「元禄太平記」の版間の差分
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2020年8月20日 (木) 00:04時点における版
この記事はプロジェクト:大河ドラマの編集方針を採用しています。編集される方はご一読下さい。 |
元禄太平記 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
原作 | 南條範夫『元禄太平記』 |
脚本 | 小野田勇 他 |
演出 | 大原誠 他 |
出演者 |
石坂浩二 江守徹 竹脇無我 片岡孝夫 松坂慶子 関口宏 中村勘九郎 松原智恵子 中野良子 草笛光子 三林京子 黒柳徹子 森本レオ 古谷一行 加藤嘉 中村伸郎 金田龍之介 藤岡琢也 中村又五郎 有島一郎 木村功 小沢栄太郎 芦田伸介 岡田茉莉子 若尾文子 森繁久彌 |
ナレーター | 福本義典 |
オープニング | 湯浅譲二 |
製作 | |
製作総指揮 | 古賀龍二 |
制作 | 日本放送協会 |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1975年1月5日-12月28日 |
放送時間 | 日曜20:00-20:45 |
放送枠 | 大河ドラマ |
放送分 | 45分 |
回数 | 全52 |
『元禄太平記』(げんろくたいへいき)は、NHKが1975年1月5日から12月28日に放送した13作目の大河ドラマ。忠臣蔵をテーマにした大河ドラマとしては『赤穂浪士』(1964年)に続き、第2作目にあたる。
概要
忠臣蔵事件を5代将軍徳川綱吉の側用人・柳沢吉保の側から描くという、当時としては斬新な切り口の作品となっている。もっとも、実際の放送では大石内蔵助及び柳沢兵庫のほうが人気があったという逸話も残る。
原作は南條範夫による書下ろしで、放送同年の1975年に日本放送出版協会から刊行されたが、後に角川書店、徳間書店より文庫版が刊行された。なお、南條作品の大河化は本作が唯一。
今作品における松の廊下事件の原因は、塩田経営の成功を試みる吉保に取り入るため、吉良が浅野に領地替えを勧めたのを浅野が拒否したことから、吉良が浅野に嫌がらせをしたことになっている。
山鹿流陣太鼓というものは実在しないという史実に基づき、本作品の討ち入りシーンでは陣太鼓が使われていない。また赤穂浪士による討ち入りの回が12月14日に放送された。なお、大河ドラマの忠臣蔵を題材にした作品の中で、四十七士に掛けた第47回の放送回で直接討ち入りが行われなかったのは『元禄繚乱』まででは本作のみである。
このドラマの撮影現場に、放送期間中に来日したエリザベス2世が見学しに来た。本編の映像はVTRで撮影が行われたが、この見学映像はフィルムで残されており、2015年2月23日放送の『おはよう日本』で公開された(この中では石坂のインタビューも公開されている)。
石坂浩二は、1969年の『天と地と』で主役の上杉謙信を演じて以来、大河ドラマ2度目の主役となった。大河ドラマの主役を2度務めるのは、平幹二朗以来2人目となる。1992年に放送された『腕におぼえあり』では、石坂と江守徹が本作と同じ役で出演している。石坂は1994年には映画『四十七人の刺客』でもみたび柳沢を演じた。
最高視聴率41.8%、平均視聴率24.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[1]。
出演
柳沢家
- 柳沢保明→柳沢吉保:石坂浩二
- 綱吉により2020石の小納戸役から側用人に取り立てられ1万石を加増される。その後も綱吉の期待に応える事で栄達の道を進み、やがては石高22万石の大名となり大老にも並ぶ地位を得てその権勢は絶頂を迎えるが、そこへ赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件が発生。その措置について自身がほぼ関与できなかった事から凋落を迎え、綱教・綱吉も相次いで病没。家宣に接近する事で巻き返しを図るが不調に終ると、「自分の陽はもう昇る事はない」として、潔く権力の座から去った。
- 柳沢兵庫(吉保の甥):竹脇無我
- 吉保の甥(架空人物)。当初はやや厭世的な一面を見せ吉保とは何かと対立するが、赤穂浪士達と出会い協力するやときと恋仲になる事で、自身の生きる道を見い出していく。浪士の討ち入りにも協力するが、討ち入り後にときが殺害された事を知り、その亡骸を弔うと両刀を捨て何処かへと去っていった。劇中では姓を「信花(のぶはな)」と改めている。
- 染子:若尾文子
- 弁子→町子:松原智恵子
- 定子:稲垣美穂子
- 安暉→柳沢安貞:山崎有右→川崎公明
赤穂四十七士
- 大石内蔵助:江守徹
- 赤穂藩の家老。若い頃に火事騒ぎで偶然出会った吉保の事を覚えている。
- 大石主税:庄野たけし→中村勘九郎
- 堀部安兵衛:関口宏
- 堀部弥兵衛:有島一郎
- 吉田忠左衛門:中村伸郎
- 片岡源五右衛門:日高晤郎
- 小野寺十内:加藤嘉
- 不破数右衛門:目黒祐樹
- 原惣右衛門:垂水悟郎
- 矢頭右衛門七:小坂まさる
- 大高源吾:竜崎勝
- 赤埴源蔵:長沢大
- 武林唯七:美濃部厚
- 寺坂吉右衛門:綿引勝彦
- 奥田孫太夫:浜田寅彦
- 前原伊助:福田豊土
- 間喜兵衛:嵯峨善兵
大石家
赤穂藩
- 浅野内匠頭:片岡孝夫
- 阿久里:松坂慶子
- 大野九郎兵衛:三国一朗
- 奥野将監:巌金四郎
- 毛利小平太:磯部勉
- 浅野大学:西田健
- 小山源五右衛門:大塚周夫
- 萱野源蔵:粟津號
- 小山田庄左衛門:大門正明
- 藤井又右衛門:村上冬樹
- 矢頭長七:佐々木孝丸
- 赤穂藩家臣:風間杜夫
吉良家
徳川家
- 徳川綱吉:芦田伸介
- お伝の方:草笛光子
- 甲府綱豊→徳川家宣:木村功
- 後の六代将軍。綱吉の政治的対抗馬である為に身の危険を感じており、光圀の助言により病を装い難を避ける。将軍就任後、巻き返しを図り自身に取り入ろうとする吉保に対して隠居を勧めた。
- 桂昌院:細川ちか子
- 大典侍局:松平純子
幕府
- 右衛門佐:中野良子
- 間部宮内:古谷一行
- 家宣の側近。
- 土屋主税:内藤武敏
- 荻原重秀:成田三樹夫
- 堀田将監:神田隆
- 松平右京大夫輝貞:池田秀一
- 梶川与惣兵衛:早川雄三
- 阿部豊後守:森塚敏
- 土屋相模守:真弓田一夫
- 稲葉丹後守:西国成男
- 小笠原佐渡守:大久保正信
- 秋元但馬守:河村弘二
- 多門伝八郎:小山田宗徳
- 保田越前守:田島義文
- 荒木十郎左衛門:渥美國泰
- 堀小四郎:武内亨
- 内田三郎衛門:下條正巳
- 牧野成貞:松下達夫
- 大久保権右衛門:戸沢佑介
諸藩
- 水戸光圀:森繁久彌
- 綱吉や吉保に対して極めて批判的である為に隠居に追い込まれる。身の危険を感じている家宣に病を装うよう助言する。隠居の挨拶の際、綱吉を強烈に皮肉った。
- 紀伊綱教:島村美輝
- 綱吉の後継者として吉保から期待されていたが病死。
- 紀伊光貞:毛塚守夫
- 南部直政:渡辺文雄
- 吉保と共に側用人に取り立てられる。
- 鶴見内蔵助:山形勲
- 堀内伝右衛門:北村和夫
- 島津綱久:中条静夫
- 藤井紋太夫:横森久
- 大久保忠方:細川俊夫
- 牟岐平右衛門:塚本信夫
- 戸田釆女正:伊藤正博
その他
- 新井白石:入川保則
- 家宣の側近。家宣の将軍就任直後に吉保を排除するように進言する。
- 生駒十蔵:蟹江敬三
- 綱吉暗殺を企むも失敗。
- 鷹司兼熈:中村又五郎
- 紀伊国屋文左衛門:藤岡琢也
- 荻生徂徠:岸田森
- 隆光:金田龍之介
- 林信篤:内田朝雄
- 宗海:三津田健
- 四方庵宗徧:龍岡晋
- 磯女:東恵美子
- とき→とき弥:三林京子
- 左右田源八の妹。兵庫と恋仲になるが、兄により吉良家へ側女として差し出される。しかし、これは吉良邸の様子を知りたい兵庫や安兵衛の願いも受けてのことであり、討ち入りに際には浪士達に協力するも、清水一角によって斬殺される。死の間際「兵庫さま」と言い残した。
- 吉弥(おしん):黒柳徹子
- おげん:江波杏子
- お妙:竹下景子
- 弥之:峰竜太
- お美乃:池上季実子
- 中島五郎作:花柳喜章
- 細井広沢:久米明
- 堀内源太左衛門:高松英郎
- 羽倉斎:村井国夫
- 宝井其角:下元勉
- お艶:鮎川いづみ
- 万里小路局:南風洋子
- 桔梗局:初井言榮
- 今出川局:北城真記子
- 神尾主膳:草薙幸二郎
- 倉林出雲守頼時:梅野泰靖
- 柳原前大納言:松尾文人
- 佐平:青木富夫
- 婆さん:田中筆子
- 浮橋:藤ひろ子
- お兼:菅井きん
- 猿橋:清水綋治
- たみ:鷲尾真知子
- 辰五郎:平泉成
- 小者:千葉繁
- 町人:北村弘一
- 野次馬:田村錦人
- 町奉行:勝部演之
- 町奉行:田島義文
- 紀文の客:大村千吉
- その他:市川海老蔵、久松保夫、加藤和恵
スタッフ
- 原作:南條範夫『元禄太平記』
- 脚本:小野田勇、小幡欣治、土橋成男
- 音楽:湯浅譲二
- 演奏:東京コンサーツ
- テーマ演奏:NHK交響楽団
- テーマ指揮:若杉弘
- 時代考証:相馬皓
- 振付:今井栄子
- 殺陣:林邦史朗
- 語り:福本義典アナウンサー
- 演出:斎藤暁、岡本喜侑、大原誠、榎本一生、加藤郁雄、東海林通
- 美術:小林喬、佐藤武俊、岡本忠士
- 技術:門弘、三村三三郎
- 効果:川崎清、村田幸治、後藤伸行
- 制作:古賀龍二
放送
特記が無い限りNHKクロニクルのNHK番組表ヒストリーで確認。
通常放送時間
- NHK総合テレビジョン:毎週日曜 20時00分 - 20時45分
- (再放送)NHK総合テレビジョン:毎週土曜 13時25分 - 14時10分[2]
放送日程
放送回 | 放送日 | 題 | |||
---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1975年 | 1月 5日栄光の座 | |||
第2回 | 1月12日 | 大奥の女たち | |||
第3回 | 1月19日 | 世嗣暗闘 | |||
第4回 | 1月26日 | 虚と実 | |||
第5回 | 2月 2日 | 将軍お成り | |||
第6回 | 2月 9日 | 観桜の宴 | |||
第7回 | 2月16日 | 光圀乱心 | |||
第8回 | 2月23日 | 兵庫参上 | |||
第9回 | 3月 2日 | 昼行灯出陣 | |||
第10回 | 3月 9日 | 内蔵助ふたり | |||
第11回 | 3月16日 | 陽にそむく男 | |||
第12回 | 3月23日 | 女ごころ男ごころ | |||
第13回 | 3月30日 | 染子憂愁 | |||
第14回 | 4月 6日 | 世直し事始め | |||
第15回 | 4月13日 | 出世屋敷 | |||
第16回 | 4月20日 | 運命の影 | |||
第17回 | 4月27日 | 柳沢殿御内意 | |||
第18回 | 5月 4日 | 刃傷松の廊下 | |||
第19回 | 5月11日 | 嵐の中の人々 | |||
第20回 | 5月18日 | 悲愁赤穂城 | |||
第21回 | 5月25日 | 山科風韻 | |||
第22回 | 6月 1日 | 両国橋の襲撃 | |||
第23回 | 6月 8日 | 江戸からの刺客 | |||
第24回 | 6月15日 | 挑戦 | |||
第25回 | 6月22日 | 大石東下り | |||
第26回 | 6月29日 | 心の証し | |||
第27回 | 7月 6日 | 吉保上洛 | |||
第28回 | 7月13日 | 再会 | |||
第29回 | 7月20日 | 裏切り | |||
第30回 | 7月27日 | 伏見撞木町 | |||
第31回 | 8月 3日 | 内蔵助遊蕩 | |||
第32回 | 8月10日 | 呪い | |||
第33回 | 8月17日 | 罠 | |||
第34回 | 8月24日 | 最後の嘆願 | |||
第35回 | 8月31日 | 決断の時 | |||
第36回 | 9月 7日 | 吉良邸探索 | |||
第37回 | 9月14日 | 追われる立場 | |||
第38回 | 9月21日 | 旅立ち | |||
第39回 | 9月28日 | 策謀 | |||
第40回 | 10月 | 5日最後の出府 | |||
第41回 | 10月12日 | 二つの影 | |||
第42回 | 10月19日 | 陰の同志 | |||
第43回 | 10月26日 | 布石 | |||
第44回 | 11月 | 2日時ぞ至れる | |||
第45回 | 11月 | 9日連署血判 | |||
第46回 | 11月16日 | 十二月五日の襲撃 | |||
第47回 | 11月23日 | 女人哀慕 | |||
第48回 | 11月30日 | 吉報 | |||
第49回 | 12月 | 7日討入り前夜 | |||
第50回 | 12月14日 | 満願の雪 | |||
第51回 | 12月21日 | 内蔵助最期 | |||
最終回 | 12月28日 | 落日の人 | |||
平均視聴率 24.7%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ[1]) |
総集編
- 前編 栄光の章:1975年12月30日 19時15分から20時54分
- 後編 落日の章:1975年12月31日 19時20分から20時55分
映像の現存状況
本放送回は第2回「大奥の女たち」、第3回「世嗣暗闘」、第7回「光圀乱心」、第18回「刃傷松の廊下」が現存しているが、その後当ドラマの出演者が録画したビデオテープが、NHKに提供されており現存数は増えつつある。また総集編は前後編が共に現存し、VHS・DVDも販売されている。
2009年に第18回「刃傷松の廊下」が時代劇専門チャンネルにて再放送された。1995年の大河ドラマ『八代将軍吉宗』では本ドラマの吉良邸討ち入りの場面が使用された(吉良義央は紀州徳川家と縁続きだったため登場。吉良役を柳生博が演じた)。「元禄赤穂事件が描かれてないので興をそがれた」という視聴者の手紙に近松門左衛門役の江守徹をして「予算不如意ゆえに『元禄太平記』の映像を拝借仕った。大石は拙者を演じている江守徹ゆえ、ごちゃまぜになるので登場させなかったのでござる」と説明させている(もっとも、これは演出であり、現実には本作で古谷一行が演じた間部の役を本作の主演である石坂が演じ、石坂が演じた柳沢の役を榎木孝明が演じている)。
なお、NHKBS2で本作の総集編が再放送された際、ゲストとして登場した江守徹が「うちには全話録画してある」とコメントしていた。この江守が保存していた映像は、2011年1月2日にNHK衛星ハイビジョンで放送された『大河ドラマ50~見せます! 大河のすべて~』、および同月8日に総合テレビで放送された『カウントダウン「江」~大河ドラマ50作すべて見せます~』にて紹介されたが、現在NHKアーカイブスでは総集編のみ視聴可能となっている。
2016年1月には、岡田茉莉子が自宅に保存していたUマチックテープから第9回「昼行灯出陣」が見つかり、NHKに提供された。岡田の夫である映画監督の吉田喜重がビデオの録画収集癖があり、その関係で録画されたものではないかと思われるという[3]。
2019年12月には、三善英史が自宅に保存していた本作のUマチックテープ41本をNHKに提供した[4]。
NHKではマスターテープが失われた過去の放送番組の収集(制作関係者や一般視聴者らへのビデオテープ提供の呼びかけなど)を進めている[5]。
脚注
- ^ a b ビデオリサーチ NHK大河ドラマ 過去の視聴率データ
- ^ 一部放送日時の変更あり
- ^ 女優 岡田茉莉子さんから発掘、大河&ツービート共演! - NHKアーカイブス・2016年1月15日
- ^ 大発掘!大河ドラマ『元禄太平記』一挙41本! - NHK番組発掘プロジェクト通信、2019年12月20日
- ^ NHKアーカイブス 番組発掘プロジェクト
関連作品
- 本作と同じ原作を用いた長編テレビ作品。制作にあたっては、主人公を柳沢吉保から柳沢(信花)兵庫に変更するなど、若干の設定変更が成されている。
外部リンク
- NHKオンデマンド 大河ドラマ 元禄太平記 総集編(2016年11月30日まで)
- 大河ドラマ 元禄太平記 - NHK名作選(動画・静止画) NHKアーカイブス
- 番組エピソード 大河ドラマ『元禄太平記』 - NHKアーカイブス
NHK 大河ドラマ | ||
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