コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

1958年の読売ジャイアンツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1958年の読売ジャイアンツ
成績
日本シリーズ敗退
日本S 3勝4敗(対西鉄
セントラル・リーグ優勝
77勝52敗1分 勝率.597
本拠地
都市 東京都文京区
球場 後楽園球場
球団組織
オーナー 正力松太郎
経営母体 読売新聞社
監督 水原茂
« 1957
1959 »

テンプレートを表示

1958年の読売ジャイアンツ(1958ねんのよみうりジャイアンツ)では、1958年における読売ジャイアンツの動向についてまとめる。

この年の読売ジャイアンツは水原茂監督の9年目のシーズンである。

概要

[編集]

前年まで3年連続でリーグ優勝しながらも日本一を逃したチームだが、この年は長嶋茂雄が入団したこともあり打線が若干強化された。水原監督は開幕の国鉄戦で長嶋を3番に据えるなど、攻撃型のオーダーで開幕に臨んだが期待の長嶋は金田正一の前に4打席4三振でプロ生活をスタート。長嶋の加入という明るい話題があったもののチームは4月を10勝12敗の借金2で終え、2年連続で開幕ダッシュに失敗。5月からの2か月間で30勝11敗で大きく勝ち越して首位を固め、8月までは毎月のように勝ち越した。9月以降は平凡な成績になったが、阪神の追い上げを振り切り4年連続でセ・リーグを優勝。西鉄との日本シリーズは長嶋をはじめ打線の活躍で第3戦まで3連勝するが、2度の雨天中止で西鉄に流れが傾くと第7戦を落として3連勝から屈辱の4連敗を喫し、水原監督の打倒西鉄は実らなかった。投手陣では2年目の藤田元司が30勝こそ逃したものの29勝をあげてMVPとなり、堀内庄安原達佳が14勝をあげたが、大ベテラン別所毅彦は9勝に終わり、衰えが見え始めた。カード別成績では3位中日と相性がよく18勝7敗1分と大きく勝ち越したが、阪神・国鉄には13勝13敗の五分に終わった。シーズン終了後長く4番を打った川上哲治が引退してヘッドコーチに就任し、オフには王貞治が入団するなど、世代交代も加速していく。

チーム成績

[編集]

レギュラーシーズン

[編集]
開幕オーダー
1 与那嶺要
2 広岡達朗
3 長嶋茂雄
4 川上哲治
5 宮本敏雄
6 岩本尭
7 土屋正孝
8 藤尾茂
9 藤田元司
1958年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 大阪 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 --
2位 国鉄 2.5 国鉄 1.0 国鉄 5.0 大阪 4.5 大阪 5.5 大阪 5.5
3位 中日 4.5 大阪 2.5 大阪 5.0 国鉄 12.0 中日 15.0 中日 9.0
4位 巨人 5.0 中日 8.0 大洋 12.0 中日 12.5 国鉄 16.5 国鉄 17.5
5位 大洋 5.0 大洋 9.0 中日 12.5 大洋 16.5 大洋 22.0 広島 19.5
6位 広島 7.0 広島 9.5 広島 16.5 広島 20.5 広島 25.0 大洋 23.5
期間
成績
10勝12敗
勝率.455
16勝4敗
勝率.800
14勝7敗
勝率.667
11勝6敗
勝率.647
14勝8敗1分
勝率.636
12勝15敗
勝率.444
1958年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 77 52 1 .597 優勝
2位 大阪タイガース 72 58 0 .554 5.5
3位 中日ドラゴンズ 66 59 5 .528 9.0
4位 国鉄スワローズ 58 68 4 .460 17.5
5位 広島カープ 54 68 8 .443 19.5
6位 大洋ホエールズ 51 73 6 .411 23.5

日本シリーズ

[編集]
1958年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月11日(土) 第1戦 西鉄ライオンズ 2 - 9 読売ジャイアンツ 後楽園球場
10月12日(日) 第2戦 西鉄ライオンズ 3 - 7 読売ジャイアンツ
10月13日(月) 移動日
10月14日(火) 第3戦 読売ジャイアンツ 1 - 0 西鉄ライオンズ 平和台球場
10月15日(水) 第4戦 雨天中止
10月16日(木) 読売ジャイアンツ 4 - 6 西鉄ライオンズ
10月17日(金) 第5戦 読売ジャイアンツ 3 - 4 西鉄ライオンズ
10月18日(土) 移動日
10月19日(日) 第6戦 雨天中止 後楽園球場
10月20日(月) 西鉄ライオンズ 2 - 0 読売ジャイアンツ
10月21日(火) 第7戦 西鉄ライオンズ 6 - 1 読売ジャイアンツ
優勝:西鉄ライオンズ(3年連続3回目)

[1]

オールスターゲーム1958

[編集]
  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
監督 水原円裕
投手 藤田元司 2
捕手 藤尾茂 3
一塁手 川上哲治 8
三塁手 長嶋茂雄
内野手 広岡達朗 5
外野手 与那嶺要 7
宮本敏雄 3
坂崎一彦
  • 太字はファン投票による選出。

個人成績

[編集]

投手成績

[編集]
  • 色付き規定投球回(190イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手















































W
H
I
P
 
/藤田元司 58 36 24 7 1 29 13 -- -- .690 1380 359.0 251 11 114 5 5 199 11 0 75 61 1.53 1.02
/堀内庄 43 33 8 2 1 14 13 -- -- .519 903 223.2 173 12 73 1 1 218 7 0 78 69 2.78 1.10
/安原達佳 39 22 7 3 3 14 10 -- -- .583 743 189.2 151 17 30 5 3 97 5 0 65 57 2.70 0.95
/義原武敏 38 9 0 0 0 7 5 -- -- .583 543 134.1 104 11 35 2 6 111 2 0 47 40 2.67 1.03
/別所毅彦 26 20 5 1 1 9 5 -- -- .643 508 126.1 111 8 33 2 1 42 0 0 47 36 2.56 1.14
/大友工 12 2 0 0 0 2 1 -- -- .667 160 41.2 28 0 7 1 0 11 1 0 10 9 1.94 0.84
/木戸美摸 13 2 0 0 0 1 3 -- -- .250 140 32.2 37 3 8 0 1 14 0 1 24 20 5.45 1.38
/小松俊広 14 2 0 0 0 0 0 -- -- ---- 140 31.2 20 1 26 0 0 23 5 0 13 7 1.97 1.45
/中村稔 7 3 0 0 0 1 1 -- -- .500 57 13.1 13 0 8 0 0 6 0 0 4 2 1.29 1.58
/山田幸造 5 1 0 0 0 0 0 -- -- ---- 37 9.1 8 0 1 0 0 8 1 0 3 3 2.70 0.96
/土岐道雄 2 0 0 0 0 0 0 -- -- ---- 9 2.0 2 0 2 0 0 0 0 0 1 1 4.50 2.00
/後藤修 1 0 0 0 0 0 1 -- -- .000 14 2.1 3 1 3 0 0 1 0 0 3 2 7.71 2.57

主な打撃成績

[編集]
  • 色付きは規定打席(400打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
/長嶋茂雄 130 550 502 89 153 34 8 29 290 92 37 10 1 6 36 15 5 53 3 .305 .353 .578 .931
/与那嶺要 128 532 467 64 137 21 3 8 188 58 8 3 7 4 51 1 0 77 9 .293 .360 .403 .763
/広岡達朗 111 479 437 69 121 18 2 12 179 41 22 9 7 1 30 3 4 70 4 .277 .328 .410 .738
/川上哲治 124 480 435 34 107 19 2 9 157 66 4 5 7 8 25 1 5 39 9 .246 .295 .361 .656
/藤尾茂 115 428 399 54 113 22 6 11 180 58 14 8 1 3 24 1 1 57 9 .283 .325 .451 .777
/岩本尭 114 363 320 39 72 13 3 4 103 28 8 2 9 4 27 0 3 78 7 .225 .291 .322 .613
/宮本敏雄 107 323 302 23 66 6 1 6 92 23 10 3 3 3 13 1 2 58 7 .219 .256 .305 .560
/坂崎一彦 108 330 298 30 73 14 3 5 108 28 5 5 3 1 24 1 4 57 1 .245 .310 .362 .672
/土屋正孝 100 317 281 42 69 11 2 5 99 24 12 4 4 1 31 1 0 44 7 .246 .321 .352 .673
/内藤博文 60 157 139 18 28 6 2 3 47 12 2 0 5 0 11 2 2 36 3 .201 .270 .338 .608
/藤本伸 53 105 96 12 18 2 0 0 20 5 1 4 3 1 5 0 0 17 3 .188 .228 .208 .436
/加倉井実 35 77 67 7 10 1 0 0 11 5 3 1 0 1 7 0 2 17 2 .149 .250 .164 .414
/森昌彦 30 66 64 6 19 6 1 1 30 6 0 1 0 0 2 0 0 17 2 .297 .318 .469 .787
/難波昭二郎 40 47 47 3 12 3 1 2 23 5 0 0 0 0 0 0 0 16 0 .255 .255 .489 .745
/岩下守道 39 36 34 4 8 1 1 0 11 4 4 3 0 0 2 0 0 7 0 .235 .278 .324 .601
/十時啓視 29 25 24 0 2 1 0 0 3 0 0 0 0 0 1 0 0 8 0 .083 .120 .125 .245
/竹下光郎 9 14 14 1 3 1 0 0 4 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .214 .214 .286 .500
/国松彰 8 8 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 .000 .125 .000 .125

できごと

[編集]
  • 9月19日 - 広島戦(後楽園球場)で長嶋茂雄がホームランを放ったが、一塁ベースを踏み忘れて、ホームランを取り消され、投手ゴロに変更される[2]

選手・スタッフ

[編集]

[3]

表彰選手

[編集]
藤尾茂(捕手、3年連続3度目)
川上哲治(一塁手、4年連続10度目)
長嶋茂雄(三塁手、初受賞)
与那嶺要(外野手、7年連続7度目)

出典

[編集]