2005年の文学
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2005年の文学(2005ねんのぶんがく)は、2005年(平成17年)の文学についてまとめた記事である。
→「2005年の出版」も参照
できごと
[編集]- 1月13日 - 第132回芥川龍之介賞・直木三十五賞の選考委員会が開かれる。
- 4月 - 『四日間の奇蹟』(宝島社)が、100万部突破。
- 4月5日 - 第2回本屋大賞が発表される。恩田陸の『夜のピクニック』が受賞[1]。
- 4月15日 - 黒人差別にあたるとして絶版措置がされていた『ちびくろ・さんぼ』が、瑞雲舎より復刊される[2]。
- 4月23日 - 三島由紀夫生誕80年・没後35年記念展「三島由紀夫 ドラマティックヒストリー」が県立神奈川近代文学館で開催[3]。
- 6月29日 - リリー・フランキーの『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』(扶桑社)が発売される。同書はトーハン発表の「2005年年間ベストセラー」総合11位と、「2006年年間ベストセラー」総合3位を記録した[4][5]。
- 9月 - 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社新書)が、発売7ヶ月で100万部を突破。光文社の100万部突破は、石原慎太郎著『NOと言える日本』(1989年)以来。
- 10月 - 講談社は、講談社創業100周年と大江健三郎作家生活50周年を記念して、「大江健三郎賞」を創設することを発表。
賞
[編集]芥川賞・直木賞
[編集]- 第132回(2004年下半期)
- 第133回(2005年上半期)
その他の賞
[編集]- 小説
- 日本推理作家協会賞(第58回) - 貴志祐介『硝子のハンマー』、戸松淳矩『剣と薔薇の夏』(長編及び連作短編集部門)
- 野間文芸賞(第58回) - 村上龍『半島を出よ』
- 野間文芸新人賞(第27回) - 青木淳悟『四十日と四十夜のメルヘン』、平田俊子『二人乗り』
- 江戸川乱歩賞(第51回) - 薬丸岳『天使のナイフ』
- 谷崎潤一郎賞(第41回) - 町田康『告白』、山田詠美『風味絶佳』
- 吉川英治文学賞(第39回) - 北原亞以子『夜の明けるまで』
- 吉川英治文学新人賞(第26回) - 恩田陸『夜のピクニック』、瀬尾まいこ『幸福な食卓』
- 泉鏡花文学賞(第33回) - 寮美千子『楽園の鳥 カルカッタ幻想曲』
- 三島由紀夫賞(第18回) - 鹿島田真希『六〇〇〇度の愛』
- 山本周五郎賞(第18回) - 荻原浩『明日の記憶』、垣根涼介『君たちに明日はない』
- 柴田錬三郎賞(第18回) - 橋本治『蝶のゆくえ』
- 伊藤整文学賞(第16回) - 笙野頼子『金毘羅』(小説部門)
- 本屋大賞(第2回) - 恩田陸『夜のピクニック』
- 小説すばる新人賞(第18回) - 飛鳥井千砂『はるがいったら』
- 児童文学
- 詩
- 戯曲
- 評論、ノンフィクション
- 日本推理作家協会賞(第58回) - 日高恒太朗『不時着』(評論その他の部門)
- 大宅壮一ノンフィクション賞(第36回) - 稲泉連『ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の死と詩』、高木徹『大仏破壊 バーミアン遺跡はなぜ破壊された』
- 伊藤整文学賞(第16回) - 富岡多恵子『西鶴の感情』(評論部門)
海外の賞
[編集]- ノーベル文学賞 - ハロルド・ピンター
- ブッカー賞 - ジョン・バンヴィル『The Sea』
- ピューリッツァー賞 - マリリン・ロビンソン『Gilead』(フィクション部門)、テッド・クーザー『Delights & Shadows』(詩部門)
- ヒューゴー賞 - スザンナ・クラーク『Jonathan Strange & Mr Norrell』(長編小説部門)、チャールズ・ストロス『The Concrete Jungle』(中長編小説部門)、ケリー・リンク『The Faery Handbag』(中編小説部門)、マイク・レズニック『Travels with My Cats』(短編小説部門)
- ゲオルク・ビュヒナー賞 - Brigitte Kronauer
2005年の本
[編集]小説
[編集]- 阿川佐和子 『スープ・オペラ』(新潮社)
- 内田康夫 『悪魔の種子』(幻冬舎)
- 江國香織 『赤い長靴』(小学館)
- 奥田英朗 『サウスバウンド』(角川書店)
- 加藤廣 『信長の棺』(日本経済新聞社)
- 桐野夏生 『魂萌え!』(毎日新聞社)
- 重松清 『その日のまえに』(文藝春秋)
- 篠田節子 『ロズウェルなんか知らない』(講談社)
- 島本理生 『ナラタージュ』(角川書店)、『一千一秒の日々』(マガジンハウス)
- 高村薫 『新リア王』(新潮社)
- 谷川流 『涼宮ハルヒの動揺』(角川書店)
- 谷川流 『涼宮ハルヒの陰謀』(角川書店)
- 中村文則 『土の中の子供』(新潮社)
- 林真理子 『anego』(小学館)
- 東野圭吾 『容疑者Xの献身』(文藝春秋)
- 宮部みゆき 『日暮らし』(講談社)、『孤宿の人』(新人物往来社)
- 村上春樹 『象の消滅 短篇選集 1980-1991』(新潮社)、『東京奇譚集』(新潮社)
- 村上龍 『半島を出よ』(幻冬舎)
- 薬丸岳 『天使のナイフ』(講談社)
- 山田詠美 『風味絶佳』(文藝春秋)
- 横山秀夫 『震度0』(朝日新聞社)、『ルパンの消息』(カッパ・ノベルス)
- リリー・フランキー 『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』(扶桑社)
- ダン・ブラウン 『ダ・ヴィンチ・コード』(角川書店、訳越前敏弥)
その他
[編集]- 吾妻ひでお 『失踪日記』(イースト・プレス)
- 石崎洋司 『黒魔女さんが通る!!』(講談社)
- 石原慎太郎 『息子たちと私』(幻冬舎)
- 内田樹 『先生はえらい』(筑摩書房)
- 江口寿史 『江口寿史の正直日記』(河出書房新社)
- さくらももこ 『ひとりずもう』(小学館)
- 中井英夫 『中井英夫戦中日記 彼方より 完全版』(河出書房新社)
- 中沢新一 『アースダイバー』(講談社)
- 中島さおり 『パリの女は産んでいる』(ポプラ社)
- 藤原正彦 『国家の品格』(新潮新書)
- 丸谷才一 『いろんな色のインクで』(マガジンハウス)
- 村上春樹 『意味がなければスイングはない』(文藝春秋)
- 村上春樹、佐々木マキ 『ふしぎな図書館』(講談社)
- 柳沢桂子、堀文子 『生きて死ぬ智慧』(小学館)
物故
[編集]1 - 3月
[編集]- 1月22日 - 谷本誠剛、兵庫県出身の児童文学研究者。65歳没。
- 1月29日 - エフライム・キション、ハンガリー出身のイスラエルの作家。80歳没。
- 1月31日 - 中尊寺ゆつこ、横浜市出身の漫画家。42歳没。
- 2月1日 - アーサー・ミラー、アメリカの劇作家。「セールスマンの死」などで現代アメリカ演劇を代表。89歳没。
- 3月22日 - 阪田寛夫、大阪府出身の詩人、童話作家。評伝のほか、小説「土の器」で芥川賞を受賞した。79歳没。
4 - 6月
[編集]- 4月5日 - ソール・ベロー、アメリカの小説家、劇作家。『フンボルトの贈り物』でピューリッツァー賞を受賞、1976年にはノーベル文学賞を受賞。89歳没。
- 4月20日 - 丹羽文雄、日本の小説家。風俗小説のほか『親鸞』などの仏教小説を書いた。100歳没。
- 6月9日 - 塚本邦雄、滋賀県出身の歌人。歌集『水葬物語』などで前衛短歌を発表、現代短歌に影響を与えた。84歳没。
- 6月10日 - 倉橋由美子、高知県出身の小説家。『大人のための残酷童話』などで知られる。69歳没。
- 6月25日 - 長新太、日本の絵本作家・漫画家。77歳没。
7 - 9月
[編集]- 7月1日 - 萩原葉子、日本の小説家・随筆家。萩原朔太郎の長女である。84歳没。
- 7月9日 - エド・マクベイン、アメリカの小説家。「87分署」シリーズで人気作家となった。78歳没。
- 7月13日 - 寿岳章子、京都府出身の国語学者・随筆家。81歳没。
- 7月22日 - 杉浦日向子、東京都出身の漫画家・江戸風俗研究家・エッセイスト。46歳没。
- 9月2日 - 朝吹登水子、東京府出身のフランス文学者・翻訳家。88歳没。
10 - 12月
[編集]- 10月8日 - 早船ちよ、岐阜県出身の児童文学作家。『キューポラのある街』を執筆した。91歳没。
- 10月17日 - 巴金、中華人民共和国の小説家。100歳没。
- 12月9日 - ロバート・シェクリイ - アメリカの小説家・脚本家。77歳没。
- 12月14日 - トレヴェニアン、アメリカの小説家。74歳没。
- 12月25日 - 佐々木丸美、北海道出身の小説家。56歳没。
脚注
[編集]- ^ 2005年本屋大賞結果発表&発表会レポート | これまでの本屋大賞 | 本屋大賞
- ^ ちびくろ・さんぼ | 瑞雲舎のほんだより
- ^ 佐藤秀明・井上隆史編「年譜 平成17年4月23日」(42巻年譜・書誌 & 2005-08, p. 374)
- ^ トーハン調べ 2005年 年間ベストセラー
- ^ トーハン調べ 2006年 年間ベストセラー
参考文献
[編集]- 『決定版 三島由紀夫全集42巻 年譜・書誌』新潮社、2005年8月。ISBN 978-4106425820。