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島田金谷バイパス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般国道
国道1号標識
島田金谷バイパス
路線延長 10.4 km
開通年 1971年 - 1980年
起点 静岡県島田市野田
終点 静岡県掛川市佐夜鹿
接続する
主な道路
記法
藤枝バイパス
日坂バイパス
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

島田金谷バイパス(しまだかなやバイパス)は、静岡県島田市から同県掛川市までを結ぶ国道1号の通称。1982年にバイパスから本線に昇格している。新大井川橋より東側(41工区)を島田バイパス、西側(42工区)を金谷バイパスとも呼ぶ[1]

概要

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道路諸元

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  • 起点:静岡県島田市野田(野田IC)
  • 終点:静岡県掛川市佐夜鹿(小夜の中山トンネル西側)
  • 延長:10.4 km
  • 規格:第3種第1級
  • 標準道路幅員:18.25 m
  • 車線数:4車線(暫定2車線
  • 車線幅員:3.5 m
  • 設計速度:80 km/h
  • 最小曲率半径:325 m
  • 最急縦断勾配:5 %

[2]

概説

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通行料金は無料。歩行者自転車は通行禁止だが、自動車専用道路ではないので、50 cc以下の原付も通行可能[3]。 信号が全くないが、朝夕は新大井川橋の前後の区間で混雑する。

大代IC - 日坂バイパス日坂ICの区間は、連続降雨量が250 mmを超えると通行止めになる(日坂IC手前(上り線)と新大井川橋手前(下り線)に予告看板あり)。

拡幅事業について

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島田金谷バイパスは開通当初から全線が無料で、東名高速道路が島田・藤枝両市街地からかなり離れたところを通過する事もあり、特に新大井川橋周辺は、時間帯を問わず慢性的な渋滞が長年の課題となっている。2004年3月に大代ICから新大井川橋手前の区間が4車線化されたものの、上り線・新大井川橋手前の車線減少・合流地点で無理な割り込みによる事故や渋滞の多発が問題となり、2006年7月よりその区間を敢えて1車線減少させた経緯がある[1]。同じ国道1号の掛川バイパス藤枝バイパス2005年に無料化されて以降はその影響で交通量が更に増加しており、渋滞の最後尾が掛川バイパス(日坂バイパス)の八坂IC付近にまで達する事も少なからずある。また、金谷地区から島田市街へ向かう救急車の通行が多いが、渋滞発生時には緊急車両の通行も困難となっている[4]

牧の原第一トンネルから大代ICの区間は、1975年(昭和50年)から下り線の登坂車線設置のために4車線の設定になっているが、開通から40年余りもの間、上り線は1車線通行で、空いた1車線分のスペースには矢印の標識が数メートル間隔で並べられている。そのスペースは路面の傷みが激しく、アスファルトの隙間から雑草が顔を覗かせる箇所も存在する[4]

また、上り線の掛川バイパスから藤枝バイパスの約30 kmにわたる区間は、追越車線登坂車線が設置されておらず、追い越しのための右側部分はみ出し通行も禁止されているため、60 km/h出せない特殊車両(クレーン車など)が乗り入れる事により長い車列を作ってしまい、渋滞の原因になる事がある[注釈 1]

以上のような問題解消のため、静岡県知事や島田市長、島田・磐田間バイパス建設促進期成同盟は、拡幅事業および菊川ICのフルインター化の要望を再三にわたり国土交通省へ陳情してきた[5]。それに対し国土交通省の審議会は、損失時間が110万人時間/年という現況を踏まえ[5]、2012年(平成24年)1月には4車線化工事の着工を了承した[6]。ルートについては、全線を現道の暫定2車線区間に沿って拡幅するルート(事業費240億円)と、上り線だけ菊川ICから北側に迂回させ、大代IC付近で再び現道に合流するルート(事業費265億円)の2案が検討され、事業効果の見込みは両案ともほぼ同じだったため、前者の現道拡幅案が採用された[7]

2012年度(平成24年度)より事業化され、調査・設計業務に[8]2014年度(平成26年度)より用地取得および工事に着手した[9]。全線4車線での供用時には損失時間が40万人時間/年まで改善するものと期待され[5]、このうち新大井川橋を含む旗指IC - 大代IC間延長4.3 kmが2024年度(令和6年度)に開通予定である[10]。また、大代ICにループ橋を建設して出入口をバイパス北側に集約させる再整備工事[11][12]が、新東名高速道路島田金谷ICに通じる国道473号現道の拡幅工事[13]と併せて進められている。

歴史

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  • 1966年度(昭和41年度) : 金谷バイパス事業化[2]
  • 1967年度(昭和42年度) : 金谷バイパス用地取得および工事に着手[2]
  • 1969年度(昭和44年度) : 島田バイパス事業化[2]
  • 1970年度(昭和45年度) : 島田バイパス用地着手[2]
  • 1971年(昭和46年)1月20日:新大井川橋西詰 - 夜泣き石交差点間(延長6.1 km)(金谷バイパス)が暫定2車線で開通[2]
  • 1971年(昭和46年)12月 : 新大井川橋(延長0.9 km)が暫定2車線で開通[2]
  • 1972年度(昭和47年度) : 島田バイパス工事着手[2]
  • 1975年(昭和50年)3月 : 大代IC - 牧の原第一トンネル間が2車線から4車線へ拡幅(ただし上り線は1車線通行)[2]
  • 1980年(昭和55年)11月21日 : 野田IC - 新大井川橋東詰間(延長3.6 km)(島田バイパス)の開通により、全線が暫定2車線で開通[2]
  • 1982年(昭和57年)3月 : 本線に昇格。
    • 島田市の大津通り交差点以西の旧道は国道指定を解除(静岡県道381号島田金谷線に指定変更)されたが、同交差点以東の現道は引き続き国道1号として運用されていたため、新たに大津通り交差点から野田ICを結ぶ区間(約1.5 km)を国道1号に指定(2015年3月まで)。
  • 2001年平成13年)3月30日 : 大代IC付近(延長0.9 km)が4車線化[2]
  • 2004年(平成16年)3月30日 : 新大井川橋西詰 - 大代IC間(延長1.1 km)が4車線化[2]
  • 2006年(平成18年)7月24日 : 上り線の大代IC - 新大井川橋西詰の区間が1車線減少[2]
  • 2012年度(平成24年度) : 野田IC - 菊川IC西側の延長10.4 kmの4車線化事業化[2]
  • 2023年令和5年)
    • 3月27日 : 菊川ICの浜松方面出入口が供用開始[14]
    • 12月21日 : 新大井川橋2期線(下流側)が先行供用開始。旗指IC - 大代ICの暫定2車線のまま対面通行を解消(それぞれの橋を1車線ずつ供用)[15][16]

接続するバイパスの位置関係

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(東京方面)藤枝バイパス - 島田金谷バイパス - 日坂バイパス(大阪方面)

インターチェンジなど

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全線静岡県内に所在

施設名 接続路線名 備考 所在地
国道1号藤枝バイパス静岡沼津方面
野田IC 静岡県道217号伊久美元島田線 浜松・静岡方面出入口 島田市
旗指IC
向谷IC 静岡県道64号島田川根線
新大井川橋
(3車線区間) 上り1車線、下り2車線
大代IC 国道473号E1A 新東名高速道路 浜松・静岡方面出入口
(3車線区間) 上り1車線、下り2車線
菊川IC[注釈 2] 静岡県道381号島田岡部線
国道473号金谷御前崎連絡道路[17](事業中)
(夜泣石交差点) 国道1号現道、静岡県道381号島田岡部線 静岡方面入口のみ 掛川市
国道1号日坂バイパス浜松豊橋方面

主なトンネルと橋

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トンネル

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トンネル名称 名称の読み方 延長 区間 備考
牧の原第一トンネル まきのはらだいいち 196 m 大代IC - 菊川IC
牧の原第二トンネル まきのはらだいに 311 m 大代IC - 菊川IC
牧の原第三トンネル まきのはらだいさん 511 m 大代IC - 菊川IC
小夜の中山トンネル さよのなかやま 170 m 菊川IC - 日坂IC

橋梁

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新大井川橋
  • 伊太谷川橋(旗指IC - 向谷IC)【伊太谷川】
  • 溝橋(旗指IC - 向谷IC)
  • 島田第二高架橋(旗指IC - 向谷IC)
  • 向谷高架橋(向谷IC)
  • 島田第一高架橋(向谷IC - 大代IC)
  • 新大井川橋(向谷IC - 大代IC)【大井川
  • 島跨道橋(向谷IC - 大代IC)
  • 1号跨道橋(向谷IC - 大代IC)
  • 2号跨道橋(向谷IC - 大代IC)
  • 県道跨道橋(向谷IC - 大代IC)
  • 五和跨線橋(向谷IC - 大代IC)【大井川鉄道
  • 大代川橋(大代IC - 菊川IC)【大代川
  • 番生寺跨道橋(大代IC - 菊川IC)
  • 番生寺橋(大代IC - 菊川IC)
  • 第1志戸呂橋(大代IC - 菊川IC)
  • 第2志戸呂橋(大代IC - 菊川IC)
  • 牧の原高架橋(大代IC - 菊川IC)
  • 第2菊川橋(菊川IC - 日坂IC)【菊川
  • 第1菊川橋(菊川IC - 日坂IC)

脚注

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注釈

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  1. ^ なお、掛川バイパス - 島田金谷バイパスへの上り線は、流入は「八坂」「日坂」「小夜の中山トンネル西口・東口」「菊川」の各インターで可能であるが、流出は「八坂」「日坂」と「小夜の中山西口」でしか出来ない。
  2. ^ 東名高速道路菊川ICとは10km以上離れている。当ICの名称は榛原郡金谷町(現・島田市)菊川、東名高速道路の菊川ICの名称は小笠郡菊川町(現・菊川市)に由来している。地名の由来はどちらも河川の菊川である。

出典

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  1. ^ a b 事業のあらまし” (PDF). 国土交通省浜松河川国道事務所. 2014年2月16日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 事業のあらまし” (PDF). 国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所. 2024年1月4日閲覧。
  3. ^ 国道1号を自転車などで通行する方へ ~通行禁止区間のお知らせ~ - 浜松河川国道事務所 静岡県警察本部
  4. ^ a b 「渋滞するのに使われない車線」 Archived 2009年9月5日, at the Wayback Machine.(2008年7月7日OA 静岡放送テレビ夕刊」)
  5. ^ a b c “平成24年度新規事業候補箇所”. 国道交通省中部地方整備局公式サイト (国土交通省中部地方整備局). https://www.cbr.mlit.go.jp/road/syouiinkai/pdf/h23_dai2_haifu03.pdf 
  6. ^ 社会資本整備審議会 道路分科会 第8回社会資本整備審議会事業評価部会 配付資料”. 国土交通省. 2024年1月4日閲覧。
  7. ^ “島田金谷BPが新規事業箇所に―240億円を想定”. 建通新聞 (建通新聞社). (2012年1月27日) 
  8. ^ “新規事業化が決定 島田金谷バイパス4車線化など”. 静岡新聞 (静岡新聞社). (2012年4月7日) 
  9. ^ 事業評価監視委員会 道路事業説明資料 -一般国道1号島田金谷バイパス-(国土交通省中部地方整備局)2016年8月1日 (PDF, 2.50 MiB)
  10. ^ 国道1号 島田金谷バイパス 旗指IC〜大代IC 令和6年度開通予定” (PDF). 国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所 (2021年4月27日). 2022年4月16日閲覧。
  11. ^ 曲線半径の小さく交差条件の多い ICランプ橋の詳細設計” (PDF). セントラルコンサルタント株式会社中部支社. 2023年12月26日閲覧。
  12. ^ 金谷コミュニティ委員会ニュース ほほえみ No.173 (PDF) - 金谷コミュニティ委員会、2023年12月26日閲覧。
  13. ^ 平成30年度公共事業再評価調書” (PDF). 静岡県道路整備課. 2023年12月25日閲覧。
  14. ^ 国道1号島田金谷バイパス 菊川インターチェンジ 令和5年3月27日にフルインター化 浜松方面の乗り降りが可能になります” (PDF). 国土交通省中部地方整備局 浜松河川国道事務所 (2023年3月3日). 2023年3月12日閲覧。
  15. ^ 『[https://www.cbr.mlit.go.jp/hamamatsu/cms/news/logs/20231207130542/20231207130542.pdf 完成した新大井川橋を初走行! 〜通行する車線が変わりますので走行する際はご注意ください〜]』(PDF)(プレスリリース)国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所、2023年12月7日https://www.cbr.mlit.go.jp/hamamatsu/cms/news/logs/20231207130542/20231207130542.pdf2024年1月4日閲覧 
  16. ^ 静岡の大動脈“国道1号バイパス”4車線化へ! 「大井川の新しい橋」先行開通 対面通行を解消!”. 乗りものニュース (2023年12月12日). 2013年12月23日閲覧。
  17. ^ 国道473号 金谷相良道路II 道路改良事業(島田市菊川〜菊川市倉沢) (PDF, 2233KB) - 静岡県島田土木事務所、2019年3月13日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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