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港町ブルース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
深津武志から転送)
「港町ブルース」
森進一シングル
B面 女の四季
リリース
ジャンル 演歌
時間
レーベル ビクター
作詞・作曲 深津武志(作詞)
猪俣公章(作曲)
森岡賢一郎(編曲)
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 1位(オリコン
  • 1969年度年間2位(同)
  • 森進一 シングル 年表
    年上の女
    1968年
    港町ブルース
    1969年
    おんな
    (1969年)
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    港町ブルース』(みなとまちブルース)は、1969年4月15日に発売された森進一の12枚目のシングル。

    解説

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    歌詞は雑誌『平凡』1969年2月号にて募集された[1]。多くのご当地ソングは1か所の地名が登場するが、本曲は前年に森が全国各地の地名を歌いこんでヒットした「盛り場ブルース」の二匹目のドジョウを狙い、企画した渡辺プロダクションが「港町ブルース」というタイトルを決めた上で全国各地の地名を盛り込んだ歌詞を募集した[1]。37528通の応募の中から7人の詞を部分的に選び、なかにし礼が補作して最終的な歌詞が決定した[1]日本音楽著作権協会(JASRAC)には「作詞:深津武志」と登録されているが、これは1番の歌詞の一部分の作詞者を代表として届け出たものである[1]

    歌詞中には北海道函館市を皮切りとして、鹿児島県枕崎市まで日本列島を南下するように多くの港町が登場している。また、その町々に港湾があるのみでなく、函館、宮古、釜石、気仙沼、八幡浜、枕崎には「港町」と名の付く町名が実在する。なかにし礼によれば、神戸や横浜など大きな波止場を避け、漁港中心に登場させたという[1]。また、日本海側の港町はレコード化された歌詞には入っていない[1]

    発売されて2週間余りでオリコンチャートのベストテンに初登場し、5週にわたり1位にランクインされるなど、森のシングルでは最高の売上を記録し、ミリオンセラーとなった(なお売上については、230万枚[1]、250万枚[2]との報道もある)。

    同年開催の「第11回日本レコード大賞」では大賞の最有力候補と目されたが、1票差で佐良直美の「いいじゃないの幸せならば」に敗れ[1]、最優秀歌唱賞を受賞した。「第2回日本有線大賞」では大賞を受賞している。有線大賞は前年の「盛り場ブルース」に次いで2年連続である。「第20回NHK紅白歌合戦」では2回目の出場にして白組のトリを務めた。

    1975年3月にはラジオ放送を含めたNHK放送開始50周年の記念式典がNHKホールにて行われ、特別来賓として出席した昭和天皇皇后を前に森が本楽曲を披露した。当日は天覧歌唱という舞台でもあった為か、森は1番と2番の歌詞を一部間違え、番ごとに変わるはずの地名の箇所を「宮古 釜石 気仙沼」と2回繰り返して歌ってしまうアクシデントがあった[3]

    2000年、宮城県気仙沼市内の港ふれあい公園に本楽曲の歌碑が建立され、除幕式には森自身も参加した。歌碑の前に立つと森が歌う本楽曲の2番までが流れる仕組みで、碑に彫られた歌詞は「気仙沼」の文字列のみがほかの言葉よりもやや大きく刻まれたものである。2011年3月11日に発生した東日本大震災では津波により被害にあったが流失はしなかった[4]。しかし、歌碑は再建されることになり、約150メートル東南方向に場所を移し、2022年8月6日に除幕式が行われた[5]

    2011年末の第62回NHK紅白歌合戦では、東日本大震災復興支援をテーマとして1969年以来42年ぶりに同曲を歌唱した[6][7]

    収録曲

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    1. 港町ブルース(4分9秒)
      作詞:深津武志/補作詞:なかにし礼/編曲:森岡賢一郎
    2. 女の四季(4分7秒)
      作詞:丹古晴己/補作詞:村上千秋/編曲:猪俣公章

    登場する港町

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    なお、当初『平凡』で発表した入選歌詞は8番まであり、横浜(神奈川県)、新潟柏崎新潟県)、下関山口県)も登場していた[1]

    カバー

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    • ザ・ピーナッツ - 『ザ・ピーナッツ カヴァー・ヒッツ〜わたしの城下町』収録
    • 西田佐知子 - 『西田佐知子歌謡大全集』収録
    • 藤圭子 - 『GOLDEN☆BEST 藤圭子 ヒット&カバーコレクション 艶歌と縁歌』収録
    • 三橋美智也 - 『哀愁演歌』収録
    • 春日八郎 - 『春日八郎演歌百選』収録
    • 石川さゆり - 『火の国へ/砂になりたい』収録
    • 森昌子
    • 八代亜紀
    • 坂本冬美
    • 桑田佳祐2014年) - DVDBD昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦』収録。
    • テレサ・テン - 日本語でのカバーのほか、以下のバージョンがある。
      • 「誰來愛我」(中国語) - 1971年1月、『鄧麗君之歌第十九集』(台湾・宇宙唱片<宇宙レコード>、AWK-047)収録。
      • 「心酸孤單女」(台湾語)
      • 「苦海女神龍」(台湾語) - 邱蘭芬と西卿も同タイトルでカバー。
      • 「Kau Tinggalkan Daku」(インドネシア語) - 1977年、『Kau Selalu Dihatiku』(インドネシア・Indra Record)収録。
    • その他の中国語カバー例
      • 美黛「愛的四季」 - 1969年、台湾・合眾唱片(合眾レコード)『誰來陪伴我[8]』収録。
      • 姚蘇蓉「失去的夢」 - 1970年、台湾・海山唱片(海山レコード)『家在台北[9]』収録。
      • 包娜娜「誰來愛我」 - 1971年、台湾・麗歌唱片(麗歌レコード)『包娜娜之歌第五集[10]』収録。
      • 林秀雲「願你不要離去」 - 1972年の映画『我心碎了[11]』同名のアルバムに収録。
      • 華娃「苦相思」 - 1974年、香港・娛樂唱片(Crown Records Limited)『香港無線電視台長編電視劇 芸娘 插曲[12]』収録。
    • 荘学忠(マレーシア) - 「谁来爱我」の曲名で北京語カバー。
    • ดาวใจ ไพจิตร - (タイ語) 1975年「ทำไมทำฉันได้」または「ทำไมถึงทำกับฉันได้」

    映画

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    夜の歌謡シリーズ
    港町ブルース
    監督 鷹森立一
    脚本 成沢昌茂
    製作 園田実彦安斉昭夫(企画)
    出演者 野川由美子森進一
    音楽 八木正生
    撮影 中島芳男
    編集 祖田富美夫
    製作会社 東映東京撮影所
    配給 東映
    公開 日本の旗1969年7月8日
    上映時間 88分
    製作国 日本の旗 日本
    言語 日本語
    前作 夜の歌謡シリーズ 長崎ブルース
    次作 夜の歌謡シリーズ 悪党ブルース
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    本曲を題材とする歌謡映画夜の歌謡シリーズ 港町ブルース』が、1969年7月8日東映系で公開。『夜の歌謡シリーズ』第6作だが、初の女優主演となる。

    本人役で特別出演の森進一は、わずか二シーンの出演でギャラ100万円[13]

    なおシリーズ次作『夜の歌謡シリーズ 悪党ブルース』は、川内康範の『悪党』を原作とし、青江三奈の『気まぐれブルース』をテーマ曲とするため、人気歌謡を題材にしたシリーズは本作で一旦中断する。

    スタッフ

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    出演者

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    同時上映

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    日本暴力団 組長

    脚注

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    注釈

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    1. ^ 森進一は「やたはま」と誤読して歌っている。

    出典

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    1. ^ a b c d e f g h i 「歌のあるばむ 港町ブルース」『読売新聞』1983年6月5日付朝刊、26頁。
    2. ^ 森進一が新曲歌詞を一般公募!、TOKYO HEAD LINE web[vol.323]、2007年9月10日-16日。
    3. ^ 1986年7月5日発売、『ミリオン・セラー/歌謡インストゥルメンタル』(ビクター音楽産業:VDR-5055)に添付の歌詞カード内解説より。
    4. ^ 森進一さん、気仙沼で熱唱 「港町ブルース」歌碑前で - 2011年12月18日閲覧
    5. ^ 「港町ブルース」歌碑11年ぶり再建 森進一さんの寄付も活用 宮城・気仙沼”. 河北新報. 2022年8月10日閲覧。
    6. ^ 第62回(2011年)紅白歌合戦 出場歌手・曲目 スポーツニッポン
    7. ^ NHK紅白歌合戦ヒストリー 第62回 NHK
    8. ^ 美黛* - 誰來陪伴我 - 愛的四季 (1969最暢銷國語歌曲)”. Discogs. 2020年1月20日閲覧。
    9. ^ 姚蘇蓉* - 家在台北”. Discogs. 2020年1月20日閲覧。
    10. ^ 包娜娜* - 人兒不能留 / 你是負心人 ( 第五集 )”. Discogs. 2020年1月20日閲覧。
    11. ^ 陳瓊美*, 林秀雲* - 我心碎了”. Discogs. 2020年1月20日閲覧。
    12. ^ 華娃* - 香港無線電視台長編電視劇 芸娘 插曲”. Discogs. 2020年1月20日閲覧。
    13. ^ 「芸能 三行メモ」『週刊大衆』1969年6月5日号、双葉社、14頁。 

    関連項目

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