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1980年の近鉄バファローズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1980年の近鉄バファローズ
成績
日本シリーズ敗退
日本S:3勝4敗(対広島[1]
パシフィック・リーグ優勝
プレーオフ:3勝0敗(対ロッテ
レギュラーシーズン
年間成績:68勝54敗8分 勝率.557
前期2位:33勝28敗4分 勝率.541
後期優勝:35勝26敗4分 勝率.574[2]
本拠地
都市 大阪府大阪市中央区
日本生命球場
球団組織
オーナー 佐伯勇
経営母体 近畿日本鉄道
監督 西本幸雄
« 1979
1981 »

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1980年の近鉄バファローズ(1980ねんのきんてつバファローズ)では、1980年の近鉄バファローズにおける動向をまとめる。

この年の近鉄バファローズは、西本幸雄監督の7年目のシーズンであり、2年連続のリーグ優勝を果たしたシーズンである。

概要

[編集]

リーグ連覇と初の日本一を目指し臨んだシーズンだったが、前期は4月下旬に6連敗を喫し最下位に転落と出遅れる。その後6連勝で持ち直すが、5月下旬にロッテが7連勝で首位に立つとその後も2位以下との差を広げ、前期はロッテが優勝し近鉄は最終的に前期2位に終わる。後期は南海を除く5球団による混戦が9月上旬まで続くがその後阪急がまず脱落、さらに前後期優勝を目指したロッテも9月末に3連敗を喫し一歩後退。わずかな可能性を残す近鉄だったが10月5日に最下位南海とのダブルヘッダーに連敗し、日本ハムが後期優勝に王手をかけて10月7日の直接対決を迎える。後楽園球場に札止め5万人の大観衆を集めて行われた大一番は、打率・本塁打リーグトップのいてまえ打線が22勝の新人木田勇を打ち込み6-5で勝利。翌8日には西武との直接対決を井本隆の力投でものにし西武は脱落。そして11日、西武に引き分けでも日本ハムの優勝が決まる後期最終戦で、本塁打・打点二冠のチャーリー・マニエルが逆転3ランを放つとその後も打線が爆発し10-4と大勝し逆転で後期優勝を決める。ロッテとのプレーオフは井本、鈴木啓示の好投で王手をかけると、第3戦は本塁打攻勢で大勝し3連勝でリーグ連覇。クローザー山口哲治を故障で欠いた投手陣はリーグ1位の50完投を記録したが、チーム防御率は4.96と5点台近くまで低下。一方で打撃陣はマニエルの48本塁打を筆頭に2桁本塁打の打者を多く出し、打率ベスト10にはマニエル、栗橋茂佐々木恭介をはじめ4人を送り込んだ。前年に続き広島との顔合わせとなった日本シリーズは先に王手をかけるも、第6戦を落とすと続く第7戦、1点リードでリリーフに立った鈴木が打たれ3勝4敗で敗れ、西本監督悲願の日本一はまたもならなかった。

西武首位陥落から近鉄後期優勝まで
順位 9/28終 9/29終 9/30終 10/1終 10/2終 10/3終 10/4終 10/5終 10/7終 10/8終 10/10終 10/11終
1位 西武 -- 西武 -- 日ハム -- 日ハム -- 日ハム -- 日ハム -- 近鉄 -- 日ハム -- 日ハム -- 日ハム -- 日ハム -- 近鉄 後期V
2位 日ハム 1.0 近鉄 0.5 西武 0.5 近鉄 0.5 近鉄 0.5 近鉄 0.5 日ハム -- ロッテ 1.5 近鉄 0.5 近鉄 0.0 近鉄 0.0 日ハム 0.5
3位 近鉄 1.5 日ハム 0.5 近鉄 1.0 西武 1.0 西武 2.0 西武 1.0 ロッテ 1.0 近鉄 1.5 ロッテ 1.0 ロッテ 1.5 西武 1.0 ロッテ 2.0
4位 ロッテ 1.5 ロッテ 1.0 ロッテ 1.5 ロッテ 1.5 ロッテ 2.5 ロッテ 1.5 西武 1.5 西武 2.0 西武 1.0 西武 1.5 ロッテ 1.5 西武 2.0
試合結果 急5-3西
急7-6西
ロ6-2近
近3-0ロ
日6-0南
近12-3西 南9-8西
急5-0近
日5-3ロ
南2-1西
近7-2急
日9-3西
近6-4ロ
西8-0日
ロ17-5近
近9-8南
ロ5-0西
南11-2近
南10-5近
日4-1急
ロ1-0西
西2-1ロ
近6-5日
西5-3急
近5-1西
急3-2ロ
西10-3急 近10-4西

チーム成績

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開幕オーダー[3]
1 平野光泰
2 山本和範
3 栗橋茂
4 マニエル
5 羽田耕一
6 アーノルド
7 小川亨
8 有田修三
9 永尾泰憲
鈴木啓示
1980年パシフィック・リーグ順位変動
前期
順位 4月終了時 5月終了時 前期成績
1位 南海 -- ロッテ -- ロッテ --
2位 ロッテ 1.0 近鉄 2.0 近鉄 1.5
3位 阪急 1.5 日本ハム 2.0 日本ハム
4位 日本ハム 3.0 阪急 3.5 阪急 6.5
5位 西武 4.5 南海 4.5 南海 7.0
6位 近鉄 5.0 西武 6.0 西武 7.5
後期
順位 7月終了時 8月終了時 後期成績
1位 日本ハム -- 日本ハム -- 近鉄 --
2位 ロッテ 0.5 ロッテ 0.5 日本ハム 0.5
3位 西武 0.5 西武 2.0 ロッテ 2.0
4位 阪急 3.0 近鉄 3.0 西武 2.0
5位 近鉄 4.0 阪急 3.5 阪急 6.5
6位 南海 10.0 南海 15.0 南海 16.0
前期最終成績
順位 球団 勝率
1位 ロッテオリオンズ 33 25 7 .569 優勝
2位 近鉄バファローズ 33 28 4 .541 1.5
2位 日本ハムファイターズ 33 28 4 .541 1.5
4位 阪急ブレーブス 29 34 2 .460 6.5
5位 南海ホークス 28 34 3 .452 7.0
6位 西武ライオンズ 27 34 4 .443 7.5
後期最終成績
順位 球団 勝率
1位 近鉄バファローズ 35 26 4 .574 優勝
2位 日本ハムファイターズ 33 25 7 .569 0.5
3位 ロッテオリオンズ 31 26 8 .544 2.0
4位 西武ライオンズ 35 30 0 .538 2.0
5位 阪急ブレーブス 29 33 3 .468 6.5
6位 南海ホークス 20 43 2 .317 16.0


1980年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 近鉄バファローズ 68 54 8 .5574 優勝
2位 ロッテオリオンズ 64 51 15 .5565 0.5
3位 日本ハムファイターズ 66 53 11 .555 0.5
4位 西武ライオンズ 62 64 4 .492 8.0
5位 阪急ブレーブス 58 67 5 .464 11.5
6位 南海ホークス 48 77 5 .384 21.5

*優勝はプレーオフで決定。2位以下はプレーオフの結果に関係なく勝率順で決定


プレーオフ

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1980年 パシフィック・リーグプレーオフ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月15日(水) 第1戦 近鉄バファローズ 4 - 1 ロッテオリオンズ 川崎球場
10月16日(木) 第2戦 近鉄バファローズ 4 - 2 ロッテオリオンズ
10月17日(金) 移動日
10月18日(土) 第3戦 ロッテオリオンズ 4 - 13 近鉄バファローズ 大阪球場
年間優勝:近鉄バファローズ

日本シリーズ

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1980年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月25日(土) 第1戦 近鉄バファローズ 6 - 4 広島東洋カープ 広島市民球場
10月26日(日) 第2戦 近鉄バファローズ 9 - 2 広島東洋カープ
10月27日(月) 移動日
10月28日(火) 第3戦 広島東洋カープ 4 - 3 近鉄バファローズ 大阪球場
10月29日(水) 第4戦 広島東洋カープ 2 - 0 近鉄バファローズ
10月30日(木) 第5戦 広島東洋カープ 2 - 6 近鉄バファローズ
10月31日(金) 移動日
11月1日(土) 第6戦 近鉄バファローズ 2 - 6 広島東洋カープ 広島市民球場
11月2日(日) 第7戦 近鉄バファローズ 3 - 8 広島東洋カープ
優勝:広島東洋カープ(2年連続2回目)

オールスターゲーム1980

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  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
監督 西本幸雄
投手 鈴木啓示 13
井本隆 2
捕手 梨田昌崇 2
内野手 石渡茂 2
外野手 平野光泰 2
栗橋茂 2
  • 太字はファン投票による選出、他は監督推薦による選出。

できごと

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選手・スタッフ

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[4][5]

表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
マニエル 本塁打王 48本 2年連続2度目
打点王 129打点 初受賞
栗橋茂 最高出塁率 .412 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
梨田昌崇 捕手 2年連続2度目
栗橋茂 外野手 2年連続2度目
マニエル 指名打者 2年連続2度目[注 1]
ダイヤモンドグラブ賞
選手名 ポジション 回数
梨田昌崇 捕手 2年連続2度目
小川亨 一塁手 初受賞
羽田耕一 三塁手 初受賞
平野光泰 外野手 2年連続2度目

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 石本貴昭 投手 兵庫・滝川高 入団
2位 大石大二郎 内野手 亜細亜大学 入団
3位 花房健 投手 福岡大学 入団
4位 依田栄二 投手 甲府商業高 入団

脚注

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注釈

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  1. ^ 1978年に外野手部門で受賞しており、通算3度目。

出典

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  1. ^ 1980年度日本シリーズ”. 日本野球機構. 2015年11月7日閲覧。
  2. ^ 年度別成績 1980年 パシフィック・リーグ”. 日本野球機構. 2015年11月7日閲覧。
  3. ^ 『読売新聞』1980年4月6日付朝刊、14版、17面
  4. ^ LEGEND OF Bs 2012 ~劇的、激動の80's~オリックス・バファローズ公式HP
  5. ^ 『日本プロ野球80年史 1934-2014』 【記録編】、ベースボール・マガジン社、2014年12月24日。ISBN 978-4-583-10668-7