロッテ -- 阪急 -- ロッテ --
2位 西武 1.5 ロッテ 0.5 西武 2.0
3位 阪急 2.5 西武 1.5 阪急 3.5
4位 日本ハム 5.0 日本ハム 4.0 日本ハム 4.5
5位 南海 5.5 南海 5.0 南海 6.0
6位 近鉄 6.5 近鉄 9.5 近鉄 11.0
後期
順位 7月終了時 8月終了時 後期成績
1位 日本ハム -- 日本ハム -- 日本ハム --
2位 ロッテ 0.5 阪急 1.0 阪急 3.0
3位 西武 1.5 ロッテ 2.5 ロッテ 8.5
4位 阪急 3.0 西武 3.5 近鉄 9.5
5位 南海 5.0 南海 6.5 西武 9.5
6位 近鉄 近鉄 7.5 南海 11.5
前期最終成績
順位 球団 勝率
1位 ロッテオリオンズ 35 26 4 .574 優勝
2位 西武ライオンズ 33 28 4 .541 2.0
3位 阪急ブレーブス 32 30 3 .516 3.5
4位 日本ハムファイターズ 31 31 3 .500 4.5
5位 南海ホークス 29 32 4 .475 6.0
6位 近鉄バファローズ 25 38 2 .397 11.0
後期最終成績
順位 球団 勝率
1位 日本ハムファイターズ 37 23 5 .617 優勝
2位 阪急ブレーブス 36 28 1 .563 3.0
3位 ロッテオリオンズ 28 31 6 .475 8.5
4位 近鉄バファローズ 29 34 2 .460 9.5
5位 西武ライオンズ 28 33 4 .459 9.5
6位 南海ホークス 24 33 8 .421 11.5


1981年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 日本ハムファイターズ 68 54 8 .557 優勝
2位 阪急ブレーブス 68 58 4 .540 2.0
3位 ロッテオリオンズ 63 57 10 .525 4.0
4位 西武ライオンズ 61 61 8 .500 7.0
5位 南海ホークス 53 65 12 .449 13.0
6位 近鉄バファローズ 54 72 4 .429 16.0

*優勝はプレーオフで決定。2位以下はプレーオフの結果に関係なく勝率順で決定


プレーオフ

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1981年 パシフィック・リーグプレーオフ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月7日(水) 第1戦 日本ハムファイターズ 1 - 0 ロッテオリオンズ 川崎球場
10月8日(木) 第2戦 雨天中止
10月9日(金)
10月10日(土) 日本ハムファイターズ 5 - 5 ロッテオリオンズ
10月11日(日) 第3戦 ロッテオリオンズ 1 - 4 日本ハムファイターズ 後楽園球場
10月12日(月) 第4戦 ロッテオリオンズ 11 - 6 日本ハムファイターズ
10月13日(火) 第5戦 ロッテオリオンズ 4 - 8 日本ハムファイターズ
年間優勝:日本ハムファイターズ

日本シリーズ

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1981年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月17日(土) 第1戦 読売ジャイアンツ 5 - 6 日本ハムファイターズ 後楽園球場
10月18日(日) 第2戦 読売ジャイアンツ 2 - 1 日本ハムファイターズ
10月19日(月) 休養日
10月20日(火) 第3戦 日本ハムファイターズ 3 - 2 読売ジャイアンツ 後楽園球場
10月21日(水) 第4戦 日本ハムファイターズ 2 - 8 読売ジャイアンツ
10月22日(木) 第5戦 雨天中止
10月23日(金) 日本ハムファイターズ 0 - 9 読売ジャイアンツ
10月24日(土) 休養日
10月25日(日) 第6戦 読売ジャイアンツ 6 - 3 日本ハムファイターズ 後楽園球場
優勝:読売ジャイアンツ(8年ぶり16回目)

個人成績

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投手成績

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  • 色付き規定投球回(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/高橋一三 26 25 12 1 2 14 6 0 826 198.2 185 12 41 9 110 1 1 78 65 2.94 1.14
/木田勇 28 22 10 2 0 10 10 0 720 164.1 164 20 81 5 104 5 0 98 87 4.77 1.49
/間柴茂有 27 21 9 2 1 15 0 0 639 150.2 157 13 44 5 71 4 0 62 58 3.46 1.33
/岡部憲章 27 13 5 1 2 13 2 0 524 130.0 103 8 46 2 88 4 0 42 39 2.70 1.15
/工藤幹夫 22 11 2 0 0 2 9 0 429 100.1 107 13 20 9 32 0 0 59 54 4.86 1.27
/江夏豊 45 0 0 0 0 3 6 25 339 83.0 69 10 24 1 75 1 0 30 26 2.82 1.12
/高橋正巳 18 11 3 1 1 4 4 0 332 77.1 84 6 23 4 34 1 0 44 39 4.56 1.38
/高橋里志 22 6 1 0 0 1 3 2 311 72.0 71 5 30 1 26 2 0 41 31 3.88 1.40
/杉山知隆 22 9 1 0 0 1 6 1 308 69.0 73 10 32 2 56 2 0 44 40 5.22 1.52
/成田文男 14 7 0 0 0 4 4 0 207 50.2 49 4 16 1 16 0 0 18 14 2.47 1.28
/宇田東植 8 5 1 0 0 0 3 0 114 23.2 37 3 3 3 9 0 0 21 16 6.00 1.69
/村上雅則 17 0 0 0 0 1 1 0 98 20.1 28 1 9 1 10 0 1 13 10 4.50 1.82
/川原昭二 2 0 0 0 0 0 0 0 8 0.2 6 1 1 0 0 1 0 4 4 54.00 10.50

打撃成績

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  • 色付き規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/柏原純一 130 563 468 92 145 22 3 16 221 81 15 3 1 6 84 3 4 39 11 .310 .419 .472 .891
/ソレイタ 128 545 454 86 136 23 1 44 293 108 0 2 0 3 81 13 6 102 14 .300 .412 .645 1.058
/島田誠 115 526 462 73 147 17 6 3 185 41 42 12 5 6 44 2 9 41 2 .318 .388 .400 .789
/古屋英夫 130 513 465 55 135 22 2 11 194 73 18 5 11 3 27 0 7 45 17 .290 .339 .417 .756
/クルーズ 116 502 465 65 138 30 2 18 226 75 2 1 0 3 32 2 2 36 10 .297 .345 .486 .831
/大宮龍男 113 404 358 51 89 9 3 15 149 53 13 4 11 3 30 0 2 40 11 .249 .310 .416 .726
/高代延博 86 352 325 50 87 14 1 7 124 40 2 3 6 2 17 0 2 23 7 .268 .308 .382 .690
/菅野光夫 116 332 276 22 53 9 1 2 70 14 7 3 31 0 21 0 4 23 0 .192 .259 .254 .513
/井上弘昭 85 243 201 17 52 12 0 4 76 30 2 0 0 3 30 0 9 21 5 .259 .379 .378 .757
/五十嵐信一 79 186 170 18 41 9 1 0 52 15 0 1 9 1 5 0 0 15 3 .241 .263 .306 .569
/村井英司 74 162 141 9 43 7 0 2 56 10 2 2 2 0 15 0 4 21 6 .305 .388 .397 .785
/服部敏和 103 140 120 13 27 6 0 0 33 17 4 2 5 2 8 0 5 18 2 .225 .301 .275 .576
/鍵谷康司 69 121 104 7 27 4 1 0 33 3 0 2 8 0 9 0 0 17 3 .260 .319 .317 .636
/加藤俊夫 48 118 102 12 26 2 0 1 31 10 1 0 2 2 10 1 2 15 3 .255 .333 .304 .637
/岡持和彦 41 99 89 13 28 6 0 3 43 12 0 0 0 0 10 0 0 16 1 .315 .384 .483 .867
/山本桂 32 54 49 3 11 2 1 0 15 6 1 0 0 0 5 0 0 10 2 .224 .296 .306 .602
/木村孝 100 34 29 16 6 2 0 0 8 0 7 1 2 0 0 0 3 8 0 .207 .281 .276 .557
/岩崎忠義 20 25 23 3 5 1 1 0 8 2 0 0 0 1 1 0 0 6 2 .217 .250 .348 .598
/井上晃二 26 17 16 2 2 0 0 0 2 0 2 1 1 0 0 0 0 3 0 .125 .125 .125 .250
/吉岡悟 18 14 12 3 1 0 0 0 1 0 0 1 0 0 2 0 0 2 0 .083 .214 .083 .298
/千藤三樹男 9 9 8 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 1 2 .000 .000 .000 .000
/田村藤夫 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000

オールスターゲーム1981

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選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
コーチ 大沢啓二
投手 木田勇 2
江夏豊 14
高橋一三 6
捕手 大宮龍男
内野手 ソレイタ
外野手 島田誠 3
  • 太字はファン投票で選ばれた選手。

できごと

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5月

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8月

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  • 8月1日 - 高橋一三が対近鉄戦で日本プロ野球通算150勝、史上34人目[1]
  • 8月9日 - 高橋一三が対阪急戦で日本プロ野球通算2500投球回、史上34人目[1]
  • 8月14日 - 間柴茂有が対南海戦で日本プロ野球通算1000投球回、史上200人目[1]
  • 8月29日 - 対西武戦(西武)で日本プロ野球新記録の6イニング連続二塁打[2]

9月

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  • 9月1日 - 間柴茂有が対近鉄戦でパ・リーグタイ記録の開幕から12連勝 [3]
  • 9月7日 - 間柴茂有が対南海戦で日本プロ野球タイ記録、パ・リーグ新記録の開幕から13連勝[3]
  • 9月12日 - 江夏豊が対阪急線で日本プロ野球700試合登板、史上90人目[1]
  • 9月13日 - 間柴茂有が対阪急戦で日本プロ野球新記録の開幕から14連勝[3]
  • 9月14日 - 日本ハム対阪急戦で井上弘昭が日本プロ野球通算1000安打、史上122人目[1]。間柴茂有が対阪急戦で日本プロ野球新記録の開幕から14連勝[3]
  • 9月16日 - 江夏豊が対西武戦で日本プロ野球通算3000投球回、史上18人目[1]

10月

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選手・スタッフ

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表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
江夏豊 最優秀選手 2年ぶり2度目
最優秀救援投手 28SP 3年連続4度目
史上初の両リーグMVP獲得
ソレイタ 本塁打王 44本 初受賞
打点王 108打点 初受賞
岡部憲章 最優秀防御率 2.70 初受賞
間柴茂有 最高勝率 1.00 初受賞
史上初の勝率10割達成
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
柏原純一 一塁手 3年ぶり2度目
島田誠 外野手 初受賞
ダイヤモンドグラブ賞
選手名 ポジション 回数
柏原純一 一塁手 2年ぶり3度目
島田誠 外野手 初受賞

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 田中幸雄 投手 電電関東 入団
2位 中原朝日 投手 九州産業大学 入団
3位 中村稔 内野手 名古屋電気高 入団
4位 小田英明 捕手 盛岡工業高 入団
5位 作田栄和 内野手 大阪商業大学堺高 入団
6位 福島重男 外野手 八代東高 入団

出典

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