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アカデミー国際長編映画賞フランス代表作品の一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パトリス・ルコント監督作品『リディキュール』は1996年にノミネートされた。

本項目は、アカデミー国際長編映画賞[nb 1]へ出品されたフランスの映画作品の一覧である。フランスは、この部門では世界で最も成功した国の一つであり、出品された映画の半数以上がノミネートに至っている。2020年までに65本が出品され、38本がノミネートに至り、そのうち9本が受賞している(名誉賞は含まない)。

アカデミー国際長編映画賞はアメリカ合衆国映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催し、アメリカ合衆国以外の国で製作され、主要な会話が英語以外で占められた長編映画を対象としている[3]

1947年から1955年までのあいだAMPASはアメリカ合衆国内で公開された優れた外国語映画に対し、アカデミー名誉賞を贈っていた。その際には他の候補作品と競い合うという方式ではなく、アカデミー理事会の投票により受賞作のみが選出されていた[4]。この期間中、3本のフランス映画に名誉賞が贈られた。1956年のアカデミー賞で非英語作品を対象とした外国語映画賞が導入され、以後常設されている[5]

フランス代表作はCentre national de la cinematographie文化・コミュニケーション省により決定されている[6]

代表作

[編集]

1956年よりAMPASは外国語映画賞を設置し、各国のその年最高の映画を招待している[5]。外国語映画賞委員会はプロセスを監視し、すべての応募作品を評価する。その後、委員会は5つのノミネート作品を決定するために秘密投票を行う[3]。外国語映画賞が設置される以前は、アメリカ合衆国で公開された外国語映画に投票されており、各国が代表作を出品するという形式ではなかった[4]

フランスは1956年の賞の創設以降、毎年代表作を出品している唯一の国であり、また、その半数以上がノミネートに至っている。

以下は、フランスの代表作品の一覧である。ブラジルと共同製作したためにポルトガル語が使われた1959年の『黒いオルフェ』以外のすべての代表作はフランス語である。


(授賞式)
日本語題 出品時の英題 原題 監督 結果
1948
(第21回)
聖バンサン Monsieur Vincent Monsieur Vincent モーリス・クローシュ 名誉賞受賞
1950
(第23回)
鉄格子の彼方 The Walls of Malapaga Au-delà des grilles ルネ・クレマン 名誉賞受賞
1952
(第25回)
禁じられた遊び Forbidden Games Jeux interdits ルネ・クレマン 名誉賞受賞
1956
(第29回)
居酒屋 Gervaise Gervaise ルネ・クレマン ノミネート
1957
(第30回)
リラの門 Gates of Paris Porte des Lilas ルネ・クレール ノミネート
1958
(第31回)
ぼくの伯父さん Mon Oncle Mon Oncle ジャック・タチ 外国語映画賞受賞
1959
(第32回)
黒いオルフェ Black Orpheus Orfeu Negro マルセル・カミュ 外国語映画賞受賞
1960
(第33回)
真実 La Verite La Vérité アンリ=ジョルジュ・クルーゾー ノミネート
1961
(第34回)
去年マリエンバートで Last Year at Marienbad L'année dernière à Marienbad アラン・レネ 落選
1962
(第35回)
シベールの日曜日 Sundays and Cybele Les dimanches de ville d'Avray セルジュ・ブールギニョン 外国語映画賞受賞
1963
(第36回)
鬼火 The Fire Within Le feu follet ルイ・マル 落選
1964
(第37回)
シェルブールの雨傘 The Umbrellas of Cherbourg Les Parapluies de Cherbourg ジャック・ドゥミ ノミネート
1965
(第38回)
気狂いピエロ Pierrot le Fou Pierrot le fou ジャン=リュック・ゴダール 落選
1966
(第39回)
男と女 A Man and a Woman Un homme et une femme クロード・ルルーシュ 外国語映画賞受賞
1967
(第40回)
パリのめぐり逢い Live for Life Vivre Pour Vivre クロード・ルルーシュ ノミネート
1968
(第41回)
夜霧の恋人たち Stolen Kisses Baisers volés フランソワ・トリュフォー ノミネート
1969
(第42回)
モード家の一夜 My Night with Maud Ma nuit chez Maud エリック・ロメール ノミネート
1970
(第43回)
Hoa-Binh Hoa-Binh ラウール・クタール ノミネート
1971
(第44回)
Ramparts of Clay Remparts d'argile ジャン=ルイ・ベルトゥチェリ 落選
1972
(第45回)
ブルジョワジーの秘かな愉しみ The Discreet Charm of the Bourgeoisie Le Charme discret de la bourgeoisie ルイス・ブニュエル 外国語映画賞受賞
1973
(第46回)
アメリカの夜 Day for Night La Nuit américaine フランソワ・トリュフォー 外国語映画賞受賞
1974
(第47回)
ルシアンの青春 Lacombe, Lucien Lacombe Lucien ルイ・マル ノミネート
1975
(第48回)
インディア・ソング India Song India Song マルグリット・デュラス 落選
1976
(第49回)
さよならの微笑 Cousin, cousine Cousin, cousine ジャン=シャルル・タケラ ノミネート
1977
(第50回)
これからの人生 Madame Rosa La Vie devant soi モーシェ・ミズラヒ 外国語映画賞受賞
1978
(第51回)
ハンカチのご用意を Get Out Your Handkerchiefs Préparez vos mouchoirs ベルトラン・ブリエ 外国語映画賞受賞
1979
(第52回)
ありふれた愛のストーリー A Simple Story Une histoire simple クロード・ソーテ ノミネート
1980
(第53回)
終電車 The Last Metro Le Dernier Metro フランソワ・トリュフォー ノミネート
1981
(第54回)
ディーバ Diva Diva ジャン=ジャック・ベネックス 落選
1982
(第55回)
Coup de Torchon Coup de torchon ベルトラン・タヴェルニエ ノミネート
1983
(第56回)
女ともだち Entre Nous Coup de foudre ディアーヌ・キュリス ノミネート
1984
(第57回)
チャオ・パンタン So Long, Stooge Tchao Pantin クロード・ベリ 落選
1985
(第58回)
赤ちゃんに乾杯! Three Men and a Cradle Trois hommes et un couffin コリーヌ・セロー ノミネート
1986
(第59回)
ベティ・ブルー Betty Blue 37°2 le matin ジャン=ジャック・ベネックス ノミネート
1987
(第60回)
さよなら子供たち Au revoir, les enfants Au revoir, les enfants ルイ・マル ノミネート
1988
(第61回)
読書する女 La Lectrice La Lectrice ミシェル・ドヴィル 落選
1989
(第62回)
カミーユ・クローデル Camille Claudel Camille Claudel ブリュノ・ニュイッテン ノミネート
1990
(第63回)
シラノ・ド・ベルジュラック Cyrano de Bergerac Cyrano de Bergerac ジャン=ポール・ラプノー ノミネート
1991
(第64回)
Van Gogh Van Gogh モーリス・ピアラ 落選
1992
(第65回)
インドシナ Indochine Indochine レジス・ヴァルニエ 外国語映画賞受賞
1993
(第66回)
ジェルミナル Germinal Germinal クロード・ベリ 落選
1994
(第67回)
野性の葦 Wild Reeds Les roseaux sauvages アンドレ・テシネ 落選
1995
(第68回)
彼女の彼は、彼女 French Twist Gazon maudit ジョジアーヌ・バラスコ 落選
1996
(第69回)
リディキュール Ridicule Ridicule パトリス・ルコント ノミネート
1997
(第70回)
ニノの空 Western Western マニュエル・ポワリエ 落選
1998
(第71回)
天使が見た夢 The Dreamlife of Angels La vie rêvée des anges エリック・ゾンカ 落選
1999
(第72回)
イースト/ウェスト 遙かなる祖国 East/West Est-Ouest A レジス・ヴァルニエ ノミネート
2000
(第73回)
ムッシュ・カステラの恋 The Taste of Others Le goût des autres アニエス・ジャウィ ノミネート
2001
(第74回)
アメリ Amélie Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain ジャン=ピエール・ジュネ ノミネート
2002
(第75回)
8人の女たち 8 Women 8 femmes フランソワ・オゾン 落選
2003
(第76回)
ボン・ヴォヤージュ Bon Voyage Bon voyage ジャン=ポール・ラプノー 落選
2004
(第77回)
コーラス The Chorus Les Choristes クリストフ・バラティエ ノミネート
2005
(第78回)
戦場のアリア Joyeux Noël Joyeux Noël クリスチャン・カリオン ノミネート
2006
(第79回)
モンテーニュ通りのカフェ Avenue Montaigne Fauteuils d'orchestre ダニエル・トンプソン 最終選考
2007
(第80回)
ペルセポリス Persepolis Persepolis マルジャン・サトラピ
ヴァンサン・パロノー
落選
2008
(第81回)
パリ20区、僕たちのクラス The Class Entre les murs ローラン・カンテ ノミネート
2009
(第82回)
預言者 A Prophet Un prophete ジャック・オーディアール ノミネート
2010
(第83回)
神々と男たち Of Gods and Men[7] Des hommes et des dieux グザヴィエ・ボーヴォワ 落選[8]
2011
(第84回)
わたしたちの宣戦布告 Declaration of War[9] La Guerre est déclarée ヴァレリー・ドンゼッリ 落選
2012
(第85回)
最強のふたり The Intouchables[10] Intouchables エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
最終選考[11]
2013
(第86回)
ルノワール 陽だまりの裸婦 Renoir[12] Renoir ジル・ブルドス 落選
2014
(第87回)
SAINT LAURENT/サンローラン Saint Laurent[13] Saint Laurent ベルトラン・ボネロ 落選
2015
(第88回)
裸足の季節 Mustang[14] Mustang デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン ノミネート[15]
2016
(第89回)
エル ELLE Elle[16] Elle ポール・バーホーベン 落選
2017
(第90回)
BPM ビート・パー・ミニット BPM (Beats per Minute)[17] 120 battements par minute ロバン・カンピヨ 落選
2018
(第91回)
あなたはまだ帰ってこない Memoir of War[18] La douleur エマニュエル・フィンケル 落選
2019
(第92回)
レ・ミゼラブル Les Misérables[19] Les Misérables ラジ・リ ノミネート[20]
2020
(第93回)
ふたつの部屋、ふたりの暮らし Two of Us[21] Deux フィリッポ・メネゲッティ 最終選考[22]
2021
(第94回)
TITANE/チタン Titane[23] Titane ジュリア・デュクルノー 落選
2022
(第95回)
サントメール ある被告 Saint Omer[24] Saint Omer アリス・ディオップ

最終選考

脚注

[編集]
  • ^A ロシア語題: Восток-Запад
  1. ^ この部門は以前は「外国語映画賞」と呼ばれていたが、アカデミーが「外国」という言葉が時代にそぐわないと判断したために2019年4月に国際長編映画賞に変更された[1][2]

参考文献

[編集]
全般
個別
  1. ^ Academy announces rules for 92nd Oscars”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 12 July 2019閲覧。
  2. ^ Academy Announces Rule Changes For 92nd Oscars”. Forbes. 12 July 2019閲覧。
  3. ^ a b Special Rules for the Best Foreign Language Film Award”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2007年8月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月22日閲覧。
  4. ^ a b History of the Academy Awards - Page 1”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2008年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月22日閲覧。
  5. ^ a b History of the Academy Awards - Page 2”. Academy of Motion Picture Arts and Sciences. 2008年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年8月22日閲覧。
  6. ^ Kadivar, Darius (2007年9月19日). “Persepolis to Represent France at Hollywood Oscars 2008!”. Payvand.com. 2009年5月26日閲覧。
  7. ^ France names 'Of Gods and Men' in Oscar bid”. hollywoodreporter. 2010年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月2日閲覧。
  8. ^ 9 Foreign Language Films Continue to Oscar Race”. oscars.org. 2011年1月19日閲覧。
  9. ^ 63 Countries Vie for 2011 Foreign Language Film Oscar”. oscars.org. 2011年10月14日閲覧。
  10. ^ “'Intouchables' selected for Oscar race”. Variety. (18 September 2012). http://www.variety.com/article/VR1118059397/ 18 September 2012閲覧。 
  11. ^ 9 Foreign Language Films Vie For Oscar”. Oscars. 2012年12月21日閲覧。
  12. ^ Renoir représentera la France aux Oscars 2014”. L'Express. 2013年9月16日閲覧。
  13. ^ Oscars: France Selects 'Saint Laurent' for Foreign-Language Category”. Hollywood Reporter. 22 September 2014閲覧。
  14. ^ Richford, Rhonda (22 September 2015). “Oscars: France Selects 'Mustang' As Foreign-Language Submission”. The Hollywood Reporter. 22 September 2015閲覧。
  15. ^ Ford, Rebecca (14 January 2016). “Oscar Nominations: The Complete List”. The Hollywood Reporter. 14 January 2016閲覧。
  16. ^ Richford, Rhonda (26 September 2016). “Oscars: France Selects 'Elle' for Foreign-Language Category”. The Hollywood Reporter. 2017年2月12日閲覧。
  17. ^ Richford, 2017 by Rhonda (19 September 2017). “Oscars: France Selects '120 Beats Per Minute' for Foreign-Language Category”. The Hollywood Reporter. 19 September 2017閲覧。
  18. ^ Richford, Rhonda (21 September 2018). “Oscars: France Selects 'Memoir of War' for Foreign-Language Category”. The Hollywood Reporter. 21 September 2018閲覧。
  19. ^ Keslassy, Elsa (20 September 2019). “Ladj Ly's Cannes Prize-Winner Les Miserables Is France's Oscar Submission”. Variety. 20 September 2019閲覧。
  20. ^ Oscar Nominations 2020: The Complete List of Nominees”. The Hollywood Reporter (13 January 2020). 16 January 2020閲覧。
  21. ^ Keslassy, Elsa (19 November 2020). “Filippo Meneghetti's 'Two of Us' to Represent France in Oscar Race”. Variety. 19 November 2020閲覧。
  22. ^ Davis, Clayton (9 February 2021). “Oscars Shortlists Announced in Nine Categories”. Variety. 10 February 2021閲覧。
  23. ^ Oscars: France Selects 'Titane' As International Feature Submission”. Deadline (12 October 2021). 12 October 2021閲覧。
  24. ^ Goodfellow, Melanie (23 September 2022). “Oscars: France Selects Alice Diop’s ‘Saint Omer’ For Best International Film Race”. Deadline.com. 23 September 2022閲覧。