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函館記念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

函館記念(はこだてきねん)は、日本中央競馬会(JRA)が函館競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。競馬番組表での名称は「農林水産省賞典 函館記念(のうりんすいさんしょうしょうてん はこだてきねん)」と表記している。

函館記念
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 函館競馬場
創設 1965年8月29日
2024年の情報
距離 芝2000m
格付け GIII
賞金 1着賞金4300万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(特指)
負担重量 ハンデキャップ
出典 [1][2]
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正賞は農林水産大臣賞、函館市長賞[1][2]

概要

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函館競馬場で行われる重賞競走では、最も歴史が長い[3]

1965年に4歳(現3歳)以上の競走馬によるハンデキャップの重賞競走として創設[4]され、函館競馬場の芝2400mで施行されたのが始まり。1968年からは距離が芝2000mに変更され、現在に至っている[4]。2006年より、夏季競馬を盛り上げるため設けられたサマー2000シリーズの第2戦(2025年からは第1戦)に指定されている[4]

外国産馬は1978年から、地方競馬所属馬は1996年と1998年以降出走可能になり[5]、2009年からは国際競走となり、外国馬も出走可能になった[6]

競走条件

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以下の内容は、2024年現在[1][2][7]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上

  • 2023年7月15日以降2024年7月7日まで1回以上出走馬(未出走馬および未勝利馬を除く)
  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:ハンデキャップ

賞金

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2024年の1着賞金は4300万円で、以下2着1700万円、3着1100万円、4着650万円、5着430万円[1][2]

歴史

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  • 1965年 - 4歳以上の馬による重賞として創設、函館競馬場の芝2400mで施行[4]
  • 1966年 - 名称を「農林省賞典 函館記念」に変更[5]
  • 1978年
    • 名称を「農林水産省賞典 函館記念」に変更。
    • 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[5]
  • 1984年 - グレード制施行により、GIII[注 1]に格付け[4]
  • 1996年
    • 「函館競馬場開設100周年記念」の副称を付けて施行[5]
    • この年のみ特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる[5]
  • 1998年 - 特別指定交流競走に再び指定される[5]
  • 2001年 - 馬齢表示を国際基準へ変更したことに伴い、出走条件を「3歳以上」に変更[5]
  • 2004年 - 「日本中央競馬会創立50周年記念」の副称を付けて施行[5]
  • 2006年 - 「サマー2000シリーズ」の対象競走に指定[4]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[8]
  • 2009年
    • 国際競走に指定され、外国調教馬が8頭まで出走可能となる[6]
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更[6]
  • 2012年 - 「近代競馬150周年記念」の副称を付けて施行[9]
  • 2014年 - 「JRA60周年記念」の副称を付けて施行[10]
  • 2016年 - 「函館競馬場開設120周年記念」の副称を付けて施行[11]
  • 2020年 - 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、「無観客競馬」として実施[12]
  • 2025年 - 施行時期を6月に変更予定。これにより函館競馬の締めくくる重賞は函館2歳ステークスとなる。

歴代優勝馬

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コース種別の記載がない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1965年8月29日 函館 2400m クリベイ 牡4 2:31.0 保田隆芳 尾形藤吉 栗林友二
第2回 1966年7月10日 函館 2400m メジロボサツ 牝3 2:32.0 矢野一博 大久保末吉 北野俊雄
第3回 1967年8月6日 函館 2400m リユウズキ 牡3 2:30.4 郷原洋行 矢倉玉男 福井章哉
第4回 1968年8月4日 函館 2000m リユウズキ 牡4 2:01.0 加賀武見 矢倉玉男 福井章哉
第5回 1969年7月27日 函館 2000m クリカシワ 牡4 2:02.8 簗田善則 柏谷富衛 栗林友二
第6回 1970年9月13日 函館 2000m メジロアサマ 牡4 2:03.4 池上昌弘 保田隆芳 北野豊吉
第7回 1971年8月1日 函館 2000m メジロムサシ 牡4 2:02.4 横山富雄 大久保末吉 メジロ商事(株)
第8回 1972年6月25日 函館 2000m オンワードガイ 牡4 2:03.5 蓑田早人 森末之助 (株)オンワード牧場
第9回 1973年9月9日 函館 2000m エリモカップ 牡5 2:16.4 松田幸春 大久保正陽 山本慎一
第10回 1974年8月25日 函館 2000m ツキサムホマレ 牡5 2:01.7 横山富雄 元石正雄 末岡弘
第11回 1975年8月24日 函館 2000m ツキサムホマレ 牡6 2:05.2 横山富雄 元石正雄 末岡弘
第12回 1976年8月29日 函館 2000m エリモジョージ 牡4 2:00.9 福永洋一 大久保正陽 山本慎一
第13回 1977年8月28日 函館 2000m ヤマブキオー 牡7 2:01.1 蓑田早人 森末之助 清水一郎
第14回 1978年7月9日 函館 2000m バンブトンコート 牡3 2:01.0 伊藤清章 伊藤修司 樋口正蔵
第15回 1979年8月19日 函館 2000m エンペラーエース 牡4 1:59.0 鹿戸明 鹿戸幸治 新下帝次郎
第16回 1980年8月17日 函館 2000m サーペンプリンス 牡3 2:04.9 谷原義明 大久保末吉 (有)内藤
第17回 1981年8月23日 函館 2000m ホーワセキト 牡3 2:08.4 東信二 境勝太郎 高橋明治
第18回 1982年8月29日 函館 2000m カズシゲ 牡5 2:00.2 伊藤稔 須貝彦三 橋本善吉
佐々洋
第19回 1983年8月21日 函館 2000m ドウカンヤシマ 牡3 2:04.5 大塚栄三郎 田中朋次郎 新井興業(株)
第20回 1984年8月19日 函館 2000m ウインザーノット 牡4 1:59.6 柴田政人 高松邦男 (株)ホースマン
第21回 1985年8月18日 函館 2000m ウインザーノット 牡5 1:59.2 柴田政人 高松邦男 (株)ホースマン
第22回 1986年8月17日 函館 2000m ニッポーテイオー 牡3 1:58.6 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第23回 1987年8月23日 函館 2000m ウインドストース 牡4 2:00.2 加藤和宏 二本柳俊夫 福島徳佑
第24回 1988年8月21日 函館 2000m サッカーボーイ 牡3 1:57.8 河内洋 小野幸治 (有)社台レースホース
第25回 1989年8月20日 函館 2000m スピークリーズン 牡3 2:00.2 安田富男 尾形充弘 竹﨑満
第26回 1990年8月19日 函館 2000m ラッキーゲラン 牡4 1:59.5 内田浩一 池江泰郎 ロイヤルファーム(有)
第27回 1991年8月18日 函館 2000m メジロマーシャス 牡6 1:59.1 田原成貴 池江泰郎 メジロ商事(株)
第28回 1992年8月23日 函館 2000m ヒガシマジョルカ 牝4 2:00.6 的場均 尾形充弘 (有)ヤナガワ牧場
第29回 1993年8月22日 函館 2000m ゴールデンアイ 牡5 2:04.6 藤田伸二 柄崎孝 高橋賢一
第30回 1994年8月21日 札幌 2000m ワコーチカコ 牝4 2:01.6 藤田伸二 伊藤雄二 石田隆夫
第31回 1995年8月20日 函館 2000m インターマイウェイ 牡5 2:02.4 藤田伸二 中村均 松岡留枝
第32回 1996年8月18日 函館 2000m ブライトサンディー 牝4 1:59.8 横山典弘 荻野光男 中村和夫
第33回 1997年6月29日 函館 2000m アロハドリーム 牡4 1:59.3 加藤和宏 岩城博俊 喜田啓照
第34回 1998年7月5日 函館 2000m パルブライト 牝6 2:00.4 木幡初広 杉浦宏昭 木浪巖
第35回 1999年7月4日 函館 2000m ジョービッグバン 牡4 2:02.0 田面木博公 坪正直 上田けい子
第36回 2000年7月23日 函館 2000m クラフトマンシップ 牡5 2:02.7 勝浦正樹 後藤由之 (有)サンデーレーシング
第37回 2001年7月22日 函館 2000m ロードプラチナム 牡5 2:02.4 松永幹夫 伊藤雄二 (株)ロードホースクラブ
第38回 2002年7月21日 函館 2000m ヤマニンリスペクト 牡5 2:05.1 横山賀一 浅見秀一 土井薫
第39回 2003年7月27日 函館 2000m エアエミネム 牡5 1:59.9 蛯名正義 伊藤雄二 (株)ラッキーフィールド
第40回 2004年7月25日 函館 2000m クラフトワーク 牡5 2:00.6 横山典弘 後藤由之 (有)サンデーレーシング
第41回 2005年7月24日 函館 2000m エリモハリアー 騸5 2:00.7 北村浩平 田所秀孝 山本敏晴
第42回 2006年7月23日 函館 2000m エリモハリアー 騸6 2:05.1 安藤勝己 田所秀孝 山本敏晴
第43回 2007年7月22日 函館 2000m エリモハリアー 騸7 2:02.8 武幸四郎 田所秀孝 山本敏晴
第44回 2008年7月27日 函館 2000m トーセンキャプテン 牡4 2:00.3 藤岡佑介 角居勝彦 島川隆哉
第45回 2009年7月26日 札幌 2000m サクラオリオン 牡7 2:00.6 秋山真一郎 池江泰郎 (株)さくらコマース
第46回 2010年7月25日 函館 2000m マイネルスターリー 牡5 1:58.5 D.ホワイト 加用正 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第47回 2011年7月24日 函館 2000m キングトップガン 牡8 2:00.3 横山典弘 鮫島一歩 池田豊治
第48回 2012年7月15日 函館 2000m トランスワープ 騸7 2:00.4 大野拓弥 萩原清 (有)キャロットファーム
第49回 2013年7月14日 函館 2000m トウケイヘイロー 牡4 1:58.6 武豊 清水久詞 木村信彦
第50回 2014年7月20日 函館 2000m ラブイズブーシェ 牡5 2:00.1 古川吉洋 村山明 小林祥晃
第51回 2015年7月19日 函館 2000m ダービーフィズ 牡5 1:59.1 岩田康誠 小島太 (有)社台レースホース
第52回 2016年7月17日 函館 2000m マイネルミラノ 牡6 1:59.0 丹内祐次 相沢郁 サラブレッドクラブ・ラフィアン
第53回 2017年7月16日 函館 2000m ルミナスウォリアー 牡6 2:01.2 柴山雄一 和田正一郎 (有)サンデーレーシング
第54回 2018年7月15日 函館 2000m エアアンセム 牡7 1:59.8 藤岡佑介 吉村圭司 (株)ラッキーフィールド
第55回 2019年7月14日 函館 2000m マイスタイル 牡5 1:59.6 田中勝春 昆貢 寺田千代乃
第56回 2020年7月19日 函館 2000m アドマイヤジャスタ 牡4 1:59.7 吉田隼人 須貝尚介 近藤旬子
第57回 2021年7月18日 函館 2000m トーセンスーリヤ 牡6 1:58.7 横山和生 小野次郎 島川隆哉
第58回 2022年7月17日 函館 2000m ハヤヤッコ 牡6 2:03.6 浜中俊 国枝栄 金子真人ホールディングス(株)
第59回 2023年7月16日 函館 2000m ローシャムパーク 牡4 2:01.4 C.ルメール 田中博康 (有)サンデーレーシング
第60回 2024年7月14日 函館 2000m ホウオウビスケッツ 牡4 1:59.2 岩田康誠 奥村武 小笹芳央

同名の競走

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現行の函館記念が創設される以前、1951年から1964年までの間にも『函館記念』という名称の競走が施行されていた。競走条件は4歳(当時の馬齢呼称)以上、負担重量はハンデキャップで、現在でいうところのオープン特別競走という取り扱いになっていた。

この時期の優勝馬にはシラオキトラツクオータカオーオンワードゼアなどといった馬が名を連ねている。

優勝馬

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馬齢表記はすべて旧表記。

施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1951年8月16日 札幌 砂2400m シラオキ 牝6 2:34.2 清田十一 伊藤勝吉 伊藤由五郎[13]
1952年8月3日 函館 芝2400m トラツクオー 牡5 2:45.2 小林稔 久保田金造 岩本政一[14]
1953年8月16日 函館 芝2400m イカホザン 牝5 2:35.2 高松三太 斎藤籌敬 大森武[15]
1954年8月15日 函館 芝2400m タカオー 牡4 2:33.1 浅野武志 上村大治郎 高須銀次郎[16]
1957年8月25日 函館 芝2400m オンワードゼア 牡4 2:41.0 二本柳俊夫 大久保房松 樫山純三[17]
1961年8月27日 函館 芝2400m ハローモア 牡6 2:36.5 保田隆芳 尾形藤吉 エス・ワイ[18]
1962年7月29日 函館 芝2400m ヒカルポーラ 牡4 2:32.3 高橋成忠 佐藤勇 坪田喜之助[19]
1963年8月18日 函館 芝2400m ベルソーナ 牡4 2:34.1 野平祐二 野平省三 永野静江[20]
1964年7月26日 函館 芝2400m マルサキング 牡4 2:36.5 野平祐二 土田順三 鈴木耕之助[21]

脚注・出典

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参考文献

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  • 「農林水産省賞典函館記念(GIII)」『中央競馬全重賞成績集【古馬関東編】』日本中央競馬会、2006年、1008-1067頁。 

注釈

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  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

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  1. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 26 (2024年). 2024年7月21日閲覧。
  2. ^ a b c d 2024年第1回函館競馬番組(第7~12日)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  3. ^ 函館記念特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2015年7月14日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 歴史・コース:函館記念 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h 中央競馬全重賞成績集【古馬関東編】
  6. ^ a b c 第1回 札幌競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 2167-2169 (2009年). 2016年7月18日閲覧。(索引番号: 19141)
  7. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(夏季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年7月21日閲覧。
  8. ^ 第2回 函館競馬 第8日” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 11 (2007年). 2020年7月21日閲覧。(索引番号: 21045)
  9. ^ 2012年の成績表参照。
  10. ^ 2014年の成績表参照。
  11. ^ 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 26 (2016年). 2021年7月19日閲覧。
  12. ^ 7月4日(土曜)から19日(日曜)までの中央競馬の開催等について(7月6日(月曜)更新)”. 日本中央競馬会 (2020年6月26日). 2020年7月6日閲覧。
  13. ^ 『国営競馬成績公報』農林省畜産局競馬部、1951年、558頁。 
  14. ^ 『国営競馬成績公報』農林省畜産局競馬部、1952年、650頁。 
  15. ^ 『国営競馬成績公報』農林省畜産局競馬部、1953年、813頁。 
  16. ^ 『競馬成績公報』日本中央競馬会、1954年、892頁。 
  17. ^ 『競馬成績公報』日本中央競馬会、1957年、969頁。 
  18. ^ 『競馬成績公報』日本中央競馬会、1961年、1109頁。 
  19. ^ 『競馬成績公報』日本中央競馬会、1962年、1068頁。 
  20. ^ 『競馬成績公報』日本中央競馬会、1963年、1296頁。 
  21. ^ 『競馬成績公報』日本中央競馬会、1964年、1340頁。 

各回競走結果の出典

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外部リンク

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