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1999年の中日ドラゴンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1999年の中日ドラゴンズ
成績
日本シリーズ敗退
日本S 1勝4敗(対ダイエー
セントラル・リーグ優勝
81勝54敗0分 勝率.600
本拠地
都市 愛知県名古屋市東区
球場 ナゴヤドーム
球団組織
オーナー 大島宏彦
経営母体 中日新聞社
監督 星野仙一
選手会長 立浪和義
スローガン
HARD PLAY HARD
« 1998
2000 »

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1999年の中日ドラゴンズ(1999ねんのちゅうにちドラゴンズ)では、1999年の中日ドラゴンズにおける動向をまとめる。

この年の中日ドラゴンズは、2回目の星野仙一監督体制の4年目のシーズンであり、1988年以来11年ぶり5回目のリーグ優勝を果たしたシーズンである。

概要

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開幕前

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前年のドラフト会議で福留孝介岩瀬仁紀を指名[1]。FAでは武田一浩を獲得した[1]

開幕後

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4月は開幕11連勝の効果もあって16勝6敗と開幕ダッシュに成功。5月に入ると投打の歯車が狂い始め、1勝2敗ペースで負けが込み6月は団子状態となり一時は阪神に首位に譲るも7月以降は再び独走状態となる。7月は8連勝もあって14勝5敗と大きく勝ち越し、8月は阪神戦5連勝、巨人戦3タテもあって13勝10敗と勝ち越して、8月25日には優勝マジックが点灯。優勝秒読みの声が出たものの、マジック点灯後は一進一退が続き9月14日からの巨人3連戦を迎えるが9月14日、15日の試合を0対5、3対10で敗戦。開幕以来座り続けた首位から陥落の危機を迎えるが、9月16日の巨人戦に先発山本昌がタイムリー、さらにルーキー岩瀬の2点タイムリーもあって6対2で勝ち、マジック再点灯。9月26日の阪神戦では守護神宣銅烈が終盤に捕まり2対4とリードされるが、山﨑武司が宣の救援失敗を帳消しにする逆転サヨナラ3ラン。最後は9月30日のヤクルト戦(神宮球場)に5対4で勝利し11年ぶりのリーグ優勝を果たした。投手陣ではシーズンMVPを獲得した野口茂樹やルーキーながら惜しくも新人王を逃したものの最優秀中継ぎを獲得した岩瀬の活躍が光った。しかし日本シリーズは中日有利の声がささやかれるも、王貞治監督率いるダイエー相手に1勝4敗で敗退。打線を引っ張った山﨑の故障欠場や関川浩一(4戦までノーヒット、21打数2安打)、福留(3失策)、井上一樹(13打数0安打)、野口(2戦登板して2敗)の不調がシリーズの結果に直結した。

チーム成績

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レギュラーシーズン

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オーダー変遷
開幕:4/2 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 優勝:9/30
1 李鍾範 李鍾範 李鍾範 福留孝介 福留孝介 福留孝介 関川浩一
2 福留孝介 福留孝介 福留孝介 久慈照嘉 李鍾範 久慈照嘉 李鍾範
3 関川浩一 関川浩一 関川浩一 関川浩一 関川浩一 関川浩一 福留孝介
4 ゴメス ゴメス ゴメス ゴメス ゴメス ゴメス ゴメス
5 立浪和義 立浪和義 立浪和義 立浪和義 立浪和義 立浪和義 立浪和義
6 山崎武司 山崎武司 山﨑武司 音重鎮[注 1] 山﨑武司 李鍾範 山﨑武司
7 井上一樹 井上一樹 井上一樹 井上一樹 種田仁 井上一樹 井上一樹
8 中村武志 中村武志 中村武志 中村武志 中村武志 中村武志 中村武志
9 川上憲伸 サムソン 山本昌 武田一浩 正津英志 野口茂樹 山本昌

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1999年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 --
2位 巨人 5.0 阪神 2.5 巨人 2.0 巨人 5.0 巨人 3.0 巨人 6.0
3位 阪神 広島 5.0 阪神 4.5 横浜 8.0 横浜 8.5 横浜 10.0
4位 広島 6.5 ヤクルト 広島 4.5 ヤクルト 11.5 ヤクルト 13.5 ヤクルト 15.0
5位 ヤクルト 巨人 7.0 横浜 5.0 阪神 12.5 阪神 15.0 広島 24.0
6位 横浜 7.0 横浜 7.5 ヤクルト 8.0 広島 14.0 広島 20.0 阪神 26.0
期間
成績
16勝6敗
勝率.727
11勝12敗
勝率.478
10勝11敗
勝率.476
14勝5敗
勝率.737
13勝10敗
勝率.565
17勝10敗
勝率.630


1999年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 中日ドラゴンズ 81 54 0 .600 優勝
2位 読売ジャイアンツ 75 60 0 .556 6.0
3位 横浜ベイスターズ 71 64 0 .526 10.0
4位 ヤクルトスワローズ 66 69 0 .489 15.0
5位 広島東洋カープ 57 78 0 .422 24.0
6位 阪神タイガース 55 80 0 .407 26.0

日本シリーズ

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1999年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月23日(土) 第1戦 中日ドラゴンズ 0 - 3 福岡ダイエーホークス 福岡ドーム
10月24日(日) 第2戦 中日ドラゴンズ 8 - 2 福岡ダイエーホークス
10月25日(月) 移動日
10月26日(火) 第3戦 福岡ダイエーホークス 5 - 0 中日ドラゴンズ ナゴヤドーム
10月27日(水) 第4戦 福岡ダイエーホークス 3 - 0 中日ドラゴンズ
10月28日(木) 第5戦 福岡ダイエーホークス 6 - 4 中日ドラゴンズ
優勝:福岡ダイエーホークス(35年ぶり3回目)

オールスターゲーム1999

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  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
コーチ 星野仙一
投手 武田一浩 5
落合英二
野口茂樹 2
内野手 福留孝介
外野手 関川浩一 2

個人成績

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投手成績

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  • 色付き規定投球回(135イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手








































W
H
I
P
 
/野口茂樹 29 29 7 4 0 19 7 0 870 203.2 202 13 67 5 145 6 0 68 60 2.65 1.32
/川上憲伸 29 25 3 1 1 8 9 1 695 162.0 173 20 43 2 102 3 0 84 80 4.44 1.33
/武田一浩 25 25 5 3 1 9 10 0 679 162.0 166 17 43 4 92 1 1 65 63 3.50 1.29
/山本昌 25 25 1 0 0 8 5 0 661 158.1 149 16 44 3 116 1 0 55 52 2.96 1.22
/サムソン・リー 36 11 2 0 0 6 5 3 377 95.1 75 8 30 4 65 2 1 30 30 2.83 1.10
/岩瀬仁紀 65 0 0 0 0 10 2 1 307 74.1 67 3 22 2 73 4 0 16 13 1.57 1.20
/落合英二 56 0 0 0 0 5 4 2 207 51.2 43 8 9 2 27 0 0 17 16 2.79 1.01
/門倉健 15 8 0 0 0 2 4 0 227 49.0 61 7 18 2 38 3 0 33 31 5.69 1.61
/正津英志 47 1 0 0 0 5 1 0 219 48.1 49 5 25 4 34 1 0 22 18 3.35 1.53
/前田幸長 25 4 0 0 0 2 0 1 145 37.2 26 5 10 1 34 2 0 12 11 2.63 0.96
/中山裕章 31 0 0 0 0 3 1 0 146 37.0 31 2 12 1 16 2 0 13 13 3.16 1.16
/宣銅烈 39 0 0 0 0 1 2 28 131 31.0 31 1 10 0 34 4 0 9 9 2.61 1.32
/鶴田泰 6 4 0 0 0 2 1 0 91 21.0 25 1 6 0 18 0 0 12 6 2.57 1.48
/古池拓一 8 0 0 0 0 1 0 0 72 15.0 15 2 11 0 17 0 0 11 10 6.00 1.73
/大塔正明 6 1 0 0 0 0 1 0 61 12.2 15 1 8 1 7 0 0 7 7 4.97 1.82
/山田洋 3 1 0 0 0 0 1 0 43 9.0 11 1 5 2 9 2 0 7 7 7.00 1.78
/岸川登俊 7 0 0 0 0 0 0 0 40 8.2 10 2 6 0 6 0 0 5 5 5.19 1.85
/今中慎二 5 1 0 0 0 0 1 0 38 8.0 11 1 1 1 6 0 0 7 7 7.88 1.50
/島崎毅 5 0 0 0 0 0 0 0 30 6.2 7 0 4 1 2 0 0 3 3 4.05 1.65
/小山伸一郎 3 0 0 0 0 0 0 0 30 6.1 5 0 6 0 3 1 0 3 3 4.26 1.74
/遠藤政隆 1 0 0 0 0 0 0 0 16 3.0 5 1 3 0 0 0 0 5 5 15.00 2.67
/小笠原孝 2 0 0 0 0 0 0 0 10 2.0 2 1 2 0 1 0 0 4 4 18.00 2.00
/東瀬耕太郎 2 0 0 0 0 0 0 0 4 0.2 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0.00 3.00

主な打撃成績

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  • 色付きはは規定打席(418打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/関川浩一 135 591 522 74 172 28 6 4 224 60 20 11 11 8 48 2 2 73 6 .330 .383 .429 .812
/ゴメス 133 560 474 84 141 19 1 36 270 109 4 1 0 9 70 10 7 59 15 .297 .389 .570 .959
/福留孝介 132 526 461 76 131 25 2 16 208 52 4 7 8 2 50 1 5 121 3 .284 .359 .451 .810
/井上一樹 130 499 450 40 133 18 5 10 191 65 2 0 0 4 45 5 0 85 7 .296 .357 .424 .781
/李鍾範 123 484 424 76 101 20 5 9 158 33 24 7 13 2 38 1 7 62 6 .238 .310 .373 .683
/立浪和義 123 477 417 54 111 32 1 4 157 53 3 2 4 4 51 1 1 44 14 .266 .345 .376 .721
/中村武志 127 439 395 31 79 12 0 6 109 42 3 1 13 3 28 6 0 65 9 .200 .251 .276 .527
/山﨑武司 113 410 354 59 87 16 0 28 187 75 1 0 1 1 50 1 4 99 11 .246 .345 .528 .873
/久慈照嘉 107 211 172 17 54 8 0 0 62 11 5 2 16 1 21 1 1 23 1 .314 .390 .360 .750
/渡辺博幸 81 103 89 11 25 9 0 1 37 16 2 2 2 0 11 2 1 16 3 .281 .366 .416 .782
/神野純一 40 102 88 15 29 3 3 3 47 17 1 1 4 0 10 0 0 22 3 .330 .398 .534 .932
/音重鎮 76 83 74 2 15 4 0 0 19 7 1 0 1 0 7 0 1 16 2 .203 .280 .257 .537
/鈴木郁洋 36 62 56 7 12 3 0 0 15 7 2 0 2 1 3 1 0 12 1 .214 .250 .268 .518
/種田仁 43 61 51 6 10 3 1 0 15 2 3 0 4 0 6 0 0 10 0 .196 .281 .294 .575
/大西崇之 55 34 27 14 5 0 0 0 5 2 2 1 2 0 3 0 2 5 0 .185 .313 .185 .498
/愛甲猛 38 34 31 3 12 1 0 0 13 3 0 0 0 0 3 0 0 6 0 .387 .441 .419 .861
/南渕時高 16 16 14 1 2 2 0 0 4 1 0 0 0 1 1 0 0 1 1 .143 .188 .286 .473
/筒井壮 9 16 13 0 1 1 0 0 2 0 0 0 1 0 2 0 0 4 0 .077 .200 .154 .354
/益田大介 8 14 13 2 4 0 0 1 7 1 0 0 0 0 1 0 0 3 0 .308 .357 .538 .896
/河野亮 3 10 8 2 2 0 0 1 5 3 0 0 1 0 1 0 0 2 0 .250 .333 .625 .958
/吉原孝介 7 9 9 1 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 .222 .222 .222 .444
/荒木雅博 16 4 4 4 1 0 0 0 1 0 1 3 0 0 0 0 0 1 0 .250 .250 .250 .500
/山口幸司 4 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
/リリアーノ 1 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 1 .000 .000 .000 .000

できごと

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選手・スタッフ

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表彰選手

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リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
野口茂樹 最優秀選手 初受賞
岩瀬仁紀 最優秀中継ぎ投手 28.15RP 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
ゴメス 三塁手 2年ぶり2度目
関川浩一 外野手 初受賞
ゴールデングラブ賞
選出なし

ドラフト

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順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 朝倉健太 投手 東邦高 入団
2位 福沢卓宏 投手 滝川第二高 入団
3位 山北茂利 投手 トヨタ自動車 入団

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 偵察メンバーの門倉健と交代。
  2. ^ 5月21日に山崎武司から改名。

出典

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  1. ^ a b 山崎武司vs.ナゴヤドーム 異種格闘3年間の記録 - 中日新聞
  2. ^ 『2000 ベースボール・レコード・ブック』ベースボール・マガジン社、1999年。ISBN 4-583-03622-1