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1980年の広島東洋カープ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1980年の広島東洋カープ
成績
日本一
日本S 4勝3敗(対近鉄
セントラル・リーグ優勝
73勝44敗13分 勝率.624
本拠地
都市 広島県広島市中区
球場 広島市民球場
球団組織
オーナー 松田耕平
経営母体 松田家(東洋工業創業者一族)
監督 古葉竹識
キャッチフレーズ
3S BASEBALL - Suspence Speed Start
« 1979
1981 »

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1980年の広島東洋カープ(1980ねんのひろしまとうようカープ)では、1980年の広島東洋カープにおける動向をまとめる。

このシーズンの広島東洋カープは、古葉竹識監督の6年目のシーズンであり、2年連続3度目のリーグ優勝と2年連続2度目の日本一に輝いたシーズンである。

概要

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2年連続の優勝&日本一を狙うチームは前年退団したエイドリアン・ギャレットに代わる新外国人としてマイク・デュプリーを獲得し、山本浩二ジム・ライトルとともに強力な外野陣を形成。投手陣ではエース池谷公二郎を筆頭に、北別府学山根和夫福士敬章などが先発陣の軸となり、さらに中継ぎ・抑えには大野豊江夏豊が控えるなど充実。打撃陣は山本やライトル、衣笠祥雄水谷実雄など主力打者が円熟期を迎えるなど開幕前からV2の呼び声が高かったチームは4月を10勝4敗と勝ち越し、開幕ダッシュに成功。5月初めまではヤクルトとの首位争いが続いたが、そのヤクルトに直接対決で大きく勝ち越すなどして夏場以降はゲーム差を広げていき、9月まで毎月のように勝ち越した。終盤は負けが込んだものの、10月17日に2位ヤクルトが敗戦したこともあり球団初の連覇を達成。日本シリーズでは2年連続で西本幸雄監督率いる近鉄との対戦となり最終戦までもつれ込んだが、広島での第7戦に勝って2年連続の日本一となり地元で古葉監督が胴上げされた。投手陣は抑えの江夏が2年連続で最優秀救援に輝き、北別府・池谷なども例年通りの活躍を見せた。打撃陣も山本が44本塁打と112打点で2冠王に輝いただけでなく、MVPも受賞。さらに、高橋慶彦が2年連続で盗塁王に輝くなど投打ともに充実した1年となった。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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開幕オーダー
1 高橋慶彦
2 衣笠祥雄
3 ライトル
4 山本浩二
5 三村敏之
6 水谷実雄
7 デュプリー
8 道原裕幸
9 池谷公二郎
1980年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 広島 -- 広島 -- 広島 -- 広島 -- 広島 -- 広島 -- 広島 --
2位 ヤクルト ヤクルト 2.5 ヤクルト 5.0 ヤクルト 10.0 ヤクルト 8.5 ヤクルト 5.5 ヤクルト 6.5
3位 巨人 2.5 阪神 3.0 大洋 5.5 阪神 13.0 巨人 16.0 大洋 18.5 巨人 14.0
4位 大洋 3.0 大洋 3.5 阪神 8.5 大洋 14.0 阪神 17.5 巨人 19.0 大洋 16.0
5位 阪神 5.0 巨人 6.5 巨人 巨人 16.0 大洋 18.0 阪神 19.5 阪神 20.5
6位 中日 7.5 中日 11.5 中日 17.5 中日 22.0 中日 30.0 中日 30.5 中日 30.0
期間
成績
10勝4敗2分
勝率.714
11勝8敗2分
勝率.579
12勝6敗2分
勝率.667
12勝2敗
勝率.857
11勝6敗1分
勝率.647
10勝9敗2分
勝率.526
7勝9敗4分
勝率.438


1980年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 広島東洋カープ 73 44 13 .624 優勝
2位 ヤクルトスワローズ 68 52 10 .567 6.5
3位 読売ジャイアンツ 61 60 9 .504 14.0
4位 横浜大洋ホエールズ 59 62 9 .488 16.0
5位 阪神タイガース 54 66 10 .450 20.5
6位 中日ドラゴンズ 45 76 9 .372 30.0

日本シリーズ

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1980年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月25日(土) 第1戦 近鉄バファローズ 6 - 4 広島東洋カープ 広島市民球場
10月26日(日) 第2戦 近鉄バファローズ 9 - 2 広島東洋カープ
10月27日(月) 移動日
10月28日(火) 第3戦 広島東洋カープ 4 - 3 近鉄バファローズ 大阪球場
10月29日(水) 第4戦 広島東洋カープ 2 - 0 近鉄バファローズ
10月30日(木) 第5戦 広島東洋カープ 2 - 6 近鉄バファローズ
10月31日(金) 移動日
11月1日(土) 第6戦 近鉄バファローズ 2 - 6 広島東洋カープ 広島市民球場
11月2日(日) 第7戦 近鉄バファローズ 3 - 8 広島東洋カープ
優勝:広島東洋カープ(2年連続2回目)

個人成績

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投手成績

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  • 色付き規定投球回(130イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/山根和夫 35 33 14 2 3 14 13 0 958 230.2 233 24 53 1 112 2 0 90 76 2.96 1.24
/福士敬章 31 28 8 1 1 15 6 0 791 187.0 195 28 52 3 106 1 0 84 82 3.95 1.32
/北別府学 30 30 6 2 0 12 5 0 766 177.2 210 19 44 9 82 0 0 86 80 4.04 1.43
/池谷公二郎 28 25 7 1 1 9 6 0 706 169.1 162 21 43 4 107 1 0 67 62 3.30 1.21
/大野豊 49 2 0 0 0 7 2 1 447 109.2 104 7 31 4 76 0 1 41 33 2.70 1.23
/江夏豊 53 0 0 0 0 9 6 21 334 86.0 61 12 20 1 86 1 0 27 25 2.62 0.94
/渡辺秀武 42 0 0 0 0 3 1 2 264 62.1 59 2 19 8 21 0 0 23 20 2.90 1.25
/金田留広 17 9 1 1 1 4 3 0 239 58.2 50 9 14 2 32 0 0 27 27 4.12 1.09
/高橋里志 12 3 0 0 0 0 2 0 104 25.2 21 6 11 1 11 1 1 13 13 4.50 1.25
/三輪悟 15 0 0 0 0 0 0 0 69 17.0 15 1 6 0 9 0 0 5 5 2.65 1.26
/大久保美智男 6 0 0 0 0 0 0 0 37 10.0 8 1 1 1 8 0 0 4 4 3.60 0.90
/新美敏 6 0 0 0 0 0 0 0 31 7.0 5 1 4 0 8 1 0 4 3 3.86 1.29
/杉田久雄 4 0 0 0 0 0 0 0 31 7.0 7 1 1 0 4 0 0 5 1 1.29 1.14
/安仁屋宗八 2 0 0 0 0 0 0 0 14 4.0 1 0 2 0 4 0 0 0 0 0.00 0.75

打撃成績

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  • 色付き規定打席(403打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/高橋慶彦 130 590 550 68 169 24 11 5 230 33 38 20 3 1 28 1 8 51 3 .307 .350 .418 .768
/衣笠祥雄 130 549 489 79 144 20 0 31 257 85 16 6 6 2 42 2 10 89 6 .294 .362 .526 .888
/ライトル 130 545 507 68 142 25 1 23 238 82 5 7 0 6 28 1 4 74 11 .280 .323 .469 .792
/山本浩二 130 539 440 91 148 28 3 44 314 112 14 12 0 7 87 11 5 52 13 .336 .451 .714 1.165
/デュプリー 127 487 459 37 122 21 3 10 179 40 0 2 3 5 17 0 3 60 14 .266 .296 .390 .686
/水谷実雄 116 408 352 35 95 5 1 22 168 61 0 0 0 1 54 3 1 72 11 .270 .369 .477 .846
/水沼四郎 117 338 293 25 64 6 2 5 89 21 7 0 16 1 26 5 2 57 2 .218 .287 .304 .590
/三村敏之 89 235 199 18 42 5 0 3 56 13 0 1 9 0 22 0 5 33 8 .211 .305 .281 .587
/木下富雄 123 232 201 30 44 8 0 4 64 10 10 6 17 0 13 0 1 24 7 .219 .270 .318 .588
/山崎隆造 75 189 159 37 40 5 2 0 49 6 17 6 7 1 15 0 7 27 2 .252 .343 .308 .651
/萩原康弘 88 154 124 17 33 2 3 7 62 22 0 0 2 1 27 5 0 15 2 .266 .397 .500 .897
/道原裕幸 61 117 101 4 16 1 1 0 19 3 0 0 8 0 7 0 1 12 2 .158 .220 .188 .408
/山根和夫 36 79 74 4 15 1 0 0 16 6 0 1 1 0 3 0 1 21 0 .203 .244 .216 .460
/福士敬章 31 69 62 3 5 0 0 0 5 2 0 0 7 0 0 0 0 38 0 .081 .081 .081 .161
/内田順三 65 67 61 3 16 4 0 1 23 4 0 0 0 0 6 0 0 8 3 .262 .328 .377 .705
/北別府学 30 67 59 7 8 1 0 1 12 5 0 0 6 0 1 0 1 20 1 .136 .164 .203 .367
/池谷公二郎 28 63 61 2 9 1 0 1 13 1 0 0 2 0 0 0 0 23 0 .148 .148 .213 .361
/大野豊 49 26 23 2 4 0 0 0 4 0 0 0 1 0 2 0 0 5 0 .174 .240 .174 .414
/正垣宏倫 21 20 17 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 3 0 0 5 1 .059 .200 .059 .259
/金田留広 18 15 13 2 1 1 0 0 2 0 0 0 0 0 2 0 0 5 0 .077 .200 .154 .354
/江夏豊 53 14 14 2 3 0 0 1 6 4 0 0 0 0 0 0 0 6 0 .214 .214 .429 .643
/中尾明生 57 13 11 7 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 2 1 1 .091 .231 .091 .322
/高月敏文 13 13 13 0 2 1 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 0 4 1 .154 .154 .231 .385
/長嶋清幸 10 11 11 1 4 1 0 1 8 1 0 0 0 0 0 0 0 2 1 .364 .364 .727 1.091
/渡辺秀武 42 7 7 1 3 1 0 1 7 2 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .429 .429 1.000 1.429
/長内孝 7 7 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 3 0 .000 .143 .000 .143
/達川光男 9 5 5 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .200 .200 .200 .400
/高橋里志 12 4 4 1 2 0 0 1 5 1 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .500 .500 1.250 1.750
/木山英求 1 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000 .000 .000
/三輪悟 15 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
/木本茂美 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000

オールスターゲーム1980

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選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
監督 古葉竹識
投手 山根和夫
福士敬章 2
北別府学 2
大野豊
江夏豊 13
内野手 高橋慶彦 2
衣笠祥雄 6
外野手 山本浩二 8
  • 太字はファン投票で選ばれた選手。▲は出場辞退選手発生による補充選手。

できごと

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選手・スタッフ

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[1]

  • 背番号変更
    • 内田順三 32→7
  • 守備位置登録変更
    • 岡義朗 内野手→外野手
  • 登録名変更
    • 高木真一→高木宏彰
    • 林正毅→林雅晃

表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
山本浩二 最優秀選手 5年ぶり2度目
本塁打王 44本 2年ぶり2度目
打点王 112打点 2年連続2度目
最多出塁数 240個 2年連続2度目
高橋慶彦 盗塁王 38個 2年連続2度目
江夏豊 最優秀救援投手 30SP 2年連続3度目
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
衣笠祥雄 三塁手 5年ぶり2度目
高橋慶彦 遊撃手 3年連続3度目
山本浩二 外野手 4年連続5度目
ダイヤモンドクラブ賞
選手名 ポジション 回数
衣笠祥雄 三塁手 初受賞
山本浩二 外野手 9年連続9度目
ライトル 3年連続3度目

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 川口和久 投手 デュプロ 入団
2位 榊原聡一郎 内野手 宮崎日本大学高 入団
3位 松林和雄 外野手 柳井商業高 入団
4位 原伸次 捕手 広陵高 入団

出典

[編集]
  1. ^ 『日本プロ野球80年史 1934-2014』 【記録編】、ベースボール・マガジン社、2014年12月24日。ISBN 978-4-583-10668-7